オール・ユー・ニード・イズ・キル -凡人の感想・ネタバレ-

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執筆日:2014年11月14日

評論

2014年11月13日、PSSTOREでレンタルが開始されたのでさっそく見た。
原作はラノベである作品だが、以前、小畑健の漫画版を少しだけ見て面白かったので是非とも見たいと思っていた作品。

まずラノベ原作のハリウッドってのがこの作品初らしいですな。この作品を語る上では真っ先に上げられる部分。
ラノベって言えば昔で言うところのジュブナイル的位置づけなのかもしれないが、アニメ、漫画っぽいキャラクターが登場するジャンルであって、その稚拙な文章とかがよくネタにされたりと割と嘲笑の的になりやすいのであって、ラノベ→ハリウッドってのは、確かに飛躍が感じられる。まあでも特筆されてしかるべき部分だろう。こういう例が生まれたことにより、ラノベってものの社会的地位のようなものが上がったのは確かじゃないだろうか。アホほど金かけるハリウッド映画の原作に使われ、しかも主演がトム・クルーズだ。実際凄いよね。
しかし、ラノベがどうこうと色眼鏡で見る必要などまったくなく、見てみればむしろ今までなぜこういう発想がなかったのか?と疑問に思うほどに単純にSFとして面白い映画だった。

いくら死んでもやり直せる主人公が無限コンテニューしつつ地球侵略してきたエイリアン攻略の糸口を探し続けるというストーリー。ゲーム、特にアクションゲームをやったことがある人間なら、見れば必ず「スーパーマリオ」などのゲームを連想させるつくりになっている。原作小説は2004年に発売と割と古く、見てもいないが、マリオはじめ、死んでもコンテニューできるゲームから着想を得ているのはもう間違いないだろう。この設定だけでもう面白い。
最初は戸惑っていたものの、当たり前のように相棒となるヒロインに殺されることにすら慣れてしまう主人公。あまりにも酷いと言えば酷い話ではあるが、これが笑いの演出にも使われているので殺伐としているだけでもない。死んだ瞬間にまた直前に戻されるシーンを何度も続けてテンポよく見せられれば笑うしかない。

そのヒロインも過去にタイムリープ能力を持っていたのだが、現在は失っているという設定。ここは原作とは違うらしい。ヒロインのリタという女性はエミリー・ブラントという女優が演じているが、これがまたセクシー。映画に関してはミーハー、それ以下の知識しかないのでこの人のことは知らなかったが、少なくともこの作品では筋肉質ながらも十分に魅力的だ。主人公が暗にヒロインに○ックスを迫ろうとしつつも一蹴されるシーンでは吹いた。

何度も何度もコンテニューを繰り返して主人公の精神は疲弊していくが、それでも終わりなくコンテニューし続け、挑み続ける。
当初の目標となっていたドイツのダムはフェイクだった。捜し求めた敵の親玉がいる位置はパリのルーブル美術館の地下であると突き止める。
そこへ向かう道中で、タイムリープ能力を失い、コンテニューなしの一発勝負となってしまうものの、味方、ヒロイン、ついには自分も犠牲にして親玉をしとめ、全エイリアンは停止。そして死の直前にまたタイムリープ能力を得た主人公はエイリアンに人類が勝利したifの世界へと飛び、そこでヒロインと出会って大団円。

いくつか都合よい部分はあるものの、欠点という欠点はなく、エンターテイメント作品としては満点に近いのではないだろうか。ここまで掛け値なしに面白いSF作品って少ないと思う。それもこれも、死んでも記憶を引き継いだまま何度でもやり直せるという、ハリウッド映画としては前例のない設定があまりに面白いから、ということにつきる。最近では宇宙での遭難というあまり前例のない(自分が知らないだけかもしれないが)テーマを扱った「ゼロ・グラビティ」でも思ったことだが、コロンブスの卵ってやつか。ありそうでなかったことでも、最初にやるのって凄いことだ。本当に一度きりしか使えない設定だからもうこれの後追いはできないな。あまりにも特徴的なので、続編もパクリもできない、唯一無二の設定だ。

主人公は冒頭時点では臆病で弱気な、はっきり言ってしまえば小物なのだが、まず、もう50歳も過ぎたトム・クルーズが今更こんな役を演じるということに驚いた。ぶっちゃけ、客寄せという意味ではトム・クルーズはいいかもしれないが、最適な配役かというとそうではないと思う。原作では20くらいの若者らしいし、それをハリウッドに落としこむにせよ、ちょっと50歳のトム・クルーズが相応しいとは思えない部分はある。
ただ、これは無理矢理難癖をつけた場合に出てくる批判、という程度であって、個人的にはトム・クルーズは嫌いじゃないし、序盤限定とはいえ、「格好悪い」役を今の時期にやったということには好感を持った。
分かりやすいエイリアンとの戦争、主人公の成長、ヒロインとのラブストーリー、そして守られる平和。必要なものはすべて揃っており、SF映画の傑作として確実に候補に上がってくる作品だと思う。

項目別評価

初見では本当に色々と楽しませてくれる作品だった。ストーリーもややこじつけながら大団円なのは良かった。

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