宇宙よりも遠い場所 各話あらすじ・ネタバレ -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレアニメ>宇宙よりも遠い場所

執筆日2018年1月28日〜

STAGE01「青春ひゃくまんえん」

あらすじ・ネタバレ

高校に入ったら何か青春らしいことをしようと考えていた玉木マリ。しかし何をすることもなく気づけば高校二年生になってしまっていて、このままじゃダメだという話を親友の高橋めぐみにしていた。そして学校をサボって電車に乗りどこかに冒険しようとする。が、結局のところ二の足を踏んで断念してしまった。

そんな時、マリは駅のホームで同じ高校の制服を着た、ロングヘアの女子が落としたものを拾う。なんと札束だった。
つい持ち帰ってしまい、次の日は学校にも持ってきて、落とし主を捜すことにした。ロングヘアでいい匂いがしたという手掛かりのみだったが、偶然通りかかった女子の匂いでそれと気づいたマリ。追いかけるとトイレに入り「ひゃくまんえん…」と言いながらすすり泣いていた。
トイレから出てきたのはロングヘアの美少女、小淵沢報瀬だった。彼女はマリが持つ百万円を見ると号泣して感謝した。

報瀬に話を聞くと、彼女は南極に行くのが夢だと言う。報瀬の母親がかつて南極探査に行ったが、事故に遭い帰らぬ人になった。そのため娘である報瀬が直接南極に行き、遺体を見つけるのだと。
学校では有名な女子だった。いつも「南極に行く」と言っているため一部から「南極」と呼ばれてもいた。しかし本人としては本気そのものであり、マリはそんな報瀬を尊敬する。

大金を持ち歩いているということも有名なのでガラの悪い女子に絡まれカツアゲされそうになるが、マリの機転により窮地を脱する。
マリが南極行きの話を応援すると言うと、報瀬は「一緒に行く?」と言ってマリを試してきた。今までも応援してくれる人はいたが、誘ってもなんだかんだと言い訳して報瀬と共に本気で難局行きを目指す者はいなかった。

報瀬が誘ったのは南極行きの船の下見だった。広島の呉で開催されるがマリたちが住む町からは遠い。
しかしマリはこれが冒険する機会だと一大決心する。約束の日に新幹線で報瀬を見つける。報瀬は満面の笑みを見せた。

現地へ到着して船を見学する二人。「どうやっていくつもり?」と聞くと報瀬は「知りたい?」と言い笑みをうかべた。それを見てまたワクワクするマリだった。

感想

この作品に気付いたのは実は3話目が放映されてから。3話目が面白過ぎてこんな面白い作品見ないわけにはいかん!と1話目も2話目も視聴。
まずこの作品、ギャグセンスにただらないものがある。この1話ではのマリと報瀬の出会いが面白過ぎる。トイレの中から「ひゃくまん…えん…」とすすり泣きするシーンで吹き出した。

STAGE02「歌舞伎町フリーマントル」

あらすじ・ネタバレ

どうやって難局に行くつもりかとマリは報瀬に聞く。基本的に南極観測は国家事業であり、参加できるのは自衛隊員。女子高校生などが行けるわけはないと報瀬は説明する。しかし今年は民間南極観測隊が3年ぶりに派遣されるのだという。報瀬はこれにどうにか乗るつもりなのだ。

南極に行くためには資金も必要なためマリは高額バイトを探すが、危険なバイトに目をつける。めぐみはどういうものかわかっていないマリに警告する。また、民間の観測隊は資金調達に苦戦していて、まだ南極に行けるかどうか不確定だという話を見つけてマリに見せた。楽観的なマリだったがめぐみはそう簡単に南極に行けるわけないと悲観的だった。

報瀬と会うとマリと同じような危険なバイトに目をつけてマリに勧めようとする。
マリは南極に行けるかどうか確証を持ちたいと報瀬に言うと報瀬は不機嫌になる。しかし改めてマリに「作戦は考えてある」と言った。

マリはとりあえずコンビニでバイトすることにした。バイト先のコンビニには三宅日向がいた。彼女は明るい性格で、マリはコンビニを何度も訪れていたのでマリのことを知っていた。さらに南極の話をしているのも聞いていた。

