ミスト -凡人の感想・ネタバレ-

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執筆日:2018年2月14日

あらすじ・ネタバレ

まず簡単なあらすじとネタバレ。
画家デヴィッドは嵐による被害を修復するために町のショッピングマーケットへ買い物へ行った。しかしマーケット内にいる間に突然不思議な霧が辺りを覆う。マーケットに飛び込んできた男が言うには外に化け物がいるという。マーケットに籠城するしかなくなったデイヴィッドは同じくマーケットにいる人たちと協力してサバイバルをする。しかしカーモディという女性は「これは神が下した天罰だ」と言って扇動してマーケット内の皆の正気を奪っていく。
外からは化け物、中にはカーモディとその信徒たちの脅威にさらされ、デヴィッドとそれに同調する仲間は車で脱出しようとする。騒ぎ立てるカーモディをデヴィッドの仲間の一人が射殺。その後車で出発するデヴィッド、息子ビリーと他3人。しかしどこまで行っても霧は晴れなかった。車のガソリンも無くなり、化け物にむごたらしく殺されるならば自殺しようとする5人。デヴィッドは4発だけある銃弾で仲間3人、そして息子のビリーまでも銃殺してしまう。その後自棄になり車の外に出ると霧が晴れはじめ、軍が化け物を掃討していた。もう脅威は去ったところだったのに4人を殺してしまったことに気付いたデヴィッドはただただ絶望して慟哭するのみだった。

ここからは詳細なあらすじ・ネタバレ。登場人物が非常に多い作品なので登場人物に関しては下の登場人物解説参照。

デヴィッドは町から離れた湖畔の家に住む画家。妻のステファニー、息子のビリーと共に幸せに暮らしていた。ある嵐の夜、木が倒れてデヴィッドのボート小屋が壊れてしまう。この時山の上に霧がかかっているのをデヴィッドは確認した。
ボート小屋を潰したのは隣人の黒人弁護士ノートンの家のものだった。デヴィッドとノートンは以前、敷地の境界線の件でもめて裁判を起こしていたため、仲が良いというわけではない。ノートンの所持する車も嵐で倒れた木により潰れていた。 ノートンはデヴィッドに「町へ行く気はないか?」と聞く。嵐で受けた被害を修復するのに必要なものを購入するため、デヴィッド、ノートン、そしてビリーはショッピングマーケットへと行くのだった。

車の中で山の上にある軍施設の話をするデヴィッドとノートン。「アローヘッド計画」というものが行われているがミサイル防衛に関するものだというウワサだが、何かオカルトじみたものに関する研究も行われているというウワサもあり、本当のところはわからなかった。

マーケットグに到着し、サリーオリーといったマーケットの店員と話してから必要なものをカートに入れる。地元民が買いだめをしており、マーケット内ではその他にも顔見知りの面々がいた。デヴィッドは小学校の教師のレプラーと世間話をした。
マーケット内には軍人らしき人間が入って来たり、外では消防車が走っていたり、物々しい雰囲気だった。

突如サイレンが鳴り響き、ダンという老人が「霧に何かがいる!」と叫びながらマーケット内に入ってきた。霧が街中に充満し、マーケットの周囲も多い尽くされる。外にいた人間の悲鳴が聞こえ、大きな地震も発生した。過剰な信仰心を持つカーモデイは「この世の終わり」と言う。
霧に覆われてしまった町。ある女性が「子供が心配なので家まで送ってもらえないか」と言うが誰も応えなかった。デヴィッドも「悪いが僕にも子供がいる」と辞退した。この女性はその場にいた人間を罵倒すると一人で店を出ていってしまった。

