247°F 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレ映画>247°F

執筆日:2017年11月15日

あらすじ・ネタバレ

主人公の女性ジェナにはジェイミーという恋人がいた。しかし交通事故により彼を亡くしてしまう。その自己が発生し、泣きながらジェイミーを呼ぶシーンが冒頭で流れ、「この作品は事実を元にしている」というテロップモデル。

事故から3年後、ジェナは友人のレネ、それにマイケル、イアンら2人の男性と共に湖畔へと遊びに来ていた。マイケルはレネの知り合いで、イアンとジェナは初対面。イアンの叔父のウェイドの山荘に寝泊まりしてのレジャーを楽しむ予定なのだ。

山荘にはサウナがあり、これに入っては湖に飛び込むという遊びも4人は楽しんだ。
しかしマイケルは他の3人を残してサウナを去った。この時、マイケルがサウナの扉の前に小さい木製の脚立を置いてしまう。サウナにいるジェナ、レネ、イアンはこのことに気付いて青ざめた。

最初はマイケルがすぐに戻ってきてくれると信じていた3人だったが、一行に戻って来ない。
サウナ内部にある熱を発するストーブに使われている石を使ってなんとか扉の窓を破壊し、いくらかの外気を取り込むことはできたが、このまま時間が経てば熱中症によって意識を失うのは時間の問題であり、誰かが来てくれなければ3人とも死を迎えることになるのは明らかだった。

ば熱完治センサーをいじったり、照明をショートさせてサウナの機能自体を止めることなどをイアンが提案してみるが、どの策も失敗に終わった。
最期にはイアンが錯乱してストーブを破壊しようとする。しかしそれによりストーブが爆発。ジェナはこの時扉が開いた妄想を見たが、実際には爆発によりイアンが死んでしまっただけでサウナの扉は相変わらず閉まったままだった。

残ったジェナとレネ。レネはすでに意識が混濁していた。ジェナはレネのため、レネが新鮮な外気を吸えるような位置に固定した。しかしもうジェナが限界で万策尽きる。

この頃ようやくイアンの叔父のウェイドが異変に気付いたのだった。
こうしてジェナとレネはなんとか瀕死ながらも生き残ることができたがイアンは死んでしまったのだった。マイケルは自分のせいだと嘆き悲しんでいた。最後に救急車に運ばれるジェナは意識を失っているレネの手に優しく触れるシーンが。その後エンドクレジットへ。

感想・評価

私事ながら、自分はかなりサウナが好きだ。100度前後の気温の中じっとこらえて汗を流し、「今俺の身体から老廃物が出ていってる!今俺健康になってる!」という感覚が大好きなのである。少し前、サウナで汗を流す習慣のある人間は長生きするという統計結果が!という記事も見た。やっぱサウナって凄い!サウナ大好き!そんな自分がこの映画を見逃すわけがなかった。

世にも素晴らしいサウナだが、12分計が一回りする頃には心臓が早鐘を打ち、頭もクラクラしてくる、体に大きな負担を強いるものでもある。何度も通っていると自然と思ってしまうものだ、仮にずっとこのサウナから出られなかったらどうなってしまうのか?と。

それをやっているのがこの作品なわけだが、やはりなかなかにゾッとする内容だった。どうやら一晩くらいは閉じ込められていたようだが、もし扉の窓すらも割ることができずに外気を一切取り込めないとしたら1時間ともたず意識を失う可能性は高いだろう。
サウナに何分いられるか?というのはまず夏か冬かで全く話が違ってくる。自分の最高記録は真夏で20分くらい。それを思えば、サウナで一晩閉でもじ込められるというのがどれだけ絶望的なことかわかるだろう。しかし外気が全く入らない場合の話であって、窓を破壊できたのなら確かに大幅にこれが延長するのも間違いない。

話としては至極単純なのだが、添え物として「主人公が過去に恋人を事故で失っている」という設定もある。これゆえに若干塞ぎこんでいる主人公ジェナに対して友人レネが辛く当たる部分がある。「あんたと違って私には未来がある!」なんてことを言うのだ。この作品、どうやら実話を元にしてるらしいので、「ジェナが恋人を失っていたこと」「それゆえに友人レネがサウナ内で暴言とも取れる言葉を吐いたこと」も事実と思っていいのだろうか。でもこれって、映画的に見ると別にいらない要素に思えて。暴言を吐いたレネはその後一旦クールダウンしてジェナと話して「あの頃はよかった」なんて言うシーンもあるのだが、少なくともこの映画内でその辺の登場人物の話ってのは、言ってしまえばどうでもいいんで、これらはむしろノイズに思えた。だって、「恋人を失った悲しみをサウナに閉じ込められた事故によって乗り越えられました」なんて話もないだろう。この設定ははっきり言っていらない。仮に元になった事故がそうだとしてもここはカットしていいところのはずだ。もっと単純に人生謳歌している若者がサウナに閉じ込められてパニック!ってだけでいいんじゃないのか?という話だ。

人物解説

ジェナ

主人公。恋人のジェイミーを数年前に交通事故で失くして以来ふさぎ込みがち。レネはサウナ内で「あんたと違って私には未来がある」などと言っている。作中では交通事故から3年経過しているが、傷心のジェナは傍から見てよほど消沈しているように見えていたということか。

レネ

ジェナの友人。ジェナよりもより軽い性格。サウナに閉じ込められてからはヒずっとステリー。さらにジェナに対して「あんたと違って私には未来がある」などと言ってしまう。ジェナより先に意識を失うが、ジェナが窓が割れた扉の前に固定しておいたおかげもあって助かる。

マイケル

レネの恋人。だが若干レネからは愛想を尽かされ気味。このマイケルがサウナから離れた時に意図せず小さい木製の脚立を扉の前に置いてしまってつっかえ棒になったのが事故の原因。マリファナを吸ってずっと眠りこけてしまう。結局サウナに閉じ込められていた3人に気付いたのはウェイドなので、原因を作ったあげくに作中何の役にも立っていない。

イアン

レネとマイケルとは知り合いだがジェナとは初対面の男性。4人が泊ることになったのはイアンの叔父ウェイドが経営する山荘。共に閉じ込められたジェナ、レネと共になんとか事態を打破しようとするが、最後には錯乱してサウナのストーブを爆発させてしまい死亡。

ウェイド

イアンの叔父。ヒゲをはやした怪しげな中年。しかし閉じ込められた三人に気付いたのはマイケルではなくこのウェイドなので彼がいなかったら三人は助からなかった可能性大だ。

項目別評価

前提として、サウナに入ったことがない人は見る必要はないと思う。でないとまず共感できない。サウナに入ったことがあるならゾッとする話であることは間違いない。一度見始まれば結末が気になって最後まで目が離せないだろう。しかし「サウナに入って出られなくなる」という内容、それ以上でもそれ以下でもない。主人公が過去に恋人を亡くしているというのが何か話に絡むかというとそんなことはないのでむしろノイズにすら思える。

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