マリは報瀬に日向を紹介する。日向は以前から南極に行きたいというマリと報瀬の話を聞いていた。報瀬が遊びじゃないと言うと日向も全て覚悟していた。日向は学校にも行っていないが、独学で大学受験勉強はしており、高校に行っている同世代に絶対に負けないという強い意志を持つ女の子だった。こうして日向もマリと共に報瀬の話に乗ることになった。
日向は元々マリと報瀬の事を気に入っていて、他の高校生とは空気が違うなどと評した。日向は明るい性格だがうわべだけの付き合いが苦手で高校に入らなかったのだとマリに身の上を話した。

報瀬の「難局に行くための作戦」のために三人は東京の新宿歌舞伎町へ足を運ぶ。
そこにいたのは報瀬の知り合い、民間の南極観測隊に参加する一団だった。歌舞伎町で親睦会を行っていたのだ。報瀬の作戦というのはこの観測隊の男性に迫り頼むというとんでもないものだった。そんな作戦と知ってマリと日向は呆れる。またそこには前川かなえ鮫島弓子もいた。二人は報瀬に幾度となく南極同行をせがまれていた。

二人に見つかると報瀬は逃げろとマリ、日向に言う。よくわからないままネオン輝く夜の歌舞伎町逃げる三人。しかしかなえ、弓子も追いかけてきた。「私の青春動いてる!」と喜ぶマリだった。

かなえ、弓子に捕まった三人。かなえと弓子は報瀬の作戦を聞いてやはり呆れる。
ここで報瀬はいつも持ち歩いている百万円をかなえに「資金不足らこれを使って、代わりに自分たちを連れていって」差し出す。わざと受け取る振りを見せたが「こんなの受け取るわけないでしょ」と突っ返した。
三人が去った後、かなえと弓子は報瀬の気持ちもわかるとしんみり飲んでいた。

しぶしぶ地元に帰る三人。しかし報瀬は全く諦めていなかった。
電車の中で報瀬はアテにならないのでリーダーを解任する!と日向が言い出し、マリも賛成する。
同じ車両に少女が乗っていた。歌舞伎町で観測隊の一団に混じっていた少女だった。

感想

三人目の南極観測隊の日向が登場し仲間に。「社交性が高いがうわべだけの付き合いが嫌で集団の中で生きていくのが苦手」なんて設定がまたなかなか繊細だ。
そして報瀬の本性が本格的に露呈し始めた回。一見無口でキリっとしていて利発そうなクールビューティーなのに、半端じゃないポンコツ。あんまり例を見ないキャラ付けだ。この作品のメイン四人は本当に愛嬌があって魅力的だと思う。メインには入らないようだがマリの親友のめぐみは南極行きに懐疑的で、今後どういう立場になるのか。公式のキャラ紹介だと「羨ましがっている」ってことなんでそう悪い方向にはいかないと思うが。

STAGE03「フォローバックが止まらない」

あらすじ・ネタバレ

炎天下の中、「軽く死ねますね」と口にしながら物憂げな表情で空を見上げる少女。彼女は前話でかなえたちと共に歌舞伎町にいた少女だった。

マリ、日向は報瀬のザルな作戦では南極に行くことは不可能だとわかり、報瀬の自宅で「女子高校生が南極に行く」ための別の方法を探っていた。するとあるアイドル兼女優の少女が有名人枠として南極観測隊に参加するのを知る。少女の名前は白石結月。駅にいた少女だった。
それを知った報瀬は「先を越された」と発狂。結月の事務所に電話して、と言いながらマリと日向にスマホを差し出す。
自分でやれと日向が言いもみあってるうちにある少女がいつの間にか庭先に立っていた。白石結月だった。

前話であった出来事により報瀬たちが南極に行きたいことを知った結月は、自分の役割を報瀬たちに譲りたいと考え、報瀬の家を訪れたのだという。理由は「北海道生まれなので寒い場所はうんざり」という理由だった。しかしその決断は結月の独断だった。
間もなく結月のマネージャー兼母親の白石民子だった。

民子は娘の結月を芸能界でより大きくしたいと必死であり、結月の独断を認めはしなかった。千載一遇とばかりに報瀬たちは食い下がるが、民子は「トーク力は?」「ルックスは?」と聞いて、それぞれ欠けている三人を一蹴し、去ってしまった。