マーケットから出るのは危険なので、デヴィッドを含め数十人の人間がマーケットでしばらく過ごすことになった。ビリーのために毛布を取って来ようとするデヴィッド。マーケットの倉庫に入ると発電機が煙をあげていたので止める。そして何かがシャッターを叩く音がした。
物音の件を話し、デヴィッドは副店長オリーのほか、ジム、マイロン、ノームと共に様子を見に行く。デヴィッドは発電機は壊れているので意味はないと言うがオリー以外の三人は発電機を再度動かそうとする。ノームが発電機を動かしてシャッターを開けるとすると何かの触手が現れてノームの足を掴んだ。デヴィッドたち4人は助けようとするがノームは外に連れていかれてしまう。ジムがデヴィッドの言うことを聞かないがために起きた事態。ジムはデヴィッドに「すまなかった」と言うがデヴィッドは激怒してジムを殴りつけた。

デヴィッドとオリーは化け物が外にいることを皆に話そうとする。弁護士のノートンに頼んで話してくれれば皆も信じると考えてノートンに話す。だがノートン自体が話を信じず、デヴィッドに対して「裁判で勝ったからバカにしてるんだろ」と怒り始める。
言い合った後にようやく店長のバドが見に行って、確かに店の外には化け物がいるのだとバドは信じる。そして店内にバリケードを作ることにした。

カーモディは徐々に信仰をエスカレートしていき狂気的になっていった。アマンダが心配しても暴言を吐くのだった。
皆がバリケードを作るが、ノートンは未だに化け物がいるとは信じなかった。
カーモディは「神に捧げる生贄が必要だ」と言い出す。教師のアマンダは子供を危険にさらすような発言に腹を立ててアマンダをひっぱたいた。しかし叩かれたカーモディもアマンダに敵意をむき出しにした。
アマンダは護身用に拳銃を所持していた。実は射撃が得意だったオリーがこれを預かった。

未だ化け物の存在を信じないノートンが同意する者を引き連れて外に出て助けを呼びに行くことにする。デヴィッドはノートンにロープを腰に結ぶように 頼み込む。ノートンの代わりにジャケットを着たバイカーファッションの男性がこれを受け、ロープを装着した。ノートンに対してデヴィッドは「もし化け物がいたら?」と言うと「そうなら私が馬鹿なだけだ」と言う。
そしてノートンたちは外に出る。しばらくするとロープが引っ張られ、マーケットにいるデヴィッドらがこれを引っ張るとバイカーの男性の下半身だけが戻ってきた。これで外は危険すぎて出ることはできないとより確定的になった。

日が暮れて夜を迎えようとしていた。軍人のウェインとサリーは恋人同士であり、互いの近況を語り合っていた。
夜になると今までの触手のような化け物とは違う、昆虫のような見た目で比較的小型の羽を持った化け物が現れ、店のガラスにまとわりつき始めた。さらにそれより大きいコウモリのような羽を持つものも現れ始める。
光にひかれて集まってきたのだと気付いたデヴィッドたちは光を消す。しかしガラスを割って大量の化け物たちが内部に侵入してきてしまう。
サリーは昆虫型のものに射されて毒が注入されてしまう。ウェインが呼びかけるが、苦しみ続ける。 デヴィッドたちはモップに火をつけて撃退しようとするが、ジョーという男性が火だるまになってしまう。カーモディも虫に取り憑かれたが、なぜか攻撃はされずに済んだ。
コウモリ型の化け物は入ってきてビリーを襲おうとする。しかしすんでのところでオリーが銃で倒した。

とりあえず店内に入ったものは倒したが、何人かはやられてしまった。また、ハティという老場は絶望して毒物を飲みいつの間にか自殺し、息絶えていた。
ジョーは全身大やけど状態でもなんとか生存していたが、危険な状態であり、殺してほしいと頼む。ジョーの弟のボビーはそんなことを言うなと励ます。デヴィッドたちはジョーを救出するために近くにある薬局へと向かうことにする。そしてその後デヴィッドの車で異動するという計画を提案した。デヴィッドはカーモディの言うことに惑わされてカーモディの信徒が増えていき、生贄にされるかもしれないということを危惧していたため、早く店から出たかったのだ。

