ヒットマンズ・ボディガード 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレ映画>ヒットマンズ・ボディガード

執筆日:2018年1月19日

あらすじ・ネタバレ

まず簡単なあらすじとネタバレ。
主人公のマイケルは凄腕ボディーガードだったがクロサワという日本人商人のガードに失敗したせいでその地位を失っていた。
ベラルーシのデュコビッチ大統領は様々な犯罪に手を染めているため裁判の被告になっていたが、決定的な証拠がなかった。そこで目をつけられたのは収監されている暗殺者のダリウスだった。ダリウスの妻もまたダリウスのせいで収監されていた。インターポールはダリウスに「証言すれば罪を軽くして妻も釈放する」と司法取引を持ち掛けた。ダリウスはこれに応じるが、デュコビッチの手の者に襲われてダリウスは女性職員ルーセルと命からがら逃げる。ここでルーセルが頼ったのが主人公マイケル。ルーセルとマイケルはかつて恋人だが破局していた。マイケルはダリウスとも犬猿の仲だったがかつての地位を取り戻すため渋々ダリウスのガードを引き受ける。
イギリスからオランダのハーグの裁判所までマイケルとダリウスは共に行動し、現れる殺し屋を撃退していく。そしてクロサワを殺したのがダリウスだと知り、ダリウスを憎たらしく思いながらもヤケクソ気味にダリウスのガードを続ける。ついに裁判所へ到着するが、もう裁判では勝てないと判断したデュコビッチは裁判所を部下に襲撃させるという強硬策に出る。ここでダリウスをかばったマイケルは重傷を負うが、デュコビッチはダリウスが屋上から突き落として倒した。マイケルはルーセルとよりを戻した。

ここからは「ヒットマンズ・ボディガード」の詳細なネタバレ、あらすじ。

主人公マイケル・ブライス。彼はAAAランク、つまり最高ランクのボディガード。日本人の武器商人クロサワのボディガードを請け負っていた。しかしクロサワが飛行機に乗った直後、クロサワは何者かに狙撃されて死んでしまう。

その二年後もブライスはボディガードを務めていた。しかし彼は2年前の失敗によりランクを落とされていた。シーファートという被害妄想に陥った弁護士人物の依頼を受けていた。
「多くの敵が自分を狙っている」と言うシーファートをなんなく外に連れ出したブライスだったが、実はブライスは多くの敵を片付けていた。未だブライスの腕前は落ちていない。

一方ベラルーシ。デュコビッチ大統領アシモフという人物を訪れていた。アシモフは大統領の批判を書いたため、大統領自ら赴き脅迫していたのだ。そしてアシモフの家族を部下の手で殺害させ、逆らうとどうなるか思い知らせた。

数年後にこの大統領デュコビッチは政権から降ろされ悪行が知れて捕らえられ、裁判が行われていた。しかしアシモフが証言したものの証拠不十分だという。

イギリス。ダリウス・キンケイドという男にインターポール(国際刑事警察機構)のカソリア局長が「デュコビッチについて証言すれば妻を釈放し、キンケイド自身の罪も減刑する」と交渉していた。キンケイドはこれを了承する。
裁判が行われているオランダのハーグにキンケイドは輸送されることに。妨害が予想されるため多くの警備がつくことになった。インターポールの女性捜査官ルーセルもこれに参加。

コベントリーでのキンケイドの護送中に護衛の車が突如爆発。そのまま武装集団に襲撃されてしまう。
護衛はほとんど全滅してしまうが、キンケイドが自ら戦う。しかしキンケイドも足を撃ち抜かれて負傷してしまう。
キンケイドは「インターポールにスパイがいる」とルーセル捜査官に言った。ルーセルとキンケイドの二人は逃げ、身を潜めた。 助けがいるが、インターポールは信用できないので別の人物にしろとキンケイドは言う。
そこでルーセルが電話したのはブライスだった。ルーセルは協力してくれればAAAランクの地位を保証すると言った。

オランダのアムステルダム(ハーグから北)に収容されている妻ソニアにキンケイドは連絡する。ソニアは「あんたのせいでこんなとこに入れられてる」と文句を言う。しかしキンケイドとソニアは互いに深く愛し合っていた。
ブライスがルーセルの元へと到着する。ここでブライスとルーセルの因縁が分かる。
冒頭の日本人商人クロサワが殺された件は、「ブライスが恋人だったルーセルに依頼人の名前を話した」せいだった。ルーセルが情報を漏らしたから、だからブライスはルーセルを恨んでいた。しかしルーセルからすればそれは言いがかりであり、ルーセルは情報を漏らしてなどいないと言う。

