アイ・スピット・オン・ユア・グレイブ2 -凡人の感想・ネタバレ-

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執筆日:2017年11月18日

あらすじ・ネタバレ

ニューヨークで暮らすケイティはモデルのバイトをしてみることにした。写真撮影をするバイトだ。現場にはアイヴァン、ジョージー、ニッキーという3人の男たちがいた。しかしそこに行くと服を脱げなどと言われる。そんなつもりはなかったケイティは気を悪くして帰宅した。そんなバイトに飛びついた自分が情けなくなり涙するケイティ。

写真はいらないと言ったケイティだったが、家にやってきたのはジョージーだった。その場は何事もなかったが、警戒するケイティ。
その夜ふと目が覚めると、ジョージーがケイティの部屋の中にいた。出ていけと言うケイティだったがジョージーはケイティを襲い、凌辱する。しかもその際、ジョージーはケイティの友人であるジェイソンを刺殺してしまう。

その饗場にアイヴァンとニッキーもやってくる。アイヴァンはジョージーの兄であり、弟が行った犯罪の証拠隠滅を図ろうとする。ケイティに麻薬を飲ませて別の場所へと移動させた。意識朦朧としたままケイティは運ばれた。

ケイティが気が付くとそこはどこかの地下室。しかも全裸で鎖につながれていた、ここではニッキーがケイティを犯し、水を欲しいというケイティに小○をかけた。
ケイティにジョージーが服を着せようとした時にスキをついてジョージーを昏倒させ、ケイティは逃げ出した。

外に出るとそこは見知らぬ町、どころか言葉が通じない外国。警官が匿ってくれて、そこがアメリカから遥か離れたブルガリアだということを知る。
警察署に連れていかれたケイティ。そこではアナという女性と出会った。彼女は暴行された女性を匿う施設の人間だと言う。大使館に連れていってと頼むケイティの頼みに応えたかに見えたアナだったが、なんと彼女はアイヴァンとジョージーの母親だった。ジョージーを殴って脱出したケイティに憤慨し、また悪夢の地下室に戻されてしまった。

地下室では今度はアナの夫がケイティに対して電撃を使った拷問を行う。地獄の苦しみを味わった上、放心状態のケイティに対してアイヴァンは「汚い女だ」となじった上に何度も殴打した。

アイヴァン、ジョージー、ニッキーの3人はケイティを埋めるための穴を掘る。ケイティを生きたまま棺桶に入れた上でその穴に放り込む3人。「こんな死に方は嫌だ」と棺桶の中で嘆くケイティ。すると床が抜け、箱が地下空間へ落ちて奇跡的に脱出することができた。
地下空間を進むと教会に出た。そこで出会った神父はケイティに対して食料や服、それに聖書を無償で渡してくれた。

自由の身になったケイティ。このまま大使館に行けばアメリカへ帰ることができるはずだが、大使館前で踵を返し、引き返す。
再び教会にやってきたケイティ。神父は深くは聞かなかったがケイティが何かから逃げていることは察する。「逃げ続けるのはムリだ」と言うとケイティは「逃げてない」と言う。彼女が去った後には聖書があり、「復讐」についてかかれたページが開かれていた。

そしてケイティは自分を汚した5人に対して復讐を開始した。一方神父は警察を呼んでケイティのことを話した。警官はケイティを保護した男だ。

ケイティが最初に狙ったのはジョージーだった。自分が落ちた地下空間へおびき寄せて不意打ちで遅い、立ったまま動けない状態にして、足や腹をナイフで切り裂いた後にそこに劇物を塗りたくって放置した。ジョージーだけはすぐには殺されなかった。

次に狙ったのはクラブで遊んでいたニッキーだった。まず薬を飲ませた後にクラブの不衛生極まりないトイレにおびき寄せた。薬のせいで動けないニッキーを、怖ろしく汚い大便器に顔を突っ込み窒息死させた。

次に狙ったのはケイティに電流の拷問を行ったアナの夫。背後から殴りつけて気絶させた後仰向けに拘束し、自分がやられたように電流攻めをした。執拗に痛めつけた後最後には感電死するまで放置した。