しかし後日、報瀬のところに民子からコンタクトがあった。
「娘はどうしても行きたくないと言っている。説得してくれたらあなたたちも南極に行けるようかけあう」というものだった。
マリたち三人は改めて結月に会う。結月はファミレスを利用して勉強していたのでその場で説得を行う。話を聞くと結月はアイドルをしているおかげで忙しく、今まで全く友達ができたことがなかった。南極になど行ったらますます学校と疎遠になる。そのため嫌がっていたのだ。今までの孤独を三人に話す結月。マリは「そういうのわかる!」と言って結月を抱きしめた。結月は「私のことなんかわからない、あなたたち三人は親友同士じゃないですか!」と言うが三人はきょとんとする。まだ出会って一月も経ってないと言うと結月は驚いた。

結月は泊っているホテルに戻って「あんなことされたの初めて」と、自分と本音で交流したマリたちを思い出していた。ホテルの窓を何かが叩く音がして窓を開けるとハシゴを使って登ってきたマリ、報瀬、日向の三人がいた。しかしそれは夢だった。

夢から覚めてがっかりする結月だった。スマホを見るとSNS内では無言で退出した知り合いの形跡だけが残されており、沈んだ顔をする。
今度は窓ではなくドアを叩く音がした。
開けると夢ではなく三人がいた。結月の仕事場である東京に三人も行くつもりで、結月を誘ったのだった。夢が現実になったことに感激し結月は号泣する。

結月は母に電話し、「四人でないと絶対嫌だ」と言った。
こうしてマリ、報瀬、日向、結月の四人の女子は南極行きの切符を手にした。
四人は東京に行き、八王子にある南極・北極科学館へ行って色々と資料を見て回って思いを馳せた。結月は冒頭とは違う満面の笑みで「軽く死ねますね」と口癖を口にした。

感想

泣いた。ラストでちょっと泣いた。いい話や。女子高生が純粋に友達作りたい、遊びたい、それが叶った。単純にいい話すぎた。そして民子に対して三人が食い下がるシーンのギャグテンポがキレキレすぎる。この話を一番最初に見てなんだこの作品めっちゃ面白いぞ!?となって遡って観たのだった。本当に、四人とも魅力的に、絶妙な性格バランスだと思う。これほど愛嬌を感じるアニメキャラは観たことないくらいだ。

STAGE04「四匹のイモムシ」

あらすじ・ネタバレ

芸能人である結月の同行者という形式で南極観測隊に参加することができるようになったマリ、報瀬、日向の三人。
しかし日向以外のマリ、報瀬は学生であるので、もちろん長期の休暇を取る許可を得る必要がある。報瀬はすでに親の同意を得て学校に書類を提出したが、マリはまだ親の同意を得ていなかった。にもかかわらず、勝手に親の名前を使って書類を書いてしまっていた。

母親に事後承諾を得ようとするが、母親の雰囲気は何か禍々しい。実はすでにマリの母は事情を知っていて、黙っていたマリに対して内心怒っていた。しかしテストで赤点を取らないということを条件に承諾してくれた。めぐみは「頑張ってダメだと落ち込むから無理しないように」とマリにアドバイスした。

マリたち四人はかなえの案内で南極に向かう前の訓練を行うことになった。
しかし、かなえが乗ってきたのは普通のワゴン車。南極観測隊といえば一大プロジェクトなのに貧乏そうな雰囲気に不安を覚える四人だったが、かなえが言うには本当に必要な部分以外では極力節約しているのだという。

かなえの他、観測隊のリーダーを務める藤堂吟も講習で教官となり、四人に南極で必要な技術や心構えを押した。吟を見た報瀬はどこか沈んだ表情だった。マリはそれに何となく気づいていた。

四人は高山で模擬的な実技を行う。南極では迷わないように距離を測り、フラッグを建てる必要がある。その練習だ。
かなえ、吟はあえて別行動してののものった。素人のマリたち四人は苦戦し、本来とは大きく外れた位置にフラッグを立ててしまった。しかし時間がかかっても正確さが大事だと考え、より丁寧にやり直した。それを見ていたかなえ、吟は微笑んだ。

テントを張り、その中で四人揃って寝袋に入ってキャンプをした。マリは報瀬に対して「藤堂さんと知り合いなの?」と聞く。吟は報瀬の母親と共に南極観測隊に参加した女性だった。そして吟は帰ってきたが報瀬の母親は帰って来なかった。

