ポンペイ2014 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレ映画>ポンペイ2014

執筆日:2017年12月21日

あらすじ・ネタバレ

オープニングが流れる中、ガラパゴス諸島プエルトビラミルでの平和な日常が描かれる。しかし突如火山が爆発する。現地の住民の夫婦とその娘の三人が車で必死に逃げるが、爆発に巻き込まれてしまう。

場所は変わってイタリアナポリ。
父ジェフ、母リン、娘ミカエラの三人は少しの間だけナポリに滞在することになっていた。ジェフの出張にリンとミカエラが着いてきた形。今回の商談がまとまればジェフは警備会社の社長になるということで、リンはジェフを鼓舞する。
ミカエラは女の子だが地質学に興味がある変わった子で、ナポリにあるポンペイ遺跡に早く行きたがっていた。

しかし最近は世界各地で火山が活発になっていた。冒頭のガラパゴス諸島の爆発もその一つである。そしてナポリには世界でも有数の活火山であるヴェスビオ火山がある。
ジェフが商談へ向かうためにリン&ミカエラと別れたが、その直後に大きな地震が発生する。ジェフは心配だからポンペイに行くなと言う。しかし興味を抑えられないミカエラは大丈夫だとジェフを言い聞かせた。しかしジェフは二人に対して万が一に備えて衛星電話を持たせた。

ジェフは商談へ、リンとミカエラはポンペイ遺跡へ。遺跡巡りはツアーに参加してのもので、リンとミカエラ以外にも観光客が多数いた。楽しんでいたリンとミカエラだったが、大きな地震がさらに立て続けに起き、ついにはヴェスビオ火山が大爆発してしまった。

商談中のジェフは妻と子を案じ、迷わずポンペイへ向かうことを決意する。しかし火山が噴火した今それはムリだと周囲の人間は言う。リンもジェフに電話をかけて「危険だから来ちゃダメよ」と言う。ついに火口からは溶岩流が流れ出した。

ジェフはポンペイへ向かおうとするが手段がない。カルロという、NATO所属の人間に接触してなんとかならないか相談する。ジェフもかつて軍人であり、軍にパイプがあったのだった。

遺跡のツアーに参加していた観光客たちは多くの火山弾がふりそそぐ中逃げ惑っていた。ミカエラの誘導で遺跡の地下内部へと避難し、ひとまずは難を逃れた。

ジェフは政府に掛け合ってどうにかできないかと相談するが却下される。しかしカルロが自分の部下3人をジェフに貸してくれるように手配していた。三人の名前はそれぞれケーン、ケイド、アニタ。ケーンとケイドは男性、アニタは女性。全員がジェフと顔見知りである。

一方のミカエラたち観光客一同はずっと地下に隠れているためにもいかないので移動することにした。ミカエラが言うには次は高熱の熱波が襲ってくると言う。そうしている間にも少しずつ人々は火山災害の餌食になり死んでいった。

ジェフたちはNATOのイタリア駐屯地へ行きヘリを盗み出す計画を立てた。忍び込む最中にカルロの部下の一人ケーンが狙撃を受けたがヘリの強奪には成功、ジェフたち4人はポンペイへと向かった。

ミカエラたち一行は牢屋のある頑丈な遺跡の中に入って熱波をやり過ごそうとした。しかしメンバーのうち4人は「さっきはミカエラの言う通りにしても危険だった」と言って出ていってしまう。ミカエラは「1902年のマルティニーク島の噴火でただ一人生き残ったのは投獄中の囚人だった」と言った。
そうしてついに熱波が発生。外に出ていった4人は超高熱の熱波に焼かれ即死した。ミカエラたちはなんとか生き残ることができた。

ヘリを盗んだジェフたちの後をカルロが追いかけてきていた。カルロはジェフたちに警告をするが、「民間機がいる、策戦中止だ」などと体裁を繕ってジェフたちをわざと見逃した。ジェフはリンとミカエラに渡した衛生電話にはGPSがついているのでそれをあてにして二人の位置を探し出すことにした。

ミカエラたちは土石流から逃れるために博物館内部へと逃げていたが、今度の脅威は火山ガスだった。重曹を水に染み込ませたマスクを即席で作ってなんとか耐えていた。

ついにジェフたちはミカエラたちがいる博物館に来た。ふさがっている入り口を爆破してついにジェフ、リン、ミカエラは対面した。しかし、ケーンが操作してホバリングさせていたヘリに火山弾が直撃して墜落してしまった。さらに火山弾によりケイドも死んでしまtった。

脱出する方法がなく、建物に迫ってきた溶岩にも追い詰められて絶体絶命となった一行。さらに火砕流も襲ってくるので地下へと逃げ込んだ。時速700キロで襲い来る1000°以上の火砕流をなんとかやり過ごすことができた。しかしヘリを失った以上脱出するには別の救助を待つしかなくなってしまった。だが今度は地下に溶岩が流れ込んできた。やむなく再び屋上へ出る一行だが、今度は途中でアニタが溶岩に飲まれてしまった。

