ダブル -完全犯罪- 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

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執筆日:2018年2月5日

あらすじ・ネタバレ

オーストラリアの都市ゴールドコーストの夜での出来事。デニス・アーチャーという男がとある黒人男性と連絡を取る。黒人男性はFBIだった。アーチャーが指定した場所に行くとアーチャーが謎の男3人にさらわれそうになっている。それを止めようとする男性。銃撃戦になるが、アーチャーはその場で射殺された上で遺体も3人に連れ去られていってしまった。。
現場には銃撃戦で落ちたアーチャーの指だけが残されていた。

男性はその指の指紋を照合したところ、ニューヨークで「マイルス・スコット」という男性と一致した。デニス・アーチャーはニューヨークで別の顔を持っていたのだ。

そのニューヨーク。雑誌記者レベッカ・スコットはテレビを見てオーストラリアの大富豪投資家オステルベルグを見て「10億ドルもの公金詐欺をしてよく自分が悪くないと言えるわ」と蔑んだ。
レベッカはジャーナリストとしての意識が高く、サックマンという会社の不正を暴くためにハッキングするなど無茶な取材をするために上司に警告された。しかしレベッカに反省の色はなく、「自分のおかげで不正会社のCEOを裁くことができた」と言った。

レベッカの自宅にある写真立てにはある男性とレベッカが映った写真が入っていた。それはあのデニス・アーチャーだった。
レベッカの家にFBI捜査官のジョン・ネルソンが現れる。このネルソンは冒頭のシーンの黒人ン男性だ。レベッカはサックマン社についての捜査だと思ったので追い返そうとするが、ネルソンはその件ではないという。
ネルソンは「ご主人が亡くなった」と言うとレベッカは「主人のマイルス・スコットは2年前に交通事故で亡くなったから当たり前」と返す。しかしネルソンは「ご主人は3日前までデニス・アーチャーという名を名乗り生きていた」と話す。何のことか分からないレベッカ。マイルスは交通事故で顔が分からないほど遺体が燃えてしまったため顔は確認できていなかったのだった。マイルスは死を偽装していたのだ。ネルソンは捜査のためオーストラリアへ行くので、何かあれば連絡をくれるようにレベッカに言った。
レベッカは真実を確かめるためにオーストラリアのゴールドコーストへと行くことにした。

オーストラリアではオステルベルグの話題でマスコミが盛り上がっていた。オステルベルグは自宅軟禁を明示され、外出の際には警察の同行が必要になっていた。
ネルソンはオーストラリア刑事のヘンドリックスと組んで捜査をしていた。このオステルベルグがデニス・アーチャー(マイルス・スコット)の殺害に関わっているとネルソンは考えていた。

レベッカはオーストラリアに到着後現地の警察に助力を求めたが追い返される。そこでネルソンもオーストラリアへいたのでレベッカはネルソンに再び会う。夫の遺体を見たいというレベッカだったが、見つかったのは小指だけだったと言う。ネルソンはレベッカに対して捜査の邪魔はしないでくれと言った。

次にレベッカは「デニス・アーチャー」の妻であるブリジット・アーチャーに会いに行った。互いに同じ夫を持つ女性同士という奇妙な関係。レベッカもブリジットもいい夫だと思っていたことを明かした。オステルベルグとデニス・アーチャーは何か関係があったかと聞くとブリジットはそんなものはなかったと答えた。

ブリジットの家を出たレベッカを謎の男が乗った車を追いかける。彼はデニス・アーチャーを殺した男のうちの1人だった。どうにか人がいるところまで逃げて助けを呼んだところ男は逃げていった。レベッカは男が乗っていた車のナンバーを控えることはできた。
ネルソンと会ってこのことを話した。ネルソンは車のナンバーを教えてもらい、調べることにした。レベッカはネルソンに対してブリジットは何かを隠しているような気がすると言った。レベッカもオステルベルグがデニス・アーチャー殺しに関わっていて、自分を殺すために殺し屋を使ったと予想した。

ホテルで休むレベッカ。シャワーを浴びている最中に襲われる夢を見る。そして目が覚めるが、現実でも何者かが周辺にいるのを感じ取った。部屋のドアを開けると何者かが走って去るのを見た。

ネルソンは事件当時デニス(マイルス)が使っていた船を見に来た。そこでレベッカも待っていた。
ネルソンは自分が知っているマイルスの素顔をレベッカに話す。オステルベルグとマイルス(デニス)は共に投資詐欺をしていた。マネーロンダリングもしていた。実はマイルス(デニス)は金のことばかり考えている男だった。本当に夫として愛していたレベッカは信じられなかった。
マイルス(デニス)はオステルベルグの罪が明らかになり自宅軟禁になった後、保身のためにオステルベルグの罪を証言して司法取引しようとしたのだ。しかしネルソンと接触して情報を渡そうとしたあの日の夜、殺されてしまったというのが事情だった。

