ジャスティス・リーグ -凡人の感想・ネタバレ-

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執筆日:2018年5月26日

簡単なあらすじ・ネタバレ

前作バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生スーパーマン(クラーク・ケント)は死に、これ幸いとばかりに宇宙からは地球を支配しようとしている侵略者が現れ始めていた。そしてその侵略者のリーダーステッペンウルフは地球に3つある、力の源となるマザーボックスというものを集めようとしていた。バットマン(ブルース・ウェイン)ワンダーウーマン(ダイアナ・プリンス)はこれに対抗すべく仲間となる超人(メタヒューマン)を集めようとする。

ブルースが目星をつけたのは海を自在に動けるアクアマン(アーサー・カリー)、超高速で行動できるフラッシュ(バリー・アレン)、全身機械化しているサイボーグ(ビクター・ストーン)だったが、フラッシュ以外にはスカウトを断られてしまう。
しかし、ステッペンウルフがアクアマンの故郷からマザーボックスを盗んだり、ビクターの父親を誘拐したりしたことでアクアマン、サイボーグも仲間になる。

しかしダイアナの故郷であるセミッシラとアクアマンの故郷のアトランティスにある2つのボックスをステッペンウルフに奪われてしまい、残りは人類が隠した1つのみ。ブルースはこれを使ってスーパーマン、クラークを復活させねば強大な敵に対抗できないと提案。ダイアナは当初反対するも、最後にはこれに同意。
クリプトン星人の宇宙船内部にある施設を使ってクラークにボックスの力を流し込むとクラークは復活。しかし復活した直後は興奮状態になり、ブルースたちに攻撃を仕掛ける。しかし恋人のロイスと対面したことで正気を取り戻した。

そしてブルースたちはステッペンウルフの本拠であるロシアへと攻め入ることにする。
すでにボックスが3つ集まっている状態なので、これをサイボーグが引き離す間、他のヒーローたちがステッペンウルフや雑兵たちを食い止めるという計画を立てた。
苦戦するヒーローたちだが途中からスーパーマンの助けも入り、サイボーグはボックスの共鳴状態を停止させ、ステッペンウルフは退散する。

こうして危機は去りヒーローたちはつかの間の平穏へと戻ったが、バットマンVSスーパーマンの黒幕で刑務所に入っていたレックス・ルーサーJr.デスストロークと手を組んだシーンがエンドロール後に流れる。

詳細なあらすじ・ネタバレ

前作で死亡したスーパーマン(クラーク・ケント)が子供からインタビューされているシーン。子供に「地球で一番好きなのは?」と聞かれて何かを答えようとしたところで映像が途切れる。

バットマン(ブルース・ウェイン)がある犯罪者を拘束し、ビルから突き落とそうとした時、昆虫のような羽の生えた化け物が現れる。これは宇宙からの侵略者による偵察だった。スーパーマンがいなくなった地球を狙う侵略者の影もまた近づいていたのだった。
ブルースはこのままでは地球は侵略者たちに征服されてしまうと危惧したブルースは仲間を集めようとしていた。

スーパーマンが死んだことで破滅論者がテロを起こすこともあった。ワンダーウーマン(ダイアナ・プリンス)は100年近く前から活動を停止していたが、前作バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生でブルースとクラークに手を貸してからは活動を再開しており、超人としての力を駆使して銃弾を全てさばききるなどし、テロを食い止めるのだった。

ブルースがスカウトのためにまず会ったのはアクアマン(アーサー・カリー)という男。彼は漁村に住んでいた。しかし100万ドルやるから協力してくれと頼むと村人たちにも笑われてしまう。アクアマンは協力する気はないと言ってブルースのスカウトを断ってしまう。
アクアマンのスカウトに失敗したブルースだったが、他の人物にも目星をつけていた。フラッシュ(バリー・アレン)サイボーグ(ビクター・ストーン)という二人の超人。
バリーは父親が収監されているという事情があり、父親は息子の今後を憂いていた。
ビクターは事故により死んだはずの人間だったが、父親であり科学者のサイラス・ストーンにより全身を機械化されて生きていた。しかし機械の姿になってしまったために人の前に姿を現すことはなく、世を忍んでいたのだった。自分の意図とは別に日々進化していく自分の身体にビクターは恐れも抱いていた。