薬局はすぐ隣の店にある。デヴィッドは行かないでと泣くビリーをなだめた。カーモディもデヴィッドを責めるが、デヴィッド含め薬局にはデヴィッド含め8人が向かった。
薬局の中は真っ暗だったが、一同は懐中電灯を手に薬を探す。妙な音が聞こえたので周囲を見渡すと、人間がマユのようなものに包まれて壁に張り付けられているのを発見した。そのうちの1人はまだ生きていたが、「俺たちのせいだ」と言った後絶命した。そして周囲を蜘蛛のような化け物に囲まれてしまった。吐き出す強酸性の糸でボビーがやられてしまう。壁に張り付いていた遺体は卵を植え付けられていて、小さい蜘蛛型の化け物が大量に生まれる。パニックになって一同は逃げる。ボビーのほかマイクという男性もやられてしまい、6人は半狂乱でマーケットに戻ってきた。

マーケットに戻ってきたデヴィッドはいつのまにか眠ってしまっていた。起きた時にジョーは死んでしまっていて、カーモディはますます皆を扇動して自分を神の使いと公言して信徒は増えていた。薬局で修羅場を見たジムも心の拠り所を求めるためにこの一員となってしまっていた。
しかしデヴィッド、アマンダ、オリー、レプラー、ダン、コーネルはまだ冷静さを保ち、「もうこの店にいるのは危険だ」と判断する。

薬局で「俺たちのせいだ」と言っていたのはMP(憲兵)の男性だった。デヴィッドたちは「軍の人間ならば何か知っているのではないか」と考え、若い軍人のウェインのところへ行って話を聞こうとする。ウェインと同じく軍人のモラレスドナルドソンも店にいたはずだったが見当たらない。
倉庫に行って探すとこの二人は首を吊って自殺していた。ウェインによれば、蜘蛛のタマゴを植え付けられていたMPのことを話したら「自殺する」と言っていたらしい。卵を植え付けられるような死に方は嫌なので自ら命を絶ったのだ。

デヴィッドがウェインに話を聞こうとすると突然、カーモディの信徒と化したジムが現れて「アローヘッド計画が原因だな!」と言い出してウェインを皆の前に引きずり出した。ウェインによれば「軍は異次元世界の窓を開けて観察しようとした。しかし事故で穴が開いてしまい、異次元世界の化け物どもがこちらに流れ込んできた」らしい。ウェインは自分には責任はないと主張するが、カーモディは「裏切り者のユダだ」と言って皆を扇動した。ウェインはカーモディの信徒に刺された上に店の外に追い出されてしまい、化け物に持って行かれてしまった。

再び夜が来た。ビリーはデヴィッドに「僕を化け物に殺させないで」と頼み、デヴィッドもそれを了承した。

皆が寝ている間にデヴィッド、ビリー、アマンダ、オリー、レプラー、ダン、コーネル、バド、マイロンの9人はひそかに店から脱出しようとする。しかしカーモディとその他複数の信徒たちは起きていて入り口付近を見張っていたため見つかってしまう。カーモディがまた騒ぎ出してビリーを生贄にするなどと言い出す。銃を持っていたオリーは危険を感じ、カーモディを射殺してしまった。カーモディを失った信徒たちは大人しくなり、9人は外に出た。

駐車場の車に乗り込もうとするが、どんどん化け物たちが集まってきて、オリー、マイロン、コーネルの3人は死んでしまう。バドだけは命からがら店に戻った。結局、車に乗り込めたのはデヴィッド、ビリー、アマンダ、レプラー、ダンの5人だけだった。デヴィッドはこの時、オリーが持っていた拳銃を入手した。店内に残った人々は5人が乗る車を黙って見つめていた。

車に乗った5人はまずデヴィッドの家へと向かった。しかし家に一人残っていたステファニーは、薬局にいた犠牲者のように家の外壁にマユで張り付けられていた。デヴィッドはすすり泣いた。

