ボーン・コレクター -凡人の感想・ネタバレ-

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執筆日:2018年2月13日

あらすじ・ネタバレ

まず簡単なあらすじ・ネタバレ。
事故により首から動かなくなってしまっていた科学捜査官のリンカーンは尊厳死を望んでいた。しかしニューヨークで連続猟奇殺人が発生。リンカーンは現場捜査の才能を持つ女性巡査のアメリアを見込んで捜査チームに加えて事件を追う。寝たきりのリンカーンがアメリアをサポートして協力して現場調査する。犯人は過去の殺人事件になぞらえていて、5つ目の事件ではリンカーンの殺害が目的だとアメリアは気付いた。真犯人はリンカーンの医療機器のメンテナンスをしているリチャードで、過去の事件でリンカーンにより刑務所行きになったことへの逆恨みからの犯行だった。リンカーンの危機はアメリアが救う。リンカーンは尊厳死はやめ、車椅子で前向きに生活するようになった。

ここからは詳細なあらすじとネタバレ。

リンカーン・ライムはニューヨークの科学捜査官としてかつて働いていた。トンネルで見つかった遺体を見る為に近づいくリンカーン。しかしその遺体の顔は自分だった。突如天井から鉄骨が落下してきてリンカーンはその下敷きになってしまった。
目を覚ますとリンカーンはベッドの上にいた。今のは夢だったのだが、実際にあったことであり、事故以来リンカーンは顔以外を動かすことができない重度の不随状態になってしまっていた。

ニューヨーク不動産王のルービンとその妻が空港からタクシーに乗って家へ向かっていた。夫妻は眠りについたが、夫人はふと目を覚まし、タクシーが家でなく別方向に向かっていることに気付いた。夫妻は目を覚まして車を止めろと叫ぶが運転手は全く反応せず運転を続ける。運転席と後部座席の間には強化ガラスがあり、夫妻がいくら騒いでも無駄だった。扉もロックされていて開かない。

寝たきりのリンカーンはセルマという女性看護師が世話していて、医療技師のリチャードもいた。そしてリンカーンのバリーが訪れた。彼は医師で、リンカーンに尊厳死を頼まれていた。リンカーンは自分の身体が徐々に悪くなっていることを自覚しており、いつか意識さえ失い、心臓が動いているだけの植物人間となってしまうことを恐れていたのだ。バリーはそんな頼みを受けて気を重くしていたが、バリーがやらないのなら自分で死ぬのを選ぶとリンカーンは言う。バリーは近々決行することを約束するのだった。

一方、ニューヨークの女性巡査アメリアが恋人と朝を迎えていた。恋人はそろそろ結婚しないかと言うが、アメリアは「またその話?」と言って気がない様子を見せた。アメリアは少年課に異動になることが予定されていた。

ある通報が入る。少年からの通報で、何かを発見したのだという。場所は地下鉄の線路付近。行ってみると、地面から腕が飛び出していた。明らかに人のものだった。周囲を少し掘ってみると顔が出てきた。それはタクシーでさらわれたルービンのものだった。アメリアは線路上にも何かがあるのを発見するが、列車が来てしまう。慌ててライトを使って合図を送って止めるアメリア。その後第一発見者の少年に行ってインスタントカメラを買ってきてもらい、それを使って現場の撮影をした。1ドル札を置いて足跡の大きさと比較できるように撮影したり、適切なものだった。

同じころ、ルービン夫人が犯人に連れられてどこかの地下の蒸気配管が集まっている場所に拘束されていた。犯人は覆面をしていて顔は見えない。

アメリアが通報し、現場検証のために多くの警官たちが集まってきた。部長のチェイニーはアメリアが列車を止めたことについて勝手なことをするなと言って罵倒した。

リンカーンの元には殺人課のポーリーとその部下のソロモンがやってきて、ルービンが遺体で発見されたことを伝えた。死体の指の肉がそがれて妻の指輪がはめられていた、という状況を説明すると「妻は預かっている」という意味だと見抜いた。ポーリーはリンカーンに証拠物件を見て解析してほしいと頼むが、リンカーンは発作を起こしてしまう。
落ち着きを取り戻したリンカーンはポーリーが遺していった証拠物を見ていた。死にたがっているリンカーンはセルマに蘇生措置が上手すぎて困るなどと言うが私がいるうちは死なせないとセルマは返した。
リンカーンは証拠物から「午後4時」という時刻と「119」という数字に何かの意味があると考えた。

