ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 -凡人の感想・ネタバレ-

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執筆日2014年10月31日

評論

2014年現在、家庭用ゲーム業界が斜陽であるのは、ある程度ゲーム好きならば誰しもが知っているところであろう。
スマホゲームの台頭、情報化社会による多趣味化、様々な要因があるだろうが、ともかく家庭用ゲーム界というのは、例えばかつて大衆の娯楽として一時代を築いたプロレスが見る影もないのと同じように、消え去りはせずとも灯火のように細々と存続するのみになるのではないか、そんな寂寥を持たずにはいられない今日である。

とかなにか知ったようなことを書いたが、このページは2011年に発売された「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」の感想ページだ。それについて語ろう。

2011年に発売されたゲームを今更にレビューするというのはあれなのだが、それもこの作品について語りたい部分があるからこそだ。
簡潔に言うと、「この時代によく人気新作シリーズを生み出した」ということだ。

昨今の家庭用ゲーム業界はメーカー、ジャンル問わず苦戦を強いられているのは間違いない。90年代の黄金期を知っている人間ならば、最近のゲームの売り上げを見て「少なっ!」と思ったこともあるのではないだろうか。自分はポケモンが1000万以上の売り上げのまま年単位で週刊ファミ通の売り上げランキングを見ていた記憶があるので、最近の売り上げを見るたびにそういう感情が沸くものだ。いや、ポケモンを例にするのは間違っていた。むしろ最近でも大作シリーズはよく売れている。

そう、大作シリーズは近年でも売れるのだ。
ネットの普及に伴ってユーザーが賢く慎重になったからか、ゲーム自体の売り上げは減少している。しかし、大作ゲームは鉄板だから売れるのだ。ネットの評判とかはあまり関係ない。ポケモンだから、モンハンだから買うのだ。逆に、良いゲームでもあまり売り上げが芳しくないのが近年の傾向だと思う。
そうなるともちろん、メーカー側として博打は打てなくなる。

そこでこのダンガンロンパの話に戻るのだが、だからこそ、こんな時代によくこんな灰汁の強いゲームを出して、しかもシリーズ化するほどの人気作になったのはすごいと思う。発売当時、公式サイトを見て「なんとも奇抜そうなゲームだなあ」と感じていたのだが、まさか2や外伝まで出るような作品になるとは。この作品、やってみればわかるのだがキャラゲーであり、どこかB級テイストというか、安っぽさ、低予算臭さを感じられずにはいられない。
スパイクチュンソフトという発売メーカー自体、さほど大きくない企業であるのだが、しかしだからこそ工夫を凝らし、アイデアを練り、低予算でも出来ることを考えて生まれたゲームなのだと思う。まあ自分が勝手に思っているのだが、このゲームの色はカプコンやスクエニなどの大手では出せない「色」であるのは間違いない。元々スパイクというと「喧嘩番長」とか色物作るメーカーだが、だからこそこのゲームが生まれたのだろう。この、大作ばかりが売れて木っ端が淘汰される時代、よくぞこういう独自性あふれるゲームを生み出してくれた。そこに拍手を送りたい。要するにここではこれが言いたかっただけである。

ヘビーなファンであるのでこの作品がシリーズ化して続くのはうれしいところで、おそらく「3」が出るであろうことももちろんうれしいのだが、いかんせん、「2」の出来が良すぎたのが不安なところでもある。1の時点で続編は考えてなかったというような話をよく聞く。2が出て、しかもほとんどの点において1を上回っていたこと自体、奇跡だったと思う。さらなる奇跡を起こせるのかどうか、期待したい。

ダンガンロンパ・江ノ島盾子 ダンガンロンパ・江ノ島盾子

PhotoshopオンリーからSAIも使うようになったところで記念に黒幕、江ノ島盾子を描きました。
好きなキャラなので以前よく描いてたが、今回何も見ないで久しぶりに描いたので上着とかスカートの丈がちょっと違いすぎた。

項目別評価

自分自身、キャラクターや世界観に魅せられたヘビーなファンであるのでそこを凄く贔屓目に。とはいえ、客観的に見てもキャラゲーであるのは明らかなのでこのゲームが好きならばほとんどの場合はきっとキャラクターが好きなんだと思う。

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