その後ガソリンが切れるまで車を走らせたが、どこまでいっても霧は晴れなかった。今まで見たことがない超巨大な化け物が歩いているのも見かけ、5人は絶望を深めた。

そしてついにガソリンが切れて移動できなくなってしまう。5人は自決の覚悟を決めた。デヴィッドが持っているオリーの銃には4発しか弾が残っていなかった。デヴィッドは自分の分はなんとかすると言う。アマンダ、レプラー、ダン、そして息子ビリーに銃弾を撃ち込むのが車外から映されるが、直接的ではなく、ただ銃による閃光と音が聞こえるだけの演出だった。その直後に号泣するデヴィッドの声も聞こえてくる。

4人を殺したデヴィッドは自暴自棄になって外に出て「さあ来い化け物!」と殺される覚悟を決める。
しかしその時現れたのは軍の戦車だった。そして救出された人々が乗る車。その中には町が霧に覆われた直後に店から出て行った女性もおり、彼女は無事に自分の子供を保護していた。
徐々に霧も晴れてくる。軍の力により異次元世界の化け物は制圧されつつあったのだ。あとほんの少しだけ待てば助かったというのに、仲間、そして自分の息子まで殺してしまったデヴィッドは力なく膝を落とし「そんな…」と呟いた後、自分が取り返しのつかないことをしてしまったことを後悔し、慟哭するばかりだった。

感想・評価

押しも押されもせぬ鬱映画、泣く子も黙るバッドエンド映画として有名となった2007年映画「ミスト」。視聴は二回目。

何せ有名作なので何を書いてもどこかに書いてある文章の二番煎じになるのだろうけど、これは「主人公っぽいけど実はモブ。モブにしては頑張ったがやっぱりダメだった話」だと考えるとしっくり来るなと、改めて視聴して感じた。
何せ、デヴィッドは異次元生物たちから身を守るためにただマーケットにこもるばかりで一切その問題解決には関わっていないのだ。

画面には映らないがこの作品の真の主人公はきっと軍に所属している者の誰かで、彼らは異次元生物が発生した間近で化け物たちと戦い、重火器はじめとした武器を駆使して数々のピンチを切り抜け、異次元の穴を塞いだのだろう。主人公は最初に店を出て行った息子を思う女性でも相応しいか?とにかくいわゆる「ご都合主義」や「主人公補正」のような見えない力は真の主人公に付与されていて、デヴィッドにはそれがなかった。無いにしては頑張ったが、最後の最後でただのモブであることが露呈し、最悪の結末を迎えてしまった。よく考えてみれば「異次元生物が出現してこの世が地獄と化かした」というとんでもない状態で、ただマーケットにこもって惑うばかりの男が主人公であるはずがない。それを無慈悲に突きつけている作品。そんな風にメタ的に考えると実に皮肉が聞いていて考えさせるものがある。

そして、あと数分、あと数分待てば一転してグッドエンドだったものを…!というラストはやはり衝撃的。だがそれはあくまで結果論。デヴィッドは人格的に出来ている人間だし、マーケット内での行動はどれも決して不適切ではなかった。一寸先は闇という言葉があるが、この作品のミストというのは町を覆っている「霧」と、人生の先の見えなさの象徴としての「霧」のダブルミーニングにも思える。正解だと思っても裏目裏目に出ることは誰しも経験があるものだ。予知能力など持っていない人間にとって未来とは常に霧がかっていて不確かなもの。結局は人生は運次第、星のめぐりあわせ。この映画はそんな無常さと無情さを教えてくれる作品かもしれない。

あと特筆したいのが、登場人物。あまり注目されないところかもしれないが、、人物がみんな個性的でマーケットの中でワイワイガヤガヤやるのでなかなか賑やかな作品でもある。名つきの人物がなんと20人近くいるのだ。この点もなかなか稀有な作品だ。田舎の人間関係を外から眺めているような気持ちになってくる。これを楽めるのもこの作品の魅力だと思う。いつも書いている登場人物解説もこの作品だといつも以上に大変だが、一人一人の行動を振り返って書き記しているとなんか愛着が湧いてしまった。アマンダやカーモディやジムのようなメインにばかり目が行きがちだが、その他大勢の脇役にも目を向けてみると面白いかもしれない。