ダイアナの故郷、女だけの戦士アマゾンが住むセミッシラにはマザーボックスという秘宝があった。
ここに現れたのはステッペンウルフという地球への侵略者。彼はボックスを奪うためにセミッシラを蹂躙する。
ダイアナの母であるヒッポリタやアマゾンの女戦士たちは奮闘するもついには破れ、ボックスはステッペンウルフに奪われてしまう。ヒッポリタは危機をダイアナに知らせるため、火矢を放った。神殿が燃える様子はテレビ放送もされ、ダイアナはこれを知った。

クラークの恋人だったロイスとクラークの地球での育て親マーサ・ケントはクラークが死んだことで悲しんでいた。ロイスはまだ編集者としての仕事を本調子では行えないというくらいに落ち込んでいたのだった。

ダイアナはブルースに会いに来て侵略者たちが何者なのかを説明する。ステッペンウルフは大昔にも地球を襲撃しに来た破滅の使者であり、地球に3つあるマザーボックスを求めている。ボックスを3つ集めると膨大な力を得る事が出来るという。人類や神が協力したことでかつてはステッペンウルフを撃退できたが、ボックスを一か所に集めるのは危険だとして、アマゾンの里であるセミッシラだけでなく、アクアマンの故郷のアトランティス、そして人間世界にも1つずつ隠されたという。
このブルースとダイアナの会話を密かに聞いていた人物がいた。ビクターだった。

ブルースはフラッシュに会いに行く。フラッシュは口数が多いが「自分以外は遅すぎる」と言い、人間社会になじむことができないでいた。そのため自分と同じく普通でない人間と会うことを嬉しく思い、ブルースのスカウトに応じる。
一方のダイアナはビクターとコンタクトを取ることに成功する。ブルースとの会話を盗み聞きしていたビクターに気付いていたダイアナは敵意はないことを強調。そしてダイアナは100年ほど前、恋人を失って以来心を閉ざしてしまったという自分の境遇を話してビクターを説得する。しかしビクターはダイアナの誘いを断り去ってしまうのだった。

アクアマンは相変わらず漁村で過ごしていたが、溺れそうになっていた村民が「空から何か降ってきた」と言っていたのが気になり故郷のアトランティスに戻る。するとステッペンウルフの襲撃があった。アクアマンは奮闘するも、ボックスは盗まれてしまうのだった。
ボックスを守護していたメラという女性は「お前は女王の息子。ボックスを守るという責任を果たせ」とアクアマンに言う。アクアマンは協力することを条件にこれを受け入れた。

ロシアの町ではステッペンウルフの本拠を築いていた。3つのうち残り1つ、人類が隠したボックスを見つけるため、雑兵たちに命令してボックスの場所を見つけるように指示を出した。ビクターの父親のサイラスもさらわれてしまったのだった。

父親を救出するためにビクターもブルースたちに協力するようになる。ゴッサムシティの地下にある基地にさらわれた人間たちがいるとわかったので、ブルース、ダイアナ、バリー、ビクターの4人は潜入行動を行う。
さらわれた人間たちを救出することは手来たが、地下に入ってきた海水により溺れそうになる4人。しかしなんとか脱出する。
サイボーグは何かを思い出したように飛んでいき、あるものを持ってくる。それは人類が隠したマザーボックスだった。父親のサイラスがボックスの場所を知っていたので、息子のビクターも知っていたのだ。

3つのボックスのうち2つは敵の手中にあり、後がない。そこでブルースはボックスの力を使ってスーパーマンをよみがえらせようと提案する。ダイアナは一時反対するものの、脅威を撃退するためにはスーパーマンを復活させることが必要だということでヒーローたちの意見は一致したのだった。

クリプトン星人の宇宙船で実験は行われた。フラッシュの力で起動したボックスは見事にスーパーマンを蘇らせたが、蘇ったばかりの彼は興奮状態にあり、ヒーローたちを攻撃してしまう。しかしブルースは切り札としてクラークの恋人だったロイスを呼び寄せていた。それを見たクラークは落ち着きを取り戻し、ロイスと共に飛び立った。
故郷の畑に戻った二人は語らい、すっかり平常に戻ったクラーク。こうしてスーパーマンは完全復活したのだった。

ステッペンウルフの本拠がロシアの北のポザーノフ(実在しない架空の都市)にあるとわかったのでブルースたちは打って出ることにする。3つのボックスが共鳴させ力を合体させる儀式をステッペンウルフが行っているので、それをサイボーグが止め、他の者は時間を稼ぐために行動するという作戦を立てた。