レベッカとネルソンは当時現場にあった船を探る。船からは物音が聞こえてきた。ネルソンが一人で船の中に入って探索するが、背後から男に殴られて一時気絶した。その男はレベッカを車て追ってきた男だった。ネルソンを昏倒させた後に船から出てきて、レベッカを見つけると追ってくる。ボートに身を隠してなんとかやりすごすことができた。
改めてネルソンとレベッカは船を捜索するが、あの男が仕掛けたらしい次元式の爆弾があり、爆発した。レベッカとネルソンはオステルベルグが何かの証拠を消したいのだろうと考えた。

二人は自宅軟禁されているオステルベルグに直接会う。オステルベルグはデニス・アーチャー殺しと自分は関係ないと言った。彼の物言いは傲慢だが堂々としていた。

その後、夜中に男たちが押し入りブリジットが殺されてしまった。殺される前にブリジットは「言われた通りやったわ」と言って命乞いをした。

レベッカはマイルス・スコットがデニス・アーチャーが務めていたオフィスに忍び込む。特に何かがある様子はなかった。そんなレベッカをビルの外で見張っている男がいた。またあの男だった。
同じ階に別に部屋もあった。その会社宛ての郵便を身分を偽って受け取る。パソコンをいじって調べるとパスワードでロックされていたが、レベッカの誕生日がパスワードだった。データを調べると一千万ドルが不正に送金されていたことが明らかになった。

調べ終わったレベッカの前にまたあの男が現れ、レベッカは3たび追われることに。捕まりそうになったがサンルイスプレーで撃退。その後男は不意に出てきた車にひかれて死んでしまった。

ネルソン、ヘンドリックスと会い、レベッカはヘンドリックスに苦言を呈される。そしてヘンドリックスは死んだ男の素性を知っていた。デル・ブラナリーという男で、強盗や殺人の容疑者であり、かつてはオステルベルグの会社の警備員をやっていることもあった。ここでブリジットが死んだ通報が入ったので三人とも現場へと向かった。

警察はブリジットが住む家の調査をしていて、レベッカもネルソンと共に調査する。ワイン倉庫に行くと金庫を発見。
二人はヘンドリックスには言わずに改めて夜訪れ、暗証番号を解読して金庫を開けた。暗証番号はまたレベッカの誕生日だった。中には1000万ドルが入っていた。
ネルソンは「1000万ドルは確かに大金だが、オステルベルグと共謀して得たのは10億ドルであり、マイルス(デニス)はこれを探そうとしていたはず」と推測する。しかしそこで誰かに殺されてしまった。つまり、この事件にはもう一人重要人物がいるとも推測した。

オステルベルグからレベッカに連絡が入って独占取材に向かった。ネルソンにも連絡はしたが「気を付けろ」と言うのみ。レベッカは一人で向かったのだった。
同じころ、ヘンドリックスはオステルベルグの自宅軟禁を解いた。そうすれば何か動きがあると考えたためだ。
オステルベルグは「誰かが自分の仕業のように見せかけている」とレベッカに答えた。 オステルベルグはブリジット殺しの共謀罪として逮捕されてしまった。オステルベルグはレベッカに「自分をはめようとしている人物を捜せ」と言い残した。

無人になった屋敷を調べる為レベッカとネルソンが忍び込む。
すると男二人も忍び込んできたので隠れる。一人はヘンドリックス、もう一人はマイルス(デニス)だった。
ネルソンは事件当日、マイルス(デニス)が銃弾で撃たれたのを確かに目撃していたが、空砲を受けただけだった。ヘンドリックスと共謀し、2年間オステルベルグを観察して10億ドルの場所を見つけた(秘密口座を見つけた)から取りに来たのだった。指を失ったのは本当だが、10億ドルのためなら安いと割り切っていた。ブリジットも事情を知っていたが欲深くなってきたので殺してしまったのだという。

ヘンドリックスは10億ドルを4分割して分けようと言って油断させる。 マイルス(デニス)とヘンドリックスの仲間はもう一人おり、後ろを取られてネルソンは後ろてに手錠をかけられてしまう。しかし隙をついて攻撃して逃げる。
レベッカはネルソンの手錠を外そうとするが外せずにレベッカだけ逃げる。
ヘンドリックスにいたぶられるネルソンだが手錠は外れかけだったので少し暴れると外れ、反撃に転じた。
レベッカはマイルスとヘンドリックスの仲間の男に追われて追い詰められる。銃をつきつけられたが反撃しゴルフクラブで倒す。
ネルソンも銃を使ってヘンドリックスを銃殺。

今度はマイルス(デニス)がレベッカを言いくるめようとする。「自分を撃てないだろ」と言うが「残念でした」と言って撃ち殺してしまった。こうしてすべてが終わった。
オステルベルグは公金横領容疑で裁かれることになった。盗まれた年金基金10億ドルも突き止められた。
レベッカとネルソンが恋人のように親しげに話し、夕日を見ながら食事の約束をするシーンが結末。

