ゴーン・ガール 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレ映画>ゴーン・ガール

執筆日:2015年3月17日

評論

ベン・アフレック主演のサイコサスペンス映画。一言で言うと「女って怖い」という映画である。
浮気をした夫に対して想像を絶する方法で復讐を考える妻。そんな話。箇条書きで解説だ。

最初はニックとエミリーのおしどり夫婦っぷりがピックアップされているため、第三者が介入した事件なのかと思えばまさかのエミリー自身の自作自演だ。事件の捜査の進展に伴い実はニックが浮気していたことがわかり、中盤からはエミリーが彼に対してどういう感情を持っていたかも彼女目線で語られるようになる。浮気したニックも確かに悪いのは当然だがここまでやるか…と、エミリーには戦慄すること間違いない。このエミリーという人物は本当に狡猾であり、頭が良く、それでいて浮気をしたことには凄まじい怒りを覚えているのだ。

ニックが弁護士のタナーを雇い身を正していくパートでは彼への印象が視聴者目線でも回復していくところであって、一番面白いところではないだろうか。見ていてすがすがしいほどに正直に、白状するのである。ここまでしたんだからエミリーは許してやれ!と思わずにはいられない。しかしそう上手い話にはならずある意味最悪の結末を迎えてしまうのだが…。

この作品の実質的なヒロインと言えるのは、実はニックの双子の妹のマーゴだったりする。彼女の存在がまたこの作品になくてはならない存在になっていると思う。
彼女は双子の兄であるニックが唯一、何もかもを話せる相手である。そして浮気をしていた兄にはさんざんの非難を浴びせながらも、彼女はどこまでも兄を案じており、味方である。彼女も、彼女にとっては義理の姉となるエミリーとずっと付き合っていくことを余儀なくされるのであり、何の落ち度もない彼女にはただただ同情を禁じえない。
だが、主人公であるニックに対して罵声を浴びせつつも、どこまでも助力を惜しまないという彼女はこの作品の良心だ。罵声を浴びせてくれるから視聴者側としても浮気をしていたニックに対しての溜飲が下がるのでスッキリするものがある。あまりにニックと仲が良すぎるが故に報道でも近親相姦疑惑とかも出て、本当に不憫。
自分の琴線として家族愛、兄妹愛があるので、このニックとマーゴの関係性は見ていてちょっと微笑ましいものがあったのでよかった。忌憚なく言い合える妹がいるニックは幸せ者だし彼も自覚はあるだろうが、だからこそ彼女までも不幸にしてしまったのは無念だろうなあ…。
しかしエミリーは決して離婚は許さないのである。恐ろしい。

項目別評価

何をおいてもサイコ女のエミリーにはゾッとさせられること間違いない。
暗い話になるかと思いきや、ニックが弁護士を雇って真っ向から潔白を証明する話になったのは意外で面白かった。
ただ、結末はグッドエンドといわずとも別の形が見たかったなあ。殺人者と生涯を添い遂げるなどという選択をするのはあまりにゾッとしない話である。テレビの前で浮気をしたことを包み隠さず白状したニックなのだから、もう少し手心を加えてほしかったというのが正直なところ。

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