ポザーノフにはステッペンウルフが使役する雑兵たちであふれかえっていた。ブルースが自身の車を使ってこれらをおびき寄せ、その間に他のヒーローたちが敵の本拠へと侵入して戦う。
途中でクラークも合流してステッペンウルフを圧倒する。恐怖に怯えたステッペンウルフに反応した雑兵たちはステッペンウルフを連れて瞬間移動して消えてしまったのだった。

こうして一時的にながらも脅威は去り、ヒーローたちは日常に戻った。
だが前作バットマンVSスーパーマンの黒幕だったレックス・ルーサーJr.はひそかに脱獄しており、ヴィランであるデスストロークと手を組んでいたのだった。

感想・評価

DCコミックスのヒーロー大集合!
といってもまだ6人くらいしかいないわけで、そこが若干寂しく思えてしまうのはいたしかたないところではある。こういう印象を受けてしまうのは先行しているアベンジャーズのせいというのはこれもまた否定できないところ。2012年のアベンジャーズ1作目でもヒーローたちの数は少なく、やはり寂しいものがあった。まさに今作と同じような印象を持ったのを覚えている。もちろん、これからも作品が続いていく以上はどんどん豪華に、さらに賑やかになっていくのは間違いないのだが、何せアベンジャーズはというと現在公開中のインフィニティウォーでは20ほどにもヒーローの数が膨れ上がっているわけで、同時期作品として、このジャスティス・リーグはなんとも寂しい装いに感じてしまうのである。
もう今更何を言っても仕方ないのだが、マーベルとDCコミックスの祭典がそれぞれ、あたかに競い合うように、ほぼ同時期に作品が展開していったのならそれは面白かっただろうなあ。こっちは10人!こっちは15人!なんのこっちは20人!って感じで。
とにかく、アベンジャーズに遅れてというところはどうしようもないところであって、先んずれば人をなんとやら、遅るれば人のなんとやら、ということわざを思い出してしまう。

アベンジャーズがーとかばかり言うのも評価としてふさわしくないので具体的な内容にも触れる。
ヒーロー大集合ものとしては実に王道で真っ当なものになっているとは思う。地球に迫る危機、対策として仲間を集めるヒーロー、力を合わせて敵を撃破、というね。実に真っ当だ。
ただ、今作で新たな仲間となるフラッシュ、アクアマン、サイボーグに関して登場がやや唐突というか。いや、前作時点で登場は分かっていたのだから唐突というのとは違うか?簡潔に言うと、この手のヒーローの祭典ではまず主演作品を1つやってから登場してほしいという思いがある。主演作品がないために、つまりバックボーンが語られないためにその存在が薄く感じる。バックボーンを十分に知っているからこそよりそのヒーローに感情移入できるというものだ。フラッシュに関しては現在進行形でドラマシリーズで放映されているが、あれとこれとでは世界観が違うし。

まあでも、それを言ったらベン・アフレックになってからはバットマン単独作品というのは出ていないのだし、純粋な単独作品と言えばスーパーマン(マン・オブ・スティール)とワンダーウーマンのみになるか…。それにアベンジャーズ1作目でもブラックウィドウとホークアイに関しては主演作品なしでの登場だったし…とも考えられるのだよなあ。結局これは、シリーズを積み重ねてきたアベンジャーズとの比較をどうしてもしてしまうがゆえの不満なのだろうなあ。いや、そういうのなしでまっさらに観ようと努力はしているわけですよ。でも、「集めると強大な力を得る」なんて設定のマザーボックスとやらも出てくるもんだから「これインフィニティスt…」とかも思ってしまって…。悪役、ヴィランが地球に攻め入る動機もアベンジャーズとほぼ同じじゃないですか。こんなの連想するなっていうのが無理じゃないですか。

なんか結局アベンジャーズアベンジャーズ言ってしまったが、ジャスティスリーグがマーベルの二番煎じだなんて言うつもりはさらさら無いつもりだ。だが、少なくとも実写映画にあたり5年の遅れを取ったということだけは事実。
このジャスティス・リーグシリーズも今後どんどんグレードアップしていくのは間違いないし、アベンジャーズに並ぶくらいの一大スペクタクルとなっていく予感もある。ただ、シリーズ化していくのであればダレないうちにどんどん作品を出していくのは重要なので、年に1本はジャスティス・リーグに連なる作品を出していってほしいと願うのみである。

人物解説

バットマン(ブルース・ウェイン)

