マイティ・ソー バトルロイヤル -凡人の感想・ネタバレ-

凡人の感想・ネタバレ映画>マイティ・ソー バトルロイヤル

執筆日:2018年5月10日

簡単なあらすじ・ネタバレ

ソーアベンジャーズ・エイジ・オブ・ウルトロン以来はインフィニティストーンを探すために行動していた。
故郷のアスガルドを滅亡させようとしているスルトを退治した後故郷に戻ると父のオーディンがいないため弟のロキと共に探しに行く。しかし寿命いくばくもなかったオーディンは息子二人と話すと消え去ってしまう。

そして現れたのはオーディンの最初の子である死の女神ヘラ。圧倒的な力に打ちのめされるソーとロキは別世界の惑星サカールに吹き飛ばされてしまう。

サカールでは主のグランドマスターと呼ばれる男が統治していた。彼は闘技者を戦わせる娯楽を催していた。ソーはチャンピオンとして君臨していたハルクと出会い、ハルクは人間状態のブルース・バナーに戻る。また、かつてアスガルドの住人だったヴァルキリーとソー以外の闘技者たちを味方につけて再度アスガルドへ向かう。

アスガルドはヘラによって制圧されつつあったが、ソー、ハルク、ヴァルキリー、ロキ、それに民たちを引き連れてヘラに抵抗していたヘイムダルらが決戦に挑む。
片目を失ったソーは真の力に目覚めてパワーアップするも、アスガルドから力を吸収するヘラはアスガルドがある限り不滅の存在だった。そこでソーはロキに「スルトの頭蓋骨を使ってアスガルドを滅亡させる儀式を行え」と指示する。復活したスルトは超巨大な姿となって剣をアスガルドに突き立てるとアスガルドはヘラと共に完全消滅した。

故郷を失い船で難民となったソー率いるアスガルド人。ソーは「地球へ向かう」と決意した。しかし最後にインフィニティ・ストーンを全て集めようとしているサノスの宇宙船と出会ってしまう。

詳細なあらすじ・ネタバレ

アベンジャーズ・エイジ・オブ・ウルトロンから2年。オーディンの息子であり異世界アスガルドの王子ソーは世界を滅ぼしかねない力を持つインフィニティ・ストーンについて探っていた。
現在のソーは灼熱の国ムスペルヘイムの王であるスルトを倒すためにわざと捕まっていた。スルトはアスガルドを滅ぼすラグナロクを起こしたいと考えており、「自分の頭蓋を永遠に燃え盛る炎の中に入れ込めば自分は山のように巨大化してアスガルドを亡ぼすことができる」とソーに語る。ソーはそんなスルトに打ち勝ち、頭蓋を叩き壊し、虹の橋ビフレストを使ってアスガルドへと持ち帰った。

アスガルドから他世界へとつながる虹の橋ビフレストの番人は以前はヘイムダルという千里眼の持ち主が担当していたが、今はスカージというソーが知らない男が番人だった。
また、ソーがアスガルドの城へと戻るとそこにはソーの弟のロキの像が立っており、ロキを讃える劇が行われているという妙な状態だった。オーディンもその場にいたが、それはロキが化けているものだとソーは見破ったのだった。前作の「マイティ・ソー ダークワールド」のラストでもロキがオーディンに化けていた。

ソーはロキにオーディンの場所を問いただす。ロキはニューヨークの老人ホームにオーディンを預けていたのだが、その老人ホームはすでに取り壊されてしまっていて、ロキにも居場所がわからなくなってしまっていたのだった。
そんな時、突然ロキが謎のゲートに飲み込まれて姿を消し、ソーもとある場所へと導かれる。そこは魔術師のドクター・ストレンジの館だった。彼は異世界の侵攻から地球を守る役目を持っているため、悪戯の神であるロキをニューヨークに連れてきたことを快く思っていなかった。ドクター・ストレンジはソーがオーディンを探していることを知るとゲートを開いてオーディンがいる場所へとゲートで案内する。その間ロキは30分間ゲート内で落下し続けていた。

