ザ・エッグ 〜ロマノフの秘宝を狙え〜 評価 -凡人の感想・ネタバレ-

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執筆日:2015年8月22日

ストーリー・ネタバレ

huluで見た聞いたこともなかった映画。しかしまたモーガンフリーマンが出てますよ奥さん。主人公はアントニオ・バンデラス。自分にとっては名前は聞くけど知らない人、というくらいの俳優さんだ。

ストーリーとネタバレ解説。
まずガブリエル(アントニオ・バンデラス)という男が宝石商の男を追いかけていくシーン、そしてそれを追うリプリー(モーガン・フリーマン)が。
ガブリエルは電車内で宝石商の男を脅し金とダイヤをせしめ、そのまま逃走する。リプリーはその一部始終を見ていた。

ガブリエルがダイヤを換金しに来たときにリプリーが現れる。そして「美術館から4000万ドル相当の宝石インペリアル・イースター・エッグを盗む」とガブリエルに共謀を持ち掛ける。最初は訝しむも、ガブリエルはその話に乗ることにした。
だが一方で、リプリーを長年追いかけているNYウェーバー警部補(ロバート・フォスター)が息巻いていたのだった。

リプリーと打ち合わせをしている中で、ガブリエルはアレックスという女性と出会う。彼女はどうやらリプリーの友人の娘だ。リプリーはアレックスの面倒を見てやっているので「近づくな」と釘を刺されるが、ガブリエルは構わず口説き、一晩を共にしたのだった。

目的のエッグは美術館の奥にある金庫にある。リプリーとガブリエルはまず視察をした。金庫へと入っていった美術館の人間の襟にカメラを設置して内部の様子を覗き見る。それによると、目的のものがある金庫には特定の人間の掌紋とそれとは別の人間の声紋が必要。さらにそれを突破しても内部には赤外線センサーがあり、さらに金庫は8桁の暗証番号が必要である。

リプリーと深い話をすると明らかになったことがあった。リプリーはどうやら殺されたアレックスの父親のヴィクトルの借金の肩代わりをしており、それを返すため、ニッキーというロシアンマフィアから命じられて卵を盗もうとしているのだという。

ウェーバー警部補の元へ「もうこれ以上深入りするな」という通達が入る。どうやら、美術館の金庫内にはロシアからの盗品があり、それに目を瞑ってもらうために美術館側が警察へ莫大なわいろを提供しているという事情だからだ。だが、ウェーバーは構わず捜査を続けると意気込んだ。

ニッキーに呼ばれたリプリーとガブリエル。「なぜ卵がほしいのか?」とガブリエルがニッキーに聞くと「自分の祖先が卵を作った。だから自分に所有権がある」とニッキーはいう。そしてすぐに卵を盗んでこないとアレックスを殺すと二人を脅す。ついに決行となった。

壁を掘って美術館の地下へと侵入し、さらに監視カメラをいじって静止画を映し続けて監視を欺き、収集した掌紋と声紋を使ってセキュリティを解除し、さらに貨車を使って赤外線センサーを回避し、超音波装置によりセンサーを無効化させる。そして金庫には穴をあけて内部を覗き、番号が合っているかどうかの確認をしつつ総当たりで番号を入力していく作戦に。
セキュリティシステムは1時間ごとに更新されるため、すべてを一時間で行わなければならないが、残り数分のところで金庫も開けて見事内部へ。

だがここでガブリエルがリプリーに銃口を向ける。そして驚愕の事実を語る。「自分はウェーバーの指示で動いている刑事である」と。だが、アレックスへ惚れ込んでいるのは本当であるので、卵を持って一人でニッキーのところへ行く目論見だ。1時間が過ぎ、リプリーは金庫内部に残ったままで、ガブリエルだけが卵を持って美術館を後にした。

ガブリエルは卵をニッキーに渡し、無事にアレックスを助ける。そしてニッキーを確保したのだが、ガブリエルが見たニッキーとは別人だった。そして、ガブリエルが見たニッキーはどうやらヴィクトル、つまり死んだはずのアレックスの父親=リプリーの親友だった。
さらに、リプリーを釈放するように動いた弁護士はアレックスだった。
つまりリプリー、ニッキー、アレックスの3人はグルであって、リプリーはガブリエルの刑事という正体にも気づいた上で共に行動していたのだ。

リプリーもニッキーも去った後、ガブリエルはアレックスを探していた。彼女との関係だけは偽りではないと信じていたのだ。
かつて彼女と会ったバーを連日訪れて彼女を探すが見つからない、がある日ついに出会える。そして「自分らの関係も本物じゃないのか?」とアレックスに聞くと、「本物だった」と答え、二人はキスを交わす。終幕。

感想・評価

主要人物は偽りだらけ、どんでん返しを3回か4回くらいやって驚かしてくれる映画である。
ガブリエルは刑事でしたー!と思ったらリプリーはニッキーと組んでましたー!と思ったらアレックスもリプリー側でしたー!そしてニッキー=ヴィクトルでしたー!という具合。

最初からずっとガブリエルもリプリーも偽り続けていた、ということになるのだが、じゃあガブリエルはリプリーにスカウトされることも見込んであんな強盗のような真似を?さすがに無茶じゃ?それにリプリーがガブリエルを知っていたということは、ガブリエルが実は刑事であるということまで知っているとガブリエルが考えるのが自然では?というように疑問がいくつか出た。大どんでん返しを演出するために細かいところは無視している感じだが、そこはあまり突っ込むのも無粋だし、展開としては面白かった。

が、ガブリエルが最後までリプリーへ一矢報いることもなく終わってしまうのはどうもすっきりしない。
全部してやられただけでガブリエル、刑事側が完敗。果たしてこれでいいんだろうか。ガブリエルはアレックスを捕まえて満足してるが、見ている分には振り上げた拳の矛先が見つからずに終わる、そんな印象。
モーガンフリーマンが最後に痛い目見る映画っていうとグランドイリュージョンがあったが、あれみたいにあからさまでなくとも、一矢は報いてほしかったなあ。逮捕するまでいかなくともリプリーの鼻をあかす何か、あったんじゃないだろうか。

それにしてもガブリエルだが、刑事だと明らかになるまではどうにも小物臭い。まず見た目がものすっごい三下っぽいし、冒頭で電車で何のひねりもない強盗をするとかいうのもあって、「こんなやつスカウトして大丈夫か?」と思ってしまう。実際確かに有能だったのだが。
そして刑事と明らかになってビシッとスーツを着るようになってからはそれまでの三下っぽい印象が消えて見えて別人に見えた。別人格を演じてたんだから、泥棒のガブリエルと刑事のガブリエルでは実際別人とも言えるのだろうが、見始めた頃と映画が終わった頃では全く違う人間のように見えて、面白かった。

泥棒の手法だが、どれもこれも泥棒劇としてはあまりにありがちで、プロセスは多いものの退屈だったかも。静止画とすり替える、指紋、声紋によるセキュリティ、赤外線を回避しつつ進む、どれもこれもがちょっとテンプレすぎた。合っているかどうかを視認しつつの総当たりでの数字入力、というものだけはなかなか斬新だったかも。

項目別評価

二転三転する展開は面白かった。が、結局主人公がしてやられっぱなしで、でも「女捕まえたからいいや!」ってなるのは正直どうかと思う。あんたはそれでいいかもしれんけどこっち(視聴者)は…。何らかの形で溜飲を下げてほしかった。

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