演:ベン・アフレック
ゴッサムシティの悪党を懲らしめ続ける男。スーパーマン亡き後、来るべき脅威に備えて仲間となる超人(メタヒューマン)を集めている。ボックスを使ってクラークを復活させようとしてダイアナと衝突するが、結果としてそれは成功する。今回も一人だけ人間並身体能力なのがネックで、クラーク復活後に遅れて駆けつけるのが泣ける。バリーに「あんたの特殊能力は?」と聞かれて「金持ちだ」と答えるシーンが印象的。

スーパーマン(クラーク・ケント)

演:ヘンリー・カヴィル
バットマンVSスーパーマンでドゥームズデイと戦って死んだクリプトン星人。遺体は土葬されたが、完全に死んでいるわけではないのはそのバットマンVSスーパーマンのラストで示唆されていた。そして今回、ボックスの力を使って復活。だが復活直後には錯乱して仲間たちを攻撃する。しかし恋人ロイスを目の前にして正気に。ヒーロー数人がかりでも抑えきれず、フラッシュのスピードにすらついていくという圧倒的戦闘力を見せる。強すぎるのでやはり今後も何かと弱体化させられたりしそう。

ワンダーウーマン(ダイアナ)

演:ガル・ガドット
主演作ワンダーウーマンもある愛の神。第一次大戦以降で出会った恋人スティーブを失って以降は人の世から距離を離していたらしい。しかしバットマンVSスーパーマンでの出来事以降は世の中を救うようになったらしい。光り輝くムチで縛られた相手は嘘をつけず真実を話してしまう。

フラッシュ(バリー・アレン)

演:エズラ・ミラー
超速スピードで動くことができる若手のメタヒューマン。アクアマン、サイボーグとは違いブルースのスカウトに素直に応じたが、口数が多くヘタレ気味で精神的に未熟。しかし超スピードで動ける能力はまさに反則的、スーパーマンと並ぶ最強の一角だろう。収監されている父親がいる。エンドロール後ではスーパーマンと太平洋まで競争するシーンが。

アクアマン(アーサー・カリー)

演:ジェイソン・モモア
海底王国のアトランティスで生まれたという男性。海の中を自由自在に高速で泳ぎまわることができる。不漁の港町を放っておけず、そこに住み着いて魚を獲ってきていたらしい。そのためその存在は他のヒーローと違って公然になっている。3つのボックスのうち1つがアトランティスにあったが、それが盗まれてしまったことをきっかけにブルースたちに協力するようになる。ひねくれものだが、実は仲間が出来て嬉しかったらしいことをダイアナのムチにより暴かれて恥ずかしい思いをする。

サイボーグ(ビクター・ストーン)

演:レイ・フィッシャー
有望なフットボール選手だったが事故で死亡。しかし父親であり科学者であるサイラス・ストーンの尽力により一命をとりとめた。代償として体がサイボーグになってしまい、しかも自分の意思とは関係なく日々進化していくためにビクター自身が恐れていた。自分自身が地球の脅威になるかもなどとも心配していたようだが、特にそんなことはなかった。ダイアナのスカウトを一旦は断るも、父親がステッペンウルフにさらわれたことで救出に向かい、それ以降は正式にブルース、ダイアナたちの味方に。

アルフレッド・ペニーワース

演:ジェレミー・アイアンズ
ブルースに仕える執事。どんな時でもブルースとは無線で繋がっており、様々なサポートをする。

ステッペンウルフ

演:キアラン・ハインズ
wikipediaによれば惑星アポコリプスに存在する種族ニューゴッズの一員、という存在らしいが今作ではあまりその背景が語られていないような気がする。大昔に地球を襲撃したがその時も人類や神が協力したことにより撃退した。地球にある3つのマザーボックスを集めて支配者となるために再び現れる。ワンダーウーマンの故郷セミッシラ、それにアクアマンの故郷アトランティスからボックスを奪い、どさくさ紛れで人類が隠していたボックスも奪うが、本拠のロシアでの決戦で敗北。

項目別評価

映画「ジャスティス・リーグ」評価

ヒーロー大集合!というにはまだ数が少なく、若干寂しい。アベンジャーズ1作目なんかでもそうだったので今後数が増えていけばよりゴージャスにダイナミックになっていくのだろう。しかし先行しているそのアベンジャーズのおかげであまり新鮮味を感じられないのがしょうがないとはいえ残念。鉄は熱いうちに打てという言葉の通り、ダレないうちにどんどん今後もジャスティス・リーグ関連作品を出していってもらいたい。

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