人物解説

デヴィッド

演:トーマス・ジェーン
映画のポスターを描いている画家として生計を立てている主人公。妻を残して隣人のノートンと息子のビリーとでマーケットに行き、その時発生した霧により店から出れなくなり、皆と共に籠城することになる。主人公らしい正義感や決断力を持っているが、最後の最後で決断を誤り、事件が解決しているにも関わらず愛する息子含む4人の同行者を殺してしまった。普通に考えれば結末直後に自殺していてもおかしくないがどうなったのか…。

アマンダ

演:ローリー・ホールデン
女性教師。ヒロインポジション。女性教師。子供に恵まれなかった。デヴィッドと違いカーモネイに同調する人間がそんなにいるわけがないと考えていた。良く言えば善人だが悪く言えば現実を見ない理想主義者。夫に護身用にと銃を持たせられていて、それはオリーに渡した。デヴィッドと共に最後は外に出てデヴィッドに撃たれて死んでしまう。

ビリー

ネイサン・ギャンブル
デヴィッドとステファニーの息子。8才。子供ながらに生き残れない可能性が高いと感じていたのか「僕を魔物に殺させないで」とデヴィッドに頼んでおり、それがどうしようもない結末を招いた。

カーモディ

演:マーシャ・ゲイ・ハーデン
過剰な信心深さを持った中年女性。マーケット内での状況が悪化するにつれて「これは神が人間に下した罰だ」と人々を扇動して自らの信者にしていった。自分に同調しないデヴィッドらを何かにつけ非難し、デヴィッドらがマーケットから脱出しようとした時にはビリーを生贄にするなどと言い出して暴動になりかけたので、危険を感じたオリーがカーモディを射殺してしまった。

ノートン

演:アンドレ・ブラウアー
デヴィットの隣人の弁護士。敷地の境界線でもめてデヴィッドを訴えたが敗訴した。裁判で負けたと恨んでいる。デヴィットが言う通り制止を聞かず外に出て助けを呼ぼうとする。同行したバンダナのバイカー男性は下半身だけになったので死んだのが明らかだが、ノートンがどうなったのかは一応不明。もしかすると生きている可能性もある。デヴィッドとは以前裁判沙汰になったために険悪だったが、ショッピングモールへ車に乗せた時には「助かったよ」とデヴィッドに礼を言っている。ここから関係は修復された可能性もあるいはあったかもしれない。

ノーム

演:クリス・オーウェン
マーケットの店員として働く若者。ジムにたきつけられて倉庫のシャッターを開けた時に死ぬ。籠城が始まってからの第一犠牲者。

ジム

最初はデヴィットに反感を持つ男性。しかしノームが自分のせいで死んだ後は大人しくなった。デヴィッドたちと共にジョーを救うため薬局に行ったが、そこで凄惨な現場を見ておかしくなり、カーモデイの信者に。いかにも死にそうなポジションだが生き残った。

レプラー

老いた女性教師。ジムなども教え子だったらしい。最後にはデヴィッドと共に外に出たがやはり車の中で自決を選び志望。

オリー

演:トビー・ジョーンズ
マーケットの副店長。一貫してデヴィッドの味方であり、相棒とも呼べる存在。実は射撃が得意でアマンダの護身用拳銃を持ち、化け物に対して何度も発砲して戦う。ビリーを生贄にしようとするカーモデイを殺害したのもオリー。しかしその直後外に出たところで化け物に殺されてしまう。

ダン

マーケット内に鼻血を出しながら入って来て「霧の中に何かいる!」と言い騒いだ男性。最後はデヴィッドたちと共に車で出るがアマンダ、レプラー、ビリー同様にデヴィッドに拳銃で撃たれて死ぬ。

バド

演:ロバート・トレヴァイラー
マーケットの店長。副店長のオリーを見下している節がある。デヴィッドと共に外に出るが脱げ惑って店に戻り、死ぬことはなかった。オリー、マイロン、コーネルはこの時死んでしまったし、デヴィットたちと共に言ったら拳銃自殺したかもしれないので、二重の意味で死亡を回避した。登場人物の中で最もギリギリで助かった人物とも言える。

