凡人の感想・ネタバレ>その他>世界名作劇場いろいろ比較
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2017年になってNetflixで世界名作劇場にはまってしまった。それで名作劇場には「主人公が不幸になる」「悪人と善人の対比が凄まじい」などの共通項があることに気付いたため、色々な項目から比較してみたくなったのでこんなページを作成。まだ4作品ほどしか見ていないのでこれからコンテンツは徐々に増えていく予定。
現在見たもの。
性悪の男でネロが風車小屋の犯人だと言って(実は犯人は自分)ネロに罪をかぶせて、これがネロの死の原因に。息子のアンドレも小心者であり何かとネロに意地悪をする。フランダースの犬の最悪役を挙げるなら間違いなくこいつ。
アロアの父親。序盤はまだネロに対する当たりはマシだが、おじいさんが死んだ後はネロをアロアの教育の妨げになっていると目の仇に。最終話では「自分を許すと言ってくれ」などと言いながら悔いる。
パトラッシュの元々の飼い主。パトラッシュをまさに奴隷のように扱い、瀕死に追い込む。そこをネロに拾われてネロとパトラッシュは文字通り終生の親友に。
ポッと出のキャラっで出番が少ないが作中最悪クラスの外道。母を亡くし一人で旅をするペリーヌが持っていた硬貨を偽物だと言って奪う。その後善人の兄弟のおかげでペリーヌはお金を取り戻せるが反省していない。ペリーヌではそこまであからさまな悪役は出ないこと、ペリーヌが最もつらい時期に遭遇するだけに際立っているキャラ。
ビルフランの姉の子、つまり甥。タルエルとほぼセット。自分がビルフランに気に入られようとばかりしていて悪だくみばかり考えるがペリーヌがビルフランの孫だと知ると完全に茫然として、工場を継ぐという企みを諦める。最終話ではペリーヌに食事に誘われるシーンがあり、フォローがある。バロンを撃つのが作中最悪の悪行だが、それも殺してはいないので結果としてはそれほどでもない。
ビルフランの工場の工場長。テオドール同様、ペリーヌの素性が明らかになる前はあからさまに冷たい。テオドール同様にペリーヌの素性が明らかになってからは会社を継ぐという野望をあきらめる。普段の振る舞いに関してはいくらかはテオドールよりマシ。テオドールとこいつは役割がかぶっていてほぼセット、1人のキャラのようなものと思ってもいいかもしれない。
直接コゼットを叱る事は少ないが作中最悪の人物であることは間違いない。結局強盗に身をやつし、開き直る。とにかく口を開けば金金金で、しかも1話からずっと出続け、どんどんろくでなし度も加速していくので非常に悪役度高い。
直接コゼットを叱るのはこっちの役目。15話くらいでコゼットがジャンに引き取られるまで延々とこいつの声を聞くことになるのでストレス大。元凶が夫だとしても視聴者としては、少なくとも序盤はこいつへのヘイトの方が大きくなる。
よくいるタイプの主人公に嫌がらせをする同年代女子。見た目は遊戯王あたりに出そうなデザインの美少女。コゼットが食べているパンを踏みつける所業が最もひどい。マリウスへの手紙を隠すのもひどいが、これは結局はマリウスに渡すことになる。初対面時はコゼットと共にブランコで遊んだりするのも切ない。元々が貧乏な家のおかげで自惚れは少なく常に劣等感に苛まれているため、ずーっと調子に乗っている公少女セーラのラゼニアよりはよほどマシ。
エポリーヌの妹で腰巾着であり、良くも悪くもクソガキ。メインとなるエピソードもなく、他の家族がよりろくでもないので影が薄い。
主人公コゼットではなくジャン・バルジャンに対する宿敵ポジション。職務に真面目な男ではあるのだが、コゼットの母ファンティーヌに対して無慈悲な言葉を投げつけ、そのショックでファンティーヌが死ぬことになるのでその一点だけでかなり悪役度高い。原作では死ぬが生存。いつまでジャンバルジャンジャンバルジャン言ってんだよ…他の奴追えよ…とか思ってしまうが、それだけにジャンが変わったことを認めるシーンではカタルシスがある。
ファンティーヌ編での悪役。見た目は美人デザイン。金を節約しているファンティーヌが気に入らずにつっかかりファンティーヌが解雇される原因に。
ゼフィーヌらともめたファンティーヌに対して市長の命令だと偽って解雇を言い渡した工場の監督を務める老婆。悪行としてはこれのみなのだが、ある意味ファンティーヌの死の元凶、つまりはコゼットの不幸の遠因とも言えるので悪役度高い。
