劇場版ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦 -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレ映画>劇場版ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦

執筆日:2018年4月9日

あらすじ・ネタバレ

冒頭で「南の銀河は超サイヤ人に荒らされていた」というナレーション。これを危惧する北の銀河の界王様

一方地球は春真っ盛りだった。孫悟空は妻のチチと共に名門学習塾へ行き、保護者面談を受けていた。これを上手くこなさないと息子の孫悟飯がこの塾に入れなくなるということでチチは必死に悟空に面接での振る舞いをレクチャーする。
しかしその時界王から悟空に連絡が入る。このままでは全宇宙の危機だと言うので悟空は面接をほったらかして瞬間移動で差ってしまう。

界王様から話を聞くと南の銀河を荒らしたのは「伝説の超サイヤ」ということだった。悟空はこの伝説の超サイヤ人が破壊した星へと行ってみるが、すでにその場にはいないのに悟空はその超サイヤ人の気を感じ取る。

一方、地球では悟空以外の面子で桜の花見をしていた。亀仙人は酔っ払い、クリリンが歌を披露している最中に空から宇宙船が飛来する。
そこから現れたのはパラガスというサイヤ人の男性だった。彼はベジータの元へと寄り、ベジータに対して「新惑星ベジータの王となってください」と言ってベジータを祭り上げる。パラガスが「伝説の超サイヤ人を倒せるのはあなたしかいない」と言うと興味を持ったベジータは宇宙船でパラガスの言う新惑星ベジータへと向かうことを決意する。ベジータの息子のトランクス、それに悟飯とクリリンと亀仙人とウーロンも宇宙船に乗り、新惑星ベジータへと向かった。

惑星に到着するとパラガスが集めた宇宙のあらくれ者たちがベジータを歓迎した。また、パラガスの息子のブロリーもおり、パラガスは好きにお使いくださいとベジータに言った。
悟飯、トランクス、クリリンが星を探索するとシャモ星人という人々が奴隷として働かせられていた。虐げられている彼らを救う3人。
そこに瞬間移動でやってきた悟空も合流する。

悟空がブロリーと遭遇するとブロリーの様子がおかしくなる。ブロリーは実は悟空と同じ頃に生まれて惑星ベジータで赤子の頃に保育室で隣同士だった。しかし泣き叫ぶ悟空の声で怯えてブロリーはいつも泣いており、そのためにブロリーは悟空(カカロット)のことを恨んでいたのだ。
ブロリーこそが伝説の超サイヤ人であるのだが、その力は強すぎてかつてパラガスは手を焼いていた。パラガスはブロリーを抑制するための装置を部下に開発させていた。ブロリーが頭に装着している装置に手をかざすと感情を制御できるという仕組みだった。しかし悟空と出会ったことでブロリーの激情は爆発寸前となり、抑えることが出来なくなりつつあった。

悟空たちは新惑星ベジータで一晩休んだが、悟空たちが寝ている途中でブロリーが突然襲い掛かってきた。悟空もブロリーこそが伝説の超サイヤ人だと気付く。その場はパラガスの装置によりブロリーを収えることができたが、翌日、悟空はベジータにも真実を伝え、トランクスはパラガスがここにベジータを連れてきたのも陰謀だということも教える。
本性を現したパラガス。パラガスの目的は自分たちを危険因子として30年前に殺そうとしたベジータ王の息子であるベジータに復讐することだった。そして最終的にはブロリーの力を使って全宇宙を支配するつもりだった。また、新惑星ベジータには間もなく巨大彗星が衝突し、消滅してしまうというタイミングでもあった。

だが、悟空との邂逅で力を抑えきれなくなったブロリーがついに完全に覚醒してしまう。その力は圧倒的で、ベジータは戦わずに戦意喪失してしまう。
悟空、悟飯、トランクス3人もあえなく戦闘不能にされてしまう。
しかしピッコロがやってきて体力回復の秘薬、仙豆を3人に与える。再度戦い始める悟空、悟飯、トランクス、ピッコロ。だがやはり歯が立たず再び打ちのめされてしまう。一方、クリリン、亀仙人、ウーロン、たちはピッコロが使った宇宙船に乗って一足先に星から脱出した。
またブロリーは、彗星衝突の前に一人逃げ出そうとするパラガスを宇宙ポッドごと潰してしまう。
戦意喪失していたベジータもようやくブロリーに向かって行くが、やはりあっという間にやられてしまう。

