フィリップ・ブレーク(総督) -ウォーキング・デッド登場人物解説-

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人物解説

フィリップ・ブレーク(総督)

来歴

ウッドベリーのリーダー。ウッドベリー住民からは総督というあだ名で呼ばれる。一見理性的で落ち着いた人間のように見えて実は極めて利己的な性格。そういう性格になったのは最愛の娘がウォーカーになってしまったことがきっかけで元々は普通の男だった。刑務所に住むリックたちと対立し刑務所を奪おうとする。一度敗北してからは一人彷徨い、「ブライアン」と名乗って再起。再び真っ向からリックたちと戦うことになるが、再び敗れ、自分を慕っていたリリーにトドメを刺されることになる。

人物評

一見カリスマあふれるリーダーに見えて強い残忍性を抱えたリックたちの敵だが、娘や妻のことを話すときは人間らしさも垣間見える。 作中描写される範囲では一貫してほぼ悪人だが、昔から彼を知っているミルトンは「悪い男じゃない」と言い、総督自身も冷酷になった自らを「最初からこうなら娘は生きていた」と言っているため、作中で描かれない善い人間だったの時期が確かにあったらしい。しかしそれを差し引いても凶悪で攻撃的な性格は擁護できない。すべてを失いリリーに撃たれる末路は相応しい最期と言える。

関連人物

名前 解説
ペニー ウォーカー化した最愛の娘。ウォーカーになってもウッドベリーの自宅で拘束し娘として話しかけていた。
アンドレア ウッドベリーに流れ着いた彼女と男女として親しくなっていく。彼女への情は本物だが、自分から離反すると見るや始末しようとする。
ミショーン アンドレアと共にウッドベリーに流れ着いたが、アンドレアと違いフィリップに気を許さなかった。ペニーのウォーカーを始末してしまったため総督は彼女に深い恨みを持つ。
ミルトン 昔からフィリップを知っている男性。フィリップの指示の元動くが、間違っていると思えば反対もする。
マルティネス ウッドベリーではフィリップの部下。シーズン4で再会した時には別のグループを作っていたがフィリップはこれを乗っ取る。
リリー 放浪の末に出会った女性。男女の仲になる。
メーガン リリーの娘。実の娘のように可愛がるが、結末は残酷だった。

シーズン3での動向

3話

落下したヘリの墜落地点に来て転化した乗組員の頭にナイフを突き刺す。
付近に隠れていたアンドレアとミショーンを自分が統治する町ウッドベリーに案内して一時保護する。
2人が出ていきたいというので「止めはしない」と言う。アンドレアに町を案内する。
生き残ったヘリの乗員ウェルズから話を聞いて、乗員らは別のキャンプから来たことを知る。メルルにアンドレアから話を聞き出すことを命令する。
部下の研究者ミルトン・マメットから、ミショーンがやってたようにウォーカーの腕とアゴを切断するとウォーカーに攻撃性がなくなることを聞く。
アンドレア、ミショーン、ミルトンと4人で食卓を囲んで会話をする。アンドレアに町は安全かと聞かれると町の中が重要だ、安全を脅かすのは死んでも許さない、世界の終わりの後に俺たちはこれから再生すると語る。
ウェルズがいたキャンプへ向かい「迎えに来た」とにこやかに近づき油断させたところで周囲の仲間に一斉射撃させ、ウェルズの仲間を皆殺しにしてしまい物資を奪う。
ウッドベリーに戻ると皆の前で「キャンプはウォーカーに襲われ全滅していた」と嘘をついて物資を入手した大義名分を語る。
3話ラストは自宅に大量の首を保管している異常性を見せるシーン。その中にはウェルズの首もあった。

4話

ミショーンと会い出ていくのが残念だと話す。ミショーンが自分を怪しむがたくみに躱す。
町中でゴルフを楽しみながらメルルと話す。ダリルを捜すため外に出ることを許可してほしいと頼まれると必要な情報が揃ったら俺も行くと言って納得させる。アンドレアと話し妻は世界が終わる前の1年半前に死に、今は娘と二人だと身の上を話す。町を出ようとするアンドレアに別れを告げる。

