プレデターズ -凡人の感想・ネタバレ-

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執筆日:2015年11月09日

ストーリー・ネタバレ

冒頭、ある男がパラシュートをつけたまま落下している途中で目を醒ますところから物語は始まる。
なんとかパラシュートを開き事なきを得て着陸するとそこは深いジャングル。周囲を散策すると他にも何人か人がいた。
メンバーは最初に落下した男ロイス(主人公ポジションだが最後までずっと自らの名前を名乗らない)、女性スナイパーのイザベル、麻薬組織メンバーのクッチーロ、ロシアのスペツナズであるニコライ、日本のヤクザのハンゾー、婦女暴行の前科のあるスタンズ、シエラレオネのRUG(革命統一戦線)メンバーのモンバサ、そして一人だけ戦闘能力を持っていない医師のエドウィンの8人だ。

8人は全員が空から落下してきた身だった。とりあえずあてもなく散策する。空を見上げると明らかに地球の空ではなく、ここで彼らは異星に何らかの目的で自分たちが放たれたことを理解する。さらに、散策すると死後数週間経っている人間の遺体も発見。見たこともない獣が複数匹襲ってくる。各々が手にした武器でなんとか撃退するも、クッチーロが獣にやられてしまった。

7人は皮を剥がれた何かの遺体が吊るされた、何者かの拠点らしき場所へたどり着く。そこには1体の異形の生物が拘束されていた。まだ生きている。突如モンバサが何者かに殺害される。周囲には光学迷彩により姿が見えない複数の生物が。慌てて逃げる6人。なんとか崖から飛び降りて逃げ切った。
ロイスはイザベラがその生物について知っている様子であることを見抜き、詰め寄るとイザベラは話し始めた。1987年、とあるジャングルで特殊部隊6人が謎の生命体と遭遇、一人を除いて全滅をした事件についてだ。これは初代プレデターの話であり、生き残った人物というのは初代主人公のダッチ(アーノルド・シュワルツェネッガー)のことである。イザベラの情報により、この生命体、プレデターは赤外線センサーにより視認することなどを知る。獣のような生物はプレデターが猟犬のように使っている生物だ。

ロイスはこの話を聞いても臆することなく、策を練って撃破すると意気込む。
役立たずな医師のエドウィンを囮にして獣の1体を撃破することに成功する。がしかし、イザベラのスナイパーライフルで仕留めたと思いきや別の何者かが同じタイミングで倒しただけだった。何者かが周囲にいると警戒すると、プレデターがロイスの背後に。しかしそれはプレデターの面をかぶった地球人の男、ノーランドだった。

ノーランドに案内されて、ノーランドがねぐらとしている朽ちた宇宙船へとたどり着いた一行。
そこでノーランドに事の真相を聞く。プレデターには二種類がいること。先ほどモンバサを殺した奴らと、そこで拘束されたいたものだ。拘束されていたものは他のものより体が小さく、ノーランドによれば犬と狼のような違いだという。拘束されていたものは初代プレデターに登場したもので、他の大きなものはそれより強いのだ。
そして連れてこられた地球人はプレデターの狩りの対象として選ばれてこの星へ連れてこられたのだった。プレデターは狩りを楽しむ種族なのだ。狩りは「シーズン」単位で行われており、獲物が消えたらまた新たに連れてこられ、プレデターたちと戦う、ということがずっと繰り返されていた。ノーランドは10シーズンほども生き残ってきた人物だった。ロイスはプレデターの宇宙船を奪って脱出することを画策する。

一通り話を聞いたところでとりあえずそのまま朽ちた宇宙船で休む一行。ヤクザのハンゾーはそこで業物の日本刀を発見する。それは古いもので、つまり少なくとも数百年前からこの「狩り」は行われていたのだった。
しかし、ノーランドが宇宙船の出口を締め切り、6人を殺そうとする。6人も増えたら自分が食っていくための食糧が確保できなくなると考えたため、一行を殺すことにしたのだ。ここでロイスが扉を破壊するために火器を使うが破壊できず、しかしそのおかげで外にいたプレデターが彼らの位置を察知した。

