コードギアス 亡国のアキト 4章 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレアニメ>コードギアス 亡国のアキト 4章

執筆日2015年08月01日

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評論

本来は4章構成だったが5章まで延長された本作。6月の3章から間を置かずしての4章の公開である。
PSSTOREでは8月1日よりレンタル開始なのでさっそく見てみた。

3章で登場した方舟の恐怖からEU全体が恐慌状態に陥っていた。油田爆破などはブラフだったものの、空中に方舟自体は確かに存在しているのは確認したため、方舟を抑えるため、2章のようにレイラをリーダーとする、アキト、リョウ、ユキヤ、アヤノたち4人、ワイバァン隊はまたもロケットによる超長距離移動を行い、今度は方舟へ直接乗り込む。しかし今度はレイラは指揮官として拠点のヴァイスボルフへ残った。
同じ頃、シン・ヒュウガ・シャインはシャトルのような装置で腹心の部下のジャン・ロウと2人で、レイラ・マルカルのいるヴァイスボルフ城へと飛び立ったのであった。

方舟へ到着すると、なにやら様子がおかしい。容積の割りに極端に質量が少ない方舟には、内部に無人のドローン機のナイトメアしかいない。ただ一人、シンの部下のアシュレイを除いて。彼は2章で殺された部下のヨハネの仇を討つため、単身でアキトを待ち構えていた。強力な装甲とガトリングガンを持つナイトメアに乗った彼に苦戦するワイバァン隊だが、シンのギアスの力によるブースト効果を得たアキトは2章でアシュレイを圧倒したようにまたも超人的なナイトメア操縦によりアシュレイを圧倒する。
一方、レイラはスマイラス将軍の「レイラが素性を明かして国民を説得すれば恐慌も収まる」という提案により、EU中に演説を行う。実際その通りになり、国民たちの暴動は収まった。
そして戦い続けるアキトとアシュラ。かつてヨハネを殺したときのように背後から刃を突きつける瞬間、アヤノの声で我に返り、刃を逸らすアキト。しかしむき出しになったアシュレイをわしづかみにし、そのまま握りつぶそうとする。が、今度はブレインレイドシステムで意識が繋がったリョウ、ユキヤ、アヤノの3人の意思により、殺人を犯すことをすんでのところでとめる。
そしてアシュレイに対してアキトは「お前の仲間を殺した、撃てばいい」と言う。アシュレイは拳銃の引き金を葛藤の中で引いてしまうが、直前に弾は撃ちつくしており、尽きていた。そこで方舟にしかけられていた時限爆弾が爆発。城にいるレイラたちから、アキトたちの安否が分からなくなってしまう。

アキトが死んでしまったと思い茫然自失とするレイラ。しかも、城付近に侵入者が現れたことを示す警報が。シンとジャンである。レイラに対して副指令のクラウス・ウォリックが檄を飛ばし、レイラを奮い立たせる。
この一方、シンの継母であるマリア・シャイングとアリス・シャイングの親子は、同時に互いの心臓をナイフで貫き、絶命する。
森の中を時速140km超で迫り来るシンのヴェルキンゲトリクス。森に配置された迎撃システムを全稼働させるも、彼を止めることはできず、城の目前まで迫られてしまう。が、城の周囲に巨大な防護壁を作り出すことで、直接的な侵入、襲撃は止めることができた。

シンが眼前に迫るも、とりあえずは一時的に安全を確保できたと安堵する一同。一方、スマイラス将軍が演説を行い、「レイラは死んだ」とする虚偽の情報を国民に吹き込む。レイラはいわば生贄にされたのであり、こうしてスマイラス将軍の属する軍部がユーロピア連合の実権を握ることに成功した。
そして、クラウス副指令が実はユーロブリタニア側のスパイであったことを明かす。スマイラス将軍に情報を流したのも彼だった。彼は娘の件で弱みがあり、それゆえにスパイを行っていた。レイラはそれを分かりながらも泳がせていたのだった。クラウスはスパイでありながらも城内部のスタッフに対しての情は持っていて、レイラに対して降伏を推奨する。
その通りに降伏の意思を示すため、レイラはクラウスと共にシンとジャン、その部下たちが待つ遺跡へと船で向かう。そこでシンに対してアキトとの件で詰め寄るレイラ。シンの目的は皇帝のいるブリタニア本国を強襲し、世界を混乱に陥れることだという。そしてレイラの話す綺麗事が気に入らないシンはギアスの力で「死ね」とレイラに命令するも、レイラが幼い頃にC.C.によりかけられているギアスの力でそれを無効化する。この際、レイラの瞳には赤ではなく青の紋章が浮かび上がった。力を跳ね返され、うろたえるシンだったが、部下に対してレイラもクラウスも銃殺しろと命じた。

