ザ・ベイ -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレ映画>ザ・ベイ

評論

一言で言うとおぞましい映画。寄生虫の話。
趣味の悪い映画ではあるが、もともとそういう話として紹介されているので見る人はそういう内容を期待してみるのだろう。
かく言う自分も恐いものみたさで見たのだが、おおよそ予想通りの展開だった。
物語は惨劇があった当時にレポーターをしていた女性の語りから始まる。
ある小さな街のレジャースポットだった湾にはおびただしい量の鶏糞が捨てられており、この鶏糞にはステロイド的なものが含まれていた。
そしてこの湾に住んでいたワラジムシのような寄生虫はこれの影響で突然変異、人の体内から食い荒らす、いや体内どころか、体外からも噛み付いて簡単に人を殺してしまう。もはやエイリアンのような存在と化す。
この寄生虫は目に見えない小さい状態でも体内に入られただけでアウト。
この寄生虫が平和だったころの街を徐々に蝕んでいく。これらは住民たちが撮影した映像として残っていて、全編通して断片的に多数の映像が映し出される。 最終的にはこの街自体が封鎖されて、湾の汚染で起きたという事実は隠蔽されることになる。

とまあこんな話。寄生虫の話だが、演出としてはホラーもの。人から人へ移るものではないが、街のそこここに転がる死体、未知の生物に怯える登場人物、というのは雰囲気的にはエイリアン、ゾンビもののよう。腹から食い破るってのはまんまエイリアンですな。
悪趣味さが見所であると思うので、魚をかっさばいたところで大量に出現する育った寄生虫のシーンとかが見所、なのだろうか…。正直目を逸らしたくなったのは確か。あとはもう手遅れとなった段階でのシーンではそれらの寄生虫が死体にたかっているシーンとかがあり、これがこの映画の最グロシーン。
とはいえ、あくまで架空の寄生虫なので「ねーよ」と思ってしまえば終わりというものでもある。現実でも恐ろしい寄生虫は数いるだろうけど、見えないほど小さい状態から8時間で巨大なものになる寄生虫はいないだろう。
演出は「さあびっくりしろ!」というオーバーなもの。そりゃびっくりするよ、っていう演出の連発。別に人を襲うわけでないのに、瀕死の人間がいきなり後部座席から主人公につかみかかり「助けて」って言うシーンまで。そりゃゾンビがやることだろうと。驚かしたいだけの演出ってのは冷めるものがある。
寄生虫の被害にあった家に突入した警官がパニックを起こして自分もやられてしまうシーンではさっさと逃げろよ、と思うこと請け合い。

結局、この作品は環境汚染問題を提起するテーマでも込められてるんでしょうかね?
映画自体には山も谷もなくただ淡々とグロ映像が流れて終了。
「今日はちょっとおぞましい気持ちにないたいなー」なんて人ならおすすめ。これからも魚をおいしく食べたい人なら見ないほうが。カタルシスも何もない映画で娯楽性もなく、ぶっちゃけ気分悪くなるだけ。むしろはっきり、見るのはやめたほうがいいと忠告しておこうか。
自分自身、魚の内蔵には寄生虫とかいないのかなーいや、当然いる場合もあるよなーとか思うこともある人間なので、ちょっと視聴後に後悔気味。夕飯がいつもより不味かった。

項目別評価

見ても気持ち悪くなるだけの映画。しかしそうならないとしたら、それこそ映画の存在意義が問われそうなので、ちゃんと気持ち悪くなれたということで映像は4くらいにしておく。

凡人の感想・ネタバレ映画>ザ・ベイ