なんとか宇宙船の外へ出ようとするが、やってきたプレデターによりノーランドはあえなく死亡。そして道に迷ったエドウィンを助けようとして戻ったニコライは1体を道連れにして自爆した。
さらにたたみかけるように他のプレデターもやってくる。ちっぽけなナイフしか持っていないスタンズは脊髄を引っこ抜かれて死亡。ハンゾーは草原で一人残って宇宙船で入手した日本刀でプレデターと戦い、相打ちになる。これで2体のプレデターが倒されたが、まだ1人残っている。
残ったのはロイスとイザベラとエドウィンだ。エドウィンがトラップにかかって走れなくなったのでロイスは置いていくことを提案するがイザベラは拒否。一人でロイスは拘束されていた小さいプレデターのところへ行き、開放する代わりに宇宙船の使い方を教えてくれと頼む。拘束を解いてやるとなんとか話を理解してくれたようなので男はその場を去り、宇宙船のところへ。小さいプレデターは大きいプレデターと戦うが、やはり戦闘力が劣るためか首を切断されて死亡してしまう。

一方イザベラとエドウィンは罠に引っかかってプレデターに囚われてしまった。深い穴の中に入れられて脱出ができない。そしてそこでエドウィンの本性が明らかに。彼は連続殺人鬼であり、この環境が気に入ったのだという。植物の毒により動きがとれなくなったイザベラ。そこにロイスがやってくる。宇宙船は小さいプレデターのおかげで飛び立ったが、大きいプレデターの手による爆破された。しかしロイスは結局それに乗りはしなかったのだ。
二人を助けるロイスだが、背後からエドウィンが襲い掛かる。イザベラは体がマヒして喋れない。しかし事前に彼の危険性を察知していたロイスは反撃。逆に毒ナイフを食らってエドウィンは動けなくなる。

エドウィンを囮にして残る1体のプレデターを誘い込む作戦を行うロイス。身動きのとれないエドウィンにはロイスにより手榴弾が仕掛けられており、大爆発でダメージを与えるが、まだ倒せない。赤外線で見ていることを逆手にとり、周囲に炎を発生させて視界を妨害しつつ戦うロイス。絶体絶命のピンチになるも、イザベラの射撃により助かり、そこでロイスが畳みかけてついに残る1体のプレデターを倒した。
生き残ったロイスとイザベラ。ここでようやくロイスはイザベラに自らの名前を名乗る。

最後のシーン。上空からコンテナがパラシュート落下してくる。次のシーズンが開始されるのだ。
ロイスが「さあここから脱出するんだ」と言い。幕切れ。

感想・評価

今まで、感想文はどうも自分のお固い文体もあって抑揚がないと感じていたので、今回からは大太字とか使ってメリハリをつけていこうと思う。
なんか宣言するのがすごくダサいが。なんてことはないよくある手法だが、←こんな感じで笑いどころとか、強調したい部分とかに使っていく感じだ。

日曜洋画劇場で見た今回のプレデターズだったが、日本VS韓国戦の野球のせいでなんと開始されたのが23時すぎだ。途中から月曜洋画劇場になっていたということで、きっと全国のプレデターファンをやきもきさせただろう。かく言う自分も、野球はもう日本が圧勝だったんでスコアが4:0くらいになったときから「もうプレデターズやってくれよ」と願っていた。
それはそれとして感想だ。

どこかの謎の星に連れてこられた殺しに優れた地球人たちがプレデターと戦う!
その発想はなかったわ、と板尾嫁がコメントしそうなこの映画。結論から言うとかなり好きな映画である。愛すべきバカ映画。そんな評価がふさわしい。
今回の視聴は二回目だが、初回視聴時もだったがやはりこういう突っ込みをしたくなる。

