コードギアス 亡国のアキト 3章 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレアニメ>コードギアス 亡国のアキト 3章

執筆日2015年06月09日

関連作品の感想

評論

コードギアスの外伝作品「亡国のアキト」。その3章の感想。一応1章、2章も見ているが、コードギアス本編は飛び飛びで見たのみであり、設定とかあまり理解していない部分も多い。キャラクターの相関は大体わかるんだけども。あとはスパロボで得た知識とかね。とか言うとファンが切れそうだが。「スパロボ知識で語るんじゃねーよ!」と。

まず世界観設定として、この作品は2006年〜2008年に放映された「コードギアス 反逆のルルーシュ」の1期と2期の間に位置する時間軸で、本編でメインとなる舞台の日本(エリア11)ではなくヨーロッパにおけるユーロ・ブリタニアとユーロピア共和国連合との戦いを描いた作品。主人公である日向アキトはユーロピア生まれのイレヴン(日本人)であり、アキトやヒロインのレイラ・マルカル(アキトの上司)たちのユーロ・ブリタニアとの戦いを描いた作品ということになる。本編の舞台となるのは主に日本であり、このスピオンオフではそちらではほとんど描かれなかったヨーロッパの戦線を舞台となっている。本編で登場するキャラといえばルルーシュ、枢木スザク、C.C.くらいであって、他はこの作品独自のものとなっているが、やはり本編の知識は必要ですな。現に半端な知識で見た自分は色々と付いていけない部分もあって…。それでも楽しめたことは楽しめたのだが。

第2章の作戦後、ピエル司令官(レイラの前任のwZERO部隊司令官で日本人を軽んじる小物キャラ)の嫌がらせによってレイラのIDデータが抹消されてしまい、駐屯地にも戻れなくなったレイラ、アキト、リョウ、ユキヤ、アヤノたちワイバァン隊。ワルシャワで右往左往しているうちに、謎の老婆にアキトが目をつけられて、その流れでその老婆の仲間たちにこき使われることになる。ここでは、雑用すら満足にできないレイラ、魚嫌いである事が明らかになるアキト、カナヅチが判明するリョウなど、1章や2章ではほとんど見られなかった、軍人としてではない、キャラクターたちのありのままの姿が描かれてほっこりするところである。あとはレイラとアヤノの着替えシーンなどもあって男性諸君必見だ。
その後、ユキヤのハッキングによってレイラのIDは復活、ようやく軍駐屯地に戻ることができ、さらに拠点であるヴァイスボルフ城までレイラたちは戻ることができた。すると今度は「方舟の船団」と名乗るテロリストの手によってE.U.全土に暴動が広がる。これは皇帝から直々にユーロ・ブリタニアに派遣されたジュリアス・キングスレイの策によるものだったのだが、実はフェイクであって暴動などは起きていなかった。
そんな策を見たアキトの兄であるシン・ヒュウガ・シャイングは「日本にいたゼロというテロリストの手法に似ている」ジュリアスがルルーシュであることを見破る。キングスレイはコードギアス1期後、皇帝により記憶操作のギアスをかけられている状態であり、自らを皇帝のためだけに生きる存在であると意識しているが、それを口にしたところ、皇帝を憎んでいる本来の自分の心との葛藤が起きて半ば発狂。そんなルルーシュにさらに詰め寄るシンに対し、そばにいたスザクが銃を突きつけ、そのままシン直下のミカエル騎士団とスザク駆るランスロットとの戦いへ。たった一人でスザクは騎士団を全滅させるが、シンはそんなスザクを見て「自分と同じく世界を憎んでいる」と本質を見抜いたのだった。その後、ジュリアスがゼロというテロリストであったことを公にしたシンは、自分たちユーロ・ブリタニアはブリタニア本国とユーロピア共和国連合、双方を相手に戦わなくてはならない、と声高に唱える。一方レイラたちは箱舟の船団に対して強襲攻撃を行うことを決意するのだった。

こういう話だったと思う。正直、やはり本編を見ていないせいで各勢力関係がいまいち分からないので混乱することも多かった。特に最後のシンの演説のあたりで「んん?なんでブリタニア本国にも反逆起こす流れになるんだ?」というように。
調べてみたところ、つシンが属しているユーロ・ブリタニアというのは「神聖ブリタニア帝国本国」と同じ勢力でありながらも、国を追われた貴族たちの勢力であって、ユーロ・ブリタニア側が弱い立場。本国がジュリアス、改めテロリストであるゼロという不貞の輩を自らの名代として送ってきたことで皇帝に対する反逆の口実が生まれたのでこれを機にシンはユーロ・ブリタニアの全権を握り、本国をも打ち倒すともくろんだ、ってことでいいんだろうか?理解が間違ってたら恥ずかしい。シンに関しては過去なぜ自分の一族をアキト除き皆殺しにしたのかとか、スマイラス将軍との繋がりがあるようだとか、謎や伏線が多くて全貌がよくわからないキャラに思える。

序盤の雑用としてこき使われるパートがかなり長く取られていて、話自体はレイラたちワイバァン隊は本拠地に戻っただけで特に何もしていない。しかし敵方のユーロ・ブリタニア内部でゴタゴタが始まった、という感じである。クライマックスに向けての繋ぎの回。
雑用パートではレイラとアキトの過去が掘り下げられている。特に重要なことは、レイラは実は幼い頃にC.C.と会っていて、何らかのギアスの力を授けられていたということだ。その力は不明だが、占い師の老婆に「誰かを助けるための力となる」と予言されている。おそらく最終章、5章で何かが起きるのだろうなあ。それとシンも、義妹であり許婚であるアリス・シャイングに対してギアスにより何らかの命令を授けたようだ。アリスに対しては純粋に愛情を持っているようなのでおそらく悪いものではないのだろう。さらに、スマイラス将軍の前に現れてシンの命を要求してきた、明らかに超常の存在である謎の少女も重大そうだが。でもこのキャラに関してはコードギアス本編にすら一切出ていない謎の存在であるようで、いきなり出てきた存在であるようだ。

本来は4章で終了だったところ、5章まで延期されて公開されることになったこの作品。4章の予告では箱舟の船団でのレイラ、アキトたちワイバァン隊とシン直属のアシュラ隊との戦いなどが起こるのだろう。さらにスマイラス将軍の手によるユーロピア共和国連合のクーデターが起き、その生贄とされたレイラに危機が迫ったりするようだ。アキトが「みんなでいつか日本へ行きましょう」とか言ったりアヤノも「自分は大丈夫だからアキトがお守りとして小太刀を持ってて」とか言ったり死亡フラグ複数立ててるので悲劇的な展開が予想されるが、最終的にレイラやアキト、リョウ、ユキヤ、アヤノ、そしてシンはどうなっていくのか気になるところ。今回はやや地味めな内容だが、4章は7月に公開なので2章から3章の間ほどにはやきもきさせられることなく続きを見られるのが嬉しい。

項目別評価

この3章は全体として、「繋ぎ」であって、キャラの掘り下げに力を入れられている感じだろうか。
序盤はお色気&メインキャラの日常の無防備な姿という感じで1章、2章にはなかったパートが多いという感じ。後半ではスザクが駆るランスロットが3DCGで動き回り、2章の市街地での戦いほどアクロバティック、多次元的なものではないもののハイクオリティなバトルを楽しめる作り。
一つ苦言をさせてもらうなら、2章からの間が空きすぎということ。何せ2年も空いてる。どうしても忘れている部分は多く、1章と2章を見直してみたいなあ、と思わざるをえなかった。

凡人の感想・ネタバレアニメ>コードギアス 亡国のアキト 3章