5話

ウォーカー化した娘ペニーの髪をとかして愛していると言う。ペニーの頭に袋をかぶせる。
パーティで挨拶をして盛り上げる。
ミショーンが閉じ込めていたウォーカーを殺した後、彼女と話す。ミショーンはルールを破ったが腕は立つので引き入れようとするが刀の先を突きつけられる。
アンドレアを呼び出してミショーンの蛮行について止めさせろと指示する。
ミショーンだけ町を出ていき落ち込むアンドレアを慰める。
夜のパーティでウォーカーを囲んでの決闘を見て驚くアンドレアにストレス解消の娯楽として必要だと説明する。

6話

アンドレアが警備の役割を申し出たので許可する。しかしアンドレアが壁を越えてウォーカーを倒したので警備から外す。アンドレアを女性として気になっていることを話す。この世は戦うことが必要で、アンドレアは戦うことができる人間だと賞賛、アンドレアと体を重ねる。
メルルがグレンとマギーと会い、連れてきた報告を受ける。
コールマンの元へアンドレアを案内する。

7話

捕らえたマギーと話し刑務所の場所を聞き出そうとする。話さないので「服を脱がなければグレンの手を持ってくる」と脅す。上半身裸になったマギーがそれでも折れない。グレンとマギーを会わせてどちらかが話せと銃口を突きつける。屈したマギーが答える。
刑務所の視察に行くよう部下に命じる。

8話

ウォーカーになったペニーに音楽をかけながら(生前にペニーが好きだった曲?)語り掛ける。しかしまるで正気を見せないため怒鳴る。
刑務所にウォーカーを送り込んで皆殺しにする計画をメルルに語る。ダリルの身の安全は保障する。グレンとマギーは処刑するように指示。
リックたちの襲撃を受けて逃がさないようにと指示する。
家に侵入したミショーンがペニーを始末しようとしているところを見てやめてくれと頼み込む。しかし殺されてしまうので激昂しミショーンに組みかかる。水槽の破片で右目を突き刺され悶える。ペニーの遺体を抱いて涙を流す。
アンドレアから水槽のことを聞かれ、「あれを見て恐怖心を打ち消していた」と答える。
住民を集めて演説し、町を襲撃した人間をテロリストとし、メルルはその仲間だと言って処刑しようとする。

9話

ディクソン兄弟をすぐに処刑はせず、決闘させて勝った方を自由にすると言う。
リックの襲撃により結局は逃げられてしまい、ウォーカーの娘を始末され、右目を失い、7人もの死亡者を出したことで本来の非情さを表面に出していく。今更にアンドレアにグレンとマギーのことを話す。

10話

アンドレアが混乱する住民を前にスピーチして落ち着かせるのを見ていたのでいいスピーチだったと褒める。自分はリーダー失格、アンドレアが相応しいと言う。
ミルトンに会い、俺のために体を張るかと聞き、アンドレアを見張るように命令する。
その後突然刑務所付近に現れて銃撃、アクセルの頭を撃ち抜いて殺害する。その後トラックを突っ込ませて荷台に積んだウォーカーを刑務所内に入れる。その後自分たちは撤退する。

11話

リックたちとの全面戦争のために女子供も戦闘員にするとミルトンに言う。アンドレアに戦いをやめるように言われるが聞かない。アンドレアがリックたちの元に行こうとするので「行くなら戻るな」と警告する。
アンドレアが密かに刑務所へ向かおうとしているのをミルトンから報告されるが、泳がせるように言う。
ミルトンが連れてきたタイリースら4人を受け入れて歓迎する態度を見せる。
刑務所から戻ってきたアンドレアがあくまで自分の意思で戻ってきたと聞く。「ここが君の場所だ」と言って体を重ねる。

13話

アンドレアが指定したポイントへ行く。リックも呼び出されており、武装を解除するフリをするが密かに武器を机に張り付けていた。
アンドレアからは和解を求められ、リックから互いの領域を作ることを提案されるが「そちらの降伏しか認めない」と言う。アンドレアを追い出しリックと二人で対話する。持ってきたウイスキーを飲みながらリックに降伏を促す。妻が交通事故で死んだ時のことを話す。
最終的に「ミショーンを差し出せば水に流す」という条件を出し、2日後までに決めろと決断を迫る。
しかし街に戻った後マルティネスに「集合場所に集まったところでミショーン以外は全員殺せ」と指示する。