感想・評価

ネルソンが当初はレベッカを突き放すものの、だんだんと友好的になってきて、「これ事件後は恋人になってるんだろうな」と容易に想像できるまで仲良くなってきて、でもそれはレベッカを裏切る前振りなんだろ?ショックを大きくするために不自然に親密になっていってるんだろう?と予想していたら…普通にネルセンは準主人公でした。もう絶対にネルソンが裏切るものだと思い込んでたから、レベッカの旦那のマイルズが生きてたとわかっても「あ、そういえばいたね旦那」くらいで、マイルスが生きていたことに関しては何の驚きもなく、むしろネルソンが本当に味方だったことにショックを受けてしまった。

話は「警察でもなんでもない雑誌記者レベッカが独自に調査して犯人を見つけようとする」というものだが、はまるで「警察でない女性が勝手に捜査する日本のサスペンスドラマ」のような設定であり、全体的にチープで雰囲気も似ている。そしてレベッカがどうにも好感を持てるキャラじゃない。自分が未亡人だからか寂しいからなのか知らないが妙にネルソンとイチャイチャし出すのも「そういうの別にいいから他でやってくれ」とか思ってしまった。
深みがあるわけでも味があるわけでもない、少ししたら完全に記憶から無くなってるだろうな、と思える平凡な作品だった。

人物解説

レベッカ・スコット

雑誌記者の主人公。真実を求めるためにはハッキングなども厭わないために上司からは渋い顔をされる。自分の夫だたったマイルスが実は3日前まで生存していたということをネルソンから聞かせられてオーストラリアへ向かう。そこでもやはりピッキング、ハッキングを駆使して好き勝手に捜査する。マイルスはレベッカの前では良き夫だったようで、今も家にはマイルスとの写真が。だが共に捜査をするうちにネルソンに好感を持ち始め、実は生きていたマイルスがには決別の銃弾を撃ち込む。おそらくネルソンとはその後恋人になったのだろう。

ジョン・ネルソン

ニューヨークのFBI職員。オステルベルグの罪を証言して司法取引で自分だけ実刑を免れようとしていたデニス(マイルス)と会うはずだったが、その現場でデニスが殺されるのを目撃。デニスの指を見つけ、それを照合したところニューヨークでマイルス・スコットとして生活していたのを知る。そしてデニスの元妻レベッカと出会い、オーストラリアではレベッカと共に捜査した。最初はレベッカに冷たいが徐々に友好的になっていく。

マイルス・スコット(デニス・アーチャー)

冒頭で銃殺され死んだと思われた夫。2年前まではレベッカの夫マイルス・スコットとしてニューヨークで生活していたが、その後オーストラリアでブリジットの夫デニス・アーチャーとして生活。税理士だが詐欺師でもありオステルベルグと共犯で公的年金詐欺を行っていたが、司法取引をすることで自分だけは助かろうとしたところを何者かに殺された。と思われたが実はこれらは自作自演であり、オーストラリアのヘンドリックス警部補と繋がっており、死んだようにみせかけてオステルベルグの隠した10億ドルを手にするのが真の目的だった。ネルソンをだますために現場に指を残したのは「10億ドルのためなら惜しくない」と考えてのことでなかなかの覚悟だが、最後にはレベッカに撃ち殺されてしまう。

ヘンドリックス警部補

オーストラリアの警部補。ネルソンと組んでデニス・アーチャー殺しの事件を追っていたが、実はデニスと共謀してオステルベルグの持つ大金を入手するのが目的だった。

オステルベルグ

金融王とまで言われる投資家。公的年金横領で起訴された。金にがめつい犯罪者なのは間違いないが、デニス・アーチャー殺しには関わっていないのは本当であり、デニス(マイルス)とヘンドリックスの企みに気付かず殺人共謀罪で捕らえられてしまう。デニス(マイルス)とヘンドリックスの罪が明らかになったことで疑惑は晴れたが、結局詐欺罪で裁かれることには変わりなかった。

デル・ブラナリー

レベッカを3回に渡り襲う。オステルベルグの警備員だった。最後には車に轢かれて死んでしまった。

ブリジット・アーチャー

デニス・アーチャーの妻。欲が深く、レベッカが会いに来た時に「金が目的なら渡さない」と言うことからも垣間見える。実はデニス・アーチャーが生きていたことも知っていたようだが、「欲が深くなってきた」と考えたデニスの命令でデル・ブラナリーに殺されてしまった。

項目別評価

映画ダブル-完全犯罪- 評価

全体的にチープ。女性主人公に男性のパートナー。日本でのサスペンス劇場的なアトモスフィアを感じる。ネルソンに何の裏もなかったことにはある意味新鮮さを感じた。

凡人の感想・ネタバレ映画>ダブル -完全犯罪-