28日後…(映画) 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレ映画>28日後…(映画)

執筆日:2015年8月22日

その他ゾンビ映画の感想

ストーリー・ネタバレ

PSSTOREで100円セールだったので。2003年映画だが、おそらく2005年前後に1度だけ見た。なかなか面白かった記憶があったのだが、2度目の視聴でもやはり結構面白かった。

まずストーリー・ネタバレ解説。
冒頭、動物保護団体か何かがサルを実験体にしている施設に潜入し、サルを助けようとするシーンから。研究員は「凶暴性の高いウイルスに感染してるからよせ!」と言うか構わず解放してしまう団体。そして速攻でサルに女性が噛まれ、10秒もすると女性の目が赤くなり、他の人間を襲い始めた。
28日後というキャプションのあと、ある男が病院の一室で目覚める。彼は起き上がって病院内を探索するも、荒れた病院には誰もおらず、さらに外へ出てさまよっても誰にも遭遇しない。ここはロンドン。誰もいない大都市は異常な風景である。
しかしある教会に入って「ハロー」とジムが呼びかけたところ、尋常ではない反応をした人物が二人。さらに扉からは神父が現れ、ジムに襲い掛かろうとする。逃げるジムだが、複数の異常な人間が追いかけてきた。
あわやピンチという状況で、その異常者たちに火炎瓶が投げつけられる。男性1人、女性1人のコンビがジムを助けてくれたのだ。
男性のほうはマーク(ノア・ハントレー)、女性のほうはセリーナ(ナオミ・ハリス)と名乗った。そして病院で目覚めた彼はジム(キリアン・マーフィー)という。ジムは二人からイギリスがウイルスの蔓延により壊滅したことを聞かされる。感染したら20秒で正気を失い、周囲に人間を殺戮する凶暴なモンスターと化してしまうウイルスだ。
ジムは実家に戻ることを希望し、セリーナとマークも同行してくれた。実家につくと、そこにはウイルスの感染を恐れ自ら自害したジムの両親が。それをマークもセリーナも「感染せずに死ねて幸せだ」という。
ジムの家で感染者がいきなり襲い掛かってきてマークが噛まれてしまう。「待て」と懇願するマークだったが、セリーナは躊躇せず撲殺したのだった。
ジムとセリーナが二人で町を歩いていくとあるマンションで電飾を飾っている一室を発見。そこへ二人は向かった。

そこにはフランク(ブレンダン・グリーソン)とその娘ハンナ(ミーガン・バーンズ)がいた。フランクは重武装して籠城していたのだ。しかし物資も尽きかけていたためこれ以上はここにいられないとも判断したころだった。
マンチェスターに軍がいることを知らせるラジオ放送が存在するため、フランクはそこに行こうと提案する。セリーナが当初反対したものの、4人でそこに向かうことにしたのだった。
マンチェスターへの道中ではトラブルもあったものの、感染していない馬が走り回る美しい風景なども見て和んだ一行。
しかし、マンチェスターは町中が火事になっている有様だった。そして放送が指定する場所へ行っても誰もいない。
フランクは半ば絶望状態だった。そんなとき、カラスにイラついて上を見上げるとそこにあった死体から血液が落ち、フランクの目に入ってしまう。感染したフランクが娘のハンナに襲い掛かろうとしたとき、銃撃によりフランクは殺された。軍関係者が確かにいたのだ。

軍の生き残りに案内され、彼らの拠点へと移動したジム、セリーナ、ハンナ。彼らのリーダーのヘンリー少佐(クリストファー・エクルストン)は最初は常識人に見えたが、感染した味方を鎖につないで「餓死するまで観察する」など言ったり、「戦争することことが人間の本質」と発言したりするような異常者だった。そして彼の部下も、侵入してきた感染者を銃殺することに喜びを感じているような連中の集まりだった。
ヘンリー少佐に「素行を改めてほしい」と進言するジムだったが、ヘンリーは改めるどころか「セリーナとハンナを男たちに献上する」などという。危機感をもったジムがセリーナとハンナを連れて脱出しようとするもとらえられてしまう。

