オブリビオン(映画) -凡人の感想・ネタバレ-

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執筆日:2015年8月17日

ストーリー・ネタバレ

トム・クルーズ主演、2013年のSF映画。
最近の書き方がストーリー書いて、感想書いて、項目別評価書いて、って感じで一貫してきたので、これからは見出しを3つに分けることにする。

舞台は2077年の未来。スカヴという侵略者との大戦により、地球は核汚染され、住めない場所になっていた。よってタイタンという土星の衛星への人類移住計画が進行していた。これらはすべてジャックの語りによって説明される。
ジャック(トム・クルーズ)とヴィカ(アンドレア・ライズボロー)は2077年の未来で水を核エネルギーへと変換するプラントの警備を行う任務にあたっていた。これを終了すればタイタンへと移住できるが、すでに5年近くも行っている。5年より前の記憶は任務には不必要だとして消されていた。
人類は地球を捨ててタイタンという木星の衛星へと移住する計画を立てているが、ジャックは地球への愛着があり、地球を捨てることを快く思っていなかった。またジャックは異星人との戦争以前の地球の都会の風景や謎の女性の夢をいつも見ていた。

ある日異星人を排除するドローンが2機墜落。ジャックはその1つをまず直し、2機目のドローンのところへと行くと異星人が罠を仕掛けていて窮地に。しかしジャックは1機目のドローンのおかげで助かった。
さらにある時、プラントの1つがメルトダウン、大核爆発を起こす。原因は不明だったが、おそらくは最近盗まれていたドローンの燃料電池を使ったスカヴ星人の手によるものだと思われた。同時にある場所から信号が発せられていて、そこへ行くと巨大なタワーがあった。内部には砂漠のある地点へと信号が送られていた。
ジャックは汚染されていない穏やかな土地で息抜きをしていた。そんな時、砂漠の信号発信地点へ何かが墜落していった。
そこに行くと地球人の入ったポッドがある。中にはなんとジャックが夢で見ていた女性の女性がいた。彼女を拠点のタワーへと保護したジャック。目覚めると彼女はジュリアという名前であることがわかる。

彼女は60年前に何かの任務についていたようだが、ジャックたちには極秘だとして話さなかった。
ジュリアはどうしてもフライトレコーダーを回収したいというのでジャックは彼女を連れて再び墜落地点の砂漠へ。レコーダーを回収できたものの、そこでスカヴ星人に襲われてしまう。自動操縦装置を機能させ、じゃっくの乗るパトロール機はタワーの元へと戻した。
ヴィカはジャックの救出のためにドローンを回してもらうようにテットに要求した。

目を覚ました時のジャックの前には謎の男がいた。
スカヴとは異星人ではなく、この男のように普通の人間だった。男は名前をビーチ(モーガン・フリーマン)といった。スカヴはジュリアたちの乗っていたオデッセイを撃墜し、NASA開発の小型原子炉を手に入れることを目的としていた。
プラントを爆破したのはやはり燃料電池によるものだった。残り9個の爆弾を使ってテットを破壊することをスカヴは目的としていた。 ドローンはジャックの言うことは聞くため協力しろと言われるもジャックは応じない。さらに脅しをかけるため、ビーチの部下であるサイクス(ニコライ・コスター=ワルドー)がジュリアに銃口を向けられたとき、ドローンがスカヴのアジトをドローンが襲う。
ビーチはジャックを「汚染地区に真実がある」としてジュリアと共にを送り出した。 二人きりになったとき、ジュリアにジャックは「君は何者だ?なぜオデッセイに乗っていた?」と聞くと「タイタンの調査に行くはずだったが、直前で違う目標「テット」の調査へ行くことになった、オデッセイにはジャックとヴィカも乗るはずだった」という驚愕の事実が明らかに。 さらにジュリアはジャックの妻であるとも。ここでジャックは過去の記憶を思い出し、ジュリアとの記憶を思い出す。ここに、ヴィカが送り出した自動操縦のパトロール機が着いて、ジャックとジュリアはタワーへと戻る。

だが、ジャックとジュリアが抱き合っていたところを見たヴィカはジャックを信用できず、タワーの扉を開けない。そしてテック本部へと連絡し、ジャックを裏切ってジュリアの存在も明かし、「最高のコンビでない」と言ってしまう。するとタワーに格納されていたドローンが起動し、ヴィカをレーザーで木っ端微塵にしてしまう、さらにジャックを殺そうとするも、ジュリアの力により救われた。テットのサリーはジャックに「戻ってこい、ジュリアと幸せに暮らせる」と言う。

それを無視してジュリアとパトロール機に乗って飛び立つジャック。ドローンが後を追ってくるが、これに勝利する。しかし4機目のドローンの手でパトロール機が破壊され、砂漠に墜落してしまう。
砂漠にジャックが乗っていたものと同じ型のパトロール機が着陸し、それに近づいてみるとなんとジャックと同じ顔をした男が。ジュリアが2人のもとへと近づくと別のジャックもジュリアとの記憶がフラッシュバックして錯乱する。その隙を狙って主人公のジャックが勝利し、さらに近くにたドローンD166も倒す。しかしジュリアは二人のジャックの戦いの中で流れ弾に当たり重傷を負う。
ジュリアをその場に残し、別のジャックが乗ってきた52号パトロール機(主人公のジャックは49号)に乗って飛んでいくと、別のジャック、52号ジャックの拠点であるタワー52とたどり着く。そこには52号ジャックがずっと過ごしていたのと同じような住まいで、ヴィカもいた。ジャックがずっと過ごしたヴィカと全く同じ性格だった。 再びジュリアの元へと戻り、手当てをするジャック。
ジュリアの手当てをしたあと、また自然に囲まれた湖畔の隠れ家へ二人はやってきた。そこでジャックは「自分はクローンだがジュリアを愛していた」と言う。ジュリアも「湖のそばに家を建てたいと以前言っていた」と返す。一夜明け、スカヴを助けることを決めるジャック。ジュリアとはいつかここで暮らすと約束する。