マリが朝起きると岩場の上に吟が立っていた。報瀬の母はどういう人物だったかと聞くと、強情で報瀬にそっくりだったと答えた。
朝日が昇り美しい景色を目にしたマリは寝ている三人を起こした。四人でその朝日を見て感動し、絶対に南極へ行くことを誓った。

感想

メインの4人が揃うまでに3話使ったので4話からはいよいよ本格的に南極へ行くための訓練が開始。本当に南極に行くのは少なくとも半分を過ぎた以降であると考えるとあと数話は行く前のてんやわんやを描くということだろうか。
やはり相変わらずマリの親友のめぐみの動向が気になる。

STAGE05「Dear my friend」

あらすじ・ネタバレ

全校集会で難局行きを報告したマリと報瀬。しかしそれを見ていためぐみの表情は不穏。
めぐみの回想。幼い頃であったマリとめぐみ。世話のかかるマリに対して妹のような感情を抱いていた。

マリ、報瀬、日向、結月の四人は南極行きの船の前でテレビ用の撮影の練習をしていた。報瀬は上がり症のためがちがちになっている。
南極行きの荷物は体重に加えて100kgまでしか持って行けない決まりだった。
マリが荷物を準備しているとめぐみから借りたゲーム機を発見した。
それを返すついでにめぐみの家へ行ったマリ。
マリを心配するめぐみだが、その言葉にはどことなく毒がある。明らかに不機嫌なめぐみだがマリは気付いていなかった。めぐみはゲーム機の電源コードを故意に見せないようにしながらわざと抜いてしまった。

準備が終わり、出発の時。
クラスメイトの皆に激励の言葉を送られるマリだが、めぐみは沈んでいた。
マリと二人きりで話すめぐみ。もう明日出発だというのに未だめぐみは「後悔しないように」と言う。そして万引きした、男と遊んだ、などという悪意のある噂もあるとマリに言う。そこに報瀬と日向が合流。噂の話を聞くと報瀬は激怒。
ストレス発散と壮行会も兼ねてということで四人はカラオケに行った。

その帰りにマリとめぐみは2人きりで帰宅する。
そこでマリは「いつもめぐみに世話になっているので、めぐみから離れられるように」というのが原動力になっているということを話した。

出発の日に家族に送られて家を出たマリ。
外に出るとめぐみが待っていた。そして「絶交しにきた」と言った。「悪い噂を流したのも全部自分がやった」と白状した。
めぐみはマリが自分を頼らないのが気に食わなかった、マリにくっついてたのは自分だった、変わらなきゃいけないのは自分だったと言った。
マリは「南極に一緒に行こう」と言うがめぐみは断る。しかしマリは「絶交無効」と言って走り出し、めぐみと別れた。そしてマリは報瀬、日向、結月が待つ空港に行き、合流した。

感想

自分より下だと思ってる人間に自分より先に行かれてしまった、ってのはままあることだと思うので分かる話だが、めぐみが思ったよりずっと黒かった。公式サイトのキャラ説明の「マリに羨ましさを感じている」というのは間違ってはいないけどちょっとざっくりすぎないだろうか。焦りとか嫉妬とかも混ざった複雑な感情って感じだろう。100万持ち歩きの噂を流したのもめぐみというのは、そういえばそうかと、ずっと気付かなかった。今後もめぐみはテレビでマリを見たり、最終話でマリと再会したり、というような出番はありそう。

STAGE06「ようこそドリアンショーへ」

あらすじ・ネタバレ

4人はいよいよ空港から旅立つ。まずシンガポールへ行き、そこからオーストラリアへ向かう予定 。しかし日向は女学生の集団を意味深に見つめるのだった。
シンガポール行き飛行機に乗った4人。
シンガポール着後、以前来たことがあるので場慣れしている結月が先導してホテルに到着する。日向は何かを失くしたようだが黙っていた。
明後日には出発するが観光を楽しむ。名物のドリアンの臭さに驚く4人だった。
しかし日向は結月に「パスポート持ってるよな?」と不審な確認をする。
結月が日向が何かを隠していることに気付いた。パスポートが無いのだった。

日向以外の3人もこれを知り危惧する。大使館に行けば再発行できるので明日可能かと思われたが、明日は日曜で大使館は休みだった。結局飛行機を遅らせる以外には方法がないと結論づけたが、規律の厳しい観測隊がそれを許してくれるかと不安になる報瀬。