マイロン

演:デヴィッド・ジェンセン
ジムの同僚。ジムとは違いカーモディの信徒にはならず、最後にはデヴィッドと共に脱出しようとする。しかしオリー、コーネル同様に化け物に襲われ死亡。

コーネル

演:バック・テイラー
車に銃を置いてあるという髭の中年男性。ほとんど台詞もなく出番は少ないがカーモディではなくデヴィッド側の人間。終盤でデヴィッドと共に外に出たが車に乗る前に化け物に殺されてしまう。

ウェイン

サム・ウィットワー
若き軍人。サリーとは恋人。薬局に行った後のデヴィットが話を聞いたところ、ジムに皆の前に引きずり出されて事情を話した。事情を話した後カーモデイの信者に刺されて外に放り出され、化け物に連れていかれてしまう。

サリー

演:アレクサ・ダヴァロス
ウェインの恋人。マーケットの店員。昆虫型に毒を注入されて顔がパンパンに腫れて死に、ウェインは泣き悲しんだ。

ジョー

昆虫型の化け物の襲撃の際に全身に火傷を負う男性。一思いに殺してくれとデヴィッドに頼むが、ジョーを助けるためにデヴィッドは薬局に行く決意をする。薬局に行った後にデヴィッドが眠りに落ちてしまった間に死んでしまい、その最期は映されもしない。

ボビー

ジョーの弟。薬局に行くが生まれた蜘蛛型の化け物の糸にやられてしまう。デヴィッドたちはボビーを引きずって救出しようとするが途中でボビーは死んでしまったのでそのままそこに置いて行った。その後は蜘蛛に卵を植え付けられのかもしれない。兄弟そろって無惨すぎる死に様。

ハティ

昆虫タイプに襲撃を受けた後に毒物を飲んで人知れず自殺していた女性。出番は少ないが、物静かで内省的な人物だというのはこの行動だけでもわかる。

バンダナの男性

バイカーファッションの男性。作中で名前を呼ばれているシーンはないような気がする。wikipediaでも「バイカー」になっている。ノートンと共に助けを呼ぶために外に出た。この時デヴィッドの頼みを聞いて腰にロープを巻き付けていった。戻ってきたのは下半身だけだった。

モラレス

ウェインの同僚の軍人。首をつって死んでいた。

ドナルドソン

同じくウェインと同じく軍人。やはり首をつって自殺。

異次元生物

触手側、昆虫側、コウモリ型、蜘蛛型、超巨大なものなど種類多数。いずれも人間を襲うのは共通。軍が山の上で行っていた「アローヘッド計画」というもので異次元との境界に穴が開き、そこから湧きだしてきた異次元の化け物。デヴィッドたちが自決を選んでしまったのは蜘蛛型が生きた人間に対して卵を植え付けて繁殖するというおそましい生態を目にしたからというのが大きいだろう。これを見ていなければあるいはデヴィッドたちの自決はいくらかでも遅まり、違う結末だったかもしれない。

ステファニー

デヴィッドの妻。デヴィッド、ビリーはマーケットに買い物に行ったので一人留守番をしていた。マーケットから脱出したデヴィッドらはまずこのステファニーがどうなっているのかを見に来たが、自宅の壁に固定されて卵を植え付けられて死んでいた。恐らくもっと時間が経ったら薬局のMPと同じように体内から幼虫が湧きだしてくる?

店を出て行った女性

演:メリッサ・マクブライド
息子が心配だと言って最初にマーケットを出て行った女性。いかにも死んだかに思わせるが、ラストシーンで霧が晴れた時に息子を抱いて軍の車に乗っている。もしかすると最も主人公に相応しい人物。この女性目線でのミストが実に見てみたいもの。

項目別評価

映画「ミスト」評価

語り草になるだけはあり、他に類を見ない異彩を放つ作品。グッドエンドと紙一重も紙一重のバッドエンドにはただ絶句するばかり。SFホラーとして見ても、エイリアンさながらの異次元生物の生態はなかなか恐怖的でおぞましい。

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