ゴーストライダー(映画) 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレ映画>ゴーストライダー

執筆日:2015年7月10日

評論

3日前にPSストアでの100円セール。6つ同時にレンタルしたがうち3つがアメコミ原作だ。パニッシャー、グリーン・ランタン、そしてこのゴーストライダーだ。
到底正義のヒーローとは思えないなんか愉快な見た目のガイコツ、今まで機会がなかったもののついに視聴。

まず冒頭はゴーストライダーという存在についての説明となる。ゴーストライダーというのはいつの時代も存在するものとされる。悪魔メフィストと契約し、何か願いを叶えてもらう代わりにゴーストライダーとなる。昔、サン・ヴェンガンザという村にゴーストライダーが赴き、悪魔と契約した1000人の魂を捕えた。それを悪魔に渡すのが仕事だったのだが、その契約の強大さを恐れ、契約書を持ってそのゴーストライダーは逃亡した。

そして現代。10代の頃はサーカスの一員として父親と共にバイクスタントで人々を沸かせたジョニー・ブレイズ。彼は恋人のロクサーヌと共に何もかも捨てて駆け落ちしようとしたが、父親が末期ガンであることを知る。そしてそんな彼の元に怪しげな男が現れる。彼は「願いをかなえる代わりにジョニーの魂をもらう」と言う。信用しないジョニーだったが、「父親の身体を治す」ということを条件に半信半疑のまま契約してしまう。
だが、実際に父親の身体は完治していた。にもかかわらず、直後のバイクスタントで事故を起こし、せっかく助かったはずの父親はあえなく死亡してしまう。これは怪しげな男、悪魔メフィスト(ピーター・フォンダ)の仕業であり、「時が来たらまた会いにくる」というような事を言い去る。悲しみに暮れるジョニーは駆け落ちするはずだったロクサーヌも捨て、一人で旅立ってしまった。

時は流れてジョニーは成人に。役者もニコラス・ケイジに。変わらずバイクスタントを続け、その命知らずな芸によりカリスマとなっていた。
一方、メフィストの息子のブラックハート(ウェス・ベントリー)はその昔ゴーストライダーが隠したサン・ヴェンガンザの契約書を狙い、ヒドゥンと呼ばれる3人の仲間を集めていた。ブラックハートはとあるバーでそこにいる人間を皆殺しにしつつ、仲間との会合を行う。
そして、テレビレポーターとなっていたロクサーヌ(エヴァ・メンデス)と偶然再会したジョニー。これを何かのサインだと感じた彼は熱烈にロクサーヌにアプローチする。すると昔現れたメフィストがまたも現れ時が来たと伝える。そして燃えるガイコツ、ゴーストライダーへとジョニーは変身することが出来るようになった。愛車のハーレーをとんでもないスピードで、しかも熱波を放ちつつ駆るゴーストライダー。ブラックハート一行の元へと現れ、首を吊られる、トラックに潰される、といった攻撃を受けてもものともせず、グレジルという悪魔を倒す。ブラックハートたちは逃げてしまい、朝が来ると普通の人間の姿へと戻ってしまった。そこは父親の墓がある墓地であり、そこの墓守ケアテイカー(サム・エリオット)はどういうわけかゴーストライダーの存在の全てを詳しく知っており、ジョニーは彼から様々な情報を得る。困惑したジョニーではあったが、それでもまた自分の街へと戻っていった。

ブラックハートが殺戮を行ったバーへ行くと取材に来ていたロクサーヌが。約束をすっぽかしたことで、10代の頃と今回、彼女を二回も裏切ったことになる。当然ロクサーヌはジョニーに愛想を尽かしていた。
のだが、彼女もジョニーを気になっていたのか、ジョニーのアパートを訪れる。彼の部屋の中には未だロクサーヌの写真が置かれていたし、熱烈に求愛しておいて約束をすっぽかすことが腑に落ちないロクサーヌはジョニーを問い詰める。ジョニーはそれに応じて正直にゴーストライダーのこと、悪魔のことを話すのだが、当然のように信じてはもらえず、いよいよもって彼女には愛想をつかされてしまったのだった。
そして直後、バーの現場にあったジョニーのバイクナンバープレートがきっかけとなってバーの殺人の容疑者としてジョニーを警察が包囲。ジョニーは投獄されてしまう。

だがゴーストライダーの力は悪人に反応する。投獄された同じ牢屋にいる悪人たちに反応してゴーストライダーへと変貌し、脱出。
そのままブラックハートの元へと向かうが、この際は逃亡犯として警察に追われ、ビルを垂直にバイクで駆け上がったりするなどとしてこの上なく目立ち、ヒドゥンの一人であるアビゴールを倒しはしたものの、おおっぴらにゴーストライダーの存在が知られるところとなった。そしてこの際、ロクサーヌがジョニー、ゴーストライダーの弱点だということをブラックハートは看破してしまう。
その後ケアテイカーに報告しにいったジョニー。契約書は先代のゴーストライダーであるカーター・スレイドがどこかに隠したということをケアテイカーから聞く。そしてここでロクサーヌが危ないということに気付き、自宅へ向かう。そこにはジョニーのマネージャーのマック(ドナル・ローグ)の死体と、人質となったロクサーヌがいた。そしてサン・ヴェンガンザの契約書を持ってこいとブラックハートはジョニーに要求。

