ダーク・プレイス -凡人の感想・ネタバレ-

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執筆日:2018年2月10日

あらすじ・ネタバレ

まず簡単なあらすじとネタバレ。
1985年に母親と2人の兄妹を失ったリビー・デイ。その事件の容疑者はリビーの兄のベンだった。彼女は寄付金で生活して自分では働こうとしない自堕落な生活をしていた。その寄付金も尽きそうになった時、ライルという青年から接触があった。彼は「殺人クラブ」という殺人事件について語り合うクラブの一員。事件について調べてくれれば資金援助するという話だったので、これを機に事件に改めて向き合うことになると、ベンが犯人ではないという確信を持つようになっていく。そして当時ベンの恋人で、ベンの子供も身ごもっていたディオンドラが深く関わっていることを知る。28年の間行方知らずになっていたディオンドラを探し出すと、ベンの娘のクリスタルと共に暮らしていた。ここでライルから連絡が入り、リビーの母のパティは当時金に困っていて、自分が殺人事件の被害者となってリビーたちに金を残すために殺し屋のディールという男を雇ったことも知る。リビーが去ろうとするとクリスタルがリビーを背後から殴り、ディオンドラもリビーを殺そうとする。リビーはなんとかそこから逃げ出した。こうしてディオンドラは事件の真犯人としてとらえられ、ディールの存在も明らかになったため、ベンへの容疑は晴れて無罪となった。ベンが28年間上告もしなかったのはディオンドラとクリスタルを守るためだったのだった。
こうしてリビーは過去と決着をつけ、ようやく普通の人生を歩もうと決意したのだった。

ここからは詳細に掲載。

シャーリーズ・セロン主演の2015年映画「ダーク・プレイス」のあらすじとネタバレ。
1985年(過去)とその28年後の2013年(現在)が入れ替わり描写されるので、分かりやすいように分割して掲載。

まずベッドに寝ている女性が「愛しているわ」と主人公のリビーに語り掛けているシーンが冒頭。
殺人事件で生き残ったリビーが証言者として聞き込みを受けるシーンも映される。

現在

主人公リビー・デイは28年前のある一家殺害事件の生存者だった。リビーの母、妹2人が犠牲となりリビーだけが生き残ったのだが、容疑者はリビーの兄のベンだった。彼は上告もしないで刑に甘んじていたため、リビーはベンが犯人で間違いと思っていた。

リビーは事件の生存者として各地から寄付をもらい、それに甘えて自堕落に暮らしていた。自分の一家はろくでなしであり、自分もその血を引いていると自覚した上での生活だった。しかしもはやとうに中年になっているリビー。いつまでもそんな生活を続けられるわけもなく、年々寄付金は減って、もはや数百ドル程度しか財産はなくなってしまっていた。
そんな時、ライルという男性から、会ってくれれば500ドルを寄付するという手紙がリビーに届いた。

ライルは殺人事件に興味がある男性だった。同じような趣味の人間で「殺人クラブ」という物騒な名前の会が結成されており、リビーにはこの会に出席して色々と話をしてほしいというのがライルの頼みだった。クラブの人間はリビーはろくでなしな人間だと言うとリビーは「何もしらないくせに」と言い、ライルの引き止めも聞かず出ていってしまう。

しかし一晩考えたリビーはさらに金をもらう条件で、ライルの言う通り28年前の事件に改めて向き合い、3週間の間調べることにするのだった。ライルはリビーに、リビーの父親のラナーにも会うように促した。

リビーは久しぶりに実の兄のベンと面会をした。彼は高校の卒業資格を取ったなどと言っており、リビーへの対応も易しかった。リビーはそんなベンに「想像とは違った」と言った。しかしリビーはベンの腕に女性の名前が刺青されていたのを見た。ベンから、父親のラナーはバート・ノーランのグループホームにいるという情報も得た。「イエロー」という馬の話をベンはしたがリビーは覚えていなかった。そしてベンは「自分は犯人ではない」とリビーに誓った。リビーがなぜ上訴しないのかと聞くと黙ってしまうのだった。