続いてブライスはキンケイドと対面するが、いきなり二人は肉弾戦を始める。ボディガードのブライスは殺し屋のキンケイドに何度も殺されかけており、二人は犬猿の仲だった。
オランダのデュコビッチの元にスパイのインターポールのフーシェ副局長が金をもらいにきた、しかしキンケイドの暗殺を失敗して報酬を要求するのか?と言って手の甲にペンを突き刺した。

ブライスは今までキンケイドに28回も命を狙われていたので、ルーセルの頼みでもキンケイドの護衛をすることに乗り気ではない。しかしルーセルは護衛をすればブライスにAAAランクの称号を取り戻すと言った。自分にはそのコネがあると。そして受けてくれれば二度とブライスの前に姿を現さないと。渋々ブライスは受けた。 キンケイドと共に行動することになったが、キンケイドはブライスの言うことを聞かないで好き勝手行動する。

局長に会ったルーセルはブライスにキンケイドを渡したことを責められる。ルーセル自身の逮捕もあり得ると言われる。しかしあの二人なら必ず目的地ハーグにたどり着くと言い切った。

ブライスとキンケイドは互いをなじりながら行動。互いの近況を話す。キンケイドが捕まったのは妻をエサにされておびき出されたからだった。

ソニアはキンケイドの居場所を教えてくれるようにインターポールに頼まれていた。しかしソニアは何も教えなかった。 ブライスとキンケイドにデュコビッチの殺し屋三人が迫ってきた。一瞬でキンケイドが倒してしまうが、車を失ってしまう。また、場所がバレたのはキンケイドが倒した敵の携帯を持っていたからだった。
車を失った二人は歩いて行動。キンケイドはブライスにソニアとの馴れ初めを話し出す。ホンジュラスのバーで働いていたソニアがつっかかってきた男たちを倒したことで惚れたという。ソニアがビール瓶で頸動脈をかっきったとき、ソニアが運命の女だと思ったという。

教会のシスターを乗せた車に乗り、ブライスの車のあるアムステルダムに向かうことになった。
シスターたちから人気なのは陽気なキンケイドであり、ブライスはムスッとしていた。キンケイドは「悪人を守るお前と悪人を殺す俺、善人はどっちかな」と言う。
フェリーに乗ってオランダを目指す二人。ブライスはフェリーの上で「本当に自分が善人だと思っているか」と聞いた。キンケイドは初めて殺しをしたことを話し出した。それは「慈悲深い神父を殺した悪人を殺した」というものだった。「いい人間を指す方位磁針があるとすれば俺の方を刺す」と殺し屋キンケイドは言い切った。

アムステルダムの家についたブライス。思うところがあったのか、ブライスは元恋人ルーセルに電話し神妙な様子で「君を許す」と言うが「こんな状況で何言っているの?許してもらうことなんて何もない!早くキンケイドを連れてきて!」と言われる。

こうしている間にキンケイドはブライスに黙って逃げてしまう。キンケイドの目的はアムステルダムにいるソニアだった。
ソニアの好きなチューリップを持って行くキンケイドを発見したが、ブライスは止めることなく、キンケイドを殺そうとする殺し屋たちを排除していく。 電話でソニアと話した時、監獄から時計塔が見えると聞いていたため、キンケイドはチューリップを時計塔の時計に置いた。それを見たソニアは嬉しそうに「私のゴキブリちゃん」と呟いた。

密かにガードしていたブライスと合流したキンケイドは「お前のようなお堅い男に耐えられる女はそう多くない。ルーセルはお前の運命の人だ」と言った。
ブライスがクロサワの件で「許す」と言ったことを話したらキンケイドは「クロサワは俺が狙撃した」と言った。ルーセルは関係なかったのだ。単にキンケイドは偶然に発見したクロサワを殺して狙撃したのだという。 これを知ったブライスは激怒してキンケイドを放って去ってしまった。

ブライスはそこらにあった店で酒を飲み始めて店主に愚痴を始めるが、そのうちにキンケイドは銃撃戦を初めてしまう。しかしブライスは愚痴をやめない。ついにはヤケクソ気味にキンケイドを救出しに行った。