ソーとロキがゲートに入るとそこは海が見える草原だった。オーディンは2人の息子と話して「民のいる場所こそがアスガルドだ」と教える。しかし寿命が尽きる寸前だったオーディンはその後に消滅してしまう。
そして現れたのは死の神のヘラだった。彼女はオーディンの第一子だが、ソーもロキもその存在自体を知らなかった。かつてオーディンの右腕として強大な力を振るったが、全世界を制圧しようとしたためにオーディンに封印されてしまったいたのだった。だがオーディンが死んだことで復活を果たした。ヘラはアスガルドそのものから力を借りるため、アスガルドがある限り無敵とも言われる存在だった。
ソーがムジョルニアを投げつけると簡単に破壊してしまう。そしてソーとロキがビフレストを使ってアスガルドへと戻ろうとした時ヘラも追ってきて、ソーもロキも虹の橋からはじき出されて別世界に吹き飛ばされてしまう。
ヘラはアスガルドへと到着するとスカージを自らのしもべにしてアスガルドを征服しようとする。ヘラが城の壁画を破壊するとそこにはオーディンがヘラを使って戦ったことを示す絵が隠されていて、オーディンがヘラの存在を無かったことにしたかったという意図があったことがわかる。

吹き飛ばされたソーが辿り着いたのは捨てられたものが集うという星、惑星サカールのゴミ捨て場だった。
そこで現れた女性はソーの首に電撃発生装置をつけて自由を奪ってソーをどこかに連れていってしまう。
辿り着いた先はグランドマスターという男だった。彼はサカールの主で、戦士を集めてコロシアムで戦わせるという娯楽を催していた。
実はロキもサカールに辿り着いていたのだが、口が上手いロキはグランドマスターに取り入って上手く立ち回っていた。

ソーは戦士として戦わせられることになるが、他の戦士のコーグらと出会う。彼らは隙あらばグランドマスターに反旗を翻したいと考えていた。
ソーをゴミ捨て場で捕らえた女性は実はかつてはアスガルドにいた女戦士ヴァルキリーだった。手を貸してほしいとソーは訴えるが、ヴァルキリーはヘラと戦った時に全ての味方のヴァルキリーを失うという悲劇を経験していたためにもうアスガルドに関わるのはご免だとソーに言った。

ソーは成り行きで闘技場のチャンピオンと戦うことになる。それはなんとかつてソーと共に戦ったアベンジャーズのメンバーの一人であるハルクだった。しかしハルクの状態だと知性が低いためにソーの言うことを聞こうとせず殴り合いの戦いになる。ハルクの圧倒的パワーに押されるソーだったが、ピンチに陥った時、真の雷神の力に目覚めてハルクを圧倒する。しかしハルクを勝たせたいグランドマスターが電撃装置を作動させて無力化させられてしまい、結局ハルクにやられて気絶してしまうのだった。

一方アスガルド。ホーガンをはじめとするアスガルドの兵士たちはヘラに勇敢に立ち向かうも、ヘラはたった一人で全滅させてしまう。そしてかつての自分の部下である死の兵士たちや巨大な獣フェンリスを復活させて手駒とした。
もはやヘラは完全にアスガルドを制圧してしまっていたが、かつてのビフレストの番人だったヘイムダルはアスガルドの民たちを率いてヘラたちの追撃から逃げていた。そしてビフレストを使うために必要な剣を盗み出してヘラが他世界へと移動できないようにして抵抗していた。

ハルクに敗北したソー。ハルクはアベンジャーズの乗り物であるクインジェットに乗って旅をしていて、それはゴミ捨て場に放置されていた。
これを使ってサカールから脱出しようとするソーだったが、クインジェットの通信装置に遺されていたナタリアの声を聞くとハルクは人間の姿のブルース・バナーに戻る。しかしこの時暴れまわってクインジェットは破壊されて使えなくなってしまう。

グランドマスターは闘技場のチャンピオンのハルクが消えたことで追っ手を差し向けていた。ソーはバナーと共に逃げまわる。ヴァルキリーは2人を発見するが、グランドマスターに伝えることはなく、ヘラを倒すために再起することを決意する。
こうしてソー、バナー、ヴァルキリー、そしてロキの4人はサカールから脱出してアスガルドへと戻ろうとする。惑星サカールにはワームホールがあり、そこに突入してアスガルドへ移動するという計画を立てた。
そのためにグランドマスターの宇宙船を盗むが、ロキの裏切りによりグランドマスターに見つかってしまい空中戦となる。しかしそれを退けてワームホールに突入しアスガルドへ。
ロキはというと反乱を起こしたコーグらのリーダーとなって別の船で遅れてアスガルドへと向かった。