アメリアの元をソロモンが訪れる。ソロモンの案内でアメリアはリンカーンの元へ。
リンカーンは良い写真を撮影したとアメリアを賞賛した。アメリアはリンカーンの著書を読んでいて、現場保持はその通りに行ったのだった。
リンカーンはアメリアに対して現場の解説をして、「119」は11月9日を表していて、さらにその午後4時にルービン夫人が殺されることを意味しているのだと言った。そしてリンカーンはアメリアの現場観察の才能を見込んで捜査に参加するように促した。アメリアは勝手に決めるなと反対するが、結局は参加することになった。

その頃、ルービン夫人がいる現場では犯人が骨をいじっていた。

リンカーンは現場からアスベストが検出されたので現在アスベスト除去作業をしていないかどうかを調べてもらうように頼む。リンカーンの手伝いとしてエディーという口数の多い男性がやってきた。チェイニーもやってきて、捜査の情報は逐一教えろと釘を刺した。リンカーンはチェイニーとのやり取りを適当に済ました。
エディーとの調査により、犯人は懐古趣味があることがわかり、「牡蠣の皮」も発見された。リンカーンは1913年の事件でも牡蠣が発見されたことと、アスベストが検出される位置から位置を割り出し、ルービン夫人はパールストリートという場所付近だと推測した。アメリアやポーリーたちはこの場所へと向かう。

アメリアはポーリーにリンカーンのことを聞いた。リンカーンは4年前に事故であの体になったこと、姉がいるが縁を切ったこと、現在も警察から給料はもらっていること、趣味はなんでもかんでも収集してデータベースを作ることだということなどをポーリーは話した。

リンカーンはリーベン夫人は地下にある蒸気パイプの合流点にいると推測。それは当たっていて、リーベン夫人は蒸気の噴出するパイプを目の前に向けられて戦慄していた。また、犯人は夫人の腕から肉を削ぐという所業を行う。午後4時になるとパイプから蒸気が噴出して、夫人は死んでしまうのだ。

アメリアやポーリーらは現場に辿り着く。マンホールを開けてリンカーンの言うパイプの合流地点へ向かう。集まった警察らは蒸気を止めるためにバルブを閉めようとするが、バルブが切られてしまっていて閉めるのは不可能に。そして午後4時になってしまい蒸気が勢い良く噴出。リーベン夫人を救うことはできなかった。

リンカーンは緊急出動班が来て現場を荒らす前にアメリアだけが現場に入り現場検証をするように指示する。
アメリアは人間の遺体などに慣れてはいないため怖気つくが、リンカーンの励ましを受けながら進む。そしてアメリアは現場から何かの毛と、何かの骨を発見し、どういう拘束のされたのかもリンカーンに伝えた。右腕の肉が削がれているのも発見する。しかしリンカーンが「遺体の手首を切断しろ」という指示をしてきたところでとうとう我慢できなくなり現場を飛び出してしまった。

慣れない人間の遺体を前にした上に無茶な要求をされたアメリアは自宅に戻ると一人泣いていた。
リンカーンはアメリアの過去を調べていた。父親が拳銃自殺したことを知った。そしてその発見者は娘のアメリアだったことも知る。
雨が降る夜、アメリアの家の戸を何者かが叩いている。誰かと見に行くが誰もいない。今度は窓側を叩くので行ってみると、そこにいたのはソロモンだった。リンカーンが電話しても出ないから呼びに来たのだという。ソロモンはアメリアが子供の頃モデルだったことを知り、今日の君はよくやったと賞賛もした。

若者が集まるバー。そこで青年がタクシーに乗り込む。タクシーの運転手はまたあの犯人。第二の事件が起きようとしていた。

アメリアはリンカーンの元を再度訪れる。父親が自殺したのを発見したアメリアに手首を切断するのは酷だったと、リンカーンは謝るのだった。自分の過去を調べたリンカーンにアメリアは不快感をあらわにするが、リンカーンは「運命は自分で斬り拓くものだ。君には才能がある」とアメリアを鼓舞した。
二人が会話している途中でニューヨーク大学の学生がタクシードライバーに連れ去れたという報告が入った。リンカーンと関係を深めたアメリアは捜査に乗り気になった。

さらわれた学生はリーベン夫人のように拘束され、どこかの廃屋に監禁されていた。そしてやはり肉を削がれて、激痛で絶叫する。

エディーたちがリーベン夫人の現場の証拠を調べていくと発見された骨は子牛のホネで、毛はネズミの毛だったことがわかった。犯人は犯行現場にわざと証拠を残し、次の事件現場の手がかりとしているのだとリンカーンは言った。また証拠品には窒素の多い土が含まれているということも分かり、家畜置き場があった場所を探るようにリンカーンは指示した。