アムステルダムの中でキンケイドは逃げ、インターポールやアムステルダム警察が追い、ブライスも追う。。 キンケイドは運河をボートで逃げ、ブライスはバイクで追う。キンケイドの乗るボートにRPGを撃ち込まれそうになるが、それをブライスがすんでのところで救う。しかしブライスはデュコビッチの殺し屋に捕まってしまった。

ブライスは拷問される。キンケイドはどこいにると言われ「あんたの後ろだ」と殺し屋に言う。もちろん殺し屋は信じないが、本当にキンケイドは後ろにいて、ブライスを救出した。
意識を取り戻したブライスにキンケイドはクロサワの件を謝るが、ブライスは「いや、あれは俺のせいだ」と言った。

あと1時間でハーグまで行かないとデュコビッチは無罪になってしまう。
ハーグの周辺には殺し屋が大勢いる。ブライスは諦め気味だったが、キンケイドは「お前への罪悪感を消すためにもなんとしても証言する」という。
もう裁判所につくというときにブライスはルーセルに電話して誤解していたことを謝った。しかしルーセルに思いを伝える直前で車が激突し、ブライスは車から飛び出してしまう。ブライスはキンケイドに文句を言うが追っ手が迫る。
別行動になる二人。キンケイドは車を運転し、ブライスは地下鉄で移動。
二人とも追っ手と戦い撃退し、合流。ついに制限時間5分前に裁判所前に到着する。法廷に入ったのは残り数秒のタイミングだった。

キンケイドはついに裁判所で証言を始める。2012年にデュコビッチに依頼されていたが、これは罪なき人間を殺すものだったのでこれを断ったという。
そしてキンケイドが隠していた写真が法廷で晒された。

もう有罪は免れないと判断したデュコビッチ。ここで「プランB」を開始するように私兵たちに指示した。
デュコビッチは「私に対する告発は全て正しい」と開き直りを見せて演説を始める。一方、ルーセルは副局長がスパイだとようやく見抜き、彼を確保しようとするも抵抗される。
デュコビッチの指示で私兵たちが爆弾をつんだトラックで裁判所に突っ込んでくる。そして騒ぎの中でキンケイドを射殺しようとするが、それをブラウスがかばい、ブラウスは腹に銃弾を受けてしまう。ブライスを心配するキンケイドだが、ブライスは「デュコビッチを捕まえろ」と言う。 逃げるデュコビッチを追うキンケイド。ルーセルは副局長に殺されそうになったが、重傷のブライスが副局長を撃って救出した。

デュコビッチはヘリで脱出しようとするが、キンケイドが乗っている者を撃って倒し、ヘリは墜落。 デュコビッチを追い詰めたキンケイド。デュコビッチはキンケイドを「正義の味方のつもりか」とあざ笑う。しかしキンケイドは笑い、「そんなことはどうでもいい。俺のボディガードを撃ちやがった」と言い、屋上から突き落として殺した。ブライスは重傷ではあったが一命をとりとめた。
キンケイドはカソリア局長に「約束はまだ有効か?」と聞くと局長は「あなたは約束を果たしてくれた」と言った。 ブライスに対して「俺のおかげでお前はルーセルと仲直りできた」と言った。ブライスは憎まれ口で返す。

その後キンケイドはイギリスの刑務所からソニアとの結婚記念日に脱獄し、ソニアと出会った酒場でソニアと会っていた。 大乱闘が起きている酒場内で二人が抱き合っているのを映してエンドロールへ。エンドロールの終盤にはブライス役のライアン・レイノルズのNGシーンの一幕も。

感想・評価

「ハリウッドアクション映画」の王道ど真ん中ストライクな作品。エンタメ全開、ポップコーンムービー。
銃撃戦、肉弾戦、車、バイク、ボートでのチェイス、爆発。こういうものがふんだんに金を使って演出されている一級アクション映画。大雑把で突っ込みどころ満載、だがそれがいい!
こういう作品が今もあるということになんか一種の安堵を覚えてしまう。ロシア語圏が悪役ってのもまたコテコテだ。

サミュエル・L・ジャクソン演じるキンケイドというキャラクターがまた魅力的。まさに豪放磊落、ブライスとは正反対だが、そんな彼に感化されてブライスもルーセルを許す(というのが勘違いだが)気になるというのも添え物として面白い部分。

あまり細かく語ることはない作品。
「ハリウッドアクション映画」と聞いて連想するようなものを観たいならば観るしかないぜ!

