ミニミニ大作戦 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

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執筆日:2018年2月6日

あらすじ・ネタバレ

2003年映画「ミニミニ大作戦」のあらすじとネタバレ。

オープニングと共に、ベニスで画策された盗みの計画が表示される。逃走経路や所要時間など細かい情報が紙に書かれている。

ステラという女性に父親のジョンから電話。仮出所中だが連絡を入れたという。ジョンは老いているが盗人であり、人生最後の盗みを行うのだとステラに言う。
盗みはチャーリーという男の計画でベニスで行われる。チャーリーはジョンと親しく、息子のような存在だった。

ジョン、チャーリーの計画にはレフトイヤー、ロブ、ライル、スティーブといった人物も参加する。彼らはそれぞれが専門技術を持つその道のプロ。
計画はベニスの家にある金庫を盗むというものだった。スティーブが対象の家に潜入して調査し、ライルが爆弾をセットすべき位置を図り、スティーブとレフトイヤーが爆弾をセット。そして金庫のある位置の真下を爆破して金庫を下に落とし、ロブがそれを盗んだ風を装ってボートで運河を逃げ、追っ手を引き受ける。
ロブが追われている間にジョンとチャーリーは運河に落ちて沈んだ金庫を水中で開けていた。数分の間に開ける必要があったが、ジョンとチャーリーによりわずかな時間で金庫は開かれた。中にあったのは大量の菌の延べ棒。これらにはバリの踊り子の刻印が入っていた。

盗んだ後高山で祝杯をあげていた6人。盗んだ金は1人あたり3500万ドルだった。 ジョンはチャーリーの腕前を褒め、盗人には「金もうけのためだけに盗む奴」と「盗みそのものを楽しむ」2種類がいて、後者にはなるなと忠告した。ジョンは自分の生き方で娘を不幸にしてしまったと後悔していたのだ。
大金を盗んだ一同はご機嫌で車に乗って移動していたが、途中不審な車に囲まれる。そしてスティーブが突如裏切り、ジョンを撃ち殺してしまう。
チャーリー、ロブ、レフトイヤー、ライル、そして撃たれたジョンごと車は冷たい湖に落下した。スティーブは追撃でマシンガンで撃ちまくるが、ジョン以外の全員が生存した。ジョンの死を嘆くチャーリー。

1年後のフィラデルフィア。ジョンの娘のステラはジョン同様に凄腕の鍵開け技術を持っていて、警察から頼まれることがあった。ステラをチャーリーが訪れる。しかしステラはジョンの死後チャーリーに二度と会わないと決めていたので不機嫌だった。
チャーリーは仲間の1人であるピートの情報で、スティーブがロサンゼルスにいることを突き止めていた。ジョンの仇を討つためスティーブが盗んだ金の延べ棒を盗み返す計画を立てていることをステラに話す。チャーリーはステラに協力してほしいというが一度断られる。しかし考えた末、ステラもチャーリーに協力することに。
1年前同様にかつての仲間が集結。ステラはチャーリー以外とは初対面となる。チャーリーは仲間にはステラを、ステラには仲間をが紹介する。

ティーブの家に置いてある金庫を盗むためのプランを練る。
スティーブは金をイエヴェンという仲介人の元へと持って行き紙幣に変えていた。
ライルはスティーブを監視していた。すると大きなテレビを持っていることがわかる。ライルはテレビの配線を切ってケーブルの修理人を装ってスティーブの家の中を撮影するという策を思いついた。
しかしスティーブはチャーリー達の顔を知っているし全員が死んだと思っている。顔が割れていないステラしかこの役割を担うことはできない。
ケーブル会社の社員になりすましてステラがスティーブ邸へ潜入。容姿の美しいステラをスティーブは気に入り、ステラを口説いたがステラは無事に役目を果たし、家の内部構造や金庫の位置を知ることができた。。
作戦決行日にはスティーブとステラがデートしている間にチャーリーたちが忍び込み金庫を盗む、という方法で盗みを行う。

