フロム・ダスク・ティル・ドーン 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

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執筆日:2017年05月11日

あらすじ・ネタバレ

アメリカで兄弟の凶悪犯罪者2人組が逃亡していることを伝えるニュースが流れる。場所はメキシコの国境付近。
そこで警察がある酒屋へ入って店主に話をする。「奴らが来たら必ず捕まえる」と息巻く警察官。警察官がトイレに入るとすぐ、隠れていたセス・ゲッコー(ジョージ・クルーニー)とリチャード・“リッチー”・ゲッコー(クエンティン・タランティーノ)が現れ、店主に対して警察官を追い払うように脅迫する。すでにこの凶悪犯は来ていたのだ。トイレから警察官が戻ると背後からリッチーが撃ち殺してしまう。彼は妄想癖があり、警察官に対して店主がSOSのメッセージを出したと思い込んだのだ。逆上した店主が隠し持っていた銃でリッチーを撃つが、店主は酒まみれにされたところにセスが火種を投げつけ、無惨にも焼死してしまう。
この兄弟犯罪者は10人以上も殺している極悪人。銀行では大金を強盗していた。メキシコを目指してそこで落ち合うことになっているカルロスという男に会い、そこで金をカルロスと分け合うことになっていた。

一方、ジェイコブ・フラー(ハーヴェイ・カイテル)という男が 娘のケイト・フラー(ジュリエット・ルイス)と息子の スコット・フラー(アーネスト・リュー)と共にキャンピングカーで旅をしていた。ジェイコブは元々は牧師だったが、妻を事故で亡くしてからは信仰心を失くしてしまっていたのだった。

この3人の親子とゲッコー兄弟は同じモーテルに泊まっていたが、兄弟はこの3人をメキシコの国境を越えるために利用しようと考えた。銃を使って脅迫し、自分たちを車に乗せたままメキシコへ向かうように強制したのだ。仕方なく言う通りにするジェイコブたちだった。国境を越える際には検問に引っかかりそうになるもなんとか窮地を凌ぎ5人はメキシコに入った。。

セスが指示した場所は「○ッパイツイスター」という名前からして下品な酒場だった。入り口で客引きをする男をセスが気に入らないからと殴り倒し、さらにリッチーが追撃した。この酒場はバイカーとトラッカーのみ客として認めるという決まりのある店だった。そのため拒絶されそうになるセスだったが、ジェイコブの機転により客と認められることができた。
そのうちに美しい踊り子が現れて蠱惑的なショーを披露する。満足するセス、リッチーだったが、入り口で殴り倒した男が仲間と共に入ってきてセスに復讐しようとする。だが躊躇ない悪人であるセスとリッチー兄弟は返り討ちにしてし、場を制圧する。

が、ここで突如先ほどの美しい踊り子が化け物に姿を変えてリッチーに噛みつく。他のストリッパーたちや店の関係者も化け物、ヴァンパイアとなって襲い掛かってきたのだった。店の外もヴァンパイアでいっぱいになった。
セス、ジェイコブ、ケイト、スコットの他、数人の客はこれらのヴァンパイアを相手に奮闘する。しかし一人また一人と噛みつかれてヴァンパイアとなってしまう。踊り子に噛まれたリッチーもヴァンパイアとなってしまい、惜しみながらもセスがそれを始末する。

ついにはセスたち4人だけになってしまい、ジェイコブも噛まれてしまう。ジェイコブが「自分がヴァンパイアになってしまう前に反撃に出よう」と提案。店の倉庫にあった武器で武装して一気呵成に反撃に出る4人。しかしジェイコブはついにヴァンパイアになってしまい、スコットもヴァンパイアに囲まれて噛みつかれて、「殺してくれ」と嘆願されたケイトはその通りにする。

ついにセスとケイトだけになってしまい絶体絶命だったが、ここで朝になり、店内に光が差した。光に触れたヴァンパイアたちは激しく苦しむ。そして店に来たカルロス(チーチ・マリン)が店の扉を開けてセスとケイトは何とか脱出することができたのだった。

「なぜこんな店を待ち合わせにした」とカルロスに対して憤るセス。分け前を多くするように要求し、その条件をある程度飲ませた。そして生き残ったケイトに対して「悪かった」と謝りその金の一部を渡す。父も弟もいなくなってしまったケイトはセスに対して「一緒に連れていって」と言うがセスはそれを拒否。セスとカルロスは去り、ケイトは一人残された。カメラが遠くなっていくと、この店「○ッパイツイスター」は地下に埋もれた古代の遺跡か何かの頂上部分であることがわかる。ここでエンドクレジットへ。