次に狙ったのはアナだった。アナが自宅の地下室に空いた穴(ケイティの棺桶が埋められて地下空間に堕ちた場所)に気付いたアナを背後から突き落とす。アナが気づくと、ケイティが入れられた棺桶の中におり、目の間には傷がひどく可能して死にかけているジョージーだった。半狂乱になるアナ。

一方アイヴァンも地下空間に気付き、ジョージーの元へ。ジョージーに近づいたところで背後から殴られて気絶させられ、やはり仰向けに拘束されていた。そんな状況でもアイヴァンはケイティをあざ笑うが、放置されていたジョージーはついに力尽きた。アナはそれをただ泣き叫びながら見ていた。

そしてケイティはリーダー格であるアイヴァンへついに復讐を開始した。性○に万力を設置してもてあそび、ついにはちぎれさせてアイヴァンは絶叫。
しかしそこに警官が現れた。ケイティに対して銃口を向けてケイティをホールドアップさせようとするが、まだ生きていたアイヴァンがケイティを後ろを取り殺そうとする。警官はアイヴァンを撃ち殺した。警官は「すまない」と謝った。物音のする箱を開けると怯え切ったアナがいた。

復讐を果たしたケイティがようやくブルガリアにあるアメリカ大使館へ、笑みを浮かべながら向かうのが結末のシーンとなる。

感想・評価

前作アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴの続編。前半では女性が男性に襲われ、後半は一転攻勢、復讐サイコー!って内容は前作とまるで同じだ。
しかし前作と違う部分は大きく3つある

まずは場所が都会であるということだ。前作は周囲に誰もいない人里離れたロッジで執筆活動をしようとした女性主人公が地元の男に襲われる、という話だった。しかし今作はモデル志望の女性が都会で監禁、気づくと外国にいるという話になっている。前作では「保安官に助けを呼んだと思ったらそいつも実はグルだった」という展開があるが、今回も同じように「警察に助けを呼べたので助かったと思ったら犯人の一人の母親だったので逆戻り」という、まるで同じようなパターンがある。これに関しては、田舎だろうが都会だろうが展開自体はほとんど同じなので実質的にはさほどの違いはない。

2つ目の違いは、主人公の異質感が前作より薄いということ。どういうことかというと、今回の主人公は復讐モードに入った時より人間らしく、前作ほどの化け物感がないのだ。そう、前作主人公のジェニファーはまさに、視聴者から見れば人間よりも「化け物」に見えていた。それは、暴行を受けてから復讐するまでの間が「空白」だったからだ。ジェニファーは暴行を受けてから逃げ出す際に川に飛び込んでおり、それからどう助かったのかもわからず、次に現れた時には復讐鬼と化していた。だからこそほとんどジェイソンなどのようなクリーチャーと変わらぬ異質感があったのだ。だが今作主人公のケイティは暴行を受けてから復讐するまでの間に空白はない。そのためあくまで「普通の人間が復讐している」ようにしか感じられないのだ。ジェニファーはほぼ化け物じみていたのに対して、ケイティは普通の人間として見てしまえるということだ。この点、視聴者としても前作の方がより主人公に戦慄を感じられたと思う。

3つ目の違いは描写のハードさ。何がハードかと言えばそれは、ケイティへの暴行とケイティの復讐の両方だ。前作よりかなりバイオレンスだ。前作は思えばどちらもあっさりめだったが、今作はより執拗で、長い。トイレに顔を突っ込まれるシーンや○○○破壊シーンは「うわあ…」となるので、前作よりもこの辺覚悟だ。

ただ、前作と構成自体はほぼ同じ。人の姿をした悪魔たちに復讐する様は相変わらず爽快だ。前作を楽しめたのなら今作も、外道たちがメッタメタにされる様を楽しむことができるはずだ。

