ザ・キング・オブ・ファイターズ13(KOF13) -凡人の感想・ネタバレ-

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執筆日2015年2月12日

評論

2015年の2月に、唐突にこのKOF13の評価を書くことにする。
なんでかって思い立ったからだ。思い立ったが吉日。サイトの更新クセを付けるためにも、思い立ったら書いておくようにしたいのだ。
実際のところ、本日、PS4とギルティギアXrdをアマゾンでポチったから、という明確な理由があるのだが。格ゲー繋がりで、最も最近プレイした格ゲーであるこのKOF13というゲームの評価を書きたくなったというわけだ。というわけで近日中にそっちの、ギルティギアの方の評価も書くことになるだろう。

ゲームに造詣が深い人間もそうでない人間も、格闘ゲームと聞いてまず思い浮かべるゲームはなんだろうか?…って、造詣が深くない人間はそもそも格闘ゲームなんてジャンルはさっぱりかもだが。
とにかく格闘ゲームを知っている人間ならば思いつくのは十中八九、「ストリートファイター」だろう。カリスマ的プレイにより多くのファンを持つプロゲーマー、「ウメハラ」がプレイしている、あのシリーズだ。

カプコンより発売されたストリートファイターシリーズ、もっと言えばストリートファイターU、ストUが格闘ゲームの火付け役であることは多くの人間が知っているところだろう。そしてその二番煎じではあるがヒットを飛ばしたのがSNKより発売された「餓狼伝説」シリーズであるということもまたそれなりに有名なはず。

自分はストリートファイターシリーズだと1993年発売のスーパーストリートファイターの家庭用をやり込んだのが思い出深いのであるが、そのうちゲーセンに足を運ぶようになりあるゲームをプレイするようになった。
ストリートファイターZERO2、ストZERO2である。このゲームの家庭用を購入した際にはPS用のジョイスティックも購入しやり込むようになった。以降、2000年代前半まで、頻繁にゲーセンに足に運び対戦を楽しんできた。今はもうさすがに格ゲーからは離れてしまったのだが。

そのきっかけとなったストZERO2の横で稼動していたあるゲームがある。それが「ザ・キング・オブ・ファイターズ96」だ。
90年代の格ゲーシーンには「カプコン派」と「SNK派」がいたと思う。個人的な偏見になるが、前者は割りと普通の(と言っていいのかわからないが)ゲーマーがプレイするのに対して、後者に関しては典型的オタクが好む傾向にあると思う。

自分は後者だったようで、格ゲーにはまったきっかけこそカプコンのストリートファイターだったものの、いつしか、カプコンよりもより「キャラゲー」路線であるSNKの格ゲーにのめり込むようになったのだった。餓狼、月下の剣士、KOFなどがメインだったろうが、特にSNKオールスターであるKOFシリーズにのめり込んでいった。
SNKのキャラにスポットを当てた、よりオタク的な側面が琴線に触れたというのは確かなのであるが、思い返してみて、なぜKOFにはまったのかというと、ある決定的な要素があった。

ずばり、小ジャンプ、中ジャンプ、そしてダッシュの存在だ。KOFシリーズはKOF96以降では必ずこれらのシステムが存在する。
その名の通り軽く、低めに鋭くジャンプするのであり、ここからジャンプ攻撃を当てて連続攻撃を叩き込むのがKOFという格ゲーの基本となるのだ。
ダッシュに関しては、前方に素早く2回移動入力することで行える、走り、ランである。カプコン系ではこれは一瞬だけ踏み込む動作、ステップであることが多い。このダッシュはギルティギアシリーズなども同じようなものだが、KOFのこれはかなりスピードが速い。

あまりに小ジャンプ、中ジャンプが重要なので、「バッタゲー」と揶揄されることもしばしばだが、この鋭いジャンプと、ダッシュによる鋭くキビキビした操作感が小気味良いというのが最大の要因だった。それに加え、これまた見てて小気味のいいダウン回避や、緊急回避など、とにかくKOFシリーズは操作してて「気持ちがいい」のが特徴だと思うのだ。もちろんこれは好みによるものだが、KOFが好きな人間ならば同意してくれる人間は多いはずだ。

最新作であるKOF13もまたこの操作感は変わらず存在している。
そう、それはKOF96からまるで変わっていない操作感であるのだ。キビキビした動作が気持ちよい。悪く言えばジャンプが強すぎて相も変わらずバッタゲーではあるのだが、グラフィックが一新されたKOF13においても、15年前から変わらない操作感を保ち続けている。

