ドラゴンズクラウン -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレゲーム>ドラゴンズクラウン

執筆日2014年11月26日

評論

ゲームは画面が綺麗なほどに良いのか?面白いのか?
良い悪いで言えば良いにきまっているが、面白いかどうかで言えば自分は「全く関係ない」と思っている。まあこれは時代が進んでどのメーカーが作る3Dモデルもどれも及第点にまでは到達したから言えることではあるのだが。PSからPS2初期くらいにかけては、正直なところ荒いポリゴンを見てやる気がそがれたということはあったかもしれない。だがそれは稀な例であったし、ラジアントヒストリアのレビューで書いたように、基本的にはゲームの画面が綺麗、汚い、ということはそのゲームの評価に大きく関連するところではない、というのが自分の持論である。

だが、2013年に発売されたドラゴンズクラウン。
長くゲームをプレイしてきたが、その中でただ一つ、全ゲームの中で唯一、「グラフィックを堪能するだけでもプレイする価値がある」と評価できるゲームである。

今日びゲーム画面なんて動画サイトでいくらでも見れるので具体的には割愛するが、「息を呑むほど美しい」とゲームで思ったのはこのゲームくらいだ。
発売はアトラスだが、開発はヴァニラウェアという会社。この会社は元々、「オーディンスフィア」や「朧村正」など、大ヒットはしないが独特の幻想的なグラフィックと、通好みのゲームを作ることで有名だった。そしてこのドラゴンズクラウンは一つの集大成といえるべき作品だと思う。過去作同様、独特なグラフィックが特徴であるが、過去のそれらとは比較にならないほど恐ろしく緻密で美しい。

ゲーム性は80年代から90年代に隆盛を極めた、もはや絶滅したジャンルの2Dベルトスクロールアクションである。これにレベルや装備などRPG要素を付け足したものであり、最も近いところではカプコンから発売された「ダンジョンズ&ドラゴンズ」が挙がる。このゲーム性だけでも、おっさんゲーマーはニヤリとしてしまうものだ。まさか2013年にもなってこのジャンルのゲームがここまで作りこまれて発売されるなど誰も思っていなかったはずだ。

しかし、繰り返すが何よりこのゲームの注目すべきはグラフィックだ。
まずその性アピール全開なプレイヤーキャラクターが最も目につくところだが、モンスターではゴブリン、スケルトン、ハーピー、ドラゴン、ロケーションでは遺跡や洞窟、幽霊船など、もはや使い古されすぎて最近では珍しいとも思えるほどド定番なものも、これほど美しく表現されるとまた新鮮に見えてしまう。とにかく息を呑むというほかない。

ステージクリア式のゲーム性なのだが、ダンジョンの数自体はそう多いものではない。しかしそれでもゆうに100時間ほどはプレイしたと思う。それがこのグラフィックの魅力によるものであることは間違いない。思えば、プレイしなくなったのもそのグラフィックにようやく慣れ、飽きたから、というのが大きいかもしれない。

グラフィックを堪能するだけでも価値があるゲーム。自分はそう認めるが、ゲーム部分も面白い。2014年にもなってしまった今ではもはやプレイしているのはいわゆる廃人ゲーマーのみかもしれないが、一人でもプレイできるようになっている。気になる人は是非ともプレイしてもらいたい。

ドラゴンズクラウン・ソーサレス

プレイヤーキャラの一人、ソーサレス。でかい。とにかくでかい。この絵も公式と比べれば控えめである。

項目別評価

映像に関してははっきり言って10でも足りないくらい。これのおかげでキャラクターや世界観の項目も引き上げてられているという感じ。ゲーム性は要するにどんどん強いものを集めては捨て、集めては捨て、という感じでガンガン新陳代謝するもので、ステージ数はそれほど多くないのもあって単調な流れになるといえばそうだ。

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