アスガルドではヘイムダルが民を連れて逃げまわっていたがすでにヘラに追い詰められてしまうところだった。
しかし到着したソーはヘラと、ヴァルキリーは宇宙船を使ってフェンリスと戦い、バナーもまたハルクへと変化してフェンリスと戦い始める。
相変わらずヘラの力は圧倒的で、ソーは右目を失ってしまい窮地に陥る。しかしハルクとの戦いで見せた真の力を再び解放して破竹の勢いでヘラ軍を倒していく。
逃げ場がなくなってきたところで間一髪、ロキの宇宙船も到着してアスガルドの民たちはそれに乗り込む。スカージは今までヘラ側についていたが、船にヘラ軍の兵士が取り着いたところで正義の心に目覚め、二丁の銃を使ってそれを蹴散らす。だが、ヘラの投げつけた剣によりあえなく死んでしまうのだった。

ソー、ヴァルキリー、ロキの三人はヘラに立ち向かおうとするも、ヘラの力はアスガルドがある限り無限大であり勝ち目がない。そこでソーはスルトが言っていたアスガルドを亡ぼすための方法をあえて行い、アスガルドを消滅させてヘラを倒すという手段を思いつく。ソーの指示でロキは城の宝物庫にあるスルトの頭蓋骨を持ち、同じく宝物庫にある「永久に燃える炎」の中にそれを入れた。またこの時、宝物庫にあるインフィニティ・ストーンの1つスペース・ストーンをロキは密かに手に入れていた。
すると山のように巨大な姿となったスルトが現れる。そしてスルトは自らの剣をアスガルドの地面に深々と突き刺す。するとアスガルドは世界そのものが完全に消滅してしまう。ソーたちアスガルド人はそれを宇宙船から眺めて茫然とした。ソーは「俺は何をした?」と言うとヘイムダルは「民を守った」と返し、場所が問題なのではなく、民がいる場所こそがアスガルドだということをソーに諭した。
故郷を失って難民となったアスガルド人たち。ソーは「地球へ向かう」と言うのだった。

だが、ソーとロキは目の前に巨大な宇宙船が現れたのを目撃。それはインフィニティ・ストーンを集めようとしているサノスの船だった。アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーに続く。

感想・評価

マイティ・ソーシリーズといえばさあ今度はロキが何やらかすのかという点が何より期待できるのだが、今回なんとソーはそのことごとくを見破っている。実は一作目や二作目を見たのが前すぎてあんまり内容を覚えていないのだが、「マイティ・ソーといえばソーがロキに騙される話」という印象は持っている。ソーの弟、悪戯の神ロキの存在こそがマイティ・ソーの面白さにブーストをかけているのは間違いがなく、ロキこそがある意味シリーズの顔とも言えるのだから当然だ。だが今作のソーはもはややられっぱなしの以前のソーではない。飛行船に乗る前にロキが分身して警報を鳴らした時に全く驚かず、「信頼できると思った直後に必ず裏切る。読みやすくなってるぞ」と余裕たっぷりでロキに忠告する場面では思わず「おお〜〜っ!?」と声を出して感心してしまう。もうソーはただの筋肉バカではなく、柔軟さとしたたかさをも併せ持つアスガルドの王!なのである。

もちろん頭が良くなったからといって戦闘力は衰えるわけはなく、ハルクとぶん殴り合うシーンは今作一の名場面。確かアベンジャーズでもこの二人が戦うシーンは多少あったが、今回は真っ向からぶん殴り合うので大迫力。ソーはいつもムジョルニア持ちで立ち回っているのでハルク相手に太刀打ちできるのか?と疑問に思っていたが、ほぼ互角にやれていた。クリス・ヘムズワースは相当に鍛えているらしいが、それでもハルクとの腕の太さは3倍くらい違うので若干無茶にも思える。まあそんなことは気にしても仕方ないことだろう。ソーはバカ力持ちという設定で、素手でやりあってもハルクと五分なのだ。強い。

最後の決戦も見もの。こういう最終決戦って、やっぱり各人がそれぞれの強敵を担当するっていうのが熱い。ソーはヘラを、ヴァルキリーとハルクはフェンリスを相手に大立ち回りする。ついでにロキやコーグも参戦してきてごっちゃごちゃ。アスガルドの虹の橋の上での大乱闘は見栄えが良く爽快痛快!
前2作品やアベンジャーズを見ていないと話が分かりにくいのは難点ではあるが、今作単体で見ても楽しめる。オススメ。