コゼットで言うテネルディエ妻に相当するが、そちらと比べれば全然マシ。最初からアンへの情も見え隠れする。トーマス家編終盤では特にアンへの当たりは柔らかくなる。
飲んだくれのろくでなしだが、「アンに対しては腹が立ったことがない」と最初からアンへの態度は好意的。飲んで帰ってきた時にアンを怒鳴るシーンが1回だけある程度。むしろこんにちはアンでは一番いい味を出しているキャラとも言える。恐らく視聴者の多くが嫌いになれないキャラだろう。
最初から最後までアンへの態度は淡々としたもので、必要以上に辛く当たることもなく、かといって好意的にもならない。夫のケンドリックが死んだ時にプロポーズされた時を思い出し発狂してフェードアウトする救われないキャラ。
トーマス家時代のアンが通う学校の同級生。よくいる意地悪系女子。人望のあるアンに嫉妬して劣等感を持つが、アンとは和解する可愛げがあるのでエドナよりは全然マシ。雰囲気としてはセーラのラゼニアによく似ているが、比べものにならないほどマシ。
ミルドレッド同様にアンの同級生。最初はアンに意地悪するが、将来の夢を語るという話において父親と話してわだかまりが解けて以降はアンの友人に。ミルドレッド同様、アンとは和解し可愛げがあるので悪役度は低い。
ミルドレッドと似たポジションだが、厄介度は上。孤児院時代のアンに意地悪する。見た目だけなら作中一番美少女っぽいだけにギャップで余計極悪っぽく見える。一応アンとは和解するが、見送りの際に「さよならお人好し」と皮肉交じりの言葉を贈るだけで、最後まで仲良くなったというわけではない。
学院院長とかいう善人っぽいポジションにいながら守銭奴のろくでなし。地味な見た目のせいか性悪なのがやたら際立って本当に腹立つ。1話からずーっと見ることになるので嫌でも作中を象徴するキャラとなる。セーラが代表生徒に選ばれる前後ではセーラに感心して好意的。しかしセーラの父親が死んだ後はまさに蛇蝎の如くセーラを嫌う。父親へ宛てたセーラが書いた手紙が戻ってきた時「父親が死んだということがはっきりわかったでしょう?」などと言いながら薄汚く笑う。不幸な生い立ちがあったとか40話にして明かされるが、たっぷり40話も悪行を見続ければ、知るかそんなもん死ねババア!という感想しか出ない。最終話手前のの45話でようやく報いを受ける。
一貫してセーラに対しての物腰は柔らかく、悪人ではないがミンチンの言いなりの腰巾着。しかし45話後半ではっちゃけてミンチンに今までの鬱憤を「お姉さまのせいでセーラに恩を感じられることもなくおこぼれに与ることもなくなってしまった」とぶちまける。それを聞いてミンチンも号泣。この場面のために公少女セーラという物語はあってもいいのかもしれない。
典型的「主人公へ意地悪する系女子」。メイドのベッキーにも意地悪するので性質悪い。セーラの父親が死んだ時もほくそ笑んでいるので最悪クラスの意地悪っ子。最後の最期までセーラの不幸ばかりを願い続けた。ミンチン以上に「殺せるなら殺してええ!」となるキャラ筆頭。
セーラが死んだ後に悪辣なことばを吐きながらセーラに詰め寄りお前の父親に投資したと言うクソ野郎。登場する時間は限られるがミンチンと同等のクズ。だが、後でセーラが父親のことはを聞きに行った時は比較的まともになっている。
学院の台所担当。一貫してセーラに意地悪し続ける。イジメの程度はコゼットのテナルディエ夫婦と同等。つまりクズ。死ねばいいのに。
富豪の娘の少女だがネロとは親友。1話から最終話までずっとネロの味方。作品の清涼剤。
ネロと親しくなる兄弟。兄のジョセフはやんちゃだが、おぼれた弟のポールを、自身も泳げないのに助けに水に入ったネロに対して好感を持ち、以降は友達に。
ネロのおじいさんと親しい木こり。おじいさん亡き後はネロを気にかける保護者的存在になる。
似たポジションだとコゼットのガブローシュか。ペリーヌの弟分的存在になり一緒に旅をする。色々とペリーヌに協力してくれる。
マロクールの食堂の孫娘。マロクールに到着直後のペリーヌに親切にして以降ずっと友達に。一度だけ、ペリーヌに無視されたと勘違いして関係が悪くなるがすぐに改善。善人だが、この一件のせいでちょっと危うい印象もある。祖母や父も善良。
