キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー -凡人の感想・ネタバレ-

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執筆日:2014年11月4日

評論

アメコミヒーロー、キャプテン・アメリカ主役の映画第1作。
実は、続編である「ウィンター/ソルジャー」を見てからこちらを見た。普通にこちらから見たかったのだが、この前、続編のほうがPSSTOREで配信開始になっていたのですっとばしてあっちを見てしまったのだった。

まずキャプテン・アメリカ誕生に関してそういえば自分は何も知らなかったのだと気付いた。超人兵士を作り出す「血清」を打ち込まれたことで肉体が劇的に変化、たくましい青年へと変化を遂げた。この血清は性格をも変化させる。元々持っている性質をさらに強力にする、つまり善人ならより善人に、悪人ならより悪人に。悪役であるレッド・スカルがまさに悪人側。

アイアンマンの主役であるトニー・スタークの父親のハワード・スタークが軍への技術提供者としてたびたび登場している。こういうスターシステム的なものがマーブル映画の魅力ですな。アイアンマンの映画も見ていて、トニーが父親を思うシーンなども見ていると、単に過去の人間、トニーの父親として見るだけでなく、「ああこれがあの…」と、感慨を持って見られないこともないわけで。息子と変わらず好色家であり、そのせいでロジャースとヒロインであるペギーとの間に不和(というものでもないが)を生じさせるのはご愛嬌。
そのスタークが開発した盾こそが、キャプテン・アメリカの代名詞となるあの丸い盾なわけだ。

キャプテン・アメリカは超人的な身体能力は持っているが、それはスパイダーマンのように単身で走る電車を止めたり、ハルクのように怪獣を受け止めることができるような規格外なものではない。代謝能力は常人の4倍など、十分に超人の範疇ではあるかもしれないが、せいぜい「オリンピック選手の延長」程度のもの。マーブル作品の主役とすると普通も普通、悪く言うと中途半端な強さである。

そのためかストーリー自体も地味といえば地味。
今作の舞台は1940年代、第二次大戦中なのだが、キャプテン・アメリカが行うことというと、一人で潜入して捕虜を救う、部隊を引き連れてシュミットが率いるナチス組織の工場を破壊して回るなど、やっていること自体は普通の軍人である。基本的には重火器に頼らないと闘えない。工場を破壊するための決意をトミー・リー・ジョーンズ演じるフィリップス大佐に問われ、「一人では無理、部隊が必要だ」なんて台詞もある。他のアメコミヒーローなら一人でできないこともなさそうである。前半なんてプロパガンダや戦時国債の広告塔というあんまりなものだったのでそれでもマシなのだが。
結局、この地味さを良しとすることができるかでこの作品の評価は変わると思う。かく言う自分の評価は、そこのところ少し不満。また、後半がダイジェスト気味。レッドスカルが基地に到着、しかしすでにキャップの手により壊滅、というのは少しギャグじみていた。続編で敵として現れる親友バーンズとの別離もこのパートであるのだが、ダイジェスト気味なのでどうにも感慨が沸かない。

ただ、キャプテン・アメリカというキャラクター自体、強さでなくその名のとおりアメリカのシンボル的意味合いが強いのであって、また彼の魅力はその精神性にあるんだろう。元々はもやしっ子で女性が苦手な平凡な人間だが、不屈の精神を持つヒーロー。そんなあまりにも捻りのない、主人公然しすぎている人物像に共感を得られるなら、作品の評価も自ずと上がる、かもしれない。こういう分かりやすい主役ってのも今は昔という感じがあるのである意味では新鮮かもしれない。
最後の最後でデートの約束をしていながら果たせなかった彼だが、結局ペギーはどうなったんだっけな。「ウィンターソルジャー」ではロジャースが老婆と相対していた記憶があるが、あれは誰なんだっけ…。

項目別評価

全体的に地味な作品だが、もやしっ子でも精神は高潔、というキャラクター性に惹かれたのでそこを高評価に。

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