バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレ映画>バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生

執筆日:2017年11月09日

あらすじ・ネタバレ

スーパーマンこと(クラーク・ケント)が前作マン・オブ・スティールで敵と戦っていた時、バットマンことブルース・ウェイン(ベン・アフレック)はその戦いの余波によって自分の会社のビルが破壊されていた。ウォレスというブルースの会社の社員は両足をガレキに挟まれて重傷を負った。スーパーマンは世界を守ったヒーローだが、その偉業の陰で犠牲になった人間もいたということだ。

1年半後のインド洋ではある物体が海底から引き揚げられていた。それは緑色に輝く鉱石だった。

アフリカのナイロミではクラークの同僚であり恋人、記者のロイス・レインがテロリストの将軍に取材をしていた。同行していた男性が発信機を持っていたのがバレたために囚われたロイス。しかし空から現れたスーパーマン、ケントによってロイスは救われた。

ブルースはホワイトポーチュギー(白いポルトガル人)と呼ばれる男を追っていた。それを追うために人身売買を行う人間に制裁を加えていて、そのニュースはケントも見ていた。

レックス・ルーサーはレックス・コープの若き経営者。彼はジューン・フィンチ議員を招いていた。そして彼はあるものに注目していた。クリプトン星のエンジンから回収した緑色の鉱石。インド洋から回収したものと同じだ。クラークが倒したゾッド将軍にこれを照射したところ肉体が弱体することを発見したため、レックスはこれに着目。クリプトン星人、そしてそれ以外の「メタヒューマン」の切り札になりうるとフィンチ議員に主張する。メタヒューマンとはスーパーマン以外にも存在し人間に紛れている超人たちのこと。この緑色の物質、「クリプトナイト」は放射性物質であるため、ルーサーは議員を呼んで輸入の許可を得ようとしていた。

事故で重傷を負ったウォレスはスーパーマンに恨みを募らせており、スーパーマンの像に落書きしていた。

クラークはバットマンのやり方は間違っているとデイリー・プラネットの編集長のペリー・ホワイトに訴えるが却下される。ロイスはナイロミでの銃撃戦に使われた弾丸に注目していた。それは一般に流通しているものでないため、一体誰が砂漠の傭兵にこれを流したのかと疑問に感じていた。

フィンチ議員はクリプトナイトの輸入は認められないとルーサーに告げた。ここでルーサーはフィンチ議員に「アメリカで一番古い嘘は?」と問う。議員は「おしっこをピーチティーであると言うこと」と答える。「殺人兵器を抑止力」と呼ぶことはそれと同じ。ピーチティーを飲んだりしないとルーサーに反発した。

ウェインが引き続きホワイトポーチュギーを追っていたところ、あるロシアの武器商人がレックスルーサーと繋がりがあることが明らかになった。ルーサーが開くパーティーに招待されたウェインはそこで潜入捜査をする。パーティーにはケントもいた。ブルースはコンピュータルームでデータを盗み取る。その作業が完了するまで一旦パーティーに戻った。そこでブルースとケントは会話。ブルースはバットマンを擁護しスーパーマンを批判、ケントはスーパーマンを擁護しバットマンを批判する。
データを吸い取る作業が終わりウェインが端末を回収に行こうとすると謎の美女がそれを先に入手し盗み出してしまった。一方ケントはブルースの挙動を怪しく思っていたが、火事のニュースを見かけたためにパーティーを飛び出し人々の救出を優先した。

落書きをして捕まっていたウォレスは誰かが保釈金を払って拘留を解かれた。金を払ったのはウォレスで、「君に手助けしたい」と言ってきた。ウォレスはフィンチ議員に会い、「自分の人生と足を奪ったスーパーマンに会わせてくれ」と言った。

ブルースの端末を盗んだ美女、ダイアナ・プリンスは博物館にいた。そこにブルースが現れる。ブルースが問い詰めると「ルーサーは私の写真を持っている」と言う。しかしロックが厳重でまだ見られないという。データは借りただけだと言い、ダイアナは端末をブルースに返した。

ブルースがその端末を解析している間いつの間にか夢に落ちていた。
その夢は悪夢のような夢だった。スーパーマンが崇拝する人類を従えて自分と敵対。そしてブルースに対して「彼女は全てだった、それをお前が奪った」と言う夢。
さらにその後は「ロイス・レインがカギだ!君は正しかった!僕たちを探せ!」と謎の言葉を残す謎の男の夢も続けて見た。
2つの夢から覚めた時データの解析は終わっていた。ホワイト・ポーチュギーというのは船の名前だった。