絶望的な力の差があるものの、悟空だけは「ここでブロリーを倒さなければ」と不屈の精神で何度も立ち上がり向かって行く。ピッコロが「悟空にパワーを与えるんだ」と言い、悟飯もトランクスも悟空へとパワーを送る。だがベジータだけはサイヤ人の王子としてのプライドが許さずこれを拒否する。

悟空、トランクス、ピッコロの力を借りてもブロリーにはなおも歯が立たず一方的にやられてしまう。しかしついに「パワーをくれ」という悟空の声にこたえてベジータもパワーを悟空に送る。4人の力を得た悟空は一転してブロリーを圧倒し始める。彗星が激突する瞬間に激突する両雄。「絶対許さねえ」という悟空の怒りの一撃はブロリーの腹部を突き破る。「オラたちのパワーが勝った」と勝利宣言をする悟空。

そして悟空たちはシャモ星人も連れて瞬間移動によりクリリンたちが乗った宇宙船へと乗りこみ、無事に地球へと帰った。

悟空と悟飯が地久の自宅に戻るとチチが「もう春休みが終わっちまったぞ!」と怒っていた。そんなチチに悟空は「オラの趣味は読書とスポーツだ」と言ってチチを呆れさせた。

感想・評価

今空前の劇場版ドラゴンボールブーム!が来ているので、超戦士撃破!勝つのはオレだに引き続きAmazonビデオでレンタルして視聴してみた。
なんでブームが来ているかって、2018年にしてドラゴンボールゲーム史上初となる格闘ゲーム「ドラゴンボールファイターズ」が発売し、さらにDLCでブロリーも配信され始めたからなのだが。いくつになっても童心を思い出させてくれるドラゴンボールってやっぱすげえわ。

ドラゴンボールの劇場版は約20ほどあるが、どの作品もほとんどが孫悟空が劇場版ゲストの敵キャラと激戦を広げ、窮地に陥りながらも最後には勝利する、という流れになっている。バトル作品の劇場版といえばドラゴンボールに限らず大体はそんな感じだろうが、この作品登場のブロリーというのはこの「燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦」に加え「危険なふたり!超戦士はねむれない」と続きさらに「超戦士撃破!勝つのはオレだ」にも登場することとなる。ドラゴンボール内にとどまらず、ジャンプ作品の劇場版で3作も敵を務めたというのは恐らくこのブロリーをおいていないのではないのだろうか?この事実だけで、当時ブロリーというキャラがどれだけドラゴンボールファンに衝撃を与えたのかというところだ。

実際、ブロリーは一度見たら忘れられないほどの威圧感、恐怖感を視聴者に与えてくれる。
とにもかくにもその見た目。ドラゴンボール登場キャラの中で随一の筋骨隆々の巨体を惜しげもなくおっぴろげたままで、本領を発揮すればずっと白目を剥きっぱなし。そして悟空に対して容赦なく何度もストンピングを浴びせるさまは、フリーザの比ではないほどに恐怖を感じる。

そしてこの作品。そんな怖ろしいブロリーが相手ではあるのだが、全体的に妙にまったりしているというのも特徴。時間が1時間11分とドラゴンボール映画としては長いせいなのか、戦闘に入っても割と展開が鈍いのだ。しかしそのせいでブロリーに対して向かって行っては返り討ちに遭うという場面が何度も執拗に描写されるため、ブロリーの強大さがより強調されているように感じる。この作品ではあまりに歯が立たないためか悟空が笑いながら殴られたりエネルギー弾を食らったりする場面もあり、それも何か異質。あまりにどうにもならないために半ば自棄を起こしているようにさえ見える。悟空がダラダラと何度も殴られて打ちのめされている様子は絶望感たっぷりだ。

それとこの作品、おふざけのバランスもいい。亀仙人やクリリン、ウーロンもパルガスの案内で新惑星ベジータへと向かうことになるが、亀仙人は最初からずっと酔っぱらっていて、緊張感がない。それにクリリンやウーロンも振り回されていて、どこか抜けた空気感がある。しかしこれらのおかげで必要以上にはシリアスにならず、作品の雰囲気をちょうどよい塩梅にしている。ピッコロが使った宇宙船を使って自分らだけ脱出したりするのも冷静に考えるとどうなのとか思ってしまいかねないところだが、絶妙に、いい感じにふざけていてよいと思う。