日向は自分を置いて3人は予定通り明後日出発しろと報瀬に言う。自分は後から追いかけると言うが報瀬は「自分が不安がらせたからだ」と思い日向に謝罪する。しかし日向はパスポートを忘れた自分が悪いし、後から追い付くからと言った。
日向は報瀬に対して「気を遣われるのが苦手だ。報瀬は自分の目的だけ考えればいい」と告白すると不機嫌になって寝てしまう。

日向が起きる前に3人は空港に行ってチケットの交換をしようとしていた。報瀬はマリと結月には「具合が悪い」と嘘をついたのだ。結月がチケットの交換をしようと係員に交渉するが、交換できるのは一か月先のものになってしまうという。報瀬は虎の子の100万円を出して何とか交換しようとする。それを日向は止めるが「気にするなと言われて気にしないような人間にはなりたくない」と感情を爆発させる。それを見て日向は感涙する。

結局、報瀬の金で新たにビジネスクラスの席を4つ購入してオーストラリアへ向かうことになった。
しかし報瀬がふと自分のポーチを覗き込むとそこには日向のパスポートが入っていた。実は昼間、日向が靴ひもを結んでいる間に報瀬がパスポートを預かっていたのだ。しかし二人とも忘れていた。
3人には言わず1人狼狽する報瀬だが、結月が隠し事を見抜いた。
ビジネスクラスのチケットはキャンセルして、結局は元々予定されていた便に乗ることに。しかし報瀬と日向は騒がせた罰ゲームとしてドリアンを食べることになった。

感想

まず、てっきり引率はいるものだと思ってた。結月が海外慣れしていたようだし、「これから南極行くんだからこんな程度できないでどうする?」って話だと思うのだが、まあ中学生以前ならともかく高校生だし、そう不自然なことでもないのか。
日向はうわべだけの付き合いが苦手なため集団生活になじめず学校を辞めた、というのは以前から明かされていたことではあるが、今回報瀬とはそういうものを越えてぶつかり合い、一生ものの親友を得た感がある。
パスポートを渡すシーン見る限り、報瀬と日向だけじゃなくてマリと結月も見てるのだが、これって四人全員が忘れてたことになるような。

STAGE07「宇宙を見る船」

あらすじ・ネタバレ

冒頭、藤堂吟がマスコミのインタビューを受けている。緊張している吟をリラックスさせようと、かなえと弓子は笑わせようとしていて、それを見た吟は笑い、改めて意気込みを語った。

マリたち4人はオーストラリアのフリーマントルへ到着した。シンガポールでの撮影の続きとしてビデオ撮影するが報瀬はガチガチにあがってしまってまともに撮影できない。

かなえが4人を迎え、船を案内する。4人が1つの部屋で過ごすことになる。かなえは「ここからは大人として扱う」と言った。4人は船の出発前に船内のリポート映像を撮影することにした。吟に話を聞くと昭和基地を復旧するのが目的らしい。どうやら船の船員が足りていないようだった。船長の迎千秋も「この船じゃ広すぎるかも」と言って人手不足を示唆した。藤堂は4人が使う部屋は報瀬の母の貴子が使っていたものだと教えた。
出発直前にマリたちも買い物を行わなければならなかった。4人は改めてかなえに「南極に本当に行けるのか」と聞くとかなえは、資金も足りていないし人手も足りていないが大丈夫だと答えた。厳しい所なのにどうしてそこまでいくのかとマリが聞くと「今回は宇宙(そら)を見るため」に行くのだと4人に説明した。

しかしかなえは何か隠していると感じたので4人は船内を探索して搭乗員たちを観察する。船には財前敏夫、安本保奈美、佐々木夢、轟信恵といった人物も搭乗していた。具体的にはわからないが観測隊には、まだ聞いていない何か別の目的があると感じる4人。部屋のベッドには蛍光塗料が塗られていて、暗くすると光るようになっていた。

デッキに上がった報瀬に対して吟が前回の観測での出来事を話した。低資金の民間の観測隊でも天文台を設置することができればと、成果を得るために無理をして危険を犯した。どんどんスポンサーが減っていったが、前回の観測隊に行った者はほとんどが今回も乗っており、全員が強い意思を持っていると報瀬に説明した。吟たちは天文台の設置に並々ならぬ拘りを持っていて、かなえが言っていた「宇宙(そら)を見るため」というのはそういう意味だった。