被害者の学生は肉を削がれて、周囲にはエサを求めてネズミが集まってきていた。

第一の現場、第二の現場共に紙切れも残されていた。リンカーンは熱を入れてこれの意味を解き明かそうとしていた。しかし体調が悪くなっていっているためセルマやポーリーが心配する。だがリンカーンは「放っておいてくれ!」と大声をあげた。リンカーンは家畜置き場にあたりをつけて、再びポーリーやアメリアを向かわせた。アメリアは体を顧みず仕事をするリンカーンに感銘を受けていた。

第三の現場の調査。第二の現場と同じくアメリアだけが先に入って調査をする。学生の体には大量のネズミがまとわりついていた。もちろん、学生はすでに死亡していた。緊急班が到着するが現場を荒らされないようにするため待機させる。それを知ったチェイニーは腹を立てた。リンカーンは現場を荒らす最も性質が悪いものは警官だと言って、緊急班は待機するように強調した。
アメリアはネズミを追い払うために銃を撃つ。これを合図にポーリーたち他の警官も家畜置き場跡に入っていったが、改めてアメリアは現場調査をする。遺体の大腿部は骨まで見えるほどの深い傷が入っていた。そして第一、第二の現場と同じようにやはり紙切れが残されていた。
チェイニーはリンカーンの勝手に怒り、もうリンカーンにもアメリアにも捜査から外れてもらうと言った。証拠物件も渡せと言うが、アメリアは書類がなければ渡せないと反抗した。

ともあれ事件を担当するのはチェイニーになってしまった。現場には指紋が遺されていたが、アメリアは「指紋なんて残すような犯人ではない」と言うがチェイニーはそれを調べさせる。一方、リンカーンはエディーにここ1年で肉を削ぐという事件がなかったかを調べてもらっていた。
指紋の人物は暴行で逮捕歴を持っているタクシー運転手だった。チェイニーはその人物のところへ行くが、すでに殺されていた。警察をあざわらうためにわざと指紋を残したのだった。

アメリアはチェイニーが去った後に証拠品を無断で持ち出してリンカーンの元へと赴いた。第三の事件現場の紙切れを持ってきた。リンカーンがエディーに頼んでいた過去1年の肉が削がれた遺体のある事件についての調査も届いた。同じような事件はいくつもあり、やはり現場には証拠を残して警察に対してメッセージを発信していたのだが、担当のチェイニーはこれに気付いていなかったのだった。

これらの物証を見ている時にはまたリンカーンは発作を起こしてしまった。ここでアメリアはリンカーンが尊厳死を望んでいることをセルマから聞いたのだった。
証拠物をアメリアが持ち出したことを知ったチェイニーが訪れるが、セルマが追い返す。この時アメリアはリンカーンが授与した「78499」と書かれた表彰を見つけた。

駅で孫娘とその祖父が仲良く歩いていた。二人はタクシーに乗るが、それはまたあの犯人の車だった。しかしそのタクシーを警察が止め身分確認をしようとすると犯人はいきなり銃で撃ち、警察を殺してしまうのだった。こうして第四の事件が発生する。

落ち着きを取り戻して眠りに落ちているリンカーンの手にアメリアが触れていたら突然目を覚ました。アメリアはリンカーンに自殺するような人ではなく最後まで戦う人だと思っていたなどと言った。
ポーリーから連絡が来て、警察がタクシー運転手に撃ち殺されたという件を伝えた。

3つの紙切れを組み合わせて何か繋がらないかと見ていたリンカーン、アメリア、セルマ。セルマは「人の顔に見える」と言った。それは女性の顔だった。とある出版社のロゴマークだった。アメリアが本屋へ行って本を探した。アメリアが目を付けた本は「ボーンコレクター」という本で、20世紀はじめの実際に起こった犯罪だった。今までの3つの殺人の手法と全く同じであり、今までの3つの事件はこれになぞらえたものだったのだ。そして4つ目の事件は埠頭で水死させるという方法だった。警察は総力を挙げて現場へ向かった。

夜の埠頭で捜査を続ける。アメリアが海の上に立つ杭にくくりつけられた少女とその祖父を発見した。二人は引き上げられたが、祖父はすでに死んでしまっていた。しかし蘇生措置により少女は息を吹き返した。
アメリアは今までのように証拠を集める。「古い地下鉄の地図」と「骨」と「Dと書かれた警察のバッジ」を発見した。地下鉄の地図は埠頭のすぐ近くを示していた。チェイニーが現れてアメリアを逮捕しようとするが、アメリアは逃げ出してしまっていた。

