ファイナルファンタジーT(FF1) 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

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執筆日2015年02月17日

評論

2015年にもなって、初代「ファイナルファンタジー」の評価をしたい。「何のレビューを書こうかなー」とゲームが並べられた部屋の棚を見ていて目についたから。このサイトのスタンスは古今を問わずレビューする、
リメイクがいくつも存在しているが、ここでは自分が10年前くらいにプレイしたPS版のものについてとなる。またも思い出しレビューなので色々おかしいところはあるかもしれない。

ファイナルファンジー1、FF1はシリーズ最初の作品であり、またFFシリーズの代名詞に近いジョブシステムも1作目でありながら採用している。リアルタイム世代ではないが、1987年当時としては画期的なシステムだったらしい。ドラクエVよりも先にキャラメイクシステムを採用しているのだ。また、戦士からナイト、モンクからスーパーモンクといったクラスアップシステムも存在しており、どのジョブにしてゲームを進めるのかというのは最重要だ。確か戦士、シーフ、白魔術士、黒魔術士というパーティを組んでゲームを進めていったと思う。

もうプレイしたのは随分前だが、このゲームにおいて最も印象に残っていることと言うと、「攻撃が当たらない」ということと「敵の先制攻撃率が異常に高い」ということだ。
敵に攻撃が当たるという、RPGにおいては当たり前すぎる事象すらままならないゲーム性には当時驚愕した。詳しく調べてはいないが、これはステータスの低さゆえに起きるのだろう。だからレベルが上がってくるにつれて徐々に改善されるのでまだいい。だが、敵の先制攻撃率の高さという点については確か終盤までずっとついて回る問題だったと思う。

そして未だに強烈に印象に残っているのだが、中盤訪れるダンジョンで「氷の洞窟」という場所がある。
ここに出現するダークウィザードという敵はきわめて高い先制率(出現したら5回に4回くらいは先制される)上に、4体くらい同時出現し、その全員が「ガ」系黒魔法、あるいは全体即死魔法の「クラウダ」を使ってくるのだ。つまり、出会っただけで死が約束されるステキなモンスターだ。

これ以外にも、FF1には色々バランス的に問題が多い。
まず、エンカウント率が相当に高い。しかも敵も強めであり、PS版だと魔法使用回数が制限されていて宿屋に泊まらない限りは回復しない仕様だ。つまり長いダンジョンにおいて毎度毎度戦闘で敵を倒していたら到底もたないため、序盤から終盤まで通して、戦闘から逃げることが多くなる。
また、ダンジョンの特定の位置には強力なモンスターが設置されていて強制エンカウントとなるのだが、これが初見殺しもいいところ。何せどこに固定モンスターがいるかなんて見た目では分からないのだ。そういうわけだから、必然的に全滅する機会が多くなる。「ガントレット」や「いやしのかぶと」などの使用することで魔法効果を得られる装備品を入手できる頃からは楽になってくるのだが。

当時これを体験して「バランス悪いな!」とは思いつつもなんかクセになってのめり込んでいったのを覚えている。

家庭用ゲームの歴史というのは全体的に「難易度の低下」の歴史と言える。RPGでもアクションでも、難易度の平均は昔の方が高い。それはユーザーの受け皿を広くはしたかもしれない。しかし歯ごたえという点は失われてきたのも確かだろう。このFF1も古典RPGなので難易度は高い。固定位置に出現する強敵による理不尽な攻撃力や無闇に発生する敵の先制攻撃により全滅すること多数。しかし難しいゲームというのはやり応えを感じさせるものであるのも確かで、息も絶え絶えにダンジョンを彷徨ったからこそ、ボスを倒した時の達成感は格別だ。

FF1は世代でないものの、FF5とかFF6はリアルタイム世代。FF5で言うならばオメガや神竜、FF6で言うならば三角島にいるねむれるしし、恐竜の森に出現するブラキオレイドスなど、さほど説明もなくとんでもなく強い敵が置かれているのって、ゲームにおいて語り草、話題になる筆頭だった。こんな強いのどうすんだよ!みたいな敵に遭遇するとなんかワクワクするんだよね。
ストーリー、演出、そういうのどうでもよく、つえー敵がいる!さあどうやって突破する!?というのに気を取られるのもいいな。FF1を楽しんでいた当時、そんなことを思ったのだった。「ゲーム」が楽しいというものの本質はここにあるような気がする。映像とかストーリーとかキャラクターとかそういうのとは完全に隔絶されたゲーム性、そんな部分。難所が用意され、それを突破することができるだけで、ゲームってわりかし面白いんじゃないかなと、こういう昔のバランス悪めなゲームをプレイすると思うのだった。

項目別評価

大雑把、ピーキーなゲーム性だが、それがまたクセになる。そんなゲームだったと記憶している。とりわけ氷の洞窟では何度も何度も全滅し「ふざけんな!」と叫びつつも、総合的にはかなり楽しんだ。ダンジョンが深く長いだけに、クリアした時の達成感も強い。
BGMに関してはFFシリーズでも上位に好き。特に4体いるカオス戦で流れる特殊戦闘BGMが好きだった。

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