感想・評価

まず作品とは関係ない話。自分はHuluに毎月お金を払っているが、5/17からはURLがhappyon.jpとなってリニューアルするらしい。ハッピョン?て…。あまりに間抜けっぽくてどんな判断だとしか言えない名前なのだが本当にこれでいいのか。ドメイン名が変わるのにサービス名はHuluのままらしいのだからまた妙な話だよなあ。

閑話休題。作品の感想を。
このフロム・ダスク・ティル・ドーンは予備知識無しで視聴したのだが、Huluでの作品の概要はこうだ。
「逃亡中の二人組の凶悪犯とその人質。メキシコへの厳しい検問をくぐり抜け国境を越えた彼らを待っていたのは、思いもよらぬ大混乱の事態だった。」

何も知らないでこの概要を見て、そしてこの作品を見た人間は誰しも思うだろう。思いもよらないにも程があるだろうと。

ちょうど1時間を過ぎたあたりから突如として映画のジャンルが変わりクリーチャーが主人公たちに襲い掛かる!一応は主役として出ていた監督のタランティーノも瞬殺!頼りになる牧師ジェイコブも噛まれてしまいヴァンパイアに!影の薄い息子のスコットも無惨に死ぬ!

正直シリアスな展開を望んでいたので、踊り子が突如として化け物になった以降はほとんど真顔で見ていた。前半と後半のギャップで笑うべきなのかもしれないが、悪ふざけとしか思えず、自分の肌には合わない映画だった。
なお、タイトルは「夕暮れから夜明けまで」という意味で、これは「○ッパイツイスター」の営業時間を表している。

登場人物紹介

セス・ゲッコー

演:ジョージ・クルーニー
作品の主人公だが殺人に躊躇がない極悪犯罪者。銀行強盗をしてからメキシコに逃亡中にジェイコブら親子と出会う。仲間との待ち合わせ場所が吸血鬼の棲家だったのが運の尽き、弟を殺され自身も死ぬような目に遭い散々に。とはいえ生き残っているだけマシ。弟のリッチーが極悪人通り越して邪悪そのものであるので相対的にマシに見え、自分でも「俺は道から外れるような真似はしない」みたいなことをぬかすが、極悪人なのは変わらない。悪人の隣により酷い悪人がいた場合、前者が凄くマシに見えるということがこの映画を観るとよくわかる。不良が善行をすると云々に似ている。悪人をやるジョージ・クルーニーってイメージになかったので新鮮だった。この作品、あのテレビドラマシリーズの「ER」の後に初めて主演を務めた映画作品らしい。

リチャード・“リッチー”・ゲッコー

演:クエンティン・タランティーノ
本作の監督タランティーノが演じるセスの弟。非常に性質の悪い性犯罪者であり、序盤で人質にしていた中年のおばさんをもモーテルで弄び惨殺するという、邪悪そのもの。自分に都合のよい妄想癖もある。ヴァンパイアに噛まれてから復活し兄の手により殺されるが、正直スカッとするところだ。こいつが最初にモーテルでやらかす所業が胸糞悪すぎてこの作品のトーンを無意味に暗くしているような気もする。どうせ後半で台無しにするならもうちょい愛嬌持たせてもよかったのでは?

ジェイコブ・フラー

演:ハーヴェイ・カイテル
作品の良心。常に冷静でゲッコー兄弟にも理性的に相手をする。元牧師だが妻を失ってから信仰を失くしたらしい。ヴァンパイアが出てからはセスに牧師としてアテにされる。十字架を銃で模しつつヴァンパイアにぶっ放して奮闘するが噛まれ、息子のスコットに殺される。いかにも生き残りそうなポジションなのだが無惨に死ぬ。哀しい。

ケイト・フラー

演:ジュリエット・ルイス
ジェイコブの娘。一応ヒロインだろうがそんなに美人ではない。セスとこのケイトだけがヴァンパイアとの戦いで生き残るわけだが、どういう心境でかセスに「連れていって」と言うも置いていかれて独りぼっちエンド。可哀想。

スコット・フラー

演:アーネスト・リュー
ジェイコブの息子。なぜかアジア人。一応、通して見たのだがなぜ息子だけアジア人なのかの説明ってあったろうか…。メインキャラでは最年少。ジェイコブがヴァンパイア化した後はこのスコットが楽にしてやる。しかし直後囲まれて噛みつかれ、今度はスコットがケイトに安楽死させられる。凄く可哀想。

項目別評価

エンドクレジット抜きで1時間40分ほどの作品だが、前半1時間と残り40分で全く別映画。シリアスな展開になるのかと見ていれば馬鹿を見た。こういう作品もあっていいだろうが、正直後半は真顔で視聴していた。それと監督でもあるタランティーノ演じる悪役は不愉快なレベルで悪人すぎた。いいところを挙げるとすれば、ジョージ・クルーニーがワル格好いい。踊り子がセクシー。

凡人の感想・ネタバレ映画>フロム・ダスク・ティル・ドーン