出発前の宴会でかなえが4人を紹介する。報瀬がまたあがってしまうが、吹っ切れて大声で意気込みを語った。搭乗員たちは全員がそれに応じて腕を掲げた。

感想

新たな登場人物も複数登場。初めて報瀬の母の貴子が回想で登場。娘とは違って社交的だったらしい。なんで娘はああなっちゃったのだろうか。そして「天文台を設置する」というのが観測隊の目標だということが明らかに。なんで「宇宙より遠い場所」なんてタイトルなのかとは思っていたが、ちょっとその意味が見えてきた。

STAGE08「吠えて、狂って、絶叫して」

あらすじ・ネタバレ

いよいよ船は南極に出発する。マリたち4人は仰向けになって円陣を作って「南極でもこれをやろう」と約束をした。
出発痕、4人は船員たちにどういう仕事をしているのかインタビューをする。その後料理の手伝いもする。
普段は給食を作っている弓子の案内で甲板で運動することになった。甲板は広いが、マリたち4人以外の船員たちは普段から鍛えているためハイペースで走っていた。食事も摂ったが、その後4人全員が船酔いを発症してしまう。それでもよく食べるようにと、かなえに忠告される。
それでも船酔いはいかんともしがたく4人は参っていた。

さらにこの先、揺れが激しくなるポイントでは50度以上も船が傾くのだと保奈美に脅される。
結月が「南極に着いても活動できるのか」と不安になるがマリは「選択肢はあったが自分で選んだ道だ」と言って励ました。
4人はやる気を出して甲板に出て荒れた海を見て騒ぎ喜んだ。

そして翌日、甲板から遠くを見るとついに氷山が見える位置まで到達した。
吟は「ここから玄関を開けるまでがまだ長い」と言った。

感想

直接的描写はないが、多分アニメ史上最もヒロインたちがゲロ吐いた回だろうか?この作品はお行儀良いの気取らないで高校生ヒロインたちの醜態を惜しげもなく披露するのが素晴らしい。船での移動は今回だけ、かというとそうでもなくラストの藤堂の台詞から次もまだ南極上陸までに何かありそう。

STAGE09「南極恋物語(ブリザード編)」

あらすじ・ネタバレ

船ではなわとび大会が行われていた。優勝チームには豪華な食事が振る舞われる。
そんな時、突然に財前がマリたち4人に恋愛相談をしてくる。藤堂吟に恋をしてしまったのだという。報瀬は吟のことは昔から知ってはいるが深くは知らないという。マリたち4人は財前と吟を取り上げて自分たちのレポートを作ることにする。

報瀬も吟のことはあまり知らないので直接インタビューをすることにする。報瀬は吟に苦手意識を持っていたが、吟も報瀬に対して同様だった。しかし、かなえは吟にちゃんと話をするように吟にアドバイスした。
報瀬を抜いた3人が吟にインタビューしに来た。雲のような人間がタイプだと言ったので財前にそれを伝えた。こんな中、船は南極圏へと入っていった。

吟は報瀬と改めて二人きりで話をする。「自分のことをどう思っているのか」と単刀直入に聞くと報瀬は「憎んでいません」と答えた。南極が危険な場所だということは覚悟していたのだという。しかしそれが本心かどうかもわからないので、南極へ向かうのだという。

その会話中に船は大きく揺れた。船が氷に激突した。ここからは氷を破壊して接岸することになる。敗戦国の日本は上陸に不利な地点しか使えないという決まりがあるのだ。

回想。貴子が遭難した時、「綺麗だよ」という通信だけは吟は聞いていた。それを思い出してデッキで泣いていた吟を財前が見て、心の傷に全く気付いていなかったという財前。慰めてくれた弓子に惚れて鞍替えしてしまう。

船はついに南極に接岸し、マリ、報瀬、日向、結月の4人が最初に上陸した。報瀬は馬鹿にしていた人間に「ざまあみろ」と何度もくりかえす。不利な条件で接岸しなければならない吟たちも同じような気持ちで「ざまあみろ」と声を揃えて叫んだ。

感想

恋愛要素いる?という回だった。財前って今後重要な活躍があるのだろうか。あと最初から思ってたのだが、藤堂の方が報瀬と親子っぽいよなあ?容姿も性格も。今回は和解、というわけではないが一歩歩み寄った形になったので、南極でまた二人が交流する場面もあるだろう。
南極では何話使うのか?というのはこの作品における重要なところだと思っていたが、残り3話使うのだろうか?それとも1話くらいはエピローグ的なものに使うのだろうか?