ホワイト・ポーチュギーの積み荷がクリプトナイトであることを見抜いたブルースはこれの輸送中に奪う計画を立てる。これを使ってスーパーマンを倒そうとするブルースに対して執事アルフレッドは「彼は敵ではありません」と言うがブルースは聞かない。
ブルースはバットマンとなって輸送中に強奪を試みるが、スーパーマンが現れ阻止されてしまった。

ロイスはワシントンにいる長官にも接触していて、ナイロミでの事件に関してはレックス・コープ社の傭兵部隊が絡んでおり、銃弾が流通していないものだったのはそれが理由だったと知る。つまりナイロミでの事件はレックス・ルーサーがjrがスーパーマンに罪をかぶせるために行ったのだった。

フィンチ議員は民主主義には対話が必要だと言い、スーパーマンを公聴会に召還した。この場にはスーパーマンに恨みを持つウォレスも出席する。しかし公聴会開始前の生中継の様子をテレビで見ていたブルース。ブルースは社員だったウォレスに対して毎月小切手を送っていたのだが、それには恨みの言葉と共にすべて送り返されていたことを知る。
そして公聴会前に再びフィンチ議員に接触したルーサーは「アメリカで一番古い嘘は力は罪じゃない」だと言う。
スーパーマンが公聴会に現れてその始まりの宣誓を行うフィンチ議員だったが、自分の席に「ピーチティー」が置いてあり、さらにレックス・ルーサーの席にルーサーがいないことを確認する。その瞬間、出席していたウォレスの車いすに隠されていた爆弾が大爆発。議会は吹っ飛んだ。フィンチ議員もウォレスも死んだ。

これを見ていたブルース。作中で描写はないがレックス・コープの研究所へ襲撃しクリプトナイトを強奪していた。そしてこれを利用して対スーパーマン用のガス弾や槍を作り出して、スーパーマンとの対決に備えていた。

一方全ての元凶のルーサーはゾッド将軍の遺体が保管されているクリプトン星人の宇宙船でゾッド将軍に自分の血を利用した蘇生措置を施していた。

そしてルーサーはクラークの母のマーサを誘拐し、スーパーマンをおびき寄せるためにロイスを屋上から突き落とす。現れたスーパーマンに対して「母親を殺されたくなければバットマンを殺せ」と命令する。マーサは時限爆弾と共に監禁されており、残り時間は1時間もない。スーパーマンはバットマンを殺すためでなく助力を求めるためにゴッサムシティへと向かった。

バットマンはやってきたスーパーマンに対して罠を仕掛けており、スーパーマンが事情を話そうとする前に戦いは始まってしまう。ついに対決することになるバットマンとスーパーマン。先制でクリプトナイト弾を受けたためにスーパーマンは大幅に弱体化。殴り合いでバットマンと互角程度まで戦闘能力が落ちてしまう。バットマンがついにクリプトナイトで作られた槍でトドメを刺そうとした時、スーパーマンの口から漏れたのは「お前のせいでマーサが死ぬ」という言葉だった。マーサというのはブルースの死んだ母親の名前でもある。トラウマになっている母親の死を思い出し、「なぜお前がその名前を知っている!」と激昂するブルース。そこにロイスが現れ、「マーサはクラークの(地球での)母親の名前よ!」と説明する。

わだかまりが解けたバットマンとスーパーマン。二人はマーサを助けるために共闘する。バットマンはマーサが捕らわれている場所へ、スーパーマンは元凶たるルーサーの元へと向かった。

クラークの母マーサはバットマンの力のより救助された。「彼の仲間だ」とバットマンがマーサに言うと「そうだと思った。そのマント」と言って笑った。

スーパーマンがルーサーのいる宇宙船へ向かうと、そこにはルーサーの血により蘇生復活したゾッド将軍が。それは「ドゥームズデイ」と名付けられた化け物だった。スーパーマンはドゥームデイを宇宙空間まで隔離、そこでアメリカが放った核爆弾が直撃する。しかしドゥームデイは攻撃を受けるほど強化される性質があり、これでも倒れなかった。

バットマンがドゥームデイを相手に戦闘機で戦うも撃ち落されてしまう。そこでワンダーウーマンとしての正体を現したダイアナが現れる。核のダメージから回復したスーパーマンも戻って来て3人とドゥームズデイとの戦いが始まる。

しかしやはり不死身のドゥームズデイには決めてがなく倒せない。しかしバットマンが作ったクリプトナイトの槍だけが決め手になりうる。ロイスがこれを必死にガレキの下から回収しようとしていたのにスーパーマンが気づきこれを手にする。しかしこれを手にしている間はスーパーマンも弱体化してしまう。決死の覚悟でドゥームズデイに突撃し槍で突き刺すが、弱体化している状態でドゥームズデイに胴体を貫かれスーパーマンも致命傷を負う。
二人は相打ちとなり、ロイス、バットマン、ワンダーウーマンの3人は彼の死を見届けた。

