ネゴシエーター 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレ映画>ネゴシエーター

執筆日:2015年06月14日

評論

4日前くらいのBSで放送していたものを視聴。1997年、エディ・マーフィー主演動画。
個人的に、エディ・マーフィーは名前だけ知っていて出演作は見ていない俳優筆頭だ。ていうか改めて調べてみたら本当に1作品も見ていないっていうね。というわけでなんとエディ・マーフィー出演作を初めて見たということに。

ロス市警所属のスコット(エディ・マーフィー)は荒々しい性格で問題児扱いされている刑事だ。そんなこともあり元々付き合っていたロニー(カルメン・イジョゴ)にも愛想を尽かされ、現在は「元カノ」でしかないが、スコット自身はロニーをまだ愛している。
ある日、とある情報を元にスコットの親友であり相棒であるサム(アート・エヴァンス)が宝石強盗を計画している男コーダ(マイケル・ウィンコット)の元へ捜査をしにいったところ、サムはコーダに殺されてしまう。
親友を殺され怒り頂点のスコット。新たな相棒で元SWATのマッコール(マイケル・ラパポート)を得て捜査を続けるうちに、コーダが元々予定していた宝石強奪事件が発生。その後の路面電車を追っての豪快なチェイスの末、コーダを一度は取り押さえる。
しかしその後、コーダは面会に来た従兄弟に対して「スコットの女を殺せ」と指示。いやいやながらもその従兄弟は従ってロニーを襲うが、スコットの手により阻止され、そのまま事故で従兄弟は死んでしまう。
その件をスコットがコーダに伝えに来て、さらに「また俺の知り合いを襲ったらぶっ殺す!」とばかりに脅しをかけるが、コーダは「俺の従兄弟を殺した上に脅しまでした」と言ってさらなる復讐を行うことを宣言。
一方でロニーとよりを戻しつつあるスコットは浮かれながら二人でのタヒチ旅行を計画するが、その出発日に脱獄したコーダの手によりロニーがさらわれてしまう。
埠頭に一人で来いというメッセージをコーダから受け取り、スコットはその通りにするが、密かにマッコールが現場に同行し、狙撃手として建物の上に控えていた。
造船所において対峙するスコットとコーダ。ロニーを人質に取られピンチに陥るものの、逃走しようとしたコーダの車をマッコールが狙撃して爆発炎上。それでもしつこく今度はコーダはスコットが乗ってきた車で逃走を図るが、スコットが車に飛び乗り、パイプを足元に突っ込んで動けなくする。そのままアクセル全快でドラム缶に車は突っ込み大爆発。哀れコーダは豪快に火葬された。
エピローグとしてタヒチで優雅に旅行を楽しむスコットとロニーが映されエンディングへ。

すごく普通のアクション映画。犯人が最初から明らかで、しかも信条も何もない極悪人であるという点、こないだ見たジェイソン・ステイサム主演映画のブリッツと似ているかも。悪く言えばショボい映画かもしれない。強盗犯がいました。主人公は捕まえようとしました。捕まえたけど脱獄されて彼女を人質に取られました。でもなんやかんやで勝ちました。って話だ。
でも、演出面で少し感心されられた点もいくつかあった。上述のストーリーのあらましに書いたように、犯人であるコーダの従兄弟がロニーを襲いにくるシーンがあるのだが、ここではしつこいくらいに思わせぶりな演出をしてフェイントをかけてくる。BGMが不穏になって「襲われるのか!?」と思ったら襲われない、というのが2回あるのだ。いかにも鏡に従兄弟の男が映っていそうな演出をしておいて、映っていない、というのを2回やるわけだ。でもその後、コーダがロニーをさらうシーンでは逆にその現場は全く描かれず、いつの間にかあっさり難なく、ロニーはさらわれているのである。これがなかなか上手いと思った。「え?本当にさらわれたの?」という感じで意表を突かれて意外だったというわけだ。細かい点かもしれないけど、先が読める展開だとしても演出次第ではなかなか面白いものに出来るんだなあと思った。

それにしても、ブリッツ視聴後にも思ったことだが、敵対する相手がただの普通の極悪人というものだとなんとも薄味の映画になってしまうんだなと痛感できた。やはり、いかにもフィクション臭い「悪の組織」がアクション映画には定番であって、その方が娯楽性が増すのかもしれない。例えば組織の雑魚構成員とかを主人公がバッタバッタと倒していくことで爽快感があったりするわけだし。これとかみたいに単独犯を追い詰める話だとどうしても地味になるようだ。
あと、一応はバディものながら、マッコールに対してはほとんどキャラの掘り下げが行われない、「補充された相棒」でしかないのも若干物足りない。バディものって言えば普通はどちらも対等な扱いになるものだが、これだと相棒というよりは部下のような扱いに近い。まあマッコール役のマイケル・ラパポートという人がエディ・マーフィーと対等に扱われるほどのビッグネームではなかったということだろうかね。

ちなみにタイトルのネゴシエーター(交渉人)というのはほとんどタイトル詐欺と言ってもいいかもしれない。
一応、冒頭でスコットが人質をとった強盗を相手にネゴシエーションを行うシーンがあるし、スコットがマッコールにネゴシエーターのインストラクションを行うシーンもあったりするわけだが、別に物語の本筋に関わってはこない。ラストの造船所においてもコーダと交渉のようなものを行うには行うのだが、結局最後は実力行使というか力技で解決しているわけだし。見る前は純粋に交渉だけで見事に事件を解決するなりするのか?とも予想していたんだけどね。まあ話して分かるような奴が敵方でも拍子抜けだが…。

項目別評価

すごく普通のアクション映画、と言いたくなるが、展開がベッタベタだからこそ「来るか!?やっぱり嫁さん襲われるのか!?」と息を呑んでみてたのも確かであって。上でも書いたが緊張感を煽るための演出に緩急があってよかった。

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