またケアテイカーに相談に行くジョニー。するとなんとケアテイカーは契約書を差し出す。墓を掘るスコップの中に隠してあったのだ。つまり彼こそが先代ゴーストライダー、カーター・スレイドだった。
カーターもまた燃えるガイコツ、ゴーストライダーとなり、燃えるバイクならぬ燃える馬を駆る彼の案内で800キロ離れた村、ブラックハートが待つサン・ヴェンガンザの村へと到着する。そこまでの案内のために力を使い果たしたカーターはまるで霧のように消えてしまった。

そしてサン・ヴェンガンザでの最終決戦。まず3人のヒドゥンのうち残る1人のワロウをあっけなく倒す。契約書の力でブラックハートは1000の魂を吸収し、自身を「レギオン」と名乗る。
明らかにヤバめな存在と化したわけだが、ジョニーの手によりショットガンで炎の弾丸を撃ち込むと、何やらブラックハートに今までは存在しなかった「魂」が宿り、ゴーストライダーの必殺技である「ペナンス・ステア」が効くように。これをかけられた悪人は過去全ての悪事の被害者の苦しみを一身に受けて精神崩壊してしまう。これによりブラックハートは滅んだ。
そして契約を果たしたというメフィストが現れ、ジョニーは役目は果たしたのでゴーストライダーの力を返してもらうという。だがジョニーは応じず、いずれメフィストすら滅ぼすと宣戦布告。これで物語は終わる。

とにかくゴーストライダー、デザインが最高だな!というのが最初の感想である。
燃えるガイコツがライダースジャケット着て炎撒き散らしながら疾走するという実に景気のいい姿が見てて面白い。なんか笑ってしまうものがある。この映画を見て、アメコミヒーローとしてはかなりお気に入りの部類になった。
あからさまに悪そうな見た目しといてお茶目なのもいい。ビルの最上階まで垂直に滑走した後、警察のヘリに狙われるのだが、ここでヘリに向かってチェーンを投げて引っ掛けて引き寄せ、「俺を怒らせたな!」とか凄んでみるのだが、ヘリの運転手が「ごめん悪かった!」って謝ると素直に離したりする。このシーンでなんか和んだ。見た目に違わぬやんちゃさ、パンクな性質ながら、あくまで正義の味方というギャップもあってとても愛らしい、イカしたヒーローだ。

悪いところ挙げると、ストーリーが腑に落ちない点がちらほらあった感じ。
例えば、メフィストがジョニーの父親を殺した理由が明確でない。「邪魔だったから殺した」というようなことを言うのだが、具体的になぜなのか?というのは分からない。
あとはロクサーヌの心情が少し理解しがたい部分があった。成人してから再会し、ジョニーが熱烈にアタックしてデートの約束を取り付けるのだが、上に書いたとおり、ゴーストライダーに目覚めてしまっててんやわんやのジョニーに、やむなくとはいえロクサーヌはすっぽかされてしまう。これにより彼女はジョニーに2回目の裏切りに合っている。実際彼女は事件現場で会ったジョニーに「気の迷いだった」とさえ言う。にもかかわらず、直後ロクサーヌはアパートを訪れ、さらには自ら積極的にキスしたりして迫る。なんか言ってることとやってることがチグハグすぎないかという印象をやや持った。まああくまで「やや」というくらいだし、女心って難しいねってことだろうか。

後は最終決戦の決着がよくわからない感じ。1000人の魂を吸収して凄い存在になったはずのブラックハート、えらく弱いな?と。レギオンとか名乗り始めて大層な存在になったかと思えばなんかショットガンを連発で受けてて、通じないとはいえ無防備に受けてて、特にジョニーやロクサーヌを痛い目に合わすこともなく、魂が入っちゃったとかでむしろ弱点作ってしまい、あえなくペナンス・ステアで死亡。契約書とは何だったのか…。

とまあ無理矢理そういう欠点を挙げようとすれば挙がるが、致命的というような欠点はない、無難な仕上がりの作品だったと思う。とにかく個人的にゴーストライダーの見た目に惹かれるものがあったのでそこがポイント高かった。

このデザインを考えた人間は何かキメてたんだろうと思う。

項目別評価

ゴーストライダーが見た目から性格から愉快すぎて楽しい。
こういう、一般人からは悪とみなされるヒーローというのはアメコミヒーローでは定番だが、これはその加減が一番好みの作品かもしれない。警察から追われつつもどこか楽しんでるような燃えるガイコツ、こんなんでも正義の味方なんだから面白い。
にしても、パニッシャーなどと続けてみると感じるが、マーヴル作品というのはそれぞれ何か一つは特長があって安定して楽しめる。

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