ライルは「当時悪魔崇拝者は多かったが、犯罪的な者というのはごく少数だった」と言って、ベンはただそういう趣味が目につけられて強引に容疑者にされてしまっただけだと説明した。そしてライルは新班員はルー・ケイツだと思うと言う。しかしルーという男のことはリビーは覚えていなかった。
リビーは過去のベンを思い出すうち、「ベンが殺人などできるわけがない」と思うようになった。
リビーは夜中に来るしークリシーの母親に連絡を取った。彼女はすでにルー・ケイツとは離婚していたが、クリシーの居場所を取ることができた。

リビーとライルはストリップバーで働くクリシー・ケイツを訪れる。クリシーは11才当時に16才のベンにイタズラされたと証言するが、それは嘘だとリビーは確信し、内心でクリシーを侮蔑していた。リビーはバーの勘定を支払ってクリシーに金を貸して、その時自分の名前も添えた。

続いてラナーがいるというグループホームに連絡するが、ラナーはホームに出たり入ったりしていると知った。

リビーは封印していたミシェルの日記を出して調べていた。ミシェルはディオンドラのことを嫌っているのが日記から読み取れた。しかしリビーはベンに恋人がいたということも覚えていないのだった。

ラナーが利用している宿泊所を訪れると、そこの支配人はラナーの居場所を教えてくれた。有毒廃棄物置き場にホームレスとして住んでいるという。
そこを訪れると支配人の言う通り確かに酷い環境だった。ラナーは久しぶりに見たリビーに会うなり抱き着いてきたのでリビーは嫌悪感むき出しにする。
あの日何があったのかと聞くとラナーも知らなかった。しかしラナーが当時トレイに借金があったということを知る。また、「ディオンドラは見つかったのか?」とリビーに聞いてきた。

再びベンに会うリビー。「ディオンドラはどこ?赤ん坊は?」と聞くがベンは忘れろと言うばかりだった。ベンはリビーにウソの証言をしたことは忘れろとも言う。ベンはリビーを哀れんだ。

ディオンドラのことを調べていたライルは1985年10月からずっと行方不明になっているということをリビーに教えた。
そしてリビーの元をクリシーが訪れた。バーとは違い、クリシーはリビーが何者なのかに気付いていた。クリシーは11才の頃美術の授業で出会った16才のベンに憧れて付き合うようになった。しかしベンは一線を引いており、一度キスをしただけでそれ以上のことはしなかった。代わりに手紙でのやり取りはしていたが、ベンはクリシーのデートの誘いは断っていた。その腹いせとしてクリシーは作り話でベンにイタズラをされたという噂を広めたのだった。

ライルはリビーと共にかつてベンと知り合いだったトレイの元へ向かっていた。
車内での会話でライルは1999年にカリフォルニアのサンバーナディーノの火事の放火犯が自分なのだとリビーに告白する。そのトラウマを克服するために、殺人事件に興味を持っているのだという。

二人はトレイと会った。すでに悪魔崇拝という性質は影を潜めていた。トレイにディオンドラの居場所を聞くと現在は「ポリー・パーム」という名を名乗っているのだと教えられた。検索するとその名の人物はミズーリ州でただ一人だけ存在しているので居場所はすぐにわかった。

ポリー・パーム、つまりディオンドラの元をリビーが訪れると「いつか来ると思っていた」と言った。
「事件の会った日にベンと駆け落ちしようとしていたがベンは来ないので臆病風に吹かれたと思った。その後一人で町を去った」と成り行きを語った。ずっとベンが黙っていたのはディオンドラを守るためだった。リビーが妊娠していた子供はどうしたのかと聞くと「ここよ」と言って少女が現れた。

彼女の名前はクリスタル。ディオンドラとベンの子供であり、ディオンドラからすべてを聞いていた。リビーのことを「リビー叔母さんって呼んでいい?」などとも聞いてくる。混乱するリビーはトイレに入った。そしてそこでライルから連絡が入り、夫妻者の天使と呼ばれる、ある殺人者のことをリビーに教えた。このディールは自殺とみせかけて殺人を犯してきた人物であり、リビーの母親のパティもこのディールを雇ったのだという。