盗んだ金塊を運ぶためには使用するミニクーパーを改造する必要があった。レンチというロブの知り合いを呼び車の馬力とサスペンションを強化した。

スティーブは再びイエヴェンと会って金塊を紙幣に替えた。だがこの時イエヴェンはうっかり、「ベニスで3500万ドルの金塊が盗まれた」というウワサを聞いたことをスティーブに話してしまう。チャーリーの仲間のピートがスティーブを捜していたため、イエヴェンにも接触していたのだ。
スティーブは口封じとしてイエヴェンを殺してしまう。そこに訪れたのはイエヴェンのいとこのマシュコフだった。

チャーリーとレフトイヤーは爆弾調達のための材料をピートからこれを購入することに。ピートはここで初めてその姿が明らかになるが、「痩せのピート」という愛称とは真逆で軽く100キロ以上はある巨漢の韓国人だった。名前とのギャップに驚き、レフトイヤーは目が点になっていた。

マシュコフの元にある男が連れてこられる。スティーブに殺されたイエヴェンの知り合いだ。「イエヴェンの店の仕事を手伝っていたらバリの踊り子のついた金の延べ棒の話をピートに聞かれた」という話をした。
マシュコフはピートの元を訪れてオノをちらつかせて話を聞き出した。

作戦決行日。スティーブの隣の家がパーティなので人の目を避けて行動するのは不可能。作戦 中止に。しかしステラはスティーブのデートに行かなければ警戒されてしまうためデートだけはこなさなければならない。
スティーブとのデート中、ステラは父親会ったことはないが「人は信用できるができないのは人の心に棲む悪魔だ」というジョンの口癖を口にしてしまう。これによりジョンの娘だと見抜かれた。もう言い逃れはできないと判断し、チャーリーもスティーブの前に姿を現す。チャーリーたちが生きていたことも盗みを行おうとしていたことも全てスティーブに知られてしまったが、その上でチャーリーは金の延べ棒を盗み返す宣戦布告する。

ライルは盗聴してスティーブは金庫をメキシコに運ぶことを知る。4時にヘリが呼ばれ、5時に装甲車が出て、8時にロス国際空港からメキシコに運ばれるというものだった。チャーリーはライルシステムをハックして信号を操作してトラックを指定の位置まで誘導するという作戦を提案する。

ピートから連絡が入り、「マシュコフはチャーリーらがイエヴェンを殺したと思っている」とチャーリーに教えた。もちろん誤解なので、チャーリーは「スティーブが犯人だ」ということをマシュコフに教えるようにピートに言った。
また、全ての事情は話していなかったレンチにも全てを話して正式に仲間として引き入れた。
マシュコフはピートからの連絡を受けてイエヴェンを殺したのはスティーブだと知る。こうしてマシュコフもスティーブに対する刺客という形でチャーリーたちの協力者となった。

ついに金の入った金庫が移動させられ始めた。
スティーブはトラックを三台使って目くらましにする方法をとった。しかしスティーブの乗ったヘリが追うものが本物だと推測。本命のトラックをライルが見抜く。 指定位置にトラックをおびき出して爆破して道路ごと地下道に落とすという豪快な方法でトラックを確保する。これはベニスでの盗みと同じ手法だ。
あとはステラが金庫を開けて金の延べ棒を3台の車に分けて盗むのだが、問題が発生。金庫の型が元々のものから別のものに変更されていた。ステラがなんとか開けようとするがバイクに乗ったスティーブの部下が2人迫る。
金庫はなんとか開けられ、2700万ドルの金塊を奪う。チャーリー、ステラ、ロブが運転する車にそれを乗せて地下道を逃げるがバイクに追いつかれ銃撃を受ける。しかし2台とも撃退した。
外に出た後はスティーブのヘリがチャーリー、ステラ、ロブの運転する車を追う。 スティーブのヘリはチャーリーの車を見抜いて追いかけた。チャーリーはヘリのブレードで攻撃されるが間一髪避けて逃げる。ヘリから下りて車に乗り換えスティーブも追いかける。 金塊を乗せた車がコンテナに積まれる。そこに追いついたスティーブ。現れたチャーリーにスティーブは銃を突きつけるが、スティーブの背後から現れたのはマシュコフ一味。スティーブは降伏するしかなくなった。
「金が欲しいんだろ?」と言うスティーブにステラは強烈なパンチを食らわす。その後スティーブはマシュコフに連れていかれる。マシュコフは「試してみたい機械がある」と怖ろし気な言葉でスティーブを脅した。