溶岩は留まることを知らず、屋上にまで流れ込んでくる。もはや絶体絶命だったが、そこにカルロが運転する軍用ヘリがやってきた。「これで貸し借りは無しだ」とジェフに言うカルロ。火山弾が飛んできてカルロの肩を貫いたが一命をとりとめる。

全てが終わった後、抱き合う家族三人。「もうイタリアはこりごり」とジェフに言うミカエラ。ニュース放送で「噴火は甚大な被害を与えたがポンペイ遺跡はまだ残っています」というキャスターの声が聞こえて終劇。

感想・評価

ある程度で映画を観る人間ならば、「タイトルの後に西暦年がついている作品」を見れば「ああこれは…」となるだろう。つまり「低予算のバッタもん」である。一番有名なのはアルマゲドンだろうか?「間違って手に取る人間もいるだろガハハ!」みたいなコンセプトを隠そうともしないのはある意味清々しい。とはいえ、原題はそれぞれ違うんだよね、あれらって。勝手に1つのシリーズみたいにされる作品群はなんか不憫でもある。

このポンペイ2014もその例にもれずバッタもんであり、そうするとうさんくさい西暦年のつかない「ポンペイ」という作品ありきの作品ということになるだろう。しかしそっちの「ポンペイ」は観たことがない。wikipediaで調べてみるとなんとそっちはローマ帝国が支配する時代の話だという。どうやら、ヴェスビオ火山が噴火するという点以外に共通項はないらしい。

そして肝心の内容に関してだが…。うん、期待を裏切らない低予算作品だなあって感想以外特に言うことはない。一番最初のガラパゴス諸島での噴火で一家が巻き込まれる際の演出や、熱波に巻き込まれるモブたちの演出、CGがしょっぱくて、この辺で特にそれを感じられる。

ナポリで父親ジェフだけ商談に行き、妻のリンと娘のミカエラはポンペイに行こうとして、そこで地震がなった時に大体の視聴者はおおまかな結末を予想するだろう。「窮地に陥ったリンとミカエラをジェフが助けに行くんだろうな。」と。はい、その通りになります。予想外なことは全く起きません。
展開が明快でも、溶岩に追われるという作品である以上、すぐそばにじわりじわりと溶岩が押し迫り追い詰められる緊張感なんかを楽しめればと期待していたのだが、そういうシーンは最後の最後にしか存在しない。演出されるのは博物館に溶岩が押し寄せるごくわずかなシーンのみだ。これが特に残念だった。

昔、ロードショーでトミー・リー・ジョーンズ主演の「ボルケーノ」を何回か見たが、あっちはそういうシーンが多くて面白いんだよなあ。溶岩に飲まれた電車の中に救命士が乗り込むシーンが特に印象的だった。そういう、溶岩と相対するエキサイティングなシーンというのはこの「ポンペイ2014」には存在しないのだ。

ということでまかり間違っても良作とは言えない低予算作品。観るならばそれを覚悟した上で観よう。

人物解説

ジェフ

出向の多い父親。ビジネスマンとして商談をまとめるためにナポリに出張してきた。「商談がまとまれば世界的な警備会社の経営者になる」というリンの発言はあるが、つまりどういう立場なのだろうか、と何度か見返してみたがよくわからない。警備会社の社長、でいいのだろうか。とりあえずレスキューが仕事であるのは確かで、肉体的にも精神的にも屈強。かつでは軍人だったらしく、カルロを砂漠で救出した。

リン

ジェフの妻。娘と共にツアーに参加したが娘と違い火山の知識はなく、特に目立った活躍はない。逃げ惑う途中足にけがを負う。

ミカエラ

準主役と言っていい人物。地質に興味がある、ジェフとリンの娘。火山爆発後は火山に関する知識を活かして活路を見出す。このミカエラがいなければ観光客一同は確実に全滅していた。

カルロ

ジェフの知り合いのNATO軍人。ジェフにカンダハルで借りがある。25年前砂漠で立ち往生していたところをジェフに助けられたらしい。そのためジェフに色々と手を貸して、ヘリが盗んだのも見逃す。さらに最後にはヘリを失い孤立したジェフたちを助けに来てくれた。ジェフたちを乗せた後に火山弾に肩を貫かれて重傷を負うが、生存。そのケガの手当をする時「モルヒネを使えよ!」と執拗に要求してコメディリリーフを演じる。いいキャラしている。

ケーン&アリタ&ケイド

カルロがジェフに貸してくれた部下。NATO所属。アリタのみ女性。口ぶりからかつてジェフと共に仕事をしていたらしい。ケイドは火山弾直撃、アリタは博物館内に流れ込んだ溶岩に足を取られて力尽きる。つまり生き残ったのはケーンだけ。ジェフの家族のために二人の命が失われたのは悲しい。

項目別評価

冒頭で父親と母子が別れて地震が起きたシーンで多くの視聴者が無意識に浮かべるであろう展開がそのまんま待ち受け、一切予想外なことは起きません。よく言えば期待は裏切らない、か?

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