グラフィックに関してちょうど出たのでここについても語っておくことにする。
前作、KOF12に至るまで、KOF96からほとんどグラフィックが進化せずに来ている、ということもKOFが好きな人間ならばよく知っているところだと思う。
いくら新作が出ても完全に時代遅れのグラフィックでやりくりしてきたのがこのシリーズであったので、一新されると聞いた時はそれはまたかなりの期待を持ったものだ。
…が、それがゲーム内容をおろそかにしたのか、KOF12がどういう評価を受けているのかは、ちょっと調べれば分かると思う。いまどきドットを途方もない手間をかけて打つという開発方法がよくなかったのか、おそらくゲーム内容にまで手が回らなかったのだ。
だが、このドット絵に関しては高く評価したいと思う。KOF2002などのキャラクターデザインであるノナ氏のイラストがドット絵の元になっているようで、クセが強く出すぎている、などと言われ、手間隙かけた割に芳しくない評価も多分に受けているのだが、実際、アニメ塗りでない、手打ちドットならではの陰影、質感は確かに出ている。15年ほどにもわたりほとんど変わらないグラフィックに関してはさすがにうんざりしていたところなので、手間に見合わないことだとしても、よくやったと喝采を送りたい。多分100%手打ちドット絵の格ゲーなんてこれで最後だろうし。そういう意味で無形文化的価値があるんじゃないかとも。

そんなKOF12という尊い犠牲の上でこのKOF13は成り立っている。KOF12は次世代KOFのお披露目、KOF13のプロトタイプのようなものだったと思えばいい。
KOF12では少なすぎた参戦キャラだったが、13ではKOF12では存在しなかった人気キャラ(不知火舞、ネスツチームなど)も加わり、12では存在しなかったストーリーも、2004年のKOF11から正統に続くもの。ボリューム感は十分、ゲーム性も非常にKOFらしい仕上がりになっており、未完成品とすら言われるKOf12とは見違えるような作品に仕上がっている。ようやくここに来てKOFは次世代を迎えたのだった。初期バージョンではK'が狂った性能だったりしたのだが、なんやかんや経て、最終的にはそこそこに良いバランスに仕上がった。

ゲーム的には、コンボゲーとしての側面が強い。KOF2002などのMAX発動から進化させたHD発動によるコンボは非常に難易度が高い。おそらく現在現役と言える格闘ゲームの中では最大級の難易度だ。ある程度対戦してみるとわかるのだが、隙に最大威力のコンボを叩き込めるようにならないと中級者以上が相手の場合は結構厳しいことになり、太刀打ちできない。そういう意味で、ジャンル自体の敷居が高い格ゲーの中でも、敷居は相当に高い格ゲーだと言えよう。

まあゲーム性がどうのってのより個人的には、次世代のKOFがこうして世に出たってのがなんか嬉しかったのだよなあ。とはいえそれももう5年も前の話だが。KOFって2000年前半くらいからはもはや死に体で、なんかシリーズ続いてること自体が奇跡みたいに思える部分があったし。なんだかんだで、2003から続くアッシュ編ストーリーも、今作できっちりと話を畳んで終了している。格ゲーとしては、キャラ重視であると共にストーリー重視でもある珍しいシリーズであるので、この点も今作はポイント高い。

グラフィック、ストーリー、システムといった観点から見て十分に基準を満たしていて、KOFという格ゲーバブルより長らく続いてきたシリーズとしては、終着点とも言える作品なんじゃないかと。はっきり言ってもう終わり時なんじゃないかな、もう終わらせてやってくれないかな、とも思っていたところなので、この作品は優秀の美を飾るには本当にふさわしい作品だ。

そんな自分の思いとは裏腹に、どうやらまだKOF新作は出るようなのだが…。もういいんじゃないかなあ…。

歴代主人公3人のラフ。アッシュはKOF2003時点では美形ではないとされていたキャラだがいつの間にか美形になってた。

項目別評価

KOFという格闘ゲームが持つ欠点とか粗とかそういうのには目をつぶるとして、あくまで「KOFとしては」、一つの到達点と言ってもいい作品だと思う。某有名サイトのレビューにもあるが、末長く、あるいは半永久的に遊べるKOFだと思う。重ねて、ドット絵は高く評価したい。けど、今回ポチったギルティギアXrdのグラとかはまた次元が違うなあ…。こっちはこっちでホント、無形文化的な価値があるようにも思えるんだけどね。次世代KOFもおそらく3Dになるようだし、手間隙かけた生粋のドット絵格ゲーなんてのはもはやこの作品をもって終焉なのだろう。

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