STAGE10「パーシャル友情」

あらすじ・ネタバレ

南極に到着したマリたちは甲板からヘリに乗り上陸した。
そしてかなえに昭和基地を案内される。
結月は携帯に届いたメールを見てから何か様子がおかしかった。
それは結月はドラマのオーディションに通ったことを3人に伝えた。
そしてそのせいで日本に帰ったらあまりマリたちと会えなくなると心配になっていた。

しばらくは基地内部で作業が続けられていた。
クリスマスケーキも作られてお祝いも行われるが、結月は「誕生日でお祝いしてもらえる人ともらえない人がいるのは不公平だ」と愚痴をもらしていた。自分の誕生日はすでに過ぎ、祝ってくれなかったから不機嫌だったのだった。
友達誓約書というものを出して今後も友達であることを約束してくれるように3人に要求する結月を見て泣き出すマリ。
結月は友達とは何なのかが分からず困惑していた。報瀬と日向に聞いてもいまいちわからない様子だった。

結月はマリとも話して友達の定義を聞かされる。マリは親友のめぐみを引き合いにして、Lineのやり取りで今どういう顔しているかも分かると結月に語った。そして3人は結月にサプライズでクリスマスケーキをプレゼントした。
結月はLineを使ってたった一言感謝の気持ちを伝え、マリは「友達って平仮名一文字だ」と定義づけた。

感想

結月が主役の回。残りはメイン4人のうちそれぞれにスポットが当たると11話が日向、12話が報瀬、13話がマリ、ということだろうか。
今回は3話の焼き直しっぽさがあったような気がする。結月はもう他の3人と友達であることはもちろん、日本に帰っても友達でい続けることにも疑問は持っていないのだろうと思っていたので、またこういう話になったことで若干のくどさを感じられたかなあ。

STAGE11「ドラム缶でぶっ飛ばせ!」

あらすじ・ネタバレ

マリたちは日本にいる親しい知り合いと連絡を取る。日向の知り合いはかつて所属していた学校の陸上部の面々だったが、日向はその場をごまかして去ってしまう。一方、吟とかなえはかつて貴子が消息を絶った場所へ行くかどうかを相談していた。
様子がおかしい日向を心配して報瀬が追うと「ふざけんな!」と言いながら一人で感情を爆発させていた。しかしみんなの前ではそれを見せないようにしているので、報瀬は心配を募らせる。

相変わらず日向は本心を見せないが、基地にメールが来ていたというのでそれを報瀬が盗み見る。それは陸上部で日向が孤立していたことを謝罪しているというような内容だった。日向に見つかってしまい、もう隠せないと考えた日向はマリ、報瀬、結月に陸上部で起こったことを話した。陸上部でいじめに遭い、そのために学校を辞めることにまでなってしまったのだった。
日向は「今までのしがらみを断ち切って楽しむために南極に来た」のだとも話した。

過去にあったことを無かったことのようにする日向に報瀬は納得せず、日向と二人きりで話して、日向のことでも自分が納得できないと言う報瀬。しかし日向は「連れてきてくれてありがとう」と感謝を伝えた。
そして日本に向けての放送で報瀬は日向が所属していた陸上部に向かって侮蔑の言葉を述べ、「ざけんなよ」と言って締めた。

日本は大晦日。除夜の鐘が鳴らされていた。マリたち4人も南極でドラム缶を叩いて除夜の鐘代わりにし、日本に聞こえるように音を出した。

感想

パスポート消失回でも日向と報瀬は一生の親友になった、なんて感想を書いたが、さらに二人の関わりを掘り下げた回。南極がどうとかいう前に青春作品なんだな〜ってことを思い知らされた内容だった。ええ話や。

STAGE12「宇宙よりも遠い場所」

あらすじ・ネタバレ

報瀬が中学生の時、母の貴子は難局から帰ってこなかった。報瀬はそれ以来、未だ醒めない夢の中にいるような気持ちであることをモノローグで語る。

吟とかなえは雪上車を使ってかつて貴子が消息を絶った地点へと向かうことにした。報瀬も誘うが、「考えさせてください」と返す。飛びつくかと考えていたかなえは意外に感じた。