しかしここで上空からユキヤによる狙撃が一帯を遅い、レイラとクラウスは難を逃れる。アキトたちは、爆発した方舟を補修した状態でそのまま利用していたのだった。
アキトも空中から現れ、シンの前に立ちはだかる。アシュレイもアキトの乗るアレクサンダの上に乗っており、クラウスを連れて逃亡する。
シンからレイラを殺せと命令されるも、それを跳ね返し、レイラを連れてクラウスが運転する船の上に着地。そのまま逃げ去る。
一方、ユキヤはシンが読んだ軍勢に対して爆弾を落として一掃するも、シンにより場所を特定されており、地上からの砲撃で方舟もろとも砲撃を受け、安否不明のまま4章は幕を閉じる。

ここから感想。色々疑問が出たので下にまとめてみる。

といったところだろうか。前の章の感想でも書いたが、シンってキャラのことがどうにもわからんのだよなあ。幼い頃一族皆殺しにした理由が未だに分からない。今回は割と饒舌に、小物っぽい物言いでレイラに対してムキになって話す。要するに世界全部が憎い、ぶっ壊したい、という割とよくある悪人像だったということなんだろうが、そもそもなんでそうなったの?っていうね。そこ重要でしょうよ。何かしらのバックボーンが必要なところだ。そういえばなんでアキトだけギアスで死なないのかとか、基幹設定だけどそれも未だに謎よね…。 ただ、3章までシンが見ていていけすかない感じだったので、小物っぽくなった今回でちょっと印象は良くなった。
もう次で終わってしまうのだが、こういう謎は全部氷解するのだろうか?きっとしないんだろうなあ。

最後のアキトたちの登場が意外ではあったが、どうも描かれていない部分に疑問があるのもあって、なんかご都合主義、また演出がちょっと臭いと感じた。レイラを殺そうと思えば何度も殺せてるような状態でグダグダしているうちに結局アキトには逃げられるし、すげー足の速いヴェルキンゲトリクスに乗っているのに追わないしとか、レイラたちの救出劇はかなり強引な展開だった。

ストーリーはともかく、方舟内でのワイバァン隊VSアシュレイの戦いは本当に物凄いクオリティだった。1〜3章までだと2章の市街地戦が最もアクロバティックで、尺も長くて見ごたえのあるものだったが、方舟内の細いパイプのようなものを飛び回ってガトリングを回避しつつアシュレイに迫るアレクサンダのアクションが本当に見事で2章以上とも。ロボットアクションでこれほどのクオリティのものなんてそうはないだろう。ストーリーに不満があっても、とりあえず、ここだけでも見る価値があるとは思えるくらいには凄いものだった。

項目別評価

2章の市街戦と同等以上の、方舟内の戦闘描写だけはただただ圧倒的。知った風なことを書くと、ロボアニメにおいてこれ以上はないんじゃ?というほどのとてつもないクオリティ。劇場で見たらマジ鳥肌もんだったと思う。
ストーリーや構成に難ありかなあと。上で羅列したもの以外だと、3章では偽りの情報で簡単にかく乱され、今回は逆にレイラの言葉で簡単に希望を抱き始め、レイラが死んだというスマイラスの嘘で嘆き悲しむ。そういう国民がいくらなんでも衆愚すぎるとか、牢屋内での1分もないシーンだけの出番だったルルーシュ(ジュリアス)とスザクは、所詮ただの客寄せだったんだね、という感じ。
1章から通しての主題歌のモアザンワーズが流れ始めてもう終わりかと思わせてその後まだまだ続いたのは演出として良かった。
最終章は2月16日だそうで。最後は90分くらいのボリューム期待したい。

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