14話

鎖のついた2つの首輪をいじっている。
ミルトンがやってきてリックたちを殺すのは止めるべきと言われるが聞かない。
アンドレアに対して本心を隠しながら「明日はリックを説得するんだ」などと言う。
アンドレアが町から出たことをタイリースとサシャから聞く。冬の間中外にいたためアンドレアは弱っていると2人に語る。アンドレアが町を出る理由を聞き何か言ってなかったかと聞くが何もと答えられる。
アンドレアを自ら追う。ミルトンがアンドレアに全て話したことを知り怒る。
車に乗り一人でアンドレアを追う。アンドレアを廃屋に追い詰める。一緒に帰ろうと語り掛けるが、反応がないので武器を持って強行策に出る。アンドレアを発見するも、アンドレアの作戦で大量のウォーカーをけしかけられて窮地に陥る。しかしなんとか脱出してアンドレアに追いつき組み敷く。
ウッドベリーに戻ってきてマルティネスから捕獲場のウォーカーを焼いたと聞いたので、実行したらしいタイリースら4人を集める。ウォーカーは脅しに使うだけだと言う。燃やすのに使ったガソリンはどこで?と聞くがタイリースらは何も知らない風だった。
ミルトンと話し、捕獲場のウォーカーを燃やしたのはミルトンだと気付く。

15話

交渉地点にいたが、メルルが連れてきた大量のウォーカーが。メルルを見つけて痛めつけて銃で殺害する。

16話

ウォーカーを燃やしたミルトンを拘束して痛めつける。今の状態を娘が見たらどう思うかと言われ、「恐れるだろうが、最初からこうなら娘は生きていた」と言う。
ミルトンにアンドレアを殺せと命令するが、ミルトンに刃物で襲い掛かられる。しかし逆に殺害し、そのまま放置して転化したミルトンにアンドレアを食わせようとする。
住民の前で刑務所の連中を殺すと鼓舞するがタイリースとサシャは辞退すると言ってきた。2人が町に待機することを認める。
仲間と共に刑務所に攻め込む。しかしすでにリックたちは去った後だった。ハーシェルが持っていた聖書に「善を行った者はよみがえって命を、悪を行った者は裁きを受ける」という一文に線が入っているメッセージを見る。
通路を進んでいたところウォーカーを使ったトラップにかかる。仕方なく逃げ出すが、弱腰の仲間たちに怒りを爆発させて虐殺する。
アランから銃を向けられると彼も殺害してしまう。カレンだけは死んだふりで助かっていた。マルティネスとシュンパートだけを連れてその場を去る。この後は町にも戻らなかった。

シーズン4での動向

5話

5話のラストシーンで刑務所の外から様子を見ているのが映される。

6話

シーズン3の16話で敗走し住民を虐殺して以降、総督はマルティネスと放浪していた。しかしそのマルティネスも去る。
一人で誰もいなくなったウッドベリーに戻り、住宅に火をかけた。その後呆然自失になり髪と髭を伸ばして数か月放浪していた。
放浪しているとチャンブラー一家に出会う。タラ、リリー、メーガン、デイビッドの4人。一晩だけ泊まると言うとタラから変なことをしたら殺すと脅される。ブライアン・ヘリオットという偽名を名乗る。リリーから夕食をもらう。食事の後、皿を自分で洗えとタラに言われる。彼女らの境遇を聞くとデイビッドの世話を手伝わせられる。デイビッドからアパートの別室にあるボードゲームを持ってくるように頼まれる。風呂の中にウォーカーがいるのを見つけて倒す。そこにあった銃を手に入れる。ボードゲームを持ってきてデイビッドに感謝される。自分が持っていた妻と子の写真をリリーに見られる。リリーから食料を渡され銃を返されるが、もう手に入れたのでいらないと言う。ウォーカーを殺すには頭を撃てとアドバイスする。リリーから近くの老人ホームから酸素タンクを持ってきてくれるようにと頼まれる。
ウォーカーが徘徊する老人ホームへ入り探索。囲まれかけるが酸素タンクを複数調達してくる。メーガンと会話すると目のことを聞いてくるので「実は海賊なんだ」と冗談を言った後に「誰かを守るためだった」と真実を話す。メーガンにチェスを教える。
死んだデイビッドがタラに襲い掛かったので頭を酸素タンクで潰してタラを救う。デイビッドを外に埋葬する。
その後、家族三人で映っている写真を燃やす。自分たちもつれていってほしいというリリーの申し出を受けてリリー、タラ、メーガンの3人を連れて車で移動する。「生き延びられる?」というタラの質問にもちろんだと答える。夜の車内でリリーを抱く。
翌日車が故障したので歩いて移動すると大量のウォーカーと遭遇、メーガンを抱えて4人で逃げる。途中でウォーカーが入った穴に落ちてしまうが全て倒し、メーガンに「必ず守ってやる」と約束する。穴から見上げるとマルティネスが見下ろしていた。