スーパーマンの死は公になり、レックスルーサーjrは逮捕された。アメリカではスーパーマンの国葬が行われた。しかしそちらの棺は空であり、遺体は故郷に。そちらで本当の葬儀が行われた。ダイアナに対して「彼の意志を継ぐ、仲間を探そう」と言うブルース。ダイアナは「100年前私は人間と距離を置いた、もう手遅れ」と言うがブルースは「まだ間に合う、やり直せる」と言う。ダイアナはブルースが盗んだレックス社のデータから他のメタヒューマンの映像を見ており、彼らこそが見つけ出す仲間ということだ。

刑務所へ入ったルーサー。そこに現れたバットマン。「何をしようとどこに行こうとお前を見ている」と警告したバットマンに対して「しかしもう鐘は鳴ってしまった」と言い、ルーサーは次の脅威が宇宙から地球に再び訪れることを予言した。

結末でロイスがクラークの棺の上に一握りの土を落とす。その土が一瞬浮かび上がったところでエンドクレジットへ。

感想・評価

バットマン、スーパーマンは知らないなんて人はいないだろうがこの2つが飛び抜けているだけで知名度の平均値という意味では恐らくマーベルコミック作品に大幅に劣るであろうDCコミックス作品。近年こちらの作品も2013年作品の「マン・オブ・スティール」を皮切りに、まるでマーベルのアベンジャーズに対抗するかのように実写映画化が始まっているわけだが、この「バットマンVSスーパーマン」はその2作品目に当たる。

バットマンとスーパーマン、どちらも1作品でも見たことがあるのなら誰しもが思うであろうこと。
それはもちろんVSたってバットマンがスーパーマンの相手になるわけないだろということだろうが、クリプトン星人を弱体化させる装置を使ったところ若干バットマンが強かった、というくらいの描写だ。その弱体化も持続的なものでなく、せいぜい数分しか効かないので本当に限定的な状況においてかろうじて対等な存在として対立させることが可能だったわけだ。

最後の決戦でのドゥームデイとの戦いでもバットマンには非常にハラハラさせられる。スーパーマンはもちろんのこと、ワンダーウーマンもスーパーマンと同等の超人的身体能力、強靭さを持っているのでちょっとやそっとビームに当たっても大丈夫だが、バットマンでは当たったら即死に違いない。ワイヤーアクションでかろうじてドゥームズデイの攻撃を回避するバットマンには涙を禁じえない。ハラハラして見られるのはある意味エキサイティングでいいんだけども。

ところで気になったのがバットマン、ウェインの殺人について。確かバットマンって決して人殺しはしないっていうポリシーがあったような気がしたのだが?レックス・コープのトラックからクリプトナイトを盗み出そうとするシーンでは全く躊躇なく殺しを行っているのだ。と思って調べてみたらやはりこれには理由付けがなされていたようで。参照→なぜバットマンvsスーパーマンでのバットマンは残虐なのか?
簡単に言えば「綺麗事を言っている段階を過ぎた状態の戦いに擦れきれた状態のバットマンであるから」らしい。なるほど。

この他にも、この作品は解説してもらわないとわからないことが非常に多い。原作をほとんど知らない自分の目線から見て次のようなことが挙げられる。

などなど。簡単に言えば、この作品がDCエクステンデッド・ユニバースと呼ばれる作品群の1つであるという大前提は頭に入れた上で見ないとわけわからんということになる。マーベルコミックの作品群がマーベル・シネマティック・ユニバースと呼ばれるように、DCコミックスにもそういう括りがある。今後数年にわたってどんどん作品が世に出されることになる。今後の前振りが多いため、ファンでないとわからない要素が多いのだ。しかしこれらに関してはFILMAGAの解説が完璧に近いのでここを観ればほとんど解消する。自分のようなDCコミックス初心者は必見だ。

この他にもわかりにくいと思ったところがいくつか。例えば下記。

後は肝心のバットマンとスーパーマンの対決も、いくら先制攻撃されたからと言って「戦ってる場合かー!」って話なんで「母親が殺されそうなんだ!」って話をさっさとしろよって思うところでもあって…。「本気なら今ので死んでるぞ」なんて発言はあるんで、そんな俺凄いんだぞ自慢はいいんでその代わりにもうさっさと母親の件を話せよと。もうちょい自然な流れで対決できなかったかなと。
総合的に見れば非常に面白かったのだけども、話の構成自体は決して上手いもんではないかなあ、という感じである。

人物解説

バットマン(ブルース・ウェイン)