そしてリビーはディオンドラ家のトイレであるものを見つけた。それは母パティがいつも身に着けていた十字架だった。「アンナ・クラウス」というパティの祖母の名前が刻まれていたので間違いなかった。これはディオンドラが何らかの形で28年前の事件に関わっていたことを示していた。

トイレから出て帰ろうとするリビーにディオンドラは「私たちのことは内緒にしていて」と言う。そして突如背後からクリスタルが殴りつけてきた。トイレからパティの十字架が無くなっていたのに気づいたからだ。

気絶したリビーにとどめを刺そうとしてディオンドラとクリスタルは銃を捜した。しかしその隙をついてリビーは逃げ出した。
28年前の事件の時のように外に逃げ出して一人怯えていたリビー。リビーの記憶にあった「愛している」と語り掛けるパティは事件当日、自分が死ぬのを覚悟した上での発言だったのだと、リビーは理解した。

ディオンドラとクリスタルから逃げて隠れていたリビーだったが、そこにライルがやってきた。すでにディオンドラとクリスタルはどこかに行ってしまっていた。

後日、ディオンドラは結局警察に確保された。それをテレビニュースが伝える。同時にディールも捕まったという話も放送されていた。これによりベンへの容疑は晴れて釈放されることになった。ディールは殺人許可という書類にサインさせた後に遺書を書かせて、自殺にみせかけて殺人を犯していた。
ここでパティが子供たちに宛てた手紙がパティの声で語られる。パティは手紙でも子供たちを案じていた

リビーは再びベンに面会していた。娘であるクリスタルと会ったことがないためどういう子だった?とベンはリビーに聞く。母親同様屈折した性格だと思うと答えた。しかしクリスタルを訴える気はないとリビーは行った。クリスタルは身を隠したが、ベンは釈放後にクリスタルを見つけ出すと言った。
そしてリビーとベンは互いに嘘をついていたということを確認し合う。リビーはもうあの事件に振り回されるのは嫌だ、普通に暮らしたいと言った。

ベンと面会した後、リビーはカンザスにあるかつてのデイ家に寄った。今は別の一家が住んでいた。
忌まわしい家だが、楽しい記憶もあるとリビーは思った。
そしてベンは刑務所で「許すこと」を学んだとリビーは語る。そしてこれからは普通の人生を送るようにすることを誓った。

過去

28年前、リビー・デイはカンザスで農場経営をするデイ家に住んでいた。母親のパティ、その息子のベンミシェルデビー、そしてリビーの5人家族だった。父親のラナーは別居していた。農場はパティの両親のものであり、パティは農場を大事にしていた。

当時のベンは不良グループとつるんでいた。髪の毛を染めたことを知り、パティはベンの素行を心配していた。

ベンはトレイというインディアンと中国人のハーフと友人だった。ベンは悪魔崇拝に傾倒していて、ベンもその影響で悪魔崇拝に入れ込んでいた。
ベン、リビーの妹のミシェルはベンのよからぬ噂を聞いて心配していた。

住宅局のジョセフはパティのところに来て、農場の収益が悪いため、パティの財産は差し押さえになるという勧告を受けた。物乞いするか借りるかなどするしかないとパティに言うのだった。

ベンはディオンドラという恋人と付き合っていた。ディオンドラはベンより年上の17才で、すでにベンの子供を身ごもっていた。
ディオンドラはクリシー・ケイツという少女を知っているか?と聞く。それはベンが学校で美術の授業で世話をしている少女だった。そのクリシーにベンがいたずらをしているというウワサが流れていると話すがベンは身に覚えがないようだった。またディオンドラはベンの妹が

