シャイニング -凡人の感想・ネタバレ-

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評論

古今問わず感想を書く、というサイトではあるのだが現状、ラインナップが全く持ってそろっておらず、主に近年の作品ばかりなのでこの作品だけ浮きまくるのだがとにもかくにも感想だ。

ジャックニコルソン主演のシャイニング。1980年の映画である。映画自体は見たことがなくとも、ジャック・ニコルソンが狂気の笑みを浮かべているパッケージだけは見たことがある、って人も多いのではないだろうか。まさに見る前の自分のことなのだけれども。いわゆる古典作品の部類だろうが、興味が出たのでレンタルしてみてみた。

内容としては、コロラド州の山中にあるホテルの管理人をすることになった妻子持ちの小説家のジャック・トランス(ジャック・ニコルソン)が、閉鎖された空間の中で徐々に精神を病み狂気に走る、という内容。
なぜ狂気に走るかといえば、一言で言えばこのホテルは呪われたホテルなわけで、悪霊のようなものに魅入られてしまったためだ。
それで最後には妻や息子を殺そうとするのだが、まあなんやかんやで殺されることはなく、逆にジャック自身が広大な雪の迷路で凍死してしまうという末路。

1980年の作品ということで今(2014年)見ても面白いのだろうかという不安はあったが、実際のところは普通に楽しめたという感じ。空間をもてあました無駄に広いホテル内部というのはそれだけで雰囲気があるし、要所要所で現れる過去の亡霊の演出も普通に恐かった。
ただ、これは他のレビューを見てもよく書かれていることだが、ジャックが狂気に走るまでの過程の描き方が薄いようには思った。これが、原作者のスティーブン・キングは気に食わなかったらしいが。確かに、映画だけ見て原作を知らない自分が見ると「まあ、なんか狂ったんだな」というくらいにしか思えないわけで、具体的にどういう意味があって妻子を殺そうとするのか、その解説がもっと必要な気がした。

個人的に、何よりインパクトあったのが、冒頭でも触れた狂気の笑みを浮かべるジャック・ニコルソンのシーンである。自分の嫁さんが閉じこもっている部屋の扉を斧を使って壊し、破壊された扉の隙間から顔を出して「Here's Johnny!」と言うシーンだ。そして破壊した部分から手を入れて内側からカギを開けようとするのだが…。
いやてっきりこの後、さあ見せ場だとばかりに狂人っぷりを発揮すると、見るまでは思ってた。何せこのシーンはこだわって190回も撮り直したのだというし。しかし実際のところ、このパッケージにもなっていて、しかも190回も撮り直したというこのシーンの直後、妻が持っているナイフで切られてジャックは退散することになるのだ。
これを見たときは思わず噴出さずにはいられなかった。あんなに悪そうな顔した直後、アウチ!って感じで引っ込んでしまうのだよ?いや、ナイフで切られてるんだからそりゃ痛いんだけども。あまりに拍子抜けでこの映画で唯一笑ったシーンだったのである。

シャイニング(映画)

絵はちょっと誇張入ってます。

項目別評価

主人公がなぜ凶行に走るようになるのか、見ててもうちょっと分かりやすくしてほしかった。まあそういう話は置いておき、オフシーズンのがらんとしたホテルの不気味さを楽しむ作品だろうか。

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