7話

マルティネスに穴から救出される。マルティネスがリーダーであること、働くこと、この2つを守るなら仲間に入れていいと言われる。
物資調達のためにマルティネス、ミッチ・ドルゲン、ピート・ドルゲンの兄弟と4人で森に出る。そこで木にくくりつけられて「嘘つき」という紙と共に首の切られた遺体を発見する。その後は「レイプ魔」という紙、次は「人殺し」と書かれた紙の置かれた遺体。辿り着いた屋内を探索するとウォーカーがいたので倒す。首だけになったウォーカーも多数置いてあった。マルティネスがドルゲン兄弟にウッドベリーにいた頃の話をしようとしたので話を逸らすためにドルゲン兄弟の過去を聞く。
キャンプに戻った後、ゴルフの打ちっ放しをするマルティネスからシュンパートが死んだことを聞く。突然マルティネスを殴りつけてウォーカーがいる穴に落として「仕方がない、こんなことはしたくない」と言いながらもマルティネスを殺害する。
その後ドルゲン兄弟と狩りに出る。別のキャンプを発見する。狩りをしている間にそのキャンプが誰か別の人間に襲われ全滅するのを見る。
近くに危険な人間がいると知り、戻ってきたところでリリーたち3人を連れて逃げようとする。しかし道の上に大量のウォーカーがいたため車が通れず結局はキャンプに戻る。
キャンプに戻るとピートのところに顔を出す。不意をついて殺害する。
その後はミッチのところに顔を出す。「ピートのように正義を貫く者は仲間を危険にさらす」と言う。さらに「自分がリーダーだ。それを認めるなら善悪を判断する必要はないと約束する」とミッチに対して服従を促す。
リーダーとなってグループを仕切る。湖に捨てたピートがウォーカーとなって水の中から手を伸ばすのを無表情で見つめる。
その後一人で車に乗り刑務所付近まで来て、5話ラストに繋がる。刑務所の外で作業をしていたミショーンとハーシェルを発見する。

8話

ミショーンとハーシェルを捕らえる。グループの人間の前で演説して刑務所たちにいる人間たちのほとんどは悪人だと教え、ここを奪う計画を語る。2人の人質を使って誰も傷つかないように解決したいが、覚悟は必要だと語る。
ミショーンに「娘は死んでいた。今はそれがわかる」と言い、犠牲は出さないと言う。しかしそれでもリックとミショーンとはもう相容れないため共存を提案するハーシェルにそれは無理だと語る。「自分の娘を失う辛さを知って人の娘を殺すと脅すのか」とハーシェルに言われると「俺の子ではない」と返す。準備を整えて刑務所の前に。人質のハーシェルとミショーンを出してリックと交渉しようとする。リックに「日没までに刑務所を明け渡さなければ二人を殺す」と要求する。それでも刑務所で共に生きることを提案するリックにハーシェルに刀をつきつけて屈服させようとする。ハーシェルの首を斬りつけて殺害し、戦いが始まる。この際リックに片腕を撃たれる。かろうじて生きていたハーシェルにトドメをさし完全に殺害する。そこでウォーカーに噛まれて死んだメーガンを抱えたリリーを目撃する。ブライアンは悲しむそぶりも見せず、淡々とメーガンの頭を撃つ。
その後はリックと殴り合いをする。優勢になるも、ミショーンに後ろから刀で突きさされる。
瀕死で倒れていたところ、リリーに頭を撃たれて絶命する。

シーズン5での動向

9話

ウォーカーに噛まれたタイリースが見る幻として登場。「ツケは払わないとな、刑務所の地図を描いた、覚えているか?」や「愛する者を殺した女を許した結果がこれだ」と言ってタイリースを惑わす。

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