バイオハザード5 リトリビューション -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレ映画>バイオハザード5 リトリビューション

執筆日:2014年11月2日

評論

日曜洋画でやっていたミラ・ジョヴォビッチ主演のゲーム原作映画第5弾。

洋画劇場って、その時代ごとに何度も何度もやる作品ってあると思う。
90年代ならエイリアンとかだろうか。2000年代前半ならダイハード、ターミネーターあたりか?そして2000年代後半から2010年前後だと、おそらく最も放送されたのがこのバイオハザードじゃないだろうか。近年、洋画っていうとバイオハザード、あるいはスパイダーマンあたりがローテンションであるかのように繰り返して放送されていたような気がする。こういうのは印象だけで、具体的にはそうでもなかったりするが…、いや、バイオハザードは本当に何度もやってるな。何度も何度もやってる。11月16日には1と2が同時に放送らしい。
しかし、この第5作は2014年11月2日の放送が地上波初放送だ。すでにレンタルで見たのだが、それもずいぶん前だったので新鮮な気持ちで見れた。

もう第1作から10年以上も経過していてそういえばまだ完結していないこのシリーズ。放送後の製作者&ミラ(夫婦)のインタビューで言っていたが、次が完結らしいな。まだ製作開始してないとのことだが。多分2017年くらいだろうか。
ホラーアドベンチャーである原作ゲームは多様な未知のクリーチャーと相対する恐怖が売りなわけだが、ハリウッド版のこれは、ミラ・ジョヴォビッチが無双するアクション映画としての側面が強い。原作ファンだと、これには反感を持つ人間も多いと思う。かく言う自分もその一人。
なんというか、「原作の登場人物を登場させながら、それらを超えてやろう」っていうのがなんかもう寒いのだよな。特にバイオハザード3までは主人公のアリス自体、ウイルスに侵されず適合して超人的な身体能力、はては念力まで使えるという設定なので、例えばバイオハザード2なんかでは素手で「追跡者」に対して圧倒するようなもんだからもう白けるのなんのって。ゲームの化け物相手に素手で勝つって、中学生の妄想かよって話だ。
バイオハザード4ではその能力が敵により抑えられてしまったのだが、あんまり関係なしに主人公は強い。念力が使えなくなっただけで、相変わらず強いからあんまり関係ない。今回も、超強いはずの巨大リッカーになんかなんとなく普通に勝ってしまう。なんだかな。

ストーリーだが、バイオハザード3の冒頭時点で世界中にゾンビがはびこっており、世界はほぼ滅んでいる。ほぼ滅んでいるが、主人公のアリスの遺伝子だけはゾンビ化を発症させるウイルスに対抗できる体質なので彼女が世界を救うカギになっているという感じ。
こういう、滅んでいるながらも最善を尽くす、というスタンスはあまり好きじゃない。なんかもう、「こうなっちゃたらもうバッドエンドじゃん」という感じなのだよな。これはバイオハザード3、4を見るとよくわかるのだが、世界人口自体がもうとんでもなく減少している。
これに関しては、原作ゲームも結構大概だったりする。原作でも、クリーチャーを作り出す技術はテロなどに利用されるようになって、世界中にバイオテロが蔓延する世界となっている。映画ほどではないが、このままじゃ世界が滅びるんじゃないかな、と思えるような危機的世界趨勢になっている。初代バイオハザードはちっぽけな洋館で起きたバイオハザードだったが、思えば遠くに来たもんだ、という感じである。もう、ラクーンシティのような、アクシデントとしてのバイオハザードではなくなっているのだよな。

今回、過去に登場したキャラクターがオールスター的に登場している。主に敵として。それもクローン技術のおかげ。主人公のアリス自体が大量に使い捨てられていたのが「3」の話だったか。なので別に驚くほどの展開でもない。レオン、エイダ、バリーとかは前作で出ているわけでもないのにいきなり登場している。レオンとエイダとの間には並々ならぬ関係性をにおわせる演出もあり、バリーはマグナムを愛用していたりして、これはファンサービスなのだろうが、バリーはともかく、レオンとエイダの再現度はなんとも微妙だ。似てるってわけでもない。似てないってわけでもない。特にレオンに関しちゃ小汚い兄ちゃんにしか見えないので特に微妙だ。エイダに関しても、原作だとスラっとしたモデル体形だが、それと比べるとどうにも背が低くちんちくりんだ。だが、以前見た時よりも違和感は感じなかった。これは見るの2度目だから慣れていた、知ってた、というだけのことだと思うが。
そして、せっかく4から続投していた元プロバスケ選手のルーサーが最後の最後で死んでしまう必要性はあったのかと疑問だ。「6」まで引っ張るとくどい、とかそんな軽い理由で退場になった感じがある。4から続けて見ていると、このキャラには結構思い入れ持つ視聴者も多いと思うのだが、思いのほかぞんざいな扱いでほとんど惜しまれもせず退場だ。そこはもうちょっと悲しんでやれよ。ちなみに死因はハートブレイクショットだ。ハリウッド史上でもあんまりいないと思うんだ、ハートブレイクショットで死んだ人って。

内容的にはハリウッドのアクション映画としては王道中の王道で金もかかっているので、見てみればつまらないわけでもない。襲い来るクリーチャー、銃撃戦、迫るタイムリミット、守るべき子供、そして大爆発オチ。
とりたてて素晴らしい部分はないが、むしろ近年ここまで王道なアクション映画も珍しいというほどには王道な演出、展開なので大衆映画として魅力はあると思う。

項目別評価

シミュレーション空間とかそういった発想は面白いので見た目に楽しめた。キャラクターに関しては、なんだかんだシリーズキャラが出るのは嬉しくもあるので6にしておく。

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