パティの家にパティの姉のダイアンが訪れた。パティは差し押さえになったことを話した。ダイアンはパティに「ここを手放すべき」と言うがパティは「パパとママの農場よ」と言い、気が進まないようだった。
ディオンドラは「ミシェルがチクり魔なせいで妊娠が父親にバレてしまう」と危惧していた。また、妊娠が知られる前にベンと駆け落ちすることを望んだ。しかし金がない。
ディオンドラはベンに「父親は稼いでるんでしょ?」と言うがベンは身に覚えがなかった。ディオンドラとトレイはベンの父親のラナーから麻薬をもらっていたのだが、息子のベンは知らなかったのだ。

パティはベンのことで警察に呼ばれていた。ベンには「少女の局部を触り悪魔崇拝の儀式にも参加させた」という容疑がかかっていた。ベンはクリシーに手紙を出していて、やり取りをしている証拠となった。警察は「3人の妹にもいたずらをしている可能性があるかも」と言った。
パティはケイツ家を訪れた。するとクリシーは何をされたのか人形を使って表現した。やはりイタズラされたと言うのだ。パティはクリシーの両親に罵倒された。

パティはダイアンに「私はダメな母親ね」と自虐した。ダイアンはそんなことはないと慰めるがパティは自分を責めるしかなかった。カンザスシティに住んでいるダイアンに引き取ってほしいとも言った。

パティが家に帰るとパティの夫のラナーがいた。ラナーは金使いが洗いダメ人間で、パティは愛想をつかしていた。ベンが性犯罪者として疑われているという話をしてさえ、ただ「金をよこせ」と言うだけだった。結局パティはラナーに金はやらず、ラナーは罵倒して去っていった。

ラナーはトレイのいるバーに行く。ベンの知り合いのトレイに金を駆りていた。返済の催促をするトレイにもごまかすばかりだった。その場にベンもいた。トレイは「ベンに金を渡さないと痛い目を見る」と脅すのだった。ラナーはベンの恋人のディオンドラが妊娠したことも知るが、「お前みたいな貧乏人に本当にディオンドラが夢中になると思うか」と言って侮辱した。
ベン、トレイ、ディオンドラの3人は悪魔崇拝の一貫として牛をオノで殺う儀式を行うのだった。

ベンは家に帰ってこなかったのでパティと3人の娘たちは心配していた。ミシェルはベンが嫌いだとパティに訴えた。
パティがベンの部屋に入ると神を冒涜する言葉やくしりーとやり取りした手紙や女児用の下着などが出てきた。これはディオンドラがみごもっている赤ん坊のためのものなのだが、誤解したパティはベンが小児性愛者というのが事実であることを確信してしまう。

そんな時家の電話が鳴った。住宅局のジョセフからだった。彼は「金の問題、それにベンの問題を解決する特別な方法がある」とパティに言った。

夜中にパティはとある男と出会った。その男はベンが性犯罪者として捕まるには金がいると言った。そしてパティに「あなたが勇敢ならベンを救うことができる」と言った。そして紙を取り出し、そこに何かを書くように求めた。
家に戻ってきたパティは寝ている娘たちを意味深に見つめていた。

ベンが性犯罪者だという事実は広まり、ベンとディオンドラは追い詰められていた。ディオンドラはすぐに町を出て駆け落ちしようとベンに言った。
ベンは家に戻ってなけなしの金を取りに戻るのだった。

こっそりと家に戻り金を見つけようとするベン。ディオンドラへは車で待っていろと言ったのに彼女も家に上がってきた。だがそこにミシェルが現れた。騒ごうとするミシェルをディオンドラは取り押さえた。

同じ時、デイ家にはある男が訪れた。それはディールという男だった。この男は以前パティが会い、何かの契約を交わした男。パティはこの男に殺され子供たちに保険金を残すつもりだったのだ。だが、ミシェルが騒いだせいでパティだけでなくデビーも殺されてしまった。そしてディオンドラに押さえつけられていたミシェルも、ベンが目を話している間にディオンドラに絞め殺されてしまったのだ。

ベンはリビーが外に逃げたのを見ていた。ディオンドラはパティが死んだおかげで保険金が入るので一緒にカリフォルニアで暮らそうと言うがベンは拒絶する。そしてリビーを追って外に出た。ディオンドラはパティの遺体から十字架のネックレスを盗んでいた。