人物解説

孫悟空

声:野沢雅子
言わずと知れた主人公。サイヤ人名はカカロット。「南の銀河を荒らしまわった超サイヤ人を倒してほしい」と界王様に頼まれたために瞬間移動で新惑星ベジータに出向き、ブロリーと遭遇。ブロリーには全くと言っていいほど歯が立たないが仲間たちからパワーをもらって勝利。あまりに歯が立たないせいか、戦いの間で笑いながらボコられる姿が今作では印象的。この悟空の様子がブロリーの強大さをより印象付けているのが今作だ。

ベジータ

声:堀川りょう
ドラゴンボール劇場版では噛ませとなるのが定番のベジータ。しかし今作ではそれどころか戦わずして戦意喪失という、ある意味最大の醜態を見せる。前半ではパルガスにサイヤ人の王とか言われて調子に乗ってしまっているだけにみっともなさは青天井。ようやくやる気を出したと思えば瞬殺されるうえ、サイヤ人の王子だぞ〜と言って悟空にパワーをやるのを拒否し続ける。これもまたみっともなく、いいところがまさに一つもない。

孫悟飯

声:野沢雅子
悟空の第一子。超サイヤ人になれる。ということは原作と照らし合わせると超サイヤ人2にもなれるはずなのだが、今作では悟空よりも弱い扱いになっている。ドラゴンボール劇場版おなじみのパラレル時空の出来事ということで納得するしかない。ブロリーに一方的にやられるだけなので、今作では悟空にパワーをやる以外に存在理由は存在しない。

トランクス

声:草尾毅
ベジータの第一子。未来トランクス。このトランクスがいるということは時間軸を考えるとセルゲームより前?とかこの辺も考えても恐らく無駄なのでやめよう。悟飯同様、はっきり言えばブロリーになぶられた後に悟空にパワーをやるだけの存在。あんまりにも情けないベジータの姿を見て何を思うのか。

ピッコロ

声:古川登志夫
悟空たちより遅く、カプセルコーポレーション製の宇宙船で惑星ベジータに仙豆を持ってやってきた。悟飯とトランクス同様にやはり一方的にブロリーにやられてしまうが、仙豆と宇宙船を持ってきたというだけで一番貢献していると言える。ヘタレたベジータに二度とその面見せるな!と一喝して上空から落とすのも今作の迷シーンの1つ。

パラガス

声:家弓家正
ブロリーの父親。ベジータに復讐するためにベジータを王と呼び祭り上げて騙し、間もなく彗星が衝突する新惑星ベジータへと呼び込んだ。地球を無傷で手に入れるという目的も持っていて、最終的には宇宙を支配するつもりだった。ブロリーの力を制御する装置を部下に開発させていたが、悟空と出会って覚醒してしまったので手がつけられなくなり、ブロリーを見捨てて脱出しようとしたが宇宙ポッドごと潰されて死亡。

ブロリー

声:島田敏
悟空とほぼ同時期に生まれて、惑星ベジータの保育室のような場所で悟空の隣だったサイヤ人男性。生まれた時から戦闘力が10000もあったためにベジータの父親のベジータ王に危険視され、パラガスごと始末されそうになる。刃物で突き刺されたようだが死なず、フリーザにより惑星ベジータが破壊された時にはその力で宇宙空間へと浮遊してパラガス共々生存した。

よく話題になる戦闘力だが、個人的には超サイヤ人2よりは弱いと思う。というのも、原作を見れば完全体セルは超2サイヤ人悟飯のパンチ数発で大ダメージなのに、ブロリーの攻撃を何発受けても、完全体セルより弱い悟空が無事なため。原作描写からして、仮に超2悟飯の攻撃を当時の悟空が喰らったら下手をすれば即死になるはず。

界王様

声:八奈見乗児
北の銀河の界王。南の銀河がブロリーに荒らされていたので危惧し、悟空に討伐を頼む。この時はセル戦前なのでまだ生きている。

項目別評価

劇場版Dragon Ball「燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦」評価

劇場版随一の存在感のブロリーは劇場版としては異例で3作も出演しているが、一作目での絶望感と恐怖感は他2作と比べて圧倒的。亀仙人やクリリンのおかげでシリアスになりすぎていないのもポイント高い。

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