なんでそんなにヤクザが別格扱いなんだよ!
って。

見直してみると、タイマンでプレデターに勝ってるのってヤクザのハンゾーだけなのだ。
主人公のロイスもイザベラの援護がなければ死んでいる。つまり相打ちとはいえ単独でプレデターを倒しているヤクザが作中一番強いと言っていい。(ニコライも相打ちではあるが完全なる捨て身の自爆なのでノーカンで)
米兵、スペツナズとかと同等以上な扱いの日本のヤクザで今回もやはり爆笑してしまった。日本人じゃなきゃ普通に見過ごしてしまう部分なのかもしれないが。こういう日本文化を勘違いした映画って日本人だと笑えるからお得だ。ヤクザとプレデターの一騎打ちになる草むらのシーンに入った時点ですでに爆笑したからね。「ああここだよ!ここで一対一で戦うんだよな!」って。監督はそこまでウケ狙いってわけでもないんだろうけどなあ。いわゆるシリアスな笑い、作り手はマジでやってるのにギャグになっているという、漫画の「彼岸島」的な笑いがこの作品にはある。そこが最大の魅力なわけだが。ヤクザはそれまでにも妙に寡黙で思わせぶりだったり、ノーランドのアジトで発見した業物の刀をみて「ややこれは!」って食いつくのも笑える。日本人だから日本刀と邂逅させたというその安直さ、頭の悪さがたまらない。ヤクザが何かするたびにいちいち笑ってしまう。強キャラ的な雰囲気を漂わせつつも、武器はベレッタ一丁で他の火器持ちメンバーよりも貧弱っぽいのもなんか笑いを誘う。

ヤクザのハンゾー以外のキャラも、8人もいるのにそれぞれキャラ立ちがよく、視聴を続けていると愛着が沸く良メンバーである。主人公にしちゃ冷血気味のロイス、紅一点かつ最も良識人のイザベル、頼りになるロシア人ニコライ、ムードメーカーでありながらうぜえと思いきや最後には男を見せるスタンズ、実は殺人鬼だったエドウィンなどなど、濃ゆいメンバーがそろっている。イザベル除き割とろくでもないメンバーであるがゆえにいい意味で退屈しない。ロイスは他人を信頼せず冷酷気味であるがゆえに名前すら最後まで名乗らないが、イザベルと助け合い、死線を超えようやくラストで名乗りあい信頼を築くというのも、地味ながら悪くない構成。荒唐無稽な映画だが、殺人鬼であるエドウィンを除き、ほとんどのキャラに好感を持てるようになっているのが何気に良い点。特に、下品でうるさいスタンズも死に様は格好いいところがポイント高い。高木渉が吹き替えやるこの手のキャラは割としぶとく生き残ったりするのが定番な気がする。声のせいか不思議と憎めないし死んでほしくないと願ってしまうんだよね。

プレデターは新旧いるが、やはりどこか愛嬌のある旧デターはちょっと可愛い。エイリアンVSプレデターとかでもラスト付近の共闘シーンでは主人公と一緒に走ったり逃げたりしててなんか茶目っ気があったが、今回も囚われた旧デターは助けると協力者になってくれる。見慣れてしまうと旧デターはなんか可愛いのだ。そして目が吊り上がってる、今回敵方として登場の新デターは全然可愛くない。終盤の対決では旧デターを殺しやがってちくしょう!と思ってしまった。

まとめると、酒でも飲みながら気軽に見る娯楽映画としてとても優れている。日本人ならより笑えるので3割増しでお得。そんな作品。また記憶が薄れてきた3年後くらいに洋画劇場でやってほしいもんである。

項目別評価

特にヤクザ関連で爆笑してしまう愛すべきバカ映画。日曜洋画劇場ではこういう作品こそ重点的に流すべき。この映画見るのは二回目だが、日本人でお得だったなあと今回も思った。それと、1の顛末を語るシーンがあったり、ラストバトルでの身体に泥を塗っての戦いがあったり、初代リスペクトを感じられるのも良い。

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