ゼノブレイドクロス 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレゲーム>ゼノブレイドクロス

執筆日2015年06月03日

評論

Wiiで発売された「ゼノブレイド」の続編、WiiUでの発売となるRPG作品。
前作ゼノブレイドはプレイせず、いきなり2作目からのプレイとなった。6月現在、プレイ時間は200時間ほどに到達。

物語としては、地球の周辺でドンパチ始めた異星人同士の戦いに巻き込まれた地球人類が「白鯨」と呼ばれる宇宙船で地球を脱出、生き残った数万人で、白鯨が不時着した惑星「ミラ」でのサバイバル生活を余儀なくされた、という話だ。主人公は前作と違いアバター形式であり、キャラクターメイキング可能となっている。

とにもかくにも…とにかくこのゲームはボリュームがとんでもない。惑星ミラはとてつもなく広大で、またクエストなどの物語のメインから逸れたサブ要素もおびただしいものがある。おそらく国産コンシューマーRPGとしてはこのゲームより広い世界は存在しないのでは?というくらいにとんでもなく広い。世界の端から端まで移動するとしたら、ドール(高速で移動できる機動兵器)無しでは一体どれくらいかかるだろうか…。とにかくとんでもなく広い。ディズニーランドで言うと数千個分くらいあるだろう。いや、知ったかぶったがディズニーランドの広さがそもそもわからない。適当言った。数百個分は間違いなくあるだろうけど。

とにかくこの広大な世界を自由に動き回り、探索するというのがゲームの骨子部分である。歩きたいように歩けばいいし、海を地平の彼方まで泳いでもいい。その辺をのっそのっそと歩いている超巨大生物にケンカを売ってあえなく全滅するのも自由である。目に見える範囲で行けない部分はほぼ存在しないと行っていいのだ。移動という観点においてこれほど自由度が高いRPGには初めて出会ったので軽く衝撃だった。最近プレイしたFF15体験版もオープンワールドRPGということになろうが、あんなの比較にならない。これだけのマップを開発するのは一体どれだけの手間がかかるんだろう…とか開発スタッフ過労死とか出なかったのかな…とか本気で唸ってしまったくらいの広さの世界だ。

戦闘システムもかなり独創的なものである。そこらを歩いている敵(惑星ミラの原生生物が主)に対して攻撃を仕掛けることでシームレスに戦闘は開始される。あるいは攻撃的な相手ならば近づくだけで開始される。戦闘中、何もしなくても「オートアタック」といういわゆる通常攻撃に該当する攻撃をキャラクターたちは繰り出し、技、特技といったものに該当する「アーツ」という攻撃を選択して選ぶこともできる。アーツは使わずにいるとリキャスト(チャージのような意味合い)され、最大までリキャストすると効果が増大する。またキャラクターたちの呼びかけに応じた色のアーツを使用することでHP回復効果はじめ付加効果が発生する、という「ソウルボイス」システムもある。
どれをとっても、過去プレイしたRPGのどれにも似ていないシステムで面白いと思った。特にソウルボイスシステムに関しては面白い。あらゆる場所でシームレスに戦闘が行われるので臨場感もある。

キャラクター、ストーリー部分などにも触れる。
惑星ミラとそこに生存する地球人以外の異星人とも関わって物語は展開していくのであるが、キャラクターの数も世界の広さに見合った多さである。名前つきのキャラが軽く数百名以上。最初は地球人だけだが、友好関係を結んだ異星人はNLA(地球人の安全な拠点)に移住していくこともあり、どんどん増えていく。メインとなる地球人キャラは10人弱だが、その数にはただただ圧倒される。しかもそれらのキャラクターの関係性は物語を進めたり、クエストをクリアしていくことで変化したりもする。あまりに膨大な数がいるので誰が誰だか分からなくなってくるが、100時間以上もプレイしてくると、百人単位で存在するキャラクターたちの個性、性格もなんとなく把握できてくるのがまた面白いところである。とはいえ「誰だっけ?」となるのも頻繁だが。

ストーリーに関してはストーリークエストというものを受注することによって進められて、1章〜12章まで存在するのだが、ストーリーだけを追うようにすると比較的短時間で終わると思う。とはいえストーリークエストの受注自体に条件がついていることもあり、それは面倒な条件であることも多く、また後半のストーリーボスは手強いので一気に物語のメイン、ストーリー部分だけ堪能するというのもあまり極端にはできない。
物語は白鯨が墜落したときにバラバラになってしまった冷凍保存されている人間たちを救出するというのが最大の目的となっている。何かを倒すとかそういういかにもRPG的なものではなく、悪く言えば地味な物語だ。やや盛り上げるに欠けるかもしれないが、このゲームの場合、ストーリーを楽しむというよりはむしろ広大なミラの探索を楽しむということこそがメインでもあるので、特に悪い印象は持たなかった。

項目別評価

「ボリューム」という項目を加えるとしたら、20になるだろう。これを上回るボリュームのコンシューマーオフラインRPGはそうそうないのではないだろうか。広大なミラの大地を駆け回り探索していくというメイン部分は骨太、という言葉では足りないくらいのやり応えである。ゲームとしてのコストパフォーマンスは最高。7000円払って数ヶ月は軽くプレイできる。クエストにしろ強敵を倒すにしろ、ある程度単調な作業を繰り返していくことになるので、ゲーム全体の流れがやや平坦になるかもしれない。ストーリーも、あくまで地球人がミラに居付くまでの苦境を描いたものであるので、あまり派手なものではなく、地味な展開が続く。しかし、最終章となる12章のあとも明らかに続く流れで物語は終わっているので、今後アップデートによりさらに話は続いていくだろう。とにかくこのゲーム買えば、下手すれば半年くらいゲーム買う必要ないかもしれないので、1本を長くプレイするタイプの人にはこの上なくオススメである。
インターフェイスその他、基本部分に文句もある。まず文字が小さくて読みにくいし、面倒なシステムが多いのにも関わらず説明不足である部分も多いように感じた。もう少しユーザーフレンドリーな作りにしてほしかった。

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