演:ベン・アフレック
幼い頃両親を暴漢に殺されたことをきっかけに悪撲滅のためにバットマンとしてゴッサムシティで活動する。マン・オブ・スティールでのスーパーマンとゾッド将軍との戦いの際に自らの会社のビルが破壊され多数の死傷者が発生。この経験からスーパーマンの存在を危惧、打倒しようとする。「人類の敵になる可能性が1%でもあるのならいずれなる」ということを執事のアルフレッドに語った。クリプトナイトを使って制作した対クリプトン星人特効武器でスーパーマンを追い詰めるが、スーパーマンことクラークの母親の危機を知りスーパーマンへのトドメを思いとどまる。ブルースの母親もクラークの母親も名前はマーサ。

スーパーマン(クラーク・ケント)

演:ヘンリー・カヴィル
前作「マン・オブ・スティール」の主人公。人と同じ姿をしているが超人的な力を持つクリプトン星人。今作も戦闘での貢献度という意味ではバットマンより上。クリプトン星人を弱体化させる効果のあるクリプトナイトのガス弾を食らって能力が大幅に劣化し、バットマンと殴り合って負ける程度になってしまう。しかし母親の名前を口にしたところバットマンとの敵対関係は消えて共にドゥームデイと戦う。クリプトナイトで作った槍を突き刺してドゥームデイと相打ちになって死亡。だが、エンドクレジット直前では棺の上の土が浮き上がるのが一瞬描写され、復活を予感させるものとなっている。

ワンダーウーマン(ダイアナ・プリンス)

演:ガル・ガドット
ウェインがレックス・コープ社のデータベースからデータを盗もうとした時に出会った謎の美女がダイアナ。実は超人メタヒューマンの一人ワンダーウーマンであり、スーパーマンと似たような膂力や移動速度を持っている。2017年には「ワンダーウーマン」として単体作品が出るが先んじてこの作品にゲストとして出ている形。

レックス・ルーサー

演:ジェシー・アイゼンバーグ
レックス・コープのCEO。スーパーマンを倒すために暗躍していた全ての元凶。目的のためには兵器で人も殺す極悪人。自分の血でゾッド将軍をドゥームズデイとしてよみがえらせてスーパーマンと戦わせた。その後は罪が暴かれて刑務所へ。この時丸刈りになった。公聴会での爆発事件では自分の部下のマーシーという女性も巻き添えにしている。

ロイス・レイン

演:エイミー・アダムス
クラークの恋人でありクラークと同じくデイリー・プラネットに勤務する同僚でもある。冒頭でアフリカのナイロミでテロリストに捕らわれる。この事件では流通していない弾丸が使われていたことを不審に思い裏があると追っていたところ、レックス・コープの傭兵部隊がスーパーマンを悪者にするための偽装だったことがわかる。

ジューン・フィンチ議員

演:ホリー・ハンター
アメリカ上院議員。あくまで民主的にということで賛否両論あるスーパーマンを公聴会に呼んだが、ルーサーのたくらみにより爆死。アメリカでもっとも古い嘘は?というルーサーの問いに「おしっこをピーチティーと言うこと」と答えたが、それを皮肉ってルーサーは議員の席の上にピーチティー(なのかおしっこなのか)を席の上に置いていた。

ウォレス・キーフ

演:スクート・マクネイリー
メトロポリスでビル崩壊に巻き込まれて足を切断することになったためにスーパーマンを恨んでいるブルースの会社の社員。しかしその恨みもレックス・ルーサーに利用される。自分が使っている車椅子に爆弾が仕込まれていることに気付かず公聴会に出席して大爆発。ブルースがウォレスに毎月補償として小切手を送っていたが全て恨みのメッセージを書いて送り返していた。しかしブルースが恨まれるいわれはないと思うのだが…。

ドゥームズデイ

前作「マン・オブ・スティール」での敵方であるクリプトン星のゾッド将軍が、レックス・ルーサーの血を使って蘇生したところ化け物となって復活した姿。知性はなく言葉も話さない。アメリカが放った核を大気圏外で直撃するも倒せず、むしろパワーアップ。ブルースが作ったクリプトナイト製の槍に突き刺されて倒されるが、その際にスーパーマンの胴体を貫いて相打ちに。

項目別評価

DCコミックス作品に詳しくないと難解、というか全く意味不明な部分多数で解説必須。解説は別にしてもせめて前作マン・オブ・スティールを観るのは推奨。話作りや演出もちょっとどうかと思うところもある。が、肝心のバットマンとスーパーマンの戦いは地味だがドゥームデイとの戦いは派手でエキサイティング。これからどんどんDCコミックス作品が出るので今後にも期待。

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