世界侵略:ロサンゼルス決戦 -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレ映画>世界侵略:ロサンゼルス決戦

執筆日:2015年8月07日

評論

今年の5月あたりにロードショーでやっていたものの録画を見ての感想。果てしなくB級な香りのするタイトルだが、原題は「Battle: Los Angeles」だそうで。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのアルバムでそんなタイトルあったな。

ストーリーとあらすじ解説。
まず序盤しばらくは戦いは発生せず、ここで登場人物たちの素性や背景が語られる。主人公で海兵隊のマイケル・ナンツ(アーロン・エッカート)はかつて部下を何人も死なせてしまい、自分だけが生還したという人物。それゆえに軍内部での評判は悪かった。彼は退役願いを出していたが、突然の異動があり、海兵隊2-5小隊、マルチネス少尉(ラモン・ロドリゲス)の部隊へと配属された。

2011年、未確認飛行物体が世界各地に落下する。そして中から現れた謎の生命体が世界各地の都市部へと侵攻を開始した。
ナンツたちのいるロサンゼルスにもそれらは攻め込んできた。ナンツの所属するマルチネス少尉の部隊は、3時間の間、民間人の捜索と救出を行うよう命令を下される。3時間が経過したら戻ってこなくとも爆撃を開始し、侵略者たちを殲滅するとも。

ロサンゼルスで未確認の敵対者とついに遭遇したナンツたち。その実態は、強力な装甲を身にまとう宇宙人だった。それらに苦戦しつつも町を進む。
民間人のリンコン(マイケル・ペーニャ)やその息子ヘクター、ミッシェルとその姪2人を発見し、またサントス技能軍兵(ミシェル・ロドリゲス)らと合流したが、脱出のためのヘリが墜落し、ナンツの部隊の4人が死亡してしまう。
一旦建物へ避難し、そこで敵の弱点は右胸だということを、捕獲した敵宇宙人を攻撃することで突き止める。
バスを使って一気に町を脱出しようとするが、空を飛ぶ敵の小型宇宙船に取り囲まれそうになる。ナンツの機転によりこれを撃墜するとこの小型宇宙船は無人機であることがわかる。

バスはフリーウェイに乗ったが、道が途切れていた。そしてここで敵に襲われ絶体絶命のピンチに。
マルチネス少尉は負傷し、ナンツに対して「構わず行け」という。かつて部下を死なせてしまったナンツは拒否するが、ついには折れ、マルチネス少尉は敵もろとも自爆する。敵は殲滅したが、またもナンツが生き残ってしまった。他の生き残りメンバーからも「マルチネスを見殺しにした」と思われてしまう。

爆撃予定域からは離れ、爆撃予定時刻になったが爆撃が行われない。
拠点のサンタモニカ前線基地まで戻ってきたが、そこは壊滅していた。爆撃が行われないのはそのためだった。
ここでナンツは生き残りメンバーのロケット(コリー・ハードリクト)に「自分らの命はどうなってもいいのか?」と迫られる。ロケットはナンツが死なせてしまった部下の弟なのだ。しかしナンツはかつての部下の認識番号をすべて覚えており、部下を失った痛みを抱えながらも任務に殉じていることを証明した。それによりロケットたちの信頼も得る。

生き残った仲間に連絡をとり、ヘリを寄越してもらう。
途中、ヘリがなんらかの電波のようなものの力によってか挙動が不安定になった。それから、ナンツはある位置に無人機を操作する中枢があると呼んで、ヘリから単身降りてそこへ向かおうとする。しかし残りの部下全員がナンツについてきた。
読みどおり、そこには司令を発するコントロール部があった。そこにレーダーを照射し、ミサイルの爆撃を要求する。ミサイルが来るまでの数分間の死闘が始まった。1発のミサイルが命中したが、それだけは破壊できず、コントロール部は浮き上がり始めた。これにより地面に埋まっていた巨大な基幹部分も露わになった。さらにミサイルが来るが、2発目は無人機が盾になり阻止されてしまう。そして3発目、周囲の無人機をサントスが撃墜し、3発目は再びコントロール部に命中。爆発四散し、ロサンゼルス上空を飛んでいる無人機は全て無効化されたのだった。

無人機の司令塔を突き止めたナンツたちは英雄扱いされ、これからは世界中で司令塔を破壊するための反撃が行われるだろうとナンツたちの上司は言う。
ナンツたちは休めと言われるも、休まずに再び戦いへ向かおうとするところで物語は終わる。

ここからは感想、レビュー。
宇宙人との交流はいくらかあるんだろうなと思ったら一切なく、それどころか捕まえた1体は弱点探すために主人公自らがナイフでぶっ刺しまくるという血も涙もない行動をとる。しかし宇宙人側もコンタクトを取ろうとはせず地球人を皆殺しにしようとする純粋な悪であって一切の同情がされない構成になっている。つまり、戦いに重点を置いていて、難しく考えずそこを見て欲しい!って映画なんだろうな。

こういう映画に割とありがちな気がするが、宇宙人側が割と弱い。強いようで弱い。明らかに地球側よりハイテクな技術を持ってるのに。この作品の場合、ヘリを撃墜されたりして人物が死亡はするが、向かい合っての銃撃戦ではどっちかというと人類側が押しているような印象だ。無人機の性能も高性能だかなんだかよくわからない。無線を探知してそれを目安に攻撃しているようなので、じっと黙ってバスに潜んでいれば割と見つからないままスルーしてしまったり。ロスの制空権は完全に取られてしまって無人機が飛び回っているのに、バスでの移動が普通に上手くいってしまうというのもなんだかな。

そもそも論だが、世界中に宇宙人が出てきて、空は無人機が飛び回っているのに、あくまでスポットが当たっているのは地上の一部隊でしかない、というのがなんだかちぐはぐな気がする。そういう話にするのならば、戦火が世界中に広がっている設定にしなくてもいいように思えるのだ。だってそんな状況で地上の一部隊が何をしようとも焼け石に水だろう。にもかかわらず、無人機のコントロールを司っている施設までほとんど偶然に都合よく見つけて(一応サントスが以前からそれを探す任務についていたという設定はあるが)、さらにそれを破壊、ロスを救ってしまうのだ。しかもそれが全世界の反撃の狼煙になるというところまで話は広がったところで終わる。たかだか10人もいない部隊の活躍のさせ方としてはちょっと無茶すぎやしないかと。
宇宙人が出てくる作品にリアリティを要求するわけじゃないが、地上部隊を主役にするのならば、もっとそれに相応しい設定にすればよかったんじゃないだろうか。もしかしたら海兵隊の募集広告の意味でも兼ねているのだろうか?なんて深読みもしてしまった。

項目別評価

侵略してきた宇宙人と銃撃戦だオリャー!という作品。単純明快、男の映画。宇宙人側の描写が全くないため、未知の生命体との交流あれこれを少しでも期待しているなら諦めよう。設定のスケールの割に、ロスの町で民間人の救出をする部隊しか登場せず、実際に映される世界が狭いので、地味な映画。例えば無人機と戦う空の部隊にもスポットを当てる当てるなどすればまた印象は違ったかも。

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