人物解説

ソー

演:クリス・ヘムズワース
今作はアベンジャーズ・エイジ・オブ・ウルトロンの続き。宇宙の命運を左右する力を持つインフィニティストーンを探すためアベンジャーズからは離れ単独行動していた。サカールでヴァルキリーに電撃装置をつけられてからは何度も何度も痺れて無力化させられて情けない姿をさらすが、ハルクとの勝負では化け物のような戦闘力を見せる。今作はロキに一杯食わされるシーンというのは存在せず、全て看破している。一作目とは見違えるような柔軟さを身に着けているのが印象的。新たな力に覚醒もし、まさにオーディンの後継者として相応しい風格に。

ロキ

演:トム・ヒドルストン
ソーの弟であり悪戯の神。主役のソー以上に「マイティ・ソー」シリーズを象徴する存在。オーディンに化けてアスガルドを統治していた。ソーをからかうような場面は何度もあるが、どれも見破られており、特に飛行船に乗る前にソーを騙そうとしたのを完璧に看破されていたのが印象的。そしてソーから「成長しないならいつまでも悪戯の神のままだ」と言われてしまう。しかしその後はアスガルドで窮地にかけつけて民たちを救ったので、今作に限ればほとんど善役と言ってもいい。と思ったがオーディンを老人ホームに預けて、しかも居場所が分からなくなってたというのはかなりひどい所業か。ラストでソーの指示通りにスルトを復活させるが、この時にスペース・ストーンを城の宝物庫から奪っていた。

オーディン

演:アンソニー・ホプキンス
ソーとロキ、それにヘラの親。ロキによりニューヨークの老人ホームへ追放されるという散々な目に遭った上に、しかもその後老人ホームが取り壊されてしまってロキにも居場所が分からなくなっていた。ドクター・ストレンジの力で居場所は分かるが、もう余命いくばくもないために消滅してしまった。その後ソーの潜在意識の中に現れてソーが真の力に目覚めるきっかけとなる。その時ソーに「お前はわしより強い」と断言した。

ヘラ

演:ケイト・ブランシェット
オーディンの第一子であり、ソーとロキはその存在を知らなかった。かつてオーディンが若かりし頃にその右腕となって獅子奮迅の活躍をした存在なのだが、宇宙全体を征服しようと企んだため封印される。しかしオーディンが死んだことで復活を果たしでアスガルドを支配しようとする。

ヴァルキリー

演:テッサ・トンプソン
ソーが惑星サカールで出会った大酒飲みの女性。かつてオーディンがヘラと戦った時に勇敢に戦ったが、自分以外のヴァルキリーは全て死んでしまったため、戦いにうんざりして惑星サカールに落ち延びていた。惑星サカールではグランドマスターの部下となって、コロシアムで戦う戦士を集めていた。ソーの度重なる説得に応じてヘラ打倒のためソーの仲間になる。

ヘイムダル

演:イドリス・エルバ
以前はアスガルドの虹の橋ビフレストの番人だった。世界を見通す千里眼の持ち主。ロキがアスガルド統治した後は逃亡しており、ヘラ復活後は民を率いてヘラから逃げていた。サカールにいたソーに自分の千里眼を貸してアスガルドの様子を見せたりもした。非常に活躍しているのだがいかんせん裏方感が否めないのが残念。

スカージ

演:カール・アーバン
ヘイムダルがいなくなった後にビフレストの番人となっていた男。ソーとは面識がない。デスとトロイという重火器を持っている。ヘラがアスガルドを奪ってからは側近、処刑者となるが良心の呵責があったらしくその動きは重かった。そして最後の決戦時には意を決して民を守るため立ち上がる。しかしヘラの剣により貫かれあえなく死亡。他のキャラとの絡みがほとんどなく一人で悩み、一人で立ち上がり、一人で死んでいるのでなんか今作で一人浮いている。

ホーガン

演:浅野忠信
アスガルドの戦士。ヘラと勇敢に戦うもあえなく剣を突き刺されて死んでしまう。日本人俳優浅野忠信がハリウッド作品でも頂点にあるアメコミ作品に出演しているのは凄いと思うのだが、全く良いところがないのも残念。

項目別評価

映画「マイティ・ソー バトルロイヤル」評価

主人公の敗北、主人公の覚醒、集めた仲間を結集しての総力戦。実に王道でスカッとする話なのでエンタメ性十分。仮に前作や前々作を見ていなくても楽しめる。でも一応、前作のダーク・ワールドとエイジ・オブ・ウルトロンも見ておいた方がいい。

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