2700万ドルを奪った一行は祝杯をあげる。
チャーリー、ステラ、ロブ、ライル、レフトイヤーの5人がその後どうしたのかチャーリーの語りで。
ロブはイギリスの高級車アストン・マーティンを購入した。さっそくスピード違反で
レフトイヤーはスペインに豪邸を立てて靴を収集する部屋を作って満足。
ライルはビジネスやカルチャーを取り上げる雑誌「ワイアード」の表紙を飾り、「女性の服を吹き飛ばすスピーカー」というものも開発した。
そしてチャーリーはステラと結ばれ「死ぬまで彼女を離さないつもりだ」と誓いを立てるのだった。

感想・評価

スペシャリストたちが勢ぞろいで正規の大盗み!この作品も十分に有名だろうが、2001年にはあのオーシャンズ11が公開されていて、オーシャンズ12は2005年、オーシャンズ13は2007年に公開されている。オーシャンズ11は古い作品のリメイクだがこのミニミニ大作戦も同様。オーシャンズ11と12の間に公開されたこの作品はブームに乗っかったのだろうか。マトリックスの後にリメイク版トータルリコールとかバニラスカイが出たのと似たようなものですかね。ハリウッド映画にもトレンドってものがあるんだろう。
にしてもこの邦題「ミニミニ大作戦」。原題は「The Italian Job」らしいが、どうしてこうなってしまうのか?オリジナル版は1969年作品で、やはりタイトルは「ミニミニ大作戦」だが、内容はクレバーでスタイリッシュなものなのだしもうちょいタイトルも格好良くできなかったのだろうか。コメディ作品みたいなタイトルだ。それに、ミニミニというのは後半の盗みでチャーリー、ステラ、ロブがBMWのミニを運転するからそういうタイトルなのだろうけど、別にこの車に関して格段にスポットがあたっているかというとまったくそういうわけでもなく、盗みを行う上での必要なツールの1つくらいの話だ。タイトルには余計に違和感がある。

と、タイトルに関しては疑問符が付くところではあるが、内容には特に文句はない。
親のような存在であったジョンの仇を討つためにチャーリーとその仲間たちが仕返しとしてスティーブから盗み返す!というものだが、ツボは抑えている。盗みなのだから隠密行動ばかりで地味になるかというとそうでもなく、冒頭のベニスではボートでのチェイスがあるし、スティーブの家から盗み出した後も地上、地下道で行われる派手なカーチェイスもある。

あとヒロインのステラがとても美人。女優のシャーリーズ・セロンという人の出演作品はちょうど一作品も見ていなかったので見慣れなかったのだが、これはスティーブもナンパするのもしょうがないわーと思えるくらいに美人さんです。2003年作品なので当時20代後半となるらしい。美人ってだけでなくスタイルも抜群。目の保養になります。

タイトルにつっこみどころはあるが、話は単純でわかりやすく派手さもあり、安心して見られる娯楽作品。良作です。

人物解説

チャーリー

演:マーク・ウォールバーグ
主人公。盗みの天才でジョンも賞賛するほど。ベニス(ヴェネチア)での盗みを計画し、スティーブへの復讐へも計画したリーダー。ジョンからは「愛する女を見つけろ」と言われていて、最終的にはジョンの娘のステラと結ばれた。

ステラ

演:シャーリーズ・セロン
ジョンの娘で、ジョン同様に金庫開けのスペシャリストが得意。チャーリーとも知り合いだったが、ジョンが死んだことをチャーリーに聞かせられてからは絶縁を言い渡していた。しかしチャーリーがスティーブに復讐することを聞いて参加することに。スティーブの金庫が元々のものから変更されていたのでてこずるも、ついには開けることに成功する。チャーリーと結ばれた。