コゼットで言うガブローシュ、ペリーヌで言うマルセルの善良な少年ポジション。セーラおつきの御者。ベッキーやアーメンガードと違い登場は少ないがセーラやベッキーがおつかい先で世話になってるのが重要キャラになるので陰の立役者。
セーラの友人ポジションにはアーメンガードもいるが、そちらは弱くて頼りないため、ベッキーの方が親友ポジションとして重要。恐らくベッキーがいなければセーラは耐えられなかったろう。
セーラの友人だが、ラゼニアたちには頭が上がらない気弱な性格で頼りない。それでも過酷な状況のセーラにとっては重要な友人なのは間違いない。
フランス語の先生。クソみたいな大人ばかりのこの作品においては珍しいセーラに好意的な人物。だが27話ではラゼニアの告発のせいでミンチンにクビにされる。
そもそも原作の主人公なのだが、アニメではコゼットが主役。聖人とかそういう次元じゃないほどに善人。ジャベールが疑うのも無理はないほどにウソ臭いほどに善人。
テナルディエ家で唯一の良心。テナルディエ一家が夜逃げした後に独りでパリに渡り、路上生活者としてたくましく生きる。コゼットにとってまさに弟。原作では死ぬが生存。
孤児院院長。一見とっつきにくいが真面目で厳格なだけで非常に善人。院長なのに子供は苦手だが、行き場のない子供のために経済的に厳しくても子供を受け入れる覚悟を持っている。セーラのミンチンあたりとは対極に位置すると言える。
変わり者の卵売り。アンとの出会いをきっかけにメリッサとも繋がりが出来て結婚。無愛想だが普通に善人。アンに対しては一貫して味方。メリッサに対しては意地悪な言動をすることも多いがツンデレのようなもの。
トーマス家時代のアンが通う学校の先生。アンの賢さを見抜いて気に入り、学校に誘った恩人。気取らない性格でアンだけでなくすべての生徒を愛する教職者の鑑。
序盤は大きなイベントが特に発生せず、少々退屈。名作劇場史上最も有名な最終話、その手前数話は面白い。名作劇場の主人公たちがなんだかんだで最後は幸せになるが、ネロだけは死ぬ。そういう意味でオンリーワンな作品。
序盤、ロードムービー的な面があるので毎話出会いがあって退屈しない。マロクールに到着してからよりも序中盤の方が面白いと思う。祖父と出会ってからはある意味トントン拍子すぎるかもしれない。ペリーヌに対しては「もう早く名乗り出るべきでは?」と思ってしまうところもある。
12話あたりでセーラが奴隷扱いになるところから延々とセーラがいじめられる話。場面転換もほぼなく閉鎖的で、ミンチンもラビニアがネチネチネチネチ延々といじめ続けるのを30話以上も見ることになる。この2人をぶっ殺したくなるほど憎くなってくるため、正直、精神衛生上観るもんじゃない作品。主人公に不幸が降りかかるのが名作劇場の定番とはいえ、度を超えている。実は27話から一気に42話くらいまで飛ばし見した。この辺抜きにしても、簡単に言えば「金持ちって最高!貧乏って最低!」というようなもので、はっきり言って子供への知育としての意味合いが強い作品においてこれはどうかと思う。マジに。ラストでラゼニアが結局セーラに対して憎しみを抱き続けて終わっているのもなんだかなあ。悲惨さは最大級でありながら、ストーリーもよく出来ているとはいいがたい。一言でいえば「溜飲が下がるカタルシスが45話をおいてほぼ存在しない」というマゾでしか視聴に堪えない構成なのが問題である。
主人公がコゼットだけでなくジャンでもあるために構造が二層になっていて、他の作品より深みがある。コゼットがジャンに引き取られるシーンからの逃走劇は緊張感抜群。絵柄は萌え系だが、だからこそ今の時代の人間でも抵抗なく見れるはず。紆余曲折の末の大団円、1話と最終話の花畑のシーンでは切なくなる。くりかえすがジャンとコゼットそれぞれ主人公であるのが他にないもので面白い。個人的に最もお勧めできる作品。
アンのキャラクターが面白い。多弁で妄想癖があるというキャラでやや鬱陶しいと思えるところがありながらも非常に良い子なのでバランスが取れている。ハモンド家へ引き取られる時、孤児院へ送られる時の孤独や不安はアンとリンクして非常に心細くなること間違いなく、まるで視聴者自身が天涯孤独になったようなようにすら思えてくる。目が離せない。
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