アメリアは地図に示されていた、今は使われていない地下鉄のトンネルへ向かう。するとそこで「78499」という数字を見つけた。記憶を探り、それはリンカーンの現役時代の認識番号だとアメリアは気付いた。

夜中、リンカーンの元を何者かが訪れる。セルマが応対するが、いきなりは刃物で刺されてしまう。すぐそばにはチェイニーの死体もあった。セルマより先に殺されてしまっていたのだ。

リンカーンは何者かが部屋に入ってきたことに気付く。それは医療技師のリチャードだった。彼が真犯人だと直感的に気付いたリンカーンは電話しようとするがリチャードに阻止されてしまう。
リチャードは実はニューヨーク州シラキュースでの事件に関わった「マーカス・アンドリュース」という現場捜査官であり、証拠を偽装していた。それをリンカーンが見抜いたためにリチャードは刑務所に入ることになってしまい、警察なので刑務所にいる犯罪者には目の敵にされ、6年もの間、暴行をひどい受けたのだという。そして出所後にリチャードという名前を名乗りリンカーンに近づき、復讐の時を待っていたのだ。しかしリンカーンはリチャード(マーカス)と面識さえなかったのでそれに気付けなかった。

リンカーンは首から下は一切動かせないために抵抗などできないようなものだったが、ベッドを動かしてリチャードの手をベッドにはさみ、大けがをさせた。しかし抵抗もそれまでで成す術もなく殺されてしまうというところで現れたアメリア。リチャードを数発撃ち射殺。リンカーンはギリギリのところで生き延びた。

全てが終わり、ニューヨークはクリスマスを迎えていた。
元気になったリンカーンは尊厳死を望むことはやめ、車椅子を使い生活するようになっていた。リンカーンの友人やその家族がクリスマスパーティをするためにリンカーンの元を訪れていた。その中にはリンカーンの姉のジャニーンとその娘もいた。アメリアが「メリー・クリスマス」と言いながらリンカーンの手の上に自らの手を置き、リンカーンとアメリアは見つめ合う。そしてエンドクレジットへ。

感想・評価

優秀な科学捜査官だったが体が動かなくなってしまったリンカーンの代わりになったアメリア2人の活躍を描いたサスペンス。しかしなんとも、主役二人にとって都合良すぎな印象を受けた。リンカーンとアメリアがやることに失敗はなく、チェイニーという人物だけが一方的に無能で笑い者。なーんか、こういう感じあまり好きじゃないなあ。主役二人だけを中心に世界が回りすぎている。

アメリアが現場検証能力に優れているからとリンカーンは彼女を助手に使うことに決めたのだが、いざ検証となればリンカーンの言うことを無線で聞いてその通りに実行していただけであって、「アメリアだからこそできたこと」というものが存在しないような気がしたのだが。むしろ現場慣れせず死体慣れもしていないために遺体の手首を切断するという行為に躊躇したがために検証は不完全のままに終えてしまったりして、「これならポーリーやソロモンにやってもらって何か不都合あるだろうか?」と思えてしまう。そのソロモンが2つ目の現場での検証をしたアメリアに「今日はよくやったよ」なんて言って褒めるが、いや多分君でも出来たんじゃないかな、なんて思った。はっきり言えば、リンカーンは元モデルのアメリアの容姿が気に入っただけにしか見えないのだ。「僕がそばに着いてる」とリンカーンが執拗にアメリアに言うのも、アメリアを口説いてるように見えてどうも違和感を覚える。アメリアもアメリアで、随分年上のリンカーンを異性として意識しているような。要所要所に入るそれを臭わせる演出がノイズだった。ともあれ、「不随になった有能捜査官とその助手になる美人巡査の活躍」が書きたいのがありきな作品であるため、あちこちに都合の良さが目立つのだ。
リンカーンは「現場を荒らす最も厄介なものは警察だ」なんて言うのも、なんとも傲慢な物言いだ。「主役2人を上げるために周りを下げている」。この作品にはそういう印象がピッタリだ。

犯人に関しても、猟奇的にみせかけて、思想も何もない、ただ昔の事件の模倣を機械的に行っただけ。単なる復讐のための犯行だったと拍子抜けする。「ボーン・コレクター」なんていかにも猟奇的なタイトルをしている作品だが、これは単に本の名前。このタイトルを聞いた者は「歪な趣味を持った人物がおぞましい欲求を満たすために人を殺し、骨を集めるのだろう」という物騒な想像をしないだろうか?だが、全く違います。そういう意味合いは全くない。半分くらいはタイトル詐欺と言っても差し支えないかもしれない。

