フライト・オブ・フェニックス 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレ映画>フライト・オブ・フェニックス

執筆日:2015年08月04日

評論

2004年作品。感想を書くにあたって情報をwikipediaで調べていたら主役のデニス・クエイドという人の離婚歴が妙に詳しく掲載していて微妙な気持ちになった。

ストーリーとあらすじ解説。
ある砂漠の石油採掘所が突如閉鎖された。現地の石油会社のスタッフは輸送飛行機に皆乗り込み、砂漠を後にするが、途中で砂嵐に巻き込まれる。
輸送機は飛行中に激しく痛み、途中で投げ出された一人が死亡したものの、操縦士フランク(デニス・クエイド)の手腕によりなんとかそれ以外は助かった。
不時着したのはゴビ砂漠のド真ん中だ。飛行機はほぼ大破し、広大なゴビ砂漠を歩いて渡るというのもまた絶対に不可能。一同は救援を待つしかないと考えた。
しかし、輸送機につんでいるのがゴミばかりだということ、自分らを助けるほど本社が余裕がないということに気付くと、救援の可能性は限りなく低いと考え始める。また、メンバーの一人デイヴィス(ジャレッド・パダレッキ)が深夜外に用を足しにいった際に戻れなくなり、発見されないまま死亡してしまう。
水をめぐって争いがおきかけた時、スタッフでもなんでもないある一人の男、エリオット(ジョヴァンニ・リビシ)が突如「輸送機の残骸を利用して別の飛行機を作ろう」と言い出す。フランクはじめ誰もが一笑に付した。だがリドル(スコット・マイケル・キャンベル)という男が黙って出ていってしまったのを追いかけたフランクが覚悟を決めて機を作ることを決意する。またこの際、不時着前に落ちた男の遺体を発見し、その周囲に薬莢が落ちていたことから、フランクは周囲に自分たち以外の危険な誰かがいると危惧する。
リドルを連れて戻ったフランク。もはやそれしかないと判断した他の一同もエリオットの指示の元、飛行機を作ることを決意する。機には「フェニックス」の文字を入れられた。

力を合わせて、水や食糧の消費を計算しつつ、機を組み立てていく生き残ったメンバーたち。順調に翼を接合するなどして組み立てていったが、燃料が爆発したり、嵐と雷に襲われ、組み立てている機が雷による爆発の危機に陥ったりとトラブルが続く。この際フランクは、エリオットが飛行機技師であるのにアースのことも知らないことに疑問を持つ。
またさらにエリオットは「自分は人より働いているから」と水を多めに飲んでいたことが知られる。エリオットがいなければ機の組み立て自体が不可能になるため、なんとか事なきを得たが、エリオットは「俺は他の奴とは違う」と吐き捨て、メンバー内の雰囲気は最悪に。さらにその後エリオットはやる気をなくしてしまい、他のメンバーたちの懇願によりどうにか再開した。

さらにトラブルが続く。メンバー内で唯一の女性であるケリー(ミランダ・オットー)が怪しい黒衣の集団を発見したのだ。
周囲の言葉を話せるイアン(ヒュー・ローリー)たちが水を分けてもらえるように交渉に行くが、その集団はフランクが危惧したとおり、攻撃的な賊だった。銃撃によりメンバーの一人ロドニー(トニー・カラン)が死んでしまったのだった。銃撃戦になり、フランクが一名除いて銃殺したが、生き残りは逃げてしまった。
また、フランクが銃で撃った賊の一人がかろうじて生きていたためケリーたちが運んできたが、エリオットがそれを銃殺してしまい、フランクからとがめられた。
その後、生き残った一人が呼んだ賊の仲間が遠くからフランクたちを見張るようになった。すぐに襲ってくることはないが、フランクは「自分らが弱るのを待っている」と読んだ。

そうしているうちについに機が完成した。が、ここでとんでもない事実が明らかになる。
なんとエリオットは飛行機の技師といっても本物ではなく、飛行機の模型の会社に勤めていた人間だったのだ。作り上げた機はただの巨大な模型にすぎなかった。
フランクは途方にくれ、イアンは怒り狂いエリオットを銃殺しようとする。そしてエリオットは「自分の機は飛ぶんだ!」と叫び続ける。そんな中、強い風が周囲を吹き抜けると、完成した機は確かに浮き上がりそうになる。それを見て一同は考えを改め、エリオットは「ほら見ろ!」と得意気だ。

さらに砂嵐に襲われ作り上げた機が砂の中に埋まってしまうというトラブルにも見舞われたが、フランクの言葉によって精神的に疲弊したメンバーたちはなんとか奮起し、機を掘り出す。そしてついに機のエンジンを始動させる。起爆剤は5つしかなく、3つ使っても動く気配はない。フランクは1つをシリンダー内の掃除のために使う、とした。その通りにすると機から炎が噴出。もうだめかと思われたが、5つ目の起爆でついにプロペラが回り始める。その翼に仰向けになって寝そべるメンバーたち。ここで、様子をうかがっていた賊たちがついに襲いくる。崖に向かって助走を続けるプロペラ機。ついに崖から飛び出すと、一旦は落下していったが、風に乗って浮き上がった。本当にフェニックスは飛んだのだ。狂喜する一同。そのまま安定して機は飛び続け、ついには都市部までたどり着くところで映画は終わる。
そしてスタッフクレジット前には各メンバーのその後が写真で映される。フランクはフェニックスという名称の航空会社?を立ち上げた。エリオットはNASAの期待の星として有名になっていた。

以下感想。
長いこと時間かけて作っていたのが実は模型でしたー!というのは予想ができなかった。飛行機技術者なのにアースについて知らないとか伏線はあったものの、その事実が明らかになったときは笑えばいいのか絶望すればいいのか分からない、なんともいえない気持ちに。

サバイバルものとしてはやっぱりどういう形で内部崩壊するのか?やっぱり水か?食糧か?という点が気になったのだけども、協力的でないエリオットを除けば気のいい奴らが揃っているので、思ったよりは殺伐としなかった。エリオットはてっきり人格者で、むしろメンバーの中の精神的支柱になるのかと思えば一番クズだったという。子供みたいにすねたエリオットが「俺をあがめろ」とばかりに皆に懇願を要求するのは不快だった。模型を作っていたとはいえ紛れもなくエリオットの力で砂漠から脱出できたのは確かなのだが、こうまでエリオットを嫌な奴にする必要性があったか?と考えると甚だ疑問。「俺は他の雑魚とは違う」と言っちゃいけないこと言ったり、賊とはいえ躊躇なく人を殺したり、エリオットは「死ねばいいのに…」と正直思ってしまった。

砂漠でのサバイバルは最終的に何日に及んだのか分からないが、水や食糧がなくなりピンチ!ということにはならなかったので、その辺の危機感は薄い。しかし、その代わりに燃料が爆発したり、雷が発生して飛行機が爆発の危機に陥っていたり、実は模型を作っていたり、そして完成後もエンジンの起爆剤が5つしかなかったりといった、窮地の連続により飽きさせないものになっていた。安易に水などで争うよりユニークでよかったと思う。

項目別評価

面白かった。まさか巨大な模型を作ることになっていたというのは予想外。
調子に乗ったエリオットが必要以上にヘイトを集める展開はいるのか?という感じはある。エリオットに対して「こいつは死んでもいいんでは?」と思ってしまう構成になっているため、グッドエンドでも微妙に引っかかるものがある感じ。
しかし窮地の作り方が面白かったのでその点評価してストーリーを高めに。最初から最後までハラハラできたので、十分楽しめた。

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