ベンは外に出てリビーを見つけると「そこでじっとしているんだ」と言った。

感想・評価

きっとライルが実は何らかの形で事件に関わってるんだろうなとか一度考えたが、ライルに接触してきたのはリビーだしそれはないなと考え直した。
殺人に見せかけた実質自殺と十代の暴走が偶然に同じ日に発生。犠牲者3人のうち2人はパティが依頼した男による殺人だが1人はベンの恋人の仕業だった。そんなのわかるわけないよという結末だ。ベンは恋人のためとはいえ人生を丸々無駄にしてしまい、それでいいのかと客観的には感じてしまうわけだが、最後のリビーとベンの面会で「自分が納得した上で嘘をついてきた」と語っている。誰が元凶かっていうとディオンドラなわけだが、ベンは彼女が悪いと知りつつも、自分の意思で彼女を許して28年間かばい続けた。その「許す」というものが自分にはなくベンにはあるものだとリビーは最後に感じ取っていたようだが、流石になあ、28年はなあ、とどうしても思うところだ。

それとこの作品、主人公の設定がなかなか独特。
「殺人事件被害者なので寄付に30年近く頼りっきりでろくに働いていない中年女性」なんて設定、そうそうはないだろう。こういう寄付金って日本でも大なり小なりあるのだろうか?序盤での様子からすると本当にろくに働いたこともないようだが、30年近くも働かずに寄付金頼りってのもいっそ清々しい生き方だなあ。

人物解説

リビー・デイ

主人公。子供の頃、母と二人の妹が殺された事件での生存者で唯一の証言者。兄であるベンが犯人であると証言したが、ライルと出会って事件を振り返るうちに真実を知ることになる。惨殺事件の生存者ということで昔からあちこちから寄付を受け取ってそれで生活していたが、それも尽き欠けた時にライルと出会う。そして彼と調査をするうちに「ベンは犯人ではなく、ディールがパティとデビーを殺し、ディオンドラがミシェルを殺した」という真実に行きつく。
幼い頃は夢遊病だったので母親のパティが一緒に寝てくれていた。

ライル

殺人クラブの一員。リビーを誘った。リビーに金を渡す代わりに彼女に事件について振り返り、調べてもらうことを要求した。なぜそんなに他人事に首を突っ込むのか、とリビーに聞かれたところ、実は1999年のカリフォルニアの山火事の犯人だったということを教える。明言はされないがつまり、「自分の過去の罪悪感を払拭するために凄惨な殺人事件と向き合うことにした」?いまいち共感できない。自分の罪悪感を晴らすために殺人事件の真相を追っている、と考えれば理解できる話か。全面的にリビーの味方。吹き替えだと中村悠一ボイスの好青年。

ベン・デイ

リビーの兄で28年前の事件の容疑者。当時悪魔崇拝に傾倒していて、上告もしないので、リビーも犯人であるのは間違いないと思っていた。しかし実はパティ、ミシェル、デビーのうち、ミシェルを殺したのだけは恋人のディオンドラであったため、彼女をかばうために自分が犯人となったのだった。

ディオンドラ・ワーツナー

28年前のベンの恋人。妊娠していた。25年間行方不明だったがポリー・パームと名前を変えていた。その刺青は獄中のベンの腕に掘られていた。ミシェルを殺したのはこのディオンドラ。妊娠した娘のクリスタルは出産していた。いつかリビーに見つかると思っていたらしい。ミシェルを殺した後はリビーをも殺そうかともベンに言っており、ディールと並び事件の元凶。

パティ・デイ

リビーの母親。ドイツ人で旧姓クラウス。農場の経営はうまくいかず、生活に困窮していた。自分が殺されて保険金を4人の子供たちに遺すためにディールという殺し屋に自分の殺害を依頼した。しかしその当日にベンとディオンドラが自宅でミシェルともめたため、ミシェルとデビーもディールに殺されることになってしまい、パティは愛する二人の娘を失い、ベンは人殺しの汚名を着ることになってしまった。さらに保険金はベンの弁護費用に使われてしまったらしいのでこのパティの計画は何一つ良いところがなく、あまりにも報われない。
代々伝わる十字架を身に着けており、そこにはパティの祖母「アンナ・クラウス」の名が刻まれている。ディオンドラがこれをパティの遺体から盗んでいた。