色々と微妙。若い頃のデンゼル・ワシントンとアンジェリーナ・ジョリーを見たいならば観よう、くらいの作品。

人物解説

リンカーン

演:デンゼル・ワシントン警察の科学捜査官だった男性で、いくつも著書を書いている現場捜査の権威。しかし4年前に事故に遭い鉄骨の下敷きになり上半身も下半身もマヒしてしまう。ベッドに寝たきりの状態でセルマに世話され続ける生活をしているが、いつ発作が起きて植物状態になるかもわからないため、尊厳死を望んでいる。しかしそんな時に事件の捜査を行うことになる。適切な現場保持をしたアメリアを気に入って自分の代わりに動いてもらう。事件後には尊厳死を望むのはやめたようで、車椅子に乗り生活するようになっている。その後アメリアとは男女の仲になったようにも思えるがどうなのだろうか。

アメリア

演:アンジェリーナ・ジョリー
ニューヨークの新米女性巡査。恋人はいるが、結婚までは考えられないと言っている。最初の殺人であるルービン夫妻殺人事件で遺体を発見し、インスタントカメラを使ってその現場を適切に保存したためにリンカーンは感心し、アメリアに捜査に加わるように誘った。アメリアはリンカーンの著書も読んでいて、最初の現場保持はそこに書かれていた方法を参考にした。父親も警察にいたが自殺している。リンカーンを父親と重ねているようにも思えるが、あるいは異性として見ているようにも思える。

チェイニー

演:マイケル・ルーカー
性悪の警察部長。リンカーンの後任の現場捜査官。視聴者のヘイトを一手に受けることになる人物。最初の事件で現場保持のために列車を止めたアメリアを責めたり、自分は手続き無しでアメリアから証拠物を奪おうとしたり。最後にはリンカーンに文句を言いにきたところでリチャードに殺されてしまうし、本当に不遇な人物。

セルマ

演:クィーン・ラティファ
リンカーンの世話をする看護婦。甲斐甲斐しく世話をするリンカーンの良き理解者というポジション。リンカーンはよほどセルマに感謝しているようで遺産を渡す気らしいが、セルマは「そんな話には興味ない」と言う。終盤でリチャードに殺されてしまう。その後はリンカーンを囲ってクリスマスパーティをやる演出になるため、ちゃんと死は悼まれたのかなあ…と若干気になってしまう。

ポーリー

演:エド・オニール
リンカーンの友人の殺人課の慶次。特に活躍の場はないが出番はかなり多い。

ソロモン

演:マイク・マッグローン
リンカーンに憧れるポーリーの部下。アメリアの家を訪問した時にはてっきり不審人物かとアメリアに思われてしまうシーンもある。このシーンを深読みして「実は真犯人?」と思ってしまう視聴者も多いのではないだろうか。実の所はポーリー同様に特に活躍はしない、賑やかしのわき役。

バリー

演:ジョン・ベンジャミン・ヒッキー
友人で医師。リンカーンが尊厳死を頼んだ相手。しかし最終的にはリンカーンは車椅子に乗り生活することを選んだので、その役目を果たすことはなかった。

エディー

演:ルイス・ガスマン
リンカーンの手伝い。証拠をより深く調べる術に長けている。

リチャード

演:リーランド・オーサー
事件の真犯人。医療技師となりリンカーンに近づいた。本名は「マーカス・アンドリュース」。シラキュースでの事件で証拠を偽装したが、それをリンカーンに見抜かれたせいで6年もの間刑務所に入ることに。そこで酷い扱いを受けたためにリンカーンを逆恨みして犯行に及んだ。起こしてきた犯行は警察をバカにする意図があり、リンカーンだけでなく警察そのものに対する復讐でもあったようだが、事件の手法は単に昔の事件の模倣であり、被害者の肉を削いだりすることに思想的な意味は全くなかった。

ルービン夫妻

不動産王のアラン・ルービンとその妻。最初の被害者。アランは銃殺されて線路脇に埋められてしまい、妻は蒸気が噴き出る地下に拘束され、その位置をリンカーンが割り出すも救出は間に合わず高熱の蒸気を浴びて死亡。

項目別評価

映画「ボーン・コレクター」評価

身体が動かない人物が指示をするという設定は独自だが、アメリアが助手として選ばれる理由が弱く、主役二人はいろいろと接待を受けているような印象を受ける。凡作。

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