スカヴのリーダーのビーチの元へ戻った二人。スカヴはテットが月の半分を奪い、地球が滅茶苦茶になったことを話す。ビーチは元々陸軍の人間だったこと、何千人ものジャックのクローンが大戦時に人類を襲ったのだという。
しかしジャックがD-177の墜落現場で本を拾ったりジュリアを助けたのを見て、ジャックのクローンにも人間としての良心がちゃんとあると感じ、ジャックを信じることにしたのだという。
ジャックがスカヴの基地にあったドローン、D-172を修理する。スカヴの人間に敵意を持たないように調整されたのだ。 そしてこのドローンを使いテットへ反撃をしようとしたところで、スカヴの基地内部に3機のドローンが襲い掛かってきた。次々に虐殺される人類だが、ジャックやサイクスの手により辛くも3機を破壊。だがせっかく仲間として使うはずだったドローンD-172が破壊されてしまった。

為す術ないという状況だが、ジャックとジュリアが直接テットへ乗り込む作戦に出る。
ジュリアは冷凍睡眠状態にした上で、パトロール機に乗り込みテットへ向かう。その最中、ジュリアが回収したオデッセイ号のフライトレコーダーを再生した。そこでは、NASA時代のジャックやヴィカ、そしてテットから司令を送ってくるサリーとの会話が。
この記録から、ジュリアたちが眠る睡眠室を切り離したのはジャックの判断だったことが分かる。記録はテットへオデッセイがつと津したところで終わっていた。 テット内部へ侵入してサリーの音声と会話するジャック。
サリーのAIが内臓されている三角形の物体と対面したジャック。そしてジュリアが入っていると思われた冷凍睡眠装置にはビーチが入っていた。そして燃料電池による核爆発によりジャック、ビーチもろともテットは木っ端微塵になる。
地上ではドローンに基地が襲われそうなところだったが、ドローンは全て動きを止めた。 数年後、湖畔の家で娘と共に暮らすジュリアがいた。そしてそこには基地の生き残りの人間、さらにもう一人、あの砂漠で出会った52号のジャックがやってきた。クローンの一人であっても、彼もまた内面はジャックそのものである。終幕。

感想・評価

主人公の記憶が消されている、という冒頭の前提からして「ああこれは裏があるな」と薄々感づくのだが、それでも主人公側が属しているのが完全に人類の敵側だということは想像の上をいっていた。
色々疑問が残る映画だが、特に、サリーの声をしているあのテットというのは結局何だったの?というのがおそらく多くの視聴者に出るところなのではないだろうか。しかし、それに答えなど存在しない。おそらくどこからか来た、どこかの異星人によって作られた謎の侵略兵器ということくらいしか予想ができないものである。ジャックとジュリアのラブストーリー重視な作品なのでそういうところにあんまり気を回さないようにするが吉、ということだろうなきっと。ジャックやヴィカやジュリアにとってはNASAの上官であったろうサリーの声や姿を模していたのは、おそらくジャックやヴィカの深層心理に記録されていると考えたから、彼女の声や姿ならば疑うことなく命令をきくと考えたんだろうな。ならばそれ以前はどういう声をしていたんだろうか?と考えたがそもそも地球人が作ったものじゃないんだからサリーの声や姿をとるようになったのはオデッセイとの接触後か。にしても、「もしかしたらプレデターみたいのが中にうじゃうじゃいるのか?」なんても予想したら兵士はドローンのみ、しかも中枢は三角形の無機物とは、予想より随分さびしい侵略者だった。

それと、この作品を見ると「最後の52号は49号のジャックじゃないんだからハッピーエンドでもないんじゃ?」という疑問が出る視聴者も多いらしい。同じクローンでも、それぞれが数年の間積み重ねてきた行動や経験によって今のジャックが形成されているのだから、49号と52号は別物では?という疑問だ。
自分は特にそのことについては特におかしくは思わなかった。二人のジャックが相対するときに、52号ジャックがジュリアを見た瞬間に記憶がフラッシュバックして狼狽するシーンがある。それに、ジュリアが主人公の49号ジャックに対してさえ、「以前のあなたとは別人だわ」と言うシーンも。つまり49号ジャックでさえ、オリジナルジャックとは随分性格が違うと、妻であるジュリア自身が言っているのだ。また、52号のヴィカが49号のヴィカと全く同じ性格をしている(49号ヴィカと同じ返しをする)ということは、49号と52号のジャックの性格が同じであるということの裏づけとも言える。
これはきっとそういう批判をかわすための演出だろう。性格がオリジナルと違っていても、人格の奥底に眠る大戦前の記憶はどのジャッククローンも共通して持っているということ。ラストの湖畔の家を訪れたのは49号であろうが52号であろうが、少しばかり性格が違っていようが、奥底に眠るジュリアの記憶は等しく所持しており、49号ジャックと同じく、52号ジャックは思い出を語り合うのだろう。間違いなくハッピーエンドである。ただし、52号は49号に組み伏せられたので、戦闘力は若干49号より劣っているかもしれない。どうでもいいな。

項目別評価

近未来SFものの見所といえばCGだが、この作品はガランとした何もない世界に屹然と立つタワーや、無慈悲なドローンなどの存在でそれが際立っており、荒涼としてさびしくも見えるが、なかなか面白い。実は主人公が〜でしたー!というサプライズな設定なので一度しか楽しめないかといえばそうではなく、二度目も違う目線で見れると思う。ラブストーリー色が濃いのでちょっとその辺が肌に合わなかったかな。

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