マリは考え込んでいる報瀬に話を聞こうとする。報瀬はマリたち3人に対して心情を吐露する。南極に来ても思ったほど感情が動かないことを意外に感じていたのだった。南極に来て何も変わらなかったら一生今の気持ちのまま、冷めたままかもしれないいうことを報瀬は恐れていた。

報瀬は吟と会話をすると「貴子が自分に来てほしいと思っているから南極に来た。思い込みが人を動かす」と話した。報瀬は稼いだ100万円を並べ、南極に来るまでに自分がどれだけ努力してきたのかを再確認した。そして報瀬も吟たちと一緒に行くことにした。

雪上車はゆっくりと移動する。南極の内側へと入っていき、徐々に寒さは増していく。
夜になりブリザードが雪上車を襲う。吟は「貴子は基地に移動した時にブリザードに吹き飛ばされた」という話をする。報瀬はかつてそこにいたであろう自分の母と吟の姿を幻として見た。
マリは報瀬に「報瀬ちゃんのおかげで青春出来た」と感謝を伝えた。
報瀬はモノローグで母の貴子に友達が出来たことを伝え、ついに貴子が消息を絶った観測所へと到達した。

マリたちは観測所で貴子がいた証拠となるものが何かないかと探し出す。
すると報瀬と貴子の親子が一緒に映っている1枚の写真が貼られた、ノートパソコンがあった。
報瀬が1人でそのパソコンに向かい起動させる。パスワードが必要だったが、報瀬の誕生日の番号で開いた。
メールには報瀬からのメールが1000通以上溜まっていた。報瀬は号泣し、部屋の外のマリ、日向、結月も泣いた。

感想

最終話でなくその手前あたりにタイトルを持ってくるというのは割とありがちだが王道。実質的にはマリより主人公っぽい報瀬メイン回。青春をする、つまり10代でしかできない経験をして前に進む、といったことがこの作品のテーマだと思うが、報瀬はようやく母の死を現実のものとして受け入れ、前に進むことができるようになった、ということだろう。「この時これをしないせいで前に進めなくなってしまう」ということは実際、あるんだよなあ。

STAGE13「きっとまた旅に出る」

あらすじ・ネタバレ

マリたちは難局での生活を続けていた。
氷を削る作業の現場へと行き、かなえと話すと、徐々に南極を去る時が近づいていることにマリは寂しさを覚えていた。他の南極隊員は残るが、かなえや吟たちはそのまま残るのだ。
マリはまたこの4人で南極へ行こうと約束し合う。
そして4人の提案で、記念に南極隊員の全員で野球で遊んだ。
報瀬は心境の変化があって髪をショートカットにした。

そして4人が南極を去る時が近づいた。吟はマリたち4人を賞賛し、またここで会いましょうという言葉を送った。
マリたちの代表として報瀬があいさつをした。南極での生活をして、自分の母が愛したのは南極と仲間と過ごす日々だったのだと分かった、と言った。

かなえは4人を送った時、実は南極行きは中止になる可能性も高くなると今更に白状した。
報瀬は吟に対して「もう私は平気ですから」と言って母のノートパソコンを渡した。
4人が去った後、そのノートパソコンで送信メールがあるのを吟は見つけた。

4人が船に乗って帰る途中、甲板から見上げるとオーロラが輝いていた。
その時、報瀬にメールが届いた。吟が送ったものだった。「本物はもっときれいだよ」という本文で、オーロラの写真が添付されていた。南極に残った吟たちもオーロラを見ていた。

日本に戻ってきたマリ、報瀬、日向、結月の4人。マリの提案で空港で解散することにした。そしてまた4人で旅をしようと改めて約束した。報瀬はここで100万円は南極に置いてきたと3人に教えた。

4人はそれぞれの日常に戻った。マリが親友のめぐみに連絡すると「私は今北極だ」と返事が来て、オーロラをバックにした写真を送ってきた。
マリは「なんでー!?」と叫んだ。

感想

実に王道な最終回。だがラストのめぐみだけはあまりに予想外だった。
この作品、思えば3話が面白くて引き込まれたのだったが、正直なところ、もう少しギャグ寄りなのを予想、期待していたかもしれないなあ。

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