ラナー・デイ

現在は行方不明の父親。過去は農場で雑用係をしていた。と思いきや麻薬を作っていた。現在はホームレスで廃棄物置き場にいた。そんな状態に身をやつしてもなおリビーに金をせがむ様はある意味逞しささえ覚える。年齢は60〜70というところか。廃棄物置き場などにいる時点でもう長くはないのだろう。

クリスタル

ディオンドラの娘。母親のディオンドラからすべてを聞かされていた。ディオンドラの罪を暴く可能性のあるリビーに対して背後から殴打。父親であるベンとは会ったことがない。母親の罪が明らかになる可能性があるとみるやリビーを殺そうとしたので、母親同様に性根の腐った女。ディオンドラが捕まった後も一人で逃げたらしい。

ダイアン

パティの姉、つまりリビーの叔母。自分を責めるパティを慰めていた。事件後にはリビーを引き取って育ててくれた。しかし28年後の現在では故人で出てこない。

トレイ

ベンの友人のインディアン。ラナーが賭けで負けたので取り立てようとしていた。悪魔崇拝者だったが現在では普通の男。このトレイだけは現在のディオンドラの居場所を知っていたのでリビーはディオンドラの元へたどり着くことができた。

ミシェル・デイ

リビーの妹(姉?)でチクり魔。兄であるベンが悪魔崇拝にはまっているので嫌っていた。チクり魔なのでディオンドラに疎まれていた。ベンと妊娠したディオンドラが駆け落ちしようとしていたところ、2人の話を聞いていた。全く同じ時刻にはディールがパティを殺す予定になっていた。騒ごうとしたのでディオンドラに口封じとして殺されてしまう。

クリシー・ケイツ

ベンがイタズラしていたというウワサの少女。当時11才で、ベンは16才だったが一度キスをしている。しかしベンはそれがいけないことだということでクリシーとは距離を置いたが、その腹いせにクリシーはイタズラされたなどとウソをついたのだった。このためにベンが事件の犯人だという心証は強まってしまった。28年後ではストリップバーで働いていた。バーに訪れたリビーの名前を聞いてもすぐには思い出さず、後日リビーを訪れ、実は嘘をついていたという真相を正直に話した。

デビー・デイ

ベンとリビーの妹。特に作中で目立った出番がない。事件の被害者だというのに非常に影が薄い。ミシェルがディオンドラに襲われていると騒いだためにディールに殺されてしまった。このデビーが殺されたのを見た直後にパティは殺されることになってしまったので、子供たちのために保険金を残すつもりだったパティの気持ちを思うとあまりに救われない。

ルー・ケイツ

クリシーの父親。ライルはこの人物が真犯人と予想していた。しかし全く関係がなかった。

ジョセフ

住宅局の職員。農場経営に行き詰まった上に息子のベンが性犯罪者として逮捕されてしまいそうなパティに「特別な方法jがある」とディールを紹介して保険金を入手することを提案した人物。同じような境遇の他の人物にもこんな提案をしていたのかと考えると相当の闇を感じる。

カルビン・ディール

パティが雇った殺人請負人。50人以上殺していた。元農民。28年経過した今でもこれを行っていて、破産者に扮したライルの仲間がこのディールを見つけた。借金で首が回らなかった者にとっては最後の手段、救済となるため「負債者の天使」と呼ばれていた。このディールに殺されて4人の子供たちに保険金を遺すのがパティの目的だったが、同時刻にディオンドラがミシェルも殺してしまったので事実はややこしくなった。

項目別評価

映画「ダーク・プレイス」評価

主人公が事件被害者で寄付金で生活している自堕落な中年女、というのはなかなか見ない設定でありここにまず興味を惹かれた。真犯人は誰なのか?というのも見始まれば気になって仕方なく引き込まれる。

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