ジムは外に連れられて処刑場で処刑されそうになるも機転を利かせて脱出する。そして一人で軍関係者の拠点へ攻撃を仕掛け、セリーナとハンナを救出する作戦に出る。鎖でつながれていた感染者をあえて解放して混乱を起こしたりしている間に忍び込み、慰み者になるところだったセリーナとハンナをついに救出する。あたかも感染者のように凶暴なふるまいで敵を殺すジムをセリーナは感染者だと勘違いしそうになるも、ぎりぎりのところでとどまり、二人はキスを交わした。
3人は脱出しようとするも、車にはヘンリー少佐が待ち受けていた。ジムが彼に撃たれてしまう。しかし運転席に乗り込んだハンナが車を一気にバックさせると、そこには鎖に繋がれていた感染者が。ガラスをぶち抜いてヘンリー少佐を引きずりだし、そのまま殺されてしまった。

その後、再び28日が経過する。空を飛ぶ航空機がイギリスを見回りにきており、感染者はエネルギーが尽きて動けなくなっていた。
ジムは医療関係者だったセリーナの力で命拾いしていた。そして3人は都市から離れた場所に身をひそめ、上空を飛ぶ機に見えるように白い布で「SOS」の文字を地上に描いた。その上を機が通過してきっと気づいてもらえた、と3人が笑い合うところで終幕。

感想・評価

定義としてはゾンビではないのかもしれないが、カテゴリとしてはゾンビものだろう。そしてゾンビより恐ろしいのは人間(軍の生き残り)だった…というもので、ゾンビ映画として目新しいものはそれほどないかなーという感じではある。
が、そのゾンビ(感染者)が素早いうえに凶暴この上なく、相当に恐ろしい存在であるので、緊迫感はかなり高いほうだと思う。無理やり車でトンネルを通ろうとしてタイヤがパンクしてしまい、そこで遠くからおびただしい数の感染者が襲い掛かってくるシーンがあるのだが、ここは冷や冷やした。演出も、壁に感染者の影が巨大に映るような演出でそれがまた恐怖をあおる。たしかゲームのバイオハザード6でも暗いトンネルシーンでまさに同じような演出があったが、これを参考にしているのだろうか?なんても思った。

感染力もすさまじいのがまた怖い。なんと体内に入ってから20秒も経たずに殺戮だけが目的のモンスターと化してしまう。形相も目が真っ赤になり血を大量に吐き…ととにかくまあ恐ろしい。この夏はどういうわけかゾンビ映画を大量に見たが、感染力、凶暴性、見た目の観点から、間違いなくこのゾンビ(ではないが)が一番恐ろしかった。ゾンビ映画においてゾンビが怖いってのは基本にして重要なことだなとつくづく感じた。

軍関係者と敵対してからは、むしろ感染者が味方のようなものになっている。偶然か必然か、主人公側3人を都合よく助けてくれる形で感染者が敵を襲ってくれる。ここは予定調和というかご都合主義というかそんな感じは受けるが、最後は無難にハッピーエンドで悪くない。
それにしてもジムは確か肩書はメッセンジャーか何かだったと思うのだが、なんであんなに戦い慣れしているのか。最後のセリーナとハンナを救出する戦いでは、雨の中、上半身裸で躊躇なく敵を倒していく姿を見せ、鬼気迫るものがある。序何か序盤から通して枯れた悲壮感を醸しているし、どうもただの一般人じゃないような印象を受けた。実際、ふつうの人間があんなに軍の人間を手玉に取れないよなあ。実は暗殺者か何かだったんじゃないだろうか。

項目別評価

特筆すべきは感染者の恐ろしさ。感染力や凶暴性からして、最近見たゾンビ映画、夜明けのゾンビのゾンビの10倍くらいは怖い。厳密にはゾンビじゃないが、強いゾンビが見たい人にはお勧め。

凡人の感想・ネタバレ映画>28日後…(映画)