人物解説

ケイティ

主人公。ニューヨークに住むモデル。美人だが金がなくネズミが出るアパートに住んでいる。バイトとして撮影モデルの仕事に行くが、そこでアイヴァン、ジョージー、ニッキーの3人と会ってしまい、ジョージーに目を付けられて悪夢が始まってしまう。ブルガリアに拉致監禁され嬲られた挙句に箱に入れられたまま埋められるが、底が抜けて地下空間に出たために助かった。前作主人公ジェニファー同様、復讐モード時には忍者顔負けの背後取り技術を持つ。これは神か何かが哀れんで与えた技術なのだろうか?ちょっとでも間違えば反撃に遭うというのによくやる。

アイヴァン

撮影メンバーのリーダー。ジョージーの兄。○○○損傷はリーダー格の宿命なのか、前作のジョニー同様に「男として」大変厳しい目にあう。さらにその後ケイティに反撃しようとしたら警官に額を撃ち抜かれて即死。ブルガリア語に堪能なことから、ブルガリアの方恐らく実家か。しかし自分の家の耐久度を知らなかったのが運の尽き。

ジョージー

アイヴァンの弟。最初にケイティを襲い、事件の発端となった。立ったままにされてから傷に汚物?劇薬?のようなものをぬりたくられる拷問を受けて死ぬ。アナはこのジョージーだけを溺愛しているような様子。

ニッキー

アイヴァンとニッキーの仲間?兄弟かもしれないが、見直してもこの辺り明確な描写がなかった。少なくともニッキーがアイヴァンやジョージーに対して「兄」や「弟」と言うシーンはない。
水が欲しいというケイティに排泄するという鬼畜の所業を行う。アイヴァンからやや軽蔑されている節がある。便所で汚物にまみれて窒息するという、ある意味人間として最悪な最期を迎える。しかしこの便所、「トレインスポッティング」に出て来る「スコットランドで一番汚いトイレ」にそっくりだった。

アナ

性的被害に遭った女性を保護する施設の人間だというが、実はアイヴァンとジョージーの母親。ジョージーを殴って脱出したケイティに憤慨し、息子たちの元に連れ戻した。アイヴァン曰く「親父にレイ○され続けた女」。ジョージーのことは溺愛している。今までに何人、女を夫に捧げたのか?とケイティに聞かれたが結局は答えなかった。ケイティの暴行に関わった人物の中では唯一生存。夫がとんでもないサディストで、アイヴァンの言葉からこのアナもその慰みになったことに疑いはなく、同情の余地はあるだろうが、家族を皆殺しにされて今後は悲惨な人生しか待っていないだろう。

アナの夫

名前が出なかったような気がするがアナの夫。つまりアイヴァンとジョージーの父親。電流で拷問するのが趣味らしい。アイヴァンは「アナは親父が暴行し続けた女だ」などといって母親と思っていないよう。おそらく最も邪悪な存在で、この父親ゆえにアイヴァンやジョージーも邪悪になったのだろう。今まで何人も女を拷問して殺していたらしい。

警官

ケイティがブルガリアの地下室から一時脱出した時に彼女を救出した警官。アナのことを呼んだのも恐らくこの警官だが、アナの本性は知らなかったようで、ケイティを預けてしまう。その後ケイティと会った神父から相談を受けてケイティを捜索。ケイティを殺そうとしたアイヴァンを射殺して「すまない」と謝るが、全て手遅れだった。

神父

地下室から奇跡的に脱出したケイティが辿り着いた教会の神父。彼女に事情は聞かず食料と服を施し、一緒に聖書も渡す。善人だが、直前に地獄を見たケイティは信用せず「近寄るな」と警告しながら話した。ケイティと2度目に会った時は彼女が復讐しようとしていることに感づき(聖書の「復讐」に関して描かれているページが開かれていたから)警官に相談する。

ジェイソン

ケイティと同じアパートに住む友人。ケイティがジョージーに襲われた時に声を聞いて駆けつけるが腹部を何度も何度も刺されて死んでしまう。

項目別評価

前作の続編として無難な出来。前半は主人公が暴行され、後半は反撃という構成はそのまま同じ。前作が楽しめたのなら楽しめるはず。ただし上に書いたように前作よりも復讐時の主人公の異質感が薄いのでその点考慮して点数は前作より低くなった。暴力描写はより激しいのでそこは覚悟しよう。

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