登場人物解説

マイケル・ブライス

演: ライアン・レイノルズ
AAAランクのボディガード。だったがクロサワという日本人商人のガード任務失敗でランクを落とされる。ジャガーに乗っていたが、それ以来臭くて安い車に乗っている。任務の情報を恋人のルーセルに話してしまったために任務を失敗することになったと思い込んでいたが、それは言いがかりで、別の依頼に関わっていたキンケイドがたまたまクロサワを見つけて「悪人を殺せば金さらにになる」と考えて撃ち殺してしまったというアクシデントだった。キンケイドにはこれを抜きでも28回も殺されかけたことがある。しかしキンケイドと共に行動して彼の価値観を知るうちに感化されていく。最終的にはルーセルと寄りを取り戻す。

ダリウス・キンケイド

演:サミュエル・L・ジャクソン
デュコビッチの罪について証言するよう言われた凄腕の殺し屋。証言すれば妻を釈放するすると言われたので了承。悪人しか殺さないというモットーがあるらしい。性格は陽気そのものでどんな窮地でも大笑いするシーンが何度もある。ブライスがボディガードとして格下げになる原因になったクロサワの件での犯人。これでブライスがルーセルと別れることになったと知って罪悪感を抱き、それを解消するためなんとしても証言しようとする。初めての殺しは「親切な牧師に対して殺しを行った悪人を殺した」というもの。そして実はその牧師というのは自分の父親だったことが裁判所での発言から分かる。
余談だが、吹き替えの石井康嗣さんは好きな声優さんなのだが、こういう主役級やるのは珍しいなと思った。

アメリア・ルーセル

演: エロディ・ユン
キンケイドの護衛についたインタポールの女性捜査官。コベントリーでの襲撃ではキンケイドと逃げる。頼る者がいないので仕方なく元彼のブライスに連絡を入れた。クロサワの件ではブライスから依頼人の名前を聞かせられていて、そのためルーセルが外部にその情報を漏らしたのだと思われていた。しかしこれは全くの冤罪であり、クロサワはたまたまキンケイドに発見されて偶然殺されただけだった。

デュコビッチ

演:ゲイリー・オールドマン
ベラルーシ前大統領。元大統領というのが信じられないくらいに極悪人。この人物の悪行の証言をするために殺し屋のキンケイドが必要になり、それをブライスが護衛することに、というのがこの作品の要旨。

ソニア・キンケイド

演: サルマ・ハエック
キンケイドの妻。チューリップが好きという設定だが、アムステルダム、というかオランダはチューリップに縁深いのでそれに合わせたのだろう。キンケイドとはホンジュラスの酒場で出会った。ソニアが男たちを殴り倒し、頸動脈を掻っ切るさまを見てキンケイドはほれ込んだ。平然と頸動脈を切るあたり殺しは一人や二人じゃなさそうだが…。キンケイドとはまさに割れ鍋に綴じ蓋。

フーシェ副局長

演:ジョアキム・デ・アルメイダ
インターポール副局長だが、デュコビッチと通じていたスパイ。このためブラウスとキンケイドの動きはデュコビッチの殺し屋たちにいち早く察知されてしまっていた。コベントリーで襲撃したことで金をもらいにデュコビッチを訪れるが、「キンケイドが生きているのに金を渡すわけない」と一蹴され、手の甲にペンを突き立てられる。最後の裁判所でようやくルーセルがスパイだと見抜き取っ組み合いに。そこをブライスが射殺。

カソリア局長

演: ティネ・ヤウストラ
インターポール局長。キンケイドに証言したら減刑すると約束する。

クロサワ

ブライスがガードしていた日本人商人。しかしキンケイドにより殺されてしまい、これによりブライスはAAAランクの称号を失う。悪人だったのでキンケイドは躊躇なく殺したのだが、「犯罪者でも依頼されればガードするブライスと、殺しを行うが犯罪者だけを殺すキンケイド」というのは対比になっている。

アシモフ教授

演:ロッド・ハレット
デュコビッチ大統領に妻子を殺された教授。裁判で証言をしたが、証拠が足りないためにキンケイドの証言が必要になった。

項目別評価

今の時代にもこういうハリウッドアクション映画が存在することに一種の安心を覚える。殺し屋の人生観、恋愛観を通してボディガードも変わるというサイドストーリーも添え物としていい感じ。

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