ジョン

演:ドナルド・サザーランド
仮釈放中の盗みの大ベテラン。しかし「金を得るためだけでなく盗みを楽しむために盗みをしている」という自覚があり、そういう盗人にはなるなとチャーリーに忠告した。そもそも盗人自体が…とか思うのはこういう作品には野暮か。ステラを愛しているが自分はいい父親ではなかったとも思っている。スティーブの裏切りにあい射殺されてしまった。

スティーブ

演:マーク・ウォールバーグ
チャーリーの盗み仲間の一人だったが、ベニスで盗んだ金の延べ棒を総取りするため、盗みが成功した後にチャーリーらを裏切った男。ジョンから「人間は信用できるが人間の心にいる悪魔は信用できない」という言葉を聞かされていて、同じ言葉をステラが口にしたため、ステラとのデート中に正体を見破った。結果としてチャーリーたちの盗みを知りながら迎え撃つことになったが、チャーリーの作戦を読み切れず金は奪われてしまう。最後には追い付くが、イエヴェンを殺されて怒り心頭のマシュコフに連れていかれた。拷問だけで済んだのか死んだのかは不明。

ロブ

演:ジェイソン・ステイサム
凄腕ドライバー。「ハンサム・ロブ」の異名を持つモテ男。そのドライビングテクニックから主に運び屋を担当する。ステラが着るためのケーブル会社の制服を入手する時には女性を口説いていた。

ライル

演:セス・グリーン
コンピュータに詳しい。ベニスでは地形を調べ、スティーブへの復讐計画では道路信号を操作して交通を制御した。ナップスターというシステムの本当の開発者だが知り合いに盗まれてしまったためそれを深く根に持っている。

レフトイヤー

演:モス・デフ
爆薬のプロ。10歳でM80という爆弾を作ったがそれの爆発のせいで右耳が聞こえなくなった。ベニスの盗みでもスティーブの金庫を盗むにも「爆破して金庫ごと底を抜かして奪う」という方法をチャーリーは選んでいるが、その時の爆弾を作るのがこのレフトイヤーの役目。犬が苦手。

レンチ

演:フランキー・G
ロブの知り合いのメカニック。チャーリー、ステラ、ロブが使うミニカーのサスペンションと馬力を強化。当初、チャーリーらは事情を話さず改造を頼んだが、スティーブの家に忍び込んで盗む方法が不可能になったため、このレンチにも全ての事情を話して盗みを行うことになった。

ピート

チャーリーに言われて金塊の場所を探り、スティーブの居場所を見つけた男。太った韓国人だがなぜか「痩せのピート」と呼ばれる。。レフトイヤーが作る爆弾のための材料調達も担当。しかしレフトイヤーはその時「痩せのピート」という名前と真逆の容貌に驚いて言葉を失っていた。

マシュコフ

イエヴェンのいとこ。解体業を営んでいる。明言はなかった気がするが、明らかにカタギではなく、実際はマフィアかイエヴェンがスティーブに殺されたために犯人捜しに奔走。斧を持ってピートに話を聞きにいき、チャーリーたちが犯人だと誤解したが、スティーブが犯人だということを知ってからはスティーブを追う。そしてチャーリーに銃をつきつけたスティーブの背後から現れてスティーブをさらっていった。チャーリー一味ではなく脇役だが最後の切り札になったので重要ポジション。

イエヴェン

マシュコフのいとこ。スティーブが持ってきた金の延べ棒(チャーリーたちがベニスで盗んだもの)を受け取り替わりに金を渡していた。スティーブはこの菌の延べ棒の出自を当然黙っていたのだが、なぜかこのイエヴェンはそれを知っていたようなので怪しみ、イエヴェンを殺してしまった。だがそれがマシュコフの逆鱗に触れスティーブに裁きが下されることに。

項目別評価

映画ミニミニ大作戦 評価

「各専門を極めたオールスター面子で一世一代の盗みを行う」という作品は他にもあるが、その王道をいっていて安定した面白さがある。ヒロインのステラがとても